【夜会話】リューグ(トリスVer.)

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天来天竜様/山下祈月様

第3話 再会と別れ

リュ-グ
「あいつが、アメルを置いていくなんてな
とても信じられねぇぜ」
トリス
「ええ、あたしはてっきりアメルも連れて行くかと思ってた」
リューグ
「はッ!自分一人より、テメエらに任せといたほうが、安全だって考えたんだろうよ
あの野郎の、そういう妙に冷静なところが、俺は気にくわねぇんだ」
トリス
「でも、あたしたちは戦いを避けないって、ロッカに言ったのよ?」
リューグ
「戦うのは構わないが、アメルのことは絶対に守れっていうのさ
ったく、厄介な課題を置いていきやがって
とっととジジイを見つけて戻ってこい、バカ兄貴が…」
口ではああ言ってても、やっぱり兄弟なのね、二人は…

第4話 小さな召喚師

リューグ
「ネスティの野郎が腹立てるのも当然だな
テメエもアメルも、つくづく危機感ってものがねぇんだからな」
トリス
「うう・・・悪かったわよ…」
リューグ
「だがまあ、これはこれで別に構わねぇか」
トリス
「え?」
リューグ
「ニブい野郎だな?
あのガキの面倒を見るのに夢中になってりゃ、アメルの気もすこしは紛れるだろうがよ」
トリス
「ああ、そっか・・・」
リューグ
「アイツは俺たち三人の中で、末っ子みたいに扱われてたせいかよ
やたらと他人の世話を焼きたがるのさ、年下に対しては特にな
聖女にされちまってからは、そういう機会も減ってたからな
とりあえずは、好きにさせておくさ・・・」
アメルは、ミニスを妹みたいに思ってるのかもしれないわね

第5話 はかなき平穏

トリス
「結局、リューグが心配していたとおりの状況になっちゃったわね」
リューグ
「まあな…」
トリス
「けどさ、なんとか無事に帰ってこれたんだし、これはこれでよかったんじゃないかな」
リューグ
「そうじゃねぇよ、トリス
俺たちが無事に帰ってこれたんじゃねぇ
あのルヴァイドって野郎がな、俺たちを無事に帰したってのが本当だ
ハッ!見逃してもらったんだよッ!?忌々しいがな…
それを認めなけりゃあ、俺たちは今頃、ここにはいられねぇ…」
トリス
「リューグ…」
リューグ
「ナメられたんだよ、俺たちはあの野郎に
今でなくても、本気を出せばアメルを奪えると思ってやがる
許せねえ…絶対に許せねぇッ!
後悔させてやる・・・俺に時間を与えたってことをな…!」
見逃してもらった、か たしかにリュ―グの言うとおりなのかもしれないな…

第6話 彼女の決意

トリス
「すごいわよ、リューグ。黒騎士に一撃あびせるなんて!」
リューグ
「・・・・・」
トリス
「あれだけ毎日、練習してたもんね…
当たり前といえば当たり前かな?」
リューグ
「ハッ!なにが当たり前だよ?
俺はあいつを殺す気で向かっていったんだ
それがどうだ?カブトひとつを弾いただけで、傷ひとつさえつけられねェ!!」
トリス
「でも…」
リューグ
「ぶっ倒さなけりゃあ意味ねェんだよ…
じゃなきゃ、俺のやってることなんてなんの意味もねェ!!意味ねェんだよ…」
トリス
「リューグ…」
リューグのしようとしていることは、本当にただの復讐なのかしら?

第7話 波乱の港

リューグ
「今日のことは、まずヤツらの耳に入るだろうな…」
トリス
「ええ、あれだけ派手に立ち回ったら間違いないと思う
疑われる前に、早く出発しないと・・・」
リューグ
「ああ…連中の餌食になるのは俺たちの村ひとつでたくさんだ…
あんな光景は二度と見たくねぇよ、俺は…」
あたしたちの事情であの人たちに迷惑かけられないもんね

第8話 屍人の砦

リューグ
「あのガレアノって野郎、たぶん生きてるぜ」
トリス
「そんな!?だって、レナードさんの銃は命中したし、
あんなに高い砦から真っ逆さまに落下して無事なはずが…」
リューグ
「だが、死体は無かった」
トリス
「それは…」
リューグ
「それだけじゃねえ。アメルの身体から光が放たれた時にな、
あの野郎、死体と同じように苦しみやがった 俺たちはなんともねえのにな…」
トリス
「それじゃ、リューグはガレアノが人間じゃないっていうの!?」
リューグ
「はッ、それはお前らのような召喚師がお得意の分野だろうが?
素人のオレの考えだ。別に真に受けなくてもかまやしねぇよ…」
人間じゃなかったらガレアノはいったい何者なんだろう??

第9話 まだ見ぬ故郷

リューグ
「クソジジイがッ!!
どういうつもりであんなデタラメをアメルに吹き込みやがったんだ…」
トリス
「落ちついて、リューグ。それに、まだデタラメと決まっちゃ…」
リューグ
「はッ!この状況を見て、まだそんなことが言えるってのか?
つくづく、テメエもおめでたいヤツだぜ」
トリス
「リューグっ!?」
(叩く音)
リューグ
「くッ!」
トリス
「あ…!?ごっ、ごめん・・・」
リューグ
「ヘッ…キレイゴトだけを信じてちゃなァ…報われねぇんだよッ!
よォく、おぼえとけ…!」
それでも…あたしは信じたいのよ、リューグ…!

第10話 封印の森にて

リューグ
「これで、完全にジジイのウソが確定しちまったな」
トリス
「・・・・・・」
リューグ
「で、どうするよ?これから」
トリス
「とりあえず、デグレアの動きを調べてみるつもり
そのうえで、あいつらの手が出せない場所にアメルを連れていくわ」
リューグ
「そんな場所があるとは、思えねえがな…
最悪、作ってやるさ、この俺の手で…!」
たとえ黒騎士を倒したとしても、それで終わりじゃないのよ、リューグ…!?

第11話 処刑台の騎士

リューグ
「結局、あの騎士もまんまとハメられたってワケだ。あの野郎…ッ!
つくづく、ムカつくようなことばかりしやがって!!」
トリス
「でも、リューグ ビーニャが攻撃を始めたあの時…
イオスたちははっきりと命令違反だって叫んでた」
リューグ
「ハッ!そんなもの事前に芝居を決めておきゃあ、どうとでもなるだろうがッ!?」
トリス
「芝居…」
リューグ
「部下の暴走だってことにしちまえば、自分の名に泥をかぶる必要もねえ
あの野郎の考えそうなことだぜ…」
本当に、リューグが言うように芝居だったのかしら?

第12話 絶望の先へと

トリス
「リューグの予想してたとおり、ガレアノは生きてたわね?」
リューグ
「はッ!別に当たったところでうれしくもありゃしねぇ…
やっかいな敵が増えただけだからな」
トリス
「ええ…」
リューグ
「連中がバケモノを使って攻めてくるっていうのなら、俺もそれなりの覚悟で迎え撃ってやるさ
召喚術なんかに頼らなくても、人間は鬼になれるんだ…
それを、あいつらに思い知らせてやる
この俺の手でなッ!」
トリス
「リューグ…」
本当にそれでいいの?本当に…

第13話 祭りの夜

リューグ
「ハッ、祭りなんてガキじゃあるまいし」
トリス
「でも、リューグはこういう街の祭りって初めてなんでしょ
一度くらい、見といて損はないと思うけど?」
リューグ
「・・・・・・」
トリス
「アメルのことなら心配いらないって
フォルテやケイナと先に出かけたわ」
リューグ
「…稽古の相手だ」
トリス
「は?」
リューグ
「打ち込み稽古の相手を戻ってきてからやるって条件なら
テメエにつきあってやるって言ってんだよ」
トリス
「えいっ!ってあれっ?またハズレ…」
リューグ
「なにやってんだよ、テメエは」
トリス
「うるさいわねぇ。こう見えて、なかなか難しいのよ、輪投げって…」
リューグ
「難しいとかいうより先に、すこしは上達してみせやがれ」
トリス
「むぅう…、おじさん、もう一回!」
おじさん
「はい、毎度っ」
リューグ
「俺にも、一回分だ」
トリス
「えっ?」
リューグ
「テメエに任せとくと全財産すっちまいそうだからな…
いいか、よく見とけ?
…!」
トリス
「い、一発でとった!?」
リューグ
「手首を変にひねるから、明後日の方向に飛んでいっちまうんだ いいか?」
トリス
「ははは、リューグのおかげで大漁よぉ
しかし、輪投げが得意だなんて意外よね」
リューグ
「別に…大したことじゃねえ
村の子供はみんな森の木で作られたオモチャで遊ぶんだ
俺はたまたま、アレでよく遊んでた それだけのことだ」
トリス
「へえ…」
(花火の音)
リューグ
「…敵かっ!?」
トリス
「違うわ、リューグ
ほら、花火だって」
リューグ
「花火・・・」
トリス
「キレイでしょ?」
リューグ
「ハッ、まぎらわしい音させやがって…。てっきり、召喚術かと思ったじゃねえか」
トリス
「ねえ、リューグ…いつもそんなに張りつめてて、本当に疲れないの?」
リューグ
「・・・・・・」
トリス
「見ていて心配なのよ なんだか、今にも破裂しちゃいそうで」
リューグ
「余計なお世話だッ!」
トリス
「・・・・・・」
リューグ
「俺は、好きでこうして生きてきたんだ
今さら…変えられるかよ…」
トリス
「リューグ…」
リューグ
「さあ、お遊びの時間は終わりだぜ、トリス
早いとこ戻って、稽古の相手をしてもらうからなっ!?」

第14話 確かな想い

トリス
「アメルがアグラ爺さんの本当の孫娘じゃないってこと、
リューグは知ってたのね?」
リューグ
「薄々とはな…
もともと、ジジイの素性そのものが得体がしれねえんだよ」
トリス
「え?」
リューグ
「村の外から来たよそ者なのさ、あのジジイは
俺らの親が傷だらけだったアイツを山道で見つけて…
この村で暮らせるよう面倒を見たらしい
その恩があったから、親をなくした俺たちを引き取ったんだろうな」
トリス
「そうだったの…」
リューグ
「他に俺が知ってることと言えば、
アイツがかなりの武術の使い手だってことぐらいか」
トリス
「!?」
リューグ
「俺らの親が死んだのは、はぐれに襲われたせいなんだがよ
そいつを倒したのが、あのジジイだったんだ
あの時のことは今でもよく覚えてる
子供心にも、アイツがただのジジイじゃねえって思ったぜ…」
トリス
「それじゃあ、リューグに斧の使い方を教えたのも?」
リューグ
「俺だけじゃねえよ
バカ兄貴の使う槍も自警団の連中もみんな、あのジジイが教えたもんなのさ」
やっぱり、おじいさんはただの木こりじゃなかったのね!?

第16話 縛鎖を断つもの

リューグ
「結局また、テメエに頼っちまったな…」
トリス
「そんなことないわよ」
リューグ
「別に感謝なんかしちゃいねえよ
元はといえば、原因はテメエの先祖なんだ
ま…そのことでテメエを責めたりはしねえがな
こうなった以上、最後まで責任とれよ」
トリス
「へ!?」
リューグ
「二度とあいつを泣かすなって言ってんだよ
男の俺じゃ、役不足なんだよ…
これ以上、言わせるんじゃねぇ…」
トリス
「…わかった」
リューグ…なんだか、すこし寂しそうだったわね

第17話 影は歌う

リューグ
「黒の旅団のやり口には慣れてきたつもりだったがな…
ハッ!今日のはまた格別だったぜ…
ヘドが出そうなくらいになッ!!」
トリス
「リューグ…」
リューグ
「なあ、トリス。レイムって野郎がしたことも黒騎士の指図なのかよ…
レルムの村の時といい、トライドラでの戦いの時といい…
デグレアは汚いやり方でしか戦えねえ連中なのかよッ!?」
トリス
「わからないわ…あたしにも…
でも、ルヴァイドとレイムのやり方はどこか確実に違ってる
そんな気がするのよ、あたしは…」
リューグ
「・・・・・・」
もしかすると…デグレアも一枚岩じゃないのかもしれない

第18話 誰がための剣

トリス
「リューグは、いつからご両親が亡くなられた本当の理由に気付いていたの?」
リューグ
「変だと思ってたのはかなり前からさ
後にも先にも、あれから村をはぐれが襲ったことは一度もなかったしな
ジジイに原因があると疑うのには、そう時間はかからなかった」
トリス
「そっか…」
リューグ
「だから、俺は兄貴やアメルのようにジジイと接することができなかった
もしも、ジジイが俺らの両親が死ぬきっかけを作ったんだとしたら…
そんな奴に頼るのは間違いだって、ガキの頃から思ってたのさ」
トリス
「もしかして…リューグが強くなることにこだわりをもってるのって」
リューグ
「…そうさ
俺は早く自分の力で生きられるようになりたいと思っていた
それがねじまがってこんなカタチになったのかもしれねえな」
トリス
「今でも、そうなの?
本当のことを知った今、やっぱりリューグは
お爺さんと一緒にいたくないって思うの?」
リューグ
「・・・・・・」
トリス
「あたっ!?」
リューグ
「ハッ!?だったらとっととおさらばしてるだろうがよ?」
トリス
「リューグ…」
リューグ
「今の俺はもうガキじゃねえんだ…
ジジイの気持ちぐらいわかってやれるぜ
それにな…アメルやバカ兄貴をほっとけるかよ?」
トリス
「ああ…そっか?そうよね!?
リューグにしてみれば心配だものね?」
リューグ
「…あいつらよりもむしろ今は、テメエが一番心配なんだがな」
トリス
「へ?」
リューグ
「ハッ!なんでもねえよ
とに…ニブイ女だぜ…」
あたしが心配しなくてもリューグはとっくに自分で答え、見つけていたのね…

第19話 デグレアの闇

リューグ
「ハッ、まさか戦争をふっかけた親玉の街が、一番の被害者だったとはな…」
トリス
「黒騎士たちも、結局はあの三人の召喚師たちによって踊らされてただけだったのね
彼らもある意味で被害者といえるのかもしれないわね…」
リューグ
「だからって、ヤツらがやったことを水に流すつもりなんて、俺にはないからな?」
トリス
「リューグ!?」
リューグ
「だまされていようが村を焼き払ったのは間違いなく、黒騎士のやったことなんだ
ケジメはつけさせてもらうぜ…」
トリス
「この戦争は、もう意味のないものなのよ!リューグ!?」
リューグ
「わかってるさ、テメエらのやることに俺は最後までつきあう
だが、そこから先は俺とあの野郎の問題だ
誰にも、口は出させたりしねえ…!
たとえ、お前でもな、トリス」
トリス
「(ダメだよ…それじゃ、ダメなのに
それじゃまた、誰かが傷ついたり、悲しむだけじゃない!?)」
リューグの…わからず屋…っ!

第20話 知の略奪者

トリス
「ねえ、リューグ…」
リューグ
「なんだ?」
トリス
「アメルがあたしたちに背負われて帰ってきたのに、どうして平気でいられるの?」
リューグ
「はっ、なにを聞くかと思えばそんなことかよ」
トリス
「だって、前だったらあたしのこと、絶対にせめてたのに…」
リューグ
「あのなぁ…せっかく人が信用してやろうって思ったのをブチ壊す気か、おい?」
トリス
「へ…?」
リューグ
「おまえが手を抜いたから、あいつが倒れたわけじゃねえだろうが
そうだろ?」
トリス
「う、うん…」
リューグ
「だったら、仕方がねえことだったんだろうさ
あいつは自分よりも他人のことばっかり考える女だからな
守るほうの気苦労も考えねえでよ…
むしろ、誰かを守ろうとばかりしているんだからな」
トリス
「うん…たしかにそういう女の子だよね、アメルは…」
リューグ
「ガキん時は、もっとすごかったんだぜ?
バカ兄貴の真似して、俺のこと弟みたいに扱っててさ…
泣き虫のくせに姉さんぶって、いつも俺の世話ばかり焼いてやがった…」
トリス
「リューグ…?」
リューグ
「結局のところ、俺はあいつにとって
いつまでたっても弟でしかなかったってことだな」
トリス
「・・・・・・」
リューグ
「そして、俺もどこかであいつに甘えていたのかもしれねえな…
だが、それもそろそろ卒業するぜ
あいつは…アメルは、俺たちの母親じゃねえんだしな」
トリス
「リューグ…リューグは…アメルのことを…」
リューグ
「言うなッ!!
あいつにとって、俺は弟なんだよ…
頼む…これ以上、言わせるな」
トリス
「…わかった」
リューグ
「怒鳴ったりして悪かったな」
トリス
「ううん…あたしのほうこそ余計なこと、聞いてゴメン…」
リューグ
「ふっ切ったつもりだったんだがな
まだまだ、俺もガキだってことか…」
トリス
「そんなことないよ!リューグはあたしなんかよりも、ずっと大人だと思う…」
リューグ
「…はっ、相手が変わっても結局、やってることはおんなじかよ…」
トリス
「?」
リューグ
「さっさと部屋に戻って寝ちまえよ?
俺はもうすこし一人で、風にあたっていたいんだ…」
トリス
「う、うん…」
リューグの背中 なんだか、前よりもずっと広くなった気がするよ…

第21話 メルギトスの嘲笑

リューグ
「メルギトスに向かって斬りかかっていくあいつを見た時にな、
俺はようやく気づいたんだよ
どうして俺があいつを憎まずにいられなかったのかってことがな…」
トリス
「え?」
リューグ
「俺だったんだよ、アイツは
今の居場所がつらくて、力を手に入れれば、そこから逃げられると信じて…
必死にもがき続けた、ありのままの自分から目を背けてな」
トリス
「リューグ…」
リューグ
「ハッ!偉そうに仇討ちなんてお題目を掲げておきながら、
結局、俺はあいつを自分自信にみたてて憎んでただけさ
それがわかったらな、なんか…なえちまったぜ」
トリス
「そっか…」
リューグ
「ただ、そういう気持ちは別にしてもな
あいつとはきちんと決着をつけたかった 剣士としてな…」
黒騎士はやっぱりリューグにとって宿敵以上の存在だったのね…

第22話 真なる罪人

リューグ
「ハッ、真っ正面から悪魔にケンカを売って平然としてやがるとは
あのメガネじゃねえが、バカか?って言いたくなるぜ…」
トリス
「返す言葉もないわね、それについて…
でもね、リューグ。あたし、ああ言ったこと、後悔してないよ」
リューグ
「テメエのツラを見りゃそれぐらいのことは俺にだってわかるさ
止めたところで引かねぇって顔だぜ」
トリス
「リューグもね?」
リューグ
「ああ…ここまで来たら、もうやるしかねえだろう
最後の最後までつきあってやるぜ」
トリス
「リューグ…」
リューグ
「・・・・・・」
トリス
「え…?ちょ、ちょっとっ!?どうしたの、リューグ。 い、痛いよ…っ?」
リューグ
「こうでもしなけりゃあ、テメエは気づきもしねえからな…」
トリス
「え?」
リューグ
「一度しか言わねえぞ。俺は、テメエのことが好きだ…ッ!」
トリス
「!」
リューグ
「だから…守ってやる…他の誰にも傷つけたりなんかさせねえ
俺が、お前を守ってやる…ッ!」
トリス
「リューグ…、うん…っ」
リューグ
「ハッ…今日の俺はどうかしちまってるらしいぜ
テメエに、こんなこと言っちまうなんてな」
トリス
「・・・・・・」
リューグ
「とにかく…そういうこった!約束しろよ…お互い、生きて帰るってな!?」
トリス
「うん…」

エンディング

戦いは終わった・・・
源罪の嵐によってリィンバウムに混乱と破壊をもたらそうとしたメルギトスの最後の企みは
彼女の命がけの行動によって完全に潰えたのだ・・・
禁忌の森に隠されていた忌まわしき召喚兵器たちは永遠に抹消されて
そこには、今・・・一本の巨木がそびえている
聖なる大樹
人々が、その樹のことをそう呼ぶようになってから
二度めの季節が・・・巡ろうとしていた・・・
~聖地の森~
リューグ
「・・・トリス? なにやってんだよ?人をさんざん待たせやがって・・・
メシを食べたら外に出て待ってろって言ったのはお前だろ?」
トリス
「うん、ゴメン・・・うっかりしてたわ」
リューグ
「うっかりって・・・お前なあ・・・
ハッ!よくもそう毎日毎日、うっかりを連発できるもんだな
一緒に暮らしてる俺の迷惑も考えやがれよ ったく・・・」
トリス
「むぅ・・・ホントにゴメン・・・」
リューグ
「で、どうすんだよ?用事ってのは、やめにすんのか?」
トリス
「ダメよ!他のみんなが来る前にきちんとキレイにしてあげないと・・・」
リューグ
「だったら、さっさと道具もってついて来いよ
もたもたしてたらあいつを洗ってなんかいられねえぜ」
トリス
「ちょ、ちょっと!急ぐからさ、リューグ 待ってってばぁ!」
リューグ
「散らばってた落ち葉はまとめて、袋に詰めておいたぜ」
トリス
「ご苦労さま、リューグ
樹皮の痛んでる部分も処置したし、なんとかみんなが来る前に作業が終わったわ」
リューグ
「枝の間引きに、雑草の引き抜き・・・
お前の庭師っぷりもすっかり板についたな」
トリス
「ははははっ さすがに、二年近くもこうしてればね」
リューグ
「二年か・・・早いもんだぜ・・・
アメルのやつがこの樹になっちまってから、もうそんなにも経つんだな・・・」
トリス
「ええ、そうよね
聖なる大樹・・・ この樹がアメルだって知っているのは、多分あたしたちだけ・・・
あの時から、ずっと邪悪な魔力を吸収して浄化し続けているのも」
リューグ
「ああ、一日も休むことなくな・・・
ハッ、お人好しにもほどがあるだろうに ったく・・・
誰に感謝されるわけでもねえのに、損な役回りを引き受けていっちまいやがって
お人好しすぎなんだよ あいつは・・・」
トリス
「リューグ・・・」
リューグ
「もっとも、それに輪をかけてバカなのはテメエだがな・・・
聖なる大樹の護人 いったい、いつまで続けるつもりなんだ?
いくら待ち続けたってあいつが帰ってくる保証はねえんだぞ?」
トリス
「ええ、わかってるわ 本当はこんなこといつまでもしてちゃいけないって・・・
ネスみたいにあたしも、前向きになって生きないと アメルだって・・・悲しむもんね」
リューグ
「トリス・・・」
トリス
「でも、もうすこしだけ待っていたいの あたしは・・・」
リューグ
「ま、お前の人生だしな 俺が口を出すようなことじゃねえ
それだけ、はっきりと自分のことがわかってるなら、なおさらだ」
トリス
「ありがとう・・・リューグ・・・
でも、それはキミも同じなんだよ あたしにつきあってここで、過ごすことなんてないんだよ」
リューグ
「ハッ!それこそ余計なお世話だぜ
俺は好きで、お前の側にいるんだ もう二度と、大切なものを奪われるのはごめんだからな・・・
俺は、お前を守る 守りたいんだ・・・」
トリス
「リューグ・・・ うん・・・っ」
アメル、聞こえる?
あなたの愛したこの世界は今もこうして息づいてる
相変わらず、あたしたちは不器用な生き方しかできないみたいだけど・・・
でも、あなたは言ったよね
人間は自分自身の力だけで変われるんだって・・・
そんな人間のことが愛しいって・・・
だから、あたしも信じるわ
いつかきっと・・・誰も悲しまずにすむ未来がこの世界におとずれるって
だから・・・ずっと、ずっとこの場所から、あたしたちを見守っていてね
ねえ アメル・・・
リューグ
「さて、戻るぜ そろそろ、バカ兄貴たちも来る頃だし」
トリス
「そう言えば、ロッカは村を再建するんだって言ってたけど・・・
どうなのかしら?うまくいってるのかな」
リューグ
「おい、愚問だぜ クソ真面目なあいつがしくじったりするわけねぇだろうが・・・
それに、ジジイや黒騎士たちだって一緒なんだぜ」
トリス
「そうだよね・・・ルヴァイドとイオスも 手伝っているんだし」
リューグ
「それだけで、あいつの罪が許されるなんて俺は思ってねえが
顔を見せたら、今度はもうすこし、ちゃんと話が出来る気がするぜ」
トリス
「そっか・・・」
リューグ
「ところで、この集めた落ち葉はどうすんだ?」
トリス
「みんなが来たらさ これで焚き火をしておイモを焼こうかって思うんだけど」
リューグ
「はははははっ そいつはいいかもな」
トリス
「ねえ、リューグ」
リューグ
「ん?」
トリス
「ありがとう・・・側にいてくれて・・・
キミがいてくれたからあたし、悲しみに負けずにすんだんだと思ってる・・・
リューグ、本当に強くて、頼りがいがあるから・・・」
リューグ
「ハッ!くだんねえことを言ってんじゃねえよ」
惚れた相手のためなら、男はいくらでも強くなれるんだぜ
リューグ “輪投げの達人”

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