【夜会話】グラッド(フェアVer.)

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第3話 ドキドキ、はじめての御使い

グラッド
「しかし、お前の親父さんってのは何者なんだ?
めっぽう強いってことは、なんとなくわかるんだが」
フェア
「ただのバカよ あんなの・・・
常識がないから平気で無茶苦茶なことをするのよ」
グラッド
「だからって、普通召喚術を剣で斬るか?
物理的にありえないだろう、さすがに」
フェア
「滝をまっぷたつにしたのは、何回か見たかな
お前もやれ! ってしばらくの間、特訓をさせられたんだから」
グラッド
「うへえ・・・
なんか、同じ人間とは思えないな、それ」
フェア
「言わないでよぉ わたしも時々、疑問を抱くんだから・・・」
バカの一言で片づけることができないのがムカつくのよね・・・

第4話 素敵な若さま、大暴走!

グラッド
「お前が飛び出してったあのあとな・・・俺たちも反省したよ
しっかりしてるから ついつい、お前だけに負担かけさせてさ
ホント、悪かったな」
フェア
「い、いいんだって!? そんなことは・・・
もともと、わたしが自分でそうするって決めたことなんだし」
グラッド
「そう、それだ!
お前がそう言うから ついつい、俺なんかは無理させちまうんだ
でも、お前だってまだまだ子供なんだ」
フェア
「もうっ 子供あつかいは・・・」
グラッド
「いいから聞け!?」
フェア
「う・・・」
グラッド
「きつかったら それで潰れちまう前に頼ってくれりゃいい
もっと甘えたっていい ただでさえ、お前はがんばりすぎなんだ」
フェア
「お兄ちゃん・・・」
グラッド
「まあ、お前が平気って言うのなら、無理強いはできないけどな
これだけはおぼえとけ
ミントさんもポムニットさんも そして、この俺も
お前たちのことを本当の妹や弟みたいに思ってるつもりだ
だから、遠慮するな 約束だぞ?」
フェア
「う、うん・・・」
ありがとう・・・お兄ちゃん・・・

第5話 今はもう、戻れない場所

グラッド
「はあ・・・」
フェア
「どうしたの? ため息なんかついちゃってさ」
グラッド
「アロエリの姿を見ていたらな
使命ってなんなのか考えさせられて、さ
俺たち、帝国軍人は帝国の平和を守っていくことが使命だ」
フェア
「でもって、駐在軍人のグラッド兄ちゃんにとっては
この町の平和を守ることがそうなんだよね」
グラッド
「ああ、そしてその使命を、俺は誇りに思っている
けどな、果たして俺が同じ立場になったなら
ああまで、一途に使命を果たそうって思えるんだろうか
誇りを守るために あそこまで真剣になれるんだろうか
ははは、ちょっと自信がない・・・」
フェア
「いいんじゃないかな? 別に真似しなくても」
グラッド
「え・・・」
フェア
「グラッド兄ちゃんはグラッド兄ちゃんなりに、一生懸命
この町のことを思ってがんばってるんでしょ
もしもの時のことなんて、考えなくてもいいんじゃないの?
そうならないようにお兄ちゃんはここにいてくれるんだから
胸を張ってればいいんだよ!」
グラッド
「そ、そうか? そうだよなっ?
よーし・・・俺は、俺なりにがんばってやるぞ!」
フェア
「うんうん」
そのほうが、ずっとお兄ちゃんらしいよ

第6話 疑惑と不審の、黒いヤツ

フェア
「「旧王国」って言葉を聞いた途端にさ・・・
グラッド兄ちゃん なんで、あんなにも顔色を変えたの?」
グラッド
「当たり前だろう!?
「旧王国」は「帝国」の敵対国なんだぞ
武力侵攻を受けたのもそれこそ数知れない」
フェア
「でも、それって今よりもずっと昔のことなんでしょ?
最近は、そうでもないって思うけど」
グラッド
「そんなことはないぞ
あの「傀儡戦争」でも「旧王国」の手引きによって
悪魔たちの軍勢が国境を越えて、侵入しようとしたんだ」
フェア
「!」
グラッド
「国境警備隊の要である「紫電」部隊が撃退に成功してなかったら
この町だって襲われていたかもしれないぞ」
フェア
「「紫電」か・・・ たしかお兄ちゃんの憧れてた部隊だよね
帝国で最初の女将軍が率いているんでしょ?」
グラッド
「ああ、そうさ 陸戦隊なら、誰でも一度は憧れる部隊さ
そのぶん、編入試験も訓練内容も厳しいってことなんだけどな」
フェア
「そうなんだ・・・」
グラッド
「なんにせよ、俺は帝国軍人の一人として
この国の人々の平和を守りたいと願ってる
「旧王国」が敵対行為をとり続ける限りは戦わなきゃならない
そういうものなんだよ」
軍人の理屈からすれば怒るのも、当然だってことなのかな・・・

第7話 お魚たずねて、秘密基地

フェア
「いつかは、はっきりと聞いておこうと思ってたんだけど・・・
グラッド兄ちゃん ミントお姉ちゃんが好き・・・なの?」
グラッド
「ぶふっ!?
ななっ、なにをっ! バカなことをっ!?
だいたい、俺がそんなそぶりを見せたことなんて・・・」
フェア
「しょっちゅうじゃない
ミントお姉ちゃんと話してると、言葉使いおかしくなってるし」
グラッド
「・・・そうなのか?」
フェア
「うん、まるわかり」
グラッド
「なんてこった・・・」
フェア
「でも、心配しなくてもミントお姉ちゃんは気づいてないよ
ミントお姉ちゃん「だけ」のほうがより正しいけどね」
グラッド
「そ、それはそれで複雑な気も・・・」
フェア
「てことは、やっぱりそうなんだ?」
グラッド
「まあ、な・・・
正直、ひと目ぼれしてしまってるんだ」
フェア
「まあ、それも仕方ないかもね
お姉ちゃん、優しいしキレイだから
男の人だったらきっと、誰だって好きになっちゃうよ」
グラッド
「だろ!?」
フェア
「ただ、たまに不可解な行動をして、面食らうこともあるけど」
グラッド
「そういうところがまた男心をくすぐるんだよ」
フェア
「ふーん・・・」
グラッド
「今の話、くれぐれもリシェルとかには秘密だぞ?
言いふらされたら それこそ、巡回にも出られん・・・」
フェア
「じゃあ、どうしてわたしには話してくれたの?」
グラッド
「そりゃあ、お前はほら口はかたいだろうしさ
一番、身近っていうか色々と相談とかにも乗ってくれそうだし」
フェア
「それって、つまりお兄ちゃんの味方になれってこと?」
グラッド
「なあ、頼むよ?
代わりに、お前にもしそんな相手ができたら協力してやるからさ」
フェア
「(むむむ・・・っ!)」
グラッド
「いでええぇぇぇっ!?」
フェア
「そんな無神経じゃ助けてあげようって気にもならないよ!
イーッ、だ!」
グラッド
「お、おい!? どうして、お前が怒るんだよっ???」
お兄ちゃんのバカ! わたしだって、一応は女の子なんだぞ・・・

第8話 流れ三味線、はぐれ弾き

グラッド
「ともかく、みんな無事でなによりだ」
フェア
「うん、今回ばかりは正直もうダメかと思っちゃったよ
アルバやシンゲンさんが来てくれなかったら打つ手がなかったし
それに・・・「将軍」があの状況を静観してなかったら
きっと、わたしたち負けていたって思う」
グラッド
「いまいましいがそのとおりかもな
むかつくヤツだが騎士の誇りだけはもってたワケだ」
フェア
「・・・・・・」
グラッド
「どうしたんだ? 元気がないぞ?」
フェア
「グラッド兄ちゃんが最初に言ってたことがようやくわかったの
組織を敵に回すってことの恐ろしさがさ」
グラッド
「フェア・・・」
フェア
「勢いだけでわたしが守ってみせるなんて言っちゃったけど
甘かったのかもしれない・・・」
グラッド
「だからって、今さら逃げだしたいなんて考えてないよな?」
フェア
「!」
グラッド
「弱気になるのは仕方がないもんさ
恥ずかしいことなんかじゃない
ただ、その弱気に負けちまうのだけは絶対にダメだ!
負けたら、それをこの先、引きずってくことになるんだぞ?」
フェア
「・・・っ」
グラッド
「心配するなって こうすると決めたのはお前一人じゃない
俺も、ミントさんもポムニットさんだって同じ気持ちなんだぞ」
フェア
「お兄ちゃん・・・」
グラッド
「正しいと感じたことを最後まで、思いっきりやりとげるんだ
足りない部分は俺たちが全力でなんとかしてやる!」
フェア
「・・・うんっ!」
思いっきり・・・それがわたしらしいやり方なんだもんね!

第10話 想い、途切れることはなく

グラッド
「彼女が、まさか悪魔だったとはな」
フェア
「悪魔じゃないよ! 「半魔」だってば!」
グラッド
「ああ、すまん けどな・・・」
フェア
「もしかしてポムニットさんのこと軍に話すつもり?」
グラッド
「ば、バカ言うなっ!?
いくらなんでもそこまで態度を急変なんてできるか
見損なうなよな?」
フェア
「う、ゴメン・・・」
グラッド
「でも、すこしばかりびびっちまってるのは正直なところかな」
フェア
「どうして!? ポムニットさんはポムニットさんだよ」
グラッド
「わかってるさ 彼女は、守るべきこの町の住人だ
けどな、俺は実際に悪魔と戦ったことがあるんだよ」
フェア
「!」
グラッド
「昔、傀儡戦争の時の悪魔の残党の討伐に参加したんだ・・・
わずか数体の悪魔をいくつもの部隊でなんとか倒した
被害もすごくて、な」
フェア
「・・・・・・」
グラッド
「俺だって、彼女を信じたいと思ってる
けど、同時に悪魔の恐ろしさというのも痛感してるんだよ
だから、どうしても構えてしまうんだ
それが、彼女の心を傷つけるだろうってわかっててもな」
フェア
「お兄ちゃん・・・」
悪魔を知ってるからこそ わりきれなくて苦しんでるんだ・・・

第11話 うつろなるもの、来たりしもの

グラッド
「より強い兵器の開発に軍が熱心だったことは知っていたさ・・・
学究都市の研究施設が重要な警備対象であることも説明されてた
だけど・・・だけどな!?
なんで、あんなことが平然と行われていたりするんだよっ!?」
フェア
「お兄ちゃん・・・」
グラッド
「研究のためだからって人の身体をあんな風に歪めちまうなんて
やっちゃいけない!! 絶対に許されるようなことじゃないんだ!」
フェア
「うん・・・
教授が言っていたことが、なにもかも本当のことだったら
(研究の素材にされた多くの召喚獣たちはきっと・・・
・・・ッ!)」
グラッド
「お前らの言うとおりだったよなあ・・・
ミルリーフのことを軍の管理下に置くと決めていたなら
それこそ、お前らに顔向けできなくなるところだった・・・」
フェア
「でもさ・・・グラッド兄ちゃんは
結局、わたしたちのワガママを見逃してくれたじゃない?
だから、責任を感じる必要なんて全然ないよ!」
グラッド
「軍人の立場としては ほめられた行為とは言えないけどな
もっとも、軍自体がほめられたもんじゃないのかもしれんが」
フェア
「・・・・・・」
グラッド
「だが、軍がどれだけろくでもないものとわかってもな・・・
軍によって守られるべき、帝国の民にはなんの非もないんだ
だから、俺はまだ駐在軍人の任務を放棄したりはしない
・・・安心したか?」
フェア
「う、うんっ!」
グラッド
「「戦う術を持たぬ者に代わり、理不尽な暴虐へと立ち向かう者」
「それこそが軍人だ」
「紫電」を率いているアズリア将軍の言葉だ
この言葉を信じて 俺は、任務を全うしようと思ってる
お前らや、町の人々を最後まで守るために!」
お兄ちゃんならなれるよ みんなを守って戦える本物の軍人に・・・

第13話 思い願うこと、貫くこと

グラッド
「橋の件については報告書を出したぞ
さすがに、隠しておけることじゃなかったからな」
フェア
「仕方ないよね 実際、部分的には壊れちゃったし」
グラッド
「修理の件についてはテイラーさんが対応してくれるらしい
通行に支障がないよう、大急ぎで修繕してしまうそうだ」
フェア
「じゃ、ひと安心だね
あの人は、そういう対応には骨惜しみをしないもんね」
グラッド
「事実上、この町の領主みたいなもんだしなあ・・・
そういや、お前知ってたか?
町のあちこちにある壊れかけた給水施設
廃棄されるはずだったあれを修復したのもあの人らしいぞ」
フェア
「うん、よーく知ってる
だって、あの施設を叩き壊しちゃった大バカ者って
父さんだし・・・」
グラッド
「なんだってぇ!?」
フェア
「聞いた話でしかわたしも知らないけど
前に、この町が皇族の別荘地候補に選ばれかけて
あの給水塔とかもそのために作られたものだったんだって
ところが、なにをとち狂ったのやら
あの人ってば、それに反対して、大騒動を起こした挙げ句に」
グラッド
「ぶっ壊した・・・っていうのか???」
フェア
「テイラーさんはそう言って、いつもわたしを責めてるよ
別荘の誘致が成功していたら、町はもっと栄えていた
大損失だ、ってね」
グラッド
「うへえ・・・」
フェア
「父さんが、旅に出ることになった原因のひとつには
そういう理由もあるみたいだよ
損をした関係者には今でも、恨まれてるみたいだし・・・」
グラッド
「なんていうか 豪快な一家だよな お前んトコって」
フェア
「一緒にしないで! あの人が非常識なだけだってば!?」
今頃、どこでなにをしてるのやら まったく・・・

第14話 来訪者たち、彼方より

グラッド
「やれやれ・・・とうとう本拠地ごと敵のおでまし、か
いつかはこうなるって覚悟はしていたけどきっついよなあ」
フェア
「ゴメン・・・全部、わたしたちのせいだよね・・・
お兄ちゃんたちの言うことをきかずに
意地ばっかり張り続けてきたから
こんな、騒ぎに・・・」
グラッド
「ま、待て待てっ!? 俺は、お前を責めてるワケじゃないぞ!?
つい、グチがこぼれただけでな・・・」
フェア
「けど・・・っ」
グラッド
「そりゃ、たしかにお前たちは、意地を張ったかもしれない
だが、そうすることを許しちまってる時点で俺だって同罪なんだ
言ってるだろ? 覚悟はしてた、ってな」
フェア
「お兄ちゃん・・・」
グラッド
「しかし、さすがにこれ以上、騒ぎが大きくなっちまうと
俺一人の力だけでは もう、かばってやれないかもしれんな」
フェア
「え・・・」
グラッド
「現に、町の人たちが「城」を見たせいで不安になってる
旅人たちの噂話になって広まるのもそう遠くないだろう」
フェア
「そう、だよね・・・」
グラッド
「本部への報告はなんとかここまでごまかしてきたけど
正式に調査の命令が出たら、俺はそれに従わなきゃならない
軍人、だからな すまん・・・」
フェア
「気にしないで!? お兄ちゃんばかりに無理させられないよ
すごく感謝してるよ わたしたちのワガママ聞いてくれて・・・」
グラッド
「けどな、軍が動くにはまだ時間があるはずだ
だから、なんとしてもそれまでにこの騒ぎを終わらせるんだ!
そうすりゃ、あとは俺が始末書を書いてカタがつくはずさ」
フェア
「うん・・・」
グラッド
「しっかり頼むぜ! いつもの、お前みたいにな?」
フェア
「・・・うんっ!」
終わらせなくちゃ! お兄ちゃんのためにも絶対に・・・

第16話 相談イベント

第16話 相談イベントに掲載

第18話 はばたき、空へと突き抜けて

グラッド
「うん・・・これで、現在までの報告書はまとまった
あとは、警備隊が到着するまでの、時間稼ぎの方法だよなあ」
フェア
「・・・」
グラッド
「大道都市を経由するように連絡するとして理由づけは・・・」
フェア
「寝ないの? お兄ちゃん」
グラッド
「ああ、やることがまだたくさん・・・って
のわあぁーっ!? び、びっくりしたっ!」
フェア
「ご、ゴメンっ! 別におどかすつもりじゃなかったんだけど
ただ、なんかすごく忙しそうだから、声かけづらくて・・・」
グラッド
「それ以前にな、こんな時間に、お前がここにいるのが問題だろ?
朝に備えて、ちゃんと休んでおかないとダメだろうが?」
フェア
「わかってる、けど眠れなくて・・・」
グラッド
「まあ・・・それも仕方がないか
じゃあ、せっかくだし なんか軽めの夜食でも作ってくれよ?」
フェア
「・・・うんっ!」
グラッド
「腹の底からあったまるようなもんがいいなあ」
フェア
「任せといて♪」
グラッド
「ふぅ・・・っ ごちそうさん
しっかし、相変わらずお前の作るメシはうまいよなあ」
フェア
「そういえば、お兄ちゃんって
ここんとこ、ウチでゴハン食べてないよね
やっぱ、ゆっくりしてられないくらい忙しいの?」
グラッド
「それもあるけどな まあ、一番の理由は安月給の中から
ちょっとばかし貯金を始めたせいなんだよ」
フェア
「貯金?」
グラッド
「軍学校の上級科の編入試験を受けてみようと思ってな
そのために、必要な学費とかを、用意しているのさ」
フェア
「上級科って・・・なんでまた、急に?」
グラッド
「別に、急に決めたことでもないさ
ほれ、お前にも何度か話したことがあるだろう?
俺の夢は、アズリア将軍の率いる「紫電」に、入ることだって」
フェア
「あ・・・」
グラッド
「今まではな、かなわぬ夢のつもりでいたんだ
ただ、願望を言ってただけで、本気で努力をしてはこなかった
でもな、望みをかなえるために必死でがんばり続けている
お前の姿を見ていて思ったんだよ
今のまんまで本当にいいのか? ってな」
フェア
「お兄ちゃん・・・」
グラッド
「できる、できないじゃなくって、やってみる そう決めたから
とりあえず、もう一度勉強を始めてみることにしたんだよ」
フェア
「そっか・・・
だけど、編入試験に合格しちゃったら
お兄ちゃんはこの村の駐在軍人をやめちゃうの?」
グラッド
「そういうことになっちまうな」
フェア
「・・・・・・」
グラッド
「しょげた顔するなよ? 別に今すぐ、どうこうなるわけじゃないぞ
次の季節の巡りがこなけりゃ、試験は受けられないし
そもそも、合格する保証だってないんだぞ」
フェア
「できるよ・・・お兄ちゃんなら・・・
あんなにも一所懸命 町のためにがんばってこれたんだもん
そのがんばりがあれば編入試験だって、絶対だいじょうぶだよ
だけど・・・なんでなのかな・・・
お兄ちゃんの夢がかなうことは、嬉しいって思ってるのに
なんで、わたし・・・こんなにも悲しいって思っちゃうのかな?」
グラッド
「フェア・・・お前、泣いて・・・」
フェア
「ご、ごめんね・・・っ なんか、変なわたしでごめんね・・・っ?
だけど、お兄ちゃんがいなくなっちゃうって思ったら・・・
涙が、止まらないの なんで、なんでかな? おかしいよ・・・っ」
グラッド
「フェア・・・」
フェア
「わかってるんだもん お兄ちゃんは・・・
ミントお姉ちゃんのことが好きで、だからどうがんばったって
勝てないもんっ 妹みたいな、わたしじゃ、絶対に・・・」
グラッド
「!」
フェア
「二人とも、わたし大好きだから、側にいてくれさえすれば
それで、よかったのに 満足しようってずっと思ってたのに・・・
なのに、なのに・・・
う、ううう・・・っ」
グラッド
「俺って、やっぱりバカすぎるよな
さんざん、お前を傷つけてたことにも気がつかないで
結局、泣かせちまった
でもな・・・ひとつだけ、お前は勘違いしてるぞ?」
フェア
「・・・え?」
グラッド
「たしかに、俺はミントさんのことが好きだったよ
だけど、それはさっきの夢の話と同じで・・・
ただ、憧れを口にしていただけだったんだ
かなえる努力だって全然、できちゃいない」
  • セクターの告白イベントを発生させた場合のみ追加?
    グラッド
    「それに、あの人には他に心を決めた相手がいるんだろう?」
    フェア
    「それは・・・」
    グラッド
    「言わなくてもいいさ ちゃんと、わかってる」
    フェア
    「お兄ちゃん・・・」
グラッド
「それにな・・・
お前のことだって 俺は、同じくらいに大切に思ってるんだ」
フェア
「え!?」
グラッド
「お前の欲しかった好きって気持ちとはズレちまってるけど
でも、それは気がつかなかっただけのことで
がんばれば、きっととり返しがつくものだって思ってる」
フェア
「そ、それって・・・」
グラッド
「まあ、あれだ・・・ 仕切り直しにさせてくれってことさ
フェア これからは、ちゃんとお前のことを
妹なんかじゃなくて一人の女の子として見ていくからな」
フェア
「お兄ちゃん・・・」
グラッド
「グラッドでいいよ」
フェア
「だ、だって・・・わたしだって、急には変われないよ・・・
恥ずかしいし・・・」
グラッド
「あはははっ、だったらゆっくりと変わっていくことにするか?
そのほうが、きっと俺たちらしいしな」
フェア
「うん・・・」
グラッド
「がんばろうな? 明日の戦いで、絶対決着をつけるんだ」
フェア
「うん、がんばろう!
(わたしとお兄ちゃん それぞれの夢をかなえていくために・・・)」

エンディング

~食堂~
ルシアン
「ありがとうございます また、お越しください」
フェア
「ギネマ鳥のオムレツにソレルクの甘辛煮込み あがったよ!」
リシェル
「はいはい、了解! お次は海賊風焼き飯ふたつ、よろしく!」
フェア&リシェル
「つ・・・っ つかれたあぁ・・・っ」
ルシアン
「二人とも、ほんとにおつかれさま」
フェア
「うん、ルシアンもおつかれさま」
リシェル
「にしても、最近のお昼時って、戦場そのものよねえ
ちょっと前まではお客が列を作るなんてありえなかったもん」
ルシアン
「原因は多分、父さんの事業のせいかもね
壊れた区画を修復するついでに、大規模な拡張工事を行って
トレイユを、町から都市へと昇格させるつもりらしいんだ」
フェア
「ああ、それでやたらと肉体系のお客さんとかが増えてるのね!」
リシェル
「なんか、イヤだなあ そういう計画ってさ
あたしたちの知ってる町が、なくなっちゃうみたいで・・・」
ルシアン
「心配ないよ、ねえさん 工事してるのは、例の農園の跡地だもの」
フェア
「暴挙以来、閉鎖されちゃったんだよね」
ルシアン
「うん、あの広い土地を新しい居住区画として開発するみたいだよ
僕たちの暮らしてる今の場所は、あくまで補修をするだけ
ちゃんと、父さんも考えてるんだよ?」
リシェル
「ふーん・・・なら、いいけどね」
フェア
「まあ、とにかく今はひと休みしましょ
夜になったら、また大忙しなんだから」
リシェル&ルシアン
「はーい・・・」
リシェル
「そう言えば、そろそろ時間なんじゃない?」
フェア
「そうだね・・・そろそろ行かないとマズイかも・・・
きっと、お腹すかせてへばってるだろうし」
リシェル
「愛妻弁当かあ・・・いい身分よねえ・・・」
フェア
「そ、そんなんじゃないってばぁ!?
わたしは、ただお兄ちゃんの応援をしてるだけで・・・」
リシェル
「はいはい、いいからさっさと届けに行ってあげなさいって」
フェア
「もぉ・・・っ!」
リシェル
「しかし、あのコってあれでバレてないつもりかしら?」
ルシアン
「意識しすぎてるから かえって、不自然になってるのにねえ」
リシェル
「そういうあんたは笑ってる場合なワケ?
このままだと、勝ち目なくなっちゃうわよ?」
ルシアン
「なくなる以前に勝負にならないよ 悔しいけどね
だから、応援する そう決めたんだ」
リシェル
「ふーん・・・ ま、それもあんたらしいか・・・」
フェア
「お待たせっ!」
グラッド
「おーそーいー・・・」
フェア
「ゴメン、ゴメン お店のほう、どうにも手が離せなくってさ
だけど、そのぶん今日は豪華だぞ♪」
グラッド
「おーっ、すげぇ!?」
フェア
「夜にパーティの予約が入ってるから、凝った品揃えにできたの
さあ、食べて、食べて」
グラッド
「いっただきまぁーす♪」
~ブロンクス邸~
テイラー
「おい、本当に最後まで顔も見せずに行くつもりなのか?」
ケンタロウ
「ああ、親がなくとも子は育つ、ってな
アイツも、想像以上にいっちょまえに育ってやがったからなあ
オレ様がいなくたってなにも問題はねーさ」
テイラー
「だが、いくらなんでも薄情すぎやしないか?
次はいつ、戻ってこられるかも知れんというのに・・・」
ケンタロウ
「約束がよ、いまだに守れてねーんだよなあ
エリカの病気を治して 家族みんな、揃って一緒に暮らしていく
その方法を見つけるまでは、オレ様は帰れねえんだわ」
テイラー
「だが・・・」
ケンタロウ
「バカとかクソとかロクデナシってのは慣れちまったけどよ
ウソつき、って呼ばれるのだけはカンベンだからな」
テイラー
「そうか・・・」
ケンタロウ
「つーわけだからよ 悪いが、もうすこし世話を頼むわな」
テイラー
「ふん、言われずともわかっておるわ
あの人の居場所は二度と、誰にも荒らさせはせんよ
だから、とっとと約束を果たして戻ってこい!!」
ケンタロウ
「おうよッ!」
グラッド
「ごちそーさん・・・ 今日もうまかったよ」
フェア
「えへへ、まあ当然だけどね
・・・で、どう? 試験勉強のほうはすすんでる?」
グラッド
「うーん・・・バッチリと言い切れるほどではないけど
なんとか、メドは立ってきたと思う」
フェア
「そっか・・・」
グラッド
「できれば、一発で合格したいからなあ
若いうちじゃないと合格しても訓練にはついていけないし
それに・・・」
フェア
「それに?」
グラッド
「今のままの安月給じゃ もう一人食わせるには心もとないからな」
フェア
「あ・・・
で、でも・・・ ほらっ、お店のほうも順調にいってるしさ
二人で協力していけば食べていくくらいならなんとでも・・・」
グラッド
「今はそれでよくても将来的には、そうもいかないだろ?
家族ってものはにぎやかなほうがいいもんだしな」
フェア
「そ、それは・・・そう、だけど・・・」
グラッド
「さみしい思いをさせてすまないとは思ってる けどな・・・
もう少しだけでいい 俺を信じて、待っててくれないか?
必ず、夢をかなえてお前を迎えにくるよ そして、その時には
待たせちまったぶん めいっぱい、幸せにしてやるからな」
フェア
「グラッド・・・お兄ちゃん・・・」
グラッド
「お兄ちゃんは余計だぞ」
フェア
「う、うん・・・わたし、待ってるよ グラッド・・・」
(鐘の音)
グラッド
「おっと・・・そろそろ、任務に戻らないとな」
フェア
「いってらっしゃい 見回り、がんばってね」
グラッド
「ああ、いってくる!」
俺は、俺の夢を絶対にかなえてみせるよ
お前や新しい家族たちのための未来を守ってやることが出来るように

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