【夜会話】ユエル(マグナVer.)

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貝塚琴根様

第14話 確かな想い

ユエル
「へへへ・・・・」
マグナ
「どうしたんだよ ユエル?すごくご機嫌みたいだけど」
ユエル
「だって、だってね 今日からはもう夜になってもひとりぼっちじゃないんだもん
暗い物陰に隠れて眠らなくたっていいんだもん」
マグナ
「(そっか、今まで ユエルはそうやって夜をすごしてたのか)」
ユエル
「ねえねえ マグナ 今日は、ユエルと一緒に寝ようね?」
マグナ
「ああ・・・って ええっ!?」
ユエル
「うん、そだよ オルフルは仲間で身を寄せあって眠るの
とっても暖かいから北風だって平気だもん」
マグナ
「(そういや、オルフルは家を持たない種族って言ってたっけ・・・)」
ユエル
「マグナはオルフルじゃないけどユエルの仲間だもん
だから、いいよねっ?」
マグナ
「ちょ、ちょっと ユエルってば・・・」
よ、弱ったなあ・・・ どう説明したらいいんだろう???

第16話 縛鎖を断つもの

ユエル
「仲直りができてよかったね マグナ?」
マグナ
「おかげさまでね」
ユエル
「うんうん、やっぱりマグナはこうじゃないとダメ」
マグナ
「でもさ・・・ ユエルは、俺のことこわくないのか?
もしかして、お前もあんな風にしちゃうかもしれないぞぉ?」
ユエル
「あはははっ そんなこと、絶対にないもんねー
マグナは ユエルのためにあんなに怒ってくれたんだもん・・・
ユエル、ちゃんと知ってるんだから!」
マグナ
「ははは・・・ お見通しってわけか」
ユエル
「残念でしたー!」
そこまで信頼してくれてるんだな ユエルは・・・

第17話 影は歌う

ユエル
「レイム、ウソつきだったんだね・・・」
マグナ
「うん・・・」
ユエル
「ユエル、ウソつきはだいっキライ!!
みんなをだまして笑ってたなんて、絶対許せないもん・・・」
マグナ
「ユエル・・・」
ユエル
「待っててね? 次に、レイムが来たらユエルがこてんぱんにやっつけて・・・
二人に、ちゃんとごめんなさいって言わせるから!
絶対だから!!」
気持ちはうれしいけど 多分、無理だと思うよ ユエル・・・

第18話 誰がための剣

ユエル
「ミニスのおかあさんって、すごいんだねえ」
マグナ
「ああ、さすがは金の派閥で議長をしてるだけあるよなあ
よほどの力の持ち主じゃなけりゃ、あんな芸当できないもんな」
ユエル
「うんうん♪ すっごい力だよねえ
だって、地面をあんなにぐらぐらって揺らせるんだもん
どうすれば、あんなに力持ちになれるのかなあ・・・?」
マグナ
「へ?」
ユエル
「すごいなあ・・・」
マグナ
「あのな、ユエル? 力ってのは、そういう意味じゃなくて・・・」
いくら力持ちでも 地面を揺するなんて芸当は無理だってばさ そもそも・・・

第19話 デグレアの闇

ユエル
「う~・・・」
マグナ
「どうしたんだよ ユエル?
しょんぼりしちゃって お腹の調子でも悪いのか?」
ユエル
「違うよぉ・・・
逃げられちゃったのが悔しいだけ・・・」
マグナ
「逃げられた?」
ユエル
「ほら!ポケットの中に、あんなにたくさん雪をつめてきたのに
なんか、知らないうちに、逃げられた・・・ どこにも、残ってないよぉ・・・」
マグナ
「(・・・そりゃそうだ)」
ユエル
「う~・・・」
マグナ
「あのな、ユエル? 雪っていうのは、時間がたつと、なくなってしまうものなんだよ」
ユエル
「でも!あそこにあった雪は、ちっともそんなことなかった!」
マグナ
「わかった、わかった とにかく今回はもうあきらめろよ?
そのうち、ちゃんと雪で遊べるところへ連れてってやるからさ」
ユエル
「ほんと!? ホントに、ホント!?」
マグナ
「ああ、なにもかもが全部終わったらな」
ユエル
「わあ・・・! ユエル、楽しみっ♪」
早く、そんな日が来るといいな・・・

第20話 知の略奪者

ユエル
「悪魔・・・」
マグナ
「ああ、俺たちの敵はデグレアそのものじゃなくて
それを利用していた悪魔たちだったんだ」
ユエル
「ユエル・・・ 知ってるよ・・・
メイトルパにも悪魔は、やってきたことがあるもん
悪い心をばらまいて亜人や幻獣たちを別の生き物に変えようとしたって・・・
魔獣たちは、そうして生まれたんだって」
マグナ
「そうなのか・・・?」
ユエル
「・・・・・・」
マグナ
「なあ、ユエル? こわいなら、ファナンに帰ってもいいんだよ」
ユエル
「ユエル、まだマグナにお礼をしてないもん!」
マグナ
「最初に言っただろう? 俺は、お礼がほしくてユエルを助けたんじゃないんだって」
ユエル
「でも・・・っ」
マグナ
「俺はね・・・ ユエルを自由にしてあげたかっただけだよ
暗いところに隠れたり逃げずにすむようにしてあげたかったんだ
昔の俺も・・・そうだったからね」
ユエル
「マグナ・・・」
マグナ
「なあ、ユエルには したいことってあるか?」
ユエル
「したい、こと・・・?」
マグナ
「元の世界に帰すのは無理になっちゃったけど・・・
俺、ユエルにはそのぶん、この世界で幸せになってほしいと思ってる
したいことを思いきりさせてあげたいんだ」
ユエル
「ユエルの・・・ したいこと・・・
しあわせ・・・?」
マグナ
「一度、ゆっくり考えてみてごらんよ」
それが見つかった時 ユエルは今よりもっと自由になれるはずだよ きっと・・・

第21話 メルギトスの嘲笑

ユエル
「みんな・・・ 元気ないね・・・」
マグナ
「うん・・・ さすがに、目の前であんなものを見たらね」
ユエル
「ゼルフィルド・・・ もう、直らないの?」
マグナ
「・・・・・・」
ユエル
「やだよ・・・ ユエル、こんなの!
みんな悲しい顔して笑うこともできないなんて、イヤだよ!?」
マグナ
「ユエル・・・」
ユエル
「ユエルは、もう誰もいなくなったりしてほしくないよ
こんなさびしいのはやだよぉ・・・」
そうだな・・・ ユエルの言うとおりだよな・・・

第22話 真なる罪人

ユエル
「マグナ ユエルに言ったよね?
恩返しなんかしなくていいって・・・」
マグナ
「ああ、言ったよ その気持ちは、今でも変わってないさ
ユエルには、ユエルのしたいことをして幸せになってほしい」
ユエル
「うん・・・
だから、ユエル 一生懸命に考えたの
自分が何をしたいのか どうしたら幸せになれるのか・・・
いっぱい、いっぱい考えたんだよ? ホントだよ!?
でもね・・・ わかんなかった・・・
だって、ユエル まだまだ、知らないことが多いから」
マグナ
「ユエル・・・」
ユエル
「だから、だからね! もうちょっとだけでいいから・・・
マグナの側にいてもいい?」
マグナ
「・・・・・・」
ユエル
「ユエル、ちゃんとしたいこと探すから! 約束するからっ!!
・・・ダメ?」
マグナ
「言っただろ、ユエル? あせる必要なんてないって・・・」
ユエル
「それじゃあ!?」
マグナ
「一緒に探してやるよ ユエルがしたいことをね?」
ユエル
「マグナ・・・ ありがとう!!
ねえ マグナ」
マグナ
「ん?」
ユエル
「今晩だけ、一緒に寝てもいい?」
マグナ
「・・・いいよ
けど、今晩だけだぞ? これから、ユエルはこの世界に慣れないといけないんだから」
ユエル
「うん・・・ 約束するよ・・・」

エンディング

戦いは終わった・・・
源罪の嵐によって リィンバウムに混乱と破壊をもたらそうとした メルギトスの最後の企みは
彼女の命がけの行動によって 完全に潰えたのだ・・・
禁忌の森に隠されていた 忌まわしき召喚兵器たちは 永遠に抹消されて
そこには、今・・・ 一本の巨木がそびえている
聖なる大樹
人々が、その樹のことを そう呼ぶようになってから
二度めの季節が・・・ 巡ろうとしていた・・・
~聖地の森~
ユエル
「・・・マグナ?
元気、ないね・・・ どうしたの?
もしかして、ユエルの作ったご飯食べたからお腹がイタイの!?」
マグナ
「そうじゃないって ただ、ちょっと・・・
ネスのことをさ 考えてたんだよ」
ユエル
「あ・・・」
マグナ
「ゴメンな いつまでも、同じことばっかり考えててさ」
ユエル
「いいんだよっ! 仕方ないことだって ユエル、思うもん!
マグナは ネスのこと、すごく大切に思ってたもの
だから・・・ 仕方ないよ・・・」
マグナ
「ユエル・・・
なあ、ユエル ちょっと散歩しにいかないか?」
ユエル
「お散歩?」
マグナ
「ああ、どうも家の中にいるとじめっとした気分になっちゃうからさ
ネスの様子を見がてら、森の中をぶらつこうぜ」
ユエル
「うんっ♪」
ユエル
「ここの空気って いつも優しいニオイがするから、好きだな」
マグナ
「この聖なる大樹は あらゆる汚れたものを吸い取って、浄化してくれてるんだ・・・
空気だけじゃなくて、邪悪な魔力や、人間の欲望まで・・・」
ユエル
「スゴイよねぇ
この樹のおかげで みんな、こうやって平和に暮らすことができるんだもの
ユエルたち、ネスに感謝しなくちゃね」
マグナ
「そうだな・・・」
ユエル
「ありがとう、ネスっ マグナもユエルたちも元気でいるよっ♪
マグナはユエルが守るからっ! ネスのぶんまでがんばるからっ!
だから・・・ 安心して、そこから見ていてねっ」
マグナ
「ユエル・・・?」
ユエル
「えへへへっ♪
ユエル、まだまだマグナに迷惑かけてるけどね
いつかきっと役に立ちたいなって思ってるの
ネスみたいに頭はよくないけど・・・
ユエルにできることは なんだってマグナにしてあげたいの
だから、ちょっとでいいから・・・
前みたいに、笑顔になってほしいな」
マグナ
「!」
ユエル
「・・・ダメ?」
マグナ
「ダメじゃないよ
ありがとう、ユエル 心配してくれて」
ユエル
「うんっ♪」
聞こえるかい、ネス
君のおかげで、俺たちはこうして生きているよ・・・
ネスが言っていたとおり 人間は、やっぱり嘘つきで自分勝手だけど・・・
でも、昨日とは違う よりよい明日をめざして生きているんだ
だから、俺は信じるよ
いつかきっと・・・誰も悲しまずにすむ未来が この世界におとずれるって
だから・・・ずっと、ずっと この場所から、俺たちを見守っていてくれるかい?
なあ ネス・・・
マグナ
「そろそろ戻ろうか 風がまた、強くなってきたし・・・」
ユエル
「あ~っ!?」
マグナ
「ど、どうしたんだよ?」
ユエル
「風が強くなるから洗濯物をしまってってレオルドに頼まれてたの・・・
忘れてたよぉ!」
マグナ
「もしかして・・・ あっちの空に飛んでいくシーツは・・・」
ユエル
「あーっ!? 待てえぇぇぇっ!!」
マグナ
「やれやれ・・・ このぶんだと、他の洗濯物も同じ運命になってそうだな」
ユエル
「ごめんなさい・・・」
マグナ
「仕方ないさ ほら、それよりも早く追いかけよう!」
ユエル
「マグナ・・・」
マグナ
「二人で洗い直せばすぐに終わるさ」
うんっ♪ だから、だーい好き!
ユエル “おなかすいたよ”

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