不断様
第3話 ドキドキ、はじめての御使い
- リシェル
- 「そっか・・・ コーラルの親はもういないんだ・・・」
- フェア
- 「親元に帰してやるのは無理になっちゃたね」
- リシェル
- 「そうね
けど、だとしたらこの先どうするの?
あたしは、ずっと面倒みたっていいと思ってるけどさ
ポムニットやグラッドさんからしてみれば
話が違うってことになっちゃわない?」 - フェア
- 「けど、だからってわたしは中途半端にするつもりはないよ
すくなくとも他の御使いたちが見つかるまでは
面倒みてあげなくちゃ」 - リシェル
- 「よかった・・・」
- フェア
- 「最悪、その御使いが出てこなかった時には
ダメ親父をふんづかまえて、責任とらせてやるんだから
なんてったって諸悪の根元なんだからね!」 - リシェル
- 「あははは・・・」
- ふう・・・ 無責任な親を持つと苦労するよね・・・
第4話 素敵な若さま、大暴走!
- リシェル
- 「そっか・・・ セクター先生に叱られたんだ
道理で、やたら素直に自分から謝ったワケね」 - フェア
- 「わたし、先生にだけはどうしても頭があがらないんだよね・・・
子供の頃からさんざんお世話になってるし」 - リシェル
- 「わかるなあ、それ
あたしも先生の前じゃ自然に言葉づかいとか改まっちゃうしさ
二人そろってバケツもって立たされたもんね?」 - フェア
- 「いつも、リシェルの巻き添えをくらってね?」
- リシェル
- 「あはは・・・っ
あの頃が、一番楽しかったなあ
毎日、どんなことして楽しく遊ぶか、そんなことばっか考えてさ
なんにも知らない子供だったから、泣くのも怒るのも自由だった」 - フェア
- 「今はもう、そういうワケにはいかないよね
中途半端に大人だから いまさら、子供っぽくもしていられないし
もしかすると、一番めんどくさい時期なのかもね、わたしたち」 - リシェル
- 「ま、偉そうにこんな話をしてる時点で、子供とはいえないわね」
- フェア
- 「ふふっ、そうかもね」
- それでも、多分 まわりから見たらこどもなんだろうな
第5話 今はもう、戻れない場所
- リシェル
- 「あーっ、もぉっ! なんなのよ、あの暴力女はっ!!」
- フェア
- 「まだ怒ってんの?」
- リシェル
- 「あったりまえよ!
偉そうな口を叩いたくせして、あっさり出戻っちゃってさ
あたしだったら、絶対恥ずかしくって、顔も見せられないのに」 - フェア
- 「そんな恥をかぶってもアロエリは戻ってくると決めたんだよ
それだけ、反省してるってことじゃない?」 - リシェル
- 「それは・・・」
- フェア
- 「許してあげようよ」
- リシェル
- 「わかったわよ・・・
でも、ポムニットにはちゃんと謝ってほしいものだわね
あの子、ものすごく心配してたのに」 - フェア
- 「うん、そうだね そのことはちゃんと言っておこなと
けど リシェルって・・・」 - リシェル
- 「な、なによ?」
- フェア
- 「なんだかんだ言ってポムニットさんのこと 大事にしてるよね
普段はあれだけ迷惑をかけまくってるくせに」 - リシェル
- 「あ、あたしは特別っ! だって、あの子はうちのメイドなんだし
迷惑かけるのが義務でお世話をするのが権利なんだからねっ!?」 - フェア
- 「そんなに照れなくてもいいのに・・・」
- リシェル
- 「うるさいっ、うるさい うるさあぁーいっ!?」
- 結局、リシェルってばポムニットさんに甘えてるんだよねえ・・・
第6話 疑惑と不審の、黒いヤツ
- リシェル
- 「ケガ人を置いてさっさと行っちゃうなんてさ
ホント、あいつらって身勝手すぎるわよね」 - フェア
- 「そんな言い方しないの
急がなきゃならない任務だから、仕方なくああしたんでしょ?」 - リシェル
- 「任務だ、急ぎだ、ってそんなのは言いわけにしかならないわよ!
置いていかれる側からすれば、なぐさめにもならないわ・・・」 - フェア
- 「リシェル・・・」
- リシェル
- 「わかっちゃうのよ アルバの気持ち
いくら、うわべをとりつくろっても 納得したつもりでも
置いてけぼりにされたさみしさは、やっぱり消えたりはしないよ
あんただって、それは知ってるはずでしょ?」 - フェア
- 「まあ、ね・・・
けど、ふてくされてもなんにも始まらないし
わりきるしかないよ」 - リシェル
- 「なによ、大人ぶってさ
どうせ、あたしはふてくされてばかりの子供ですよーだっ!」 - フェア
- 「もう・・・ すねる必要なんてないじゃない?
それに、わたしは大人ぶってるつもりなんかないってば」 - リシェル
- 「ぶってるじゃんか? 割り切りだってすごく早いしさ」
- フェア
- 「だって、そうしなきゃすぐ泣いちゃいそうになるんだもん・・・
強がってるだけだよ」 - リシェル
- 「あ・・・」
- フェア
- 「泣くよりも先に、まずやれることをやる
そうやって、わたしは暮らしてきたからね」 - リシェル
- 「そうだよね・・・ ごめん、やつ当たりなんかしちゃって」
- フェア
- 「気にしなくていいよ
それに、リシェルはみんなが、言えずにいるようなことも
代わりに、びしっと言ってくれたりするし」 - リシェル
- 「それって・・・ なんか、ほめられてる気しないけど?」
- フェア
- 「でも、けなしてるワケでもない つまり・・・
今のままが、一番リシェルらしいってことなんだよ」 - リシェル
- 「うーん・・・」
- すくなくとも、わたしはそのおかげで、ずいぶん助けられてるよ・・・
第7話 お魚たずねて、秘密基地
- リシェル
- 「まさか機械兵士まで出てきちゃうなんて思わなかったわよ」
- フェア
- 「それなんだけどね 出くわした相手があんなのだったから
どうもイマイチ機械兵士のこわさってわからないんだよね
グランバルドっていうのもなんか間の抜けたしゃべり方してたし
機械人形についてもまあ、似たような感想なんだけども
ぶっちゃけ、リシェルが言うほど物騒なものなの?」 - リシェル
- 「あーっ、なによ? 疑ってるワケ?
そりゃ、たしかにあの連中はちょっとぬけてたけどさ
でも、実際の話 機械兵士ってのは本当に恐ろしいのよ
王国時代よりも前にある都市が機械兵士の軍団に襲撃されてね
ひと晩でガレキの山にされちゃったんだって」 - フェア
- 「ホントなの、それ?」
- リシェル
- 「派閥の文献に書いてあったんだもん デタラメじゃないよ」
- フェア
- 「それで、結局どうなったの?」
- リシェル
- 「勇敢な騎士たちが機械兵士を操ってた移動要塞に侵入して
制御装置を破壊して活動を止めたんだって
ただ、無事に帰ってこられたのは見習いの騎士一人だけで
他の騎士はみんな不思議な光に包まれて消えちゃったそうよ」 - フェア
- 「うーん、やっぱり眉唾ものね・・・」
- リシェル
- 「ホントだってば! ちゃんと、騎士団の名前も載ってたし!
たしか、エ・・・エストなんとかっていう名前のはずよ」 - フェア
- 「わかった わかったよ
とにかく油断はしないように気をつけるから」 - リシェル
- 「うん、それが賢明ね」
- 相手があんなだからなんとか勝ててるって部分もあるしね・・・
第8話 流れ三味線、はぐれ弾き
- フェア
- 「だけど、リシェルも無茶しすぎだって
ポムニットさんがいくら心配だからって飛び出したりして」 - リシェル
- 「だって、本当に心配だったんだもん しょうがないでしょ」
- フェア
- 「気持ちはわかるから責める気はないけど
でも、次もああやって助けがきてくれるとは限らないんだからね」 - リシェル
- 「だね・・・ アルバとシンゲンには感謝しないと・・・」
- フェア
- 「今日みたいなことが二度と起こらないようにするためにも
一刻も早く、残った御使いを見つけだすしかないみたいね
コーラルが守護竜の力を全部継承しちゃえば
あいつらだって手出しができなくなるだろうし」 - リシェル
- 「でも、そうしたらあの子とは、お別れになっちゃうんだよね」
- フェア
- 「リシェル・・・」
- リシェル
- 「わかってるよ いつまでも、今のままじゃいられないのは
でも、やっぱりさびしいよ
こんな形じゃなくて もっと別の出会いならよかったのにね?」 - フェア
- 「うん・・・」
- それはありえないってわかってても、やっぱさみしいよね・・・
第10話 想い、途切れることはなく
- フェア
- 「昼間、あんなことがあったばかりだし
今はまだ、そっとしておいてあげよう・・・」
第11話 うつろなるもの、来たりしもの
- フェア
- 「ロレイラルの機械で強化された兵士、か
まさか、先生がそんなものにされていたなんて・・・」 - リシェル
- 「うん、あたしもまだ信じられないくらいよ
先生のあのケガは軍人だった時のものだって聞いていたし」 - フェア
- 「必死に隠し続けてきたんだろうね
杖をついていたのも そのための演技だったのかもしれない」 - リシェル
- 「ううん、それは違うとあたしは思うんだ」
- フェア
- 「え?」
- リシェル
- 「機械は強力になるほど そのぶん精密になっていくものなのよ
定期的に整備しないと動作に支障が出るし 壊れたりもするの
きっと、そのせいで本当に具合が悪くなってたんだよ」 - フェア
- 「でも、戦ってる時は全然そんな様子には見えなかったわよ?」
- リシェル
- 「復讐に向ける執念で限界を超えているのか あるいは・・・
壊れても構わないって覚悟してるとか・・・」 - フェア
- 「うそだよっ!? そんなことなんかあるわけ・・・」
- リシェル
- 「・・・・・・」
- フェア
- 「・・・っ」
- (虫の鳴き声)
- リシェル
- 「パパから・・・聞いた話なんだけどさ
何年か前に起こった「傀儡戦争」のことおぼえてる?」 - フェア
- 「うん、悪魔が侵略してきたっていうアレね」
- リシェル
- 「あの時、悪魔たちが本当に狙っていたのはロレイラルの技術で
召喚獣を機界の技術で戦闘兵器に作り替える方法だったらしいの」 - フェア
- 「!?」
- リシェル
- 「「ゲイル計画」って呼ばれてたんだって
先生が受けた処置がどんなものかは知らないけど・・・
目指していた目的は多分、同じだろうね」 - フェア
- 「どっちにしたって許せないよ・・・
命あるものを兵器に作り替えようなてこと・・・ッ!」 - リシェル
- 「だよね・・・
「ゲイル計画」が間違っていたって気づいたから
昔の召喚師たちはその技術を封印して隠してきたんだもの
同じ間違いを繰り返すなんて、バカなことはしちゃダメだよね?」 - フェア
- 「あたりまえだよッ!!」
- それじゃ、あまりにも救いようがなさすぎるじゃないの・・・
第13話 思い願うこと、貫くこと
- フェア
- 「結局、あれっきり先生は見つからずじまいか・・・」
- リシェル
- 「仕方ないわよ 偏光迷彩なんて使われちゃったら」
- フェア
- 「ねえ、それってなんなの?」
- リシェル
- 「光を曲げることで姿を隠す、機界の偽装技術のことよ
人間の目じゃ、まず見つけることは無理なんじゃないかな」 - フェア
- 「そっか・・・
なんか、そういう説明聞くと、イヤでも実感させられちゃうよね
先生は、やっぱ普通の身体じゃないんだって・・・」 - リシェル
- 「だね・・・
だけど、あたしたちにとっては、やっぱり先生は先生だよね?」 - フェア
- 「そんなの当たり前だよ」
- リシェル
- 「あーっ、こんなことになるって前もってわかっていたんなら
機界の科学技術とかもっと勉強しとけばよかった!
そしたら、あたしが先生を治療してあげられたのに・・・」 - フェア
- 「リシェル・・・
なら、今からそのぶん取り戻せばいいだけのことじゃない?」 - リシェル
- 「え?」
- フェア
- 「まだ、充分に間に合う・・・そうでしょ?」
- リシェル
- 「う、うんっ! そうだよねっ? 間に合うよね!?」
- フェア
- 「とにかく、わたしは力ずくでも先生を引っ張り戻してくる
リシェルの出番はそれからだよ?」 - リシェル
- 「ふん、あたしのこと誰だと思ってるワケ?
金の派閥の幹部職、機界の召喚師 ブロンクス家を
しょって立つ うるわしき紅一点 リシェル様よっ!
ビシッと決めるからまっかせなさいっ!」 - フェア
- 「そうそう、その意気、その意気!」
- そのためにも、絶対に先生をここに連れてこないとね!
第14話 来訪者たち、彼方より
- リシェル
- 「なんなのよ、もおっ ギアンのヤローめ!
角が生えてぴかーっと光ったら元通りなんてさあ
反則よっ、反則っ! インチキするのにもほどがあるわよ!!」 - フェア
- 「うん、わたしもびっくりしたけどさ
でも、納得もしたよ ギアンの不思議な力の秘密もわかって」 - リシェル
- 「はぐれ召喚獣に・・・ 「響界種」か・・・
今まで、あたし そういうことマジメに考えたことなかった
原因を作った召喚師の一人なのにね・・・」 - フェア
- 「別に、リシェルが責任感じる必要なんてないじゃない?」
- リシェル
- 「ありがと だけど、無関係じゃないよ
召喚師である以上 知らんぷりできない問題だって思うの
ううん、きっと 知っておかなきゃいけないことなんだ」 - フェア
- 「リシェル・・・」
- リシェル
- 「ポムニットやエニシア カサスさん、みんなつらい思いをしてる
クラウレとかギアンもそりゃあ、ムカつくしうっとおしいけどさ
そうなったのは、多分 あたしたち人間のせいでもあるんだと思う」 - フェア
- 「かもね・・・
でも、だからこそ どこかで止めなくちゃいけないんだ
ギアンがなにを望んでいるのかはわたしにもまだわからないけど
そのために、悲しい思いをしてる人たちはたしかにいるんだ
そういう人たちをわたしは、助けてあげたいよ・・・」 - リシェル
- 「うん・・・」
- ちっぽけなことなのかもしれないけど、それでもきっと・・・
第16話 相談イベント
第18話 はばたき、空へと突き抜けて
- リシェル
- 「ふーん、やっぱ眠れずにいたんだ?」
- フェア
- 「リシェル、なんでこんなところにいるのよ?」
- リシェル
- 「決まってるじゃない あんたが帰ってくるの待っててあげたのよ
どうせ、こんなことだろうって思ったから
わざわざ話し相手になりにきてあげたの 感謝なさいよね?」 - フェア
- 「リシェル・・・」
- リシェル
- 「あんたって、昔から人前じゃ平気で大口かましちゃうクセに
一人になった途端に色々と余計なことを考えちゃうのよねえ」 - フェア
- 「それはリシェルだっておんなじじゃない?
その場の勢いとノリでとんでもないことを安請けあいしてさ
そのつじつまあわせるのに
わたしやルシアンは苦労しっぱなしだったんだから」 - リシェル
- 「そんなの当たり前よ それが、あんたたちの役目なんだもん」
- フェア
- 「まったく・・・」
- フェア&リシェル
- 「・・・ぷっ、くくくっ あっははははははっ♪」
- リシェル
- 「ホント脳天気だよねえ あたしも、あんたもさ」
- フェア
- 「ホント、そうだね あれだけいろんなことさんざん経験して
そのうえ、今からその総仕上げの決戦に行こうっていうのに
リシェルの顔みたら一発で緊張感なんかふっとんじゃった」 - リシェル
- 「はいはい、それはなによりですこと」
- リシェル
- 「ねえ・・・この先のこととか考えてるの?」
- フェア
- 「この先?」
- リシェル
- 「戦いに決着がついた それから先のことよ」
- フェア
- 「そっか・・・そういうことは全然考えてなかった」
- リシェル
- 「なによ、それ・・・脳天気にも、ほどがあるんじゃないの?」
- フェア
- 「はいはい、どうもすみませんでした
だけどさ・・・改めて考える必要もないんじゃないの」 - リシェル
- 「え?」
- フェア
- 「たとえは悪いけどこの騒動は、お祭りみたいなもんよ
バカみたいなお騒ぎの後は、いつもの日常が戻ってくるだけよ
いつか、リシェルが返してほしがってた普通の毎日が、ね」 - リシェル
- 「フェア・・・」
- フェア
- 「宿屋の雇われ店長に戻って、毎日おいしい料理作って
オーナーの小言に顔をしかめつつ、なんとか切り盛りして・・・」 - リシェル
- 「おばあちゃんになるまでまっとうに人生を生きていく!
・・・だよね?」 - フェア
- 「平凡で、退屈で年寄りくさいかもしれないけどね?」
- リシェル
- 「でも、それが一番あんたらしいかもしれないよね」
- フェア
- 「リシェル・・・」
- リシェル
- 「まあ、アレよ? あたしも、あたしで思うこともあってさ
そういう生き方もいいかも、なーんて思ったりしてるの」 - フェア
- 「そっか・・・」
- リシェル
- 「なんにせよ、あんたはあたしの家来みたいなもんなんだから
せいぜい、これからもはげみなさいよね?」 - フェア
- 「あのねえ・・・」
- リシェル
- 「とりあえず、勝利のパーティでは、好物をたくさん作ること!
いいわね?」 - フェア
- 「まったく・・・しょうがないなぁ
そのかわり、死んでも無事に戻ってくるって約束してよね?」 - リシェル
- 「うん、あんたもね♪」
エンディング
- ルシアン
- 「ありがとうございます また、お越しください」
- フェア
- 「ギネマ鳥のオムレツにソレルクの甘辛煮込み あがったよ!」
- リシェル
- 「はいはい、了解! お次は海賊風焼き飯ふたつ、よろしく!」
- ミルリーフ
- 「果物畑のパンケーキ 盛り付けできたよ」
- フェア
- 「上出来、上出来 仕上げもできる?」
- ミルリーフ
- 「クリームとチョコを半分ずつに、ナッツを散らすんだったよね
まかせてっ♪」 - フェア&リシェル
- 「つ・・・っ つかれたあぁ・・・っ」
- ルシアン
- 「二人とも、ほんとにおつかれさま」
- フェア
- 「うん、ルシアンもおつかれさま
ミルリーフもね?」 - ミルリーフ
- 「えへへっ♪」
- リシェル
- 「にしても、最近のお昼時って、戦場そのものよねえ
ちょっと前まではお客が列を作るなんてありえなかったもん」 - ルシアン
- 「原因は多分、父さんの事業のせいかもね
壊れた区画を修復するついでに、大規模な拡張工事を行って
トレイユを、町から都市へと昇格させるつもりらしいんだ」 - フェア
- 「ああ、それでやたらと肉体系のお客さんとかが増えてるのね!」
- リシェル
- 「なんか、イヤだなあ そういう計画ってさ
あたしたちの知ってる町が、なくなっちゃうみたいで・・・」 - ルシアン
- 「心配ないよ、ねえさん 工事してるのは、例の農園の跡地だもの」
- フェア
- 「暴挙以来、閉鎖されちゃったんだよね」
- ルシアン
- 「うん、あの広い土地を新しい居住区画として開発するみたいだよ
僕たちの暮らしてる今の場所は、あくまで補修をするだけ
ちゃんと、父さんも考えてるんだよ?」 - リシェル
- 「ふーん・・・なら、いいけどね」
- フェア
- 「まあ、とにかく今はひと休みしましょ
夜になったら、また大忙しなんだから」 - リシェル&ルシアン
- 「はーい・・・」
- フェア
- 「ふわああぁ・・・っ」
- リシェル
- 「でっかいアクビねぇ アゴ外れちゃうわよ?
今の、男の人に見られたら、幻滅間違いなしよぉ?」 - フェア
- 「そういう時はちゃんと気をつけるようにしてます
リシェルしかいないから、大あくびだってできるんだもん
今さら、見栄を張らなきゃいけない間柄でもないしね」 - リシェル
- 「ま、そりゃそうだわね
でも、最近の忙しさはちょっと殺人的よね
そのぶん、もうかってパパは、ホクホク顔になっちゃってるけど」 - フェア
- 「たしかに、注意はされても、怒鳴られることは減ったかな
それはそれで、なんか物足りない気もするんだけどね」 - リシェル
- 「呼び出されるのが当たり前ってカンジだったもんねえ
でもさ、いいじゃん? それだけあんたのこと認めてくれてんだし
あたしとしてもひと安心、かな」 - フェア
- 「一人前だぞって胸を張るにはまだまだだよ」
- リシェル
- 「お、謙虚じゃん?」
- フェア
- 「まあ、ね・・・ 前は、認められたくてムキになってたけど
今はもう、不思議とそういう焦りは消えちゃったみたい」 - リシェル
- 「ふーん・・・
きっと、それがさ 大人になったって証拠かもよ?」 - フェア
- 「・・・そうかな?」
- リシェル
- 「多分、ね
ま、変に考えたりしなくても、別にいいんじゃない
ガキでも大人でも あんたはあんたに変わりないんだし」 - フェア
- 「ははっ、そうだよね
でもさ・・・変わったのはリシェルもでしょ
ポムニットさんから教えてもらったわよ
オーナーと・・・お父さんと、仲直りしたんだって?」 - リシェル
- 「べ、別にそんな大げさなことじゃないってば!?
ただ、無闇やたらに突っ張っていても疲れるだけだって
気づいて、バカバカしくなっちゃったからヤメにしただけよ」 - フェア
- 「ふーん・・・」
- リシェル
- 「ポムニットめ・・・余計なこと言うなってクギさしとかなきゃ」
- フェア
- 「照れない、照れない わたし、ちょっと関心してるんだからさ」
- リシェル
- 「・・・え?」
- フェア
- 「なんだかんだ言って わたし、まだ当分は父さんのことを
許せそうにないから」 - リシェル
- 「フェア・・・」
- フェア
- 「だからね、リシェルとオーナーが仲直りしたって聞いて
ちょっと、うれしいの 自分のことみたいで」 - リシェル
- 「そっか・・・」
- メリアージュ
- 「一時は、どうなるかとハラハラしてたけれど
この様子だったら もう、心配しなくていいみたいね?」 - ケンタロウ
- 「まあな・・・」
- エリカ
- 「エリカも早く元気になって、お姉ちゃんたちと暮らしたいな
すごく楽しそうだもん」 - ケンタロウ
- 「ああ、そうだな そのためにも、もっとがんばらねーとな」
- メリアージュ
- 「だからって、無茶はほどほどにしてね」
- ケンタロウ
- 「心配すんなって! オレ様は、無敵のケンタロウ様だぜ?」
- メリアージュ
- 「そういうことを言うから、かえって心配なんですっ!?」
- エリカ
- 「だいじょうぶだよ だって、これから先困っちゃった時は
夢で、お姉ちゃんに助けにきて、ってお願いできるもの」 - ケンタロウ
- 「な・・・っ!?」
- メリアージュ
- 「ああ、そうね それなら安心ね」
- ケンタロウ
- 「ったく・・・それじゃ、オレ様の立場がねーだろ!?」
- メリアージュ
- 「うふふふふっ♪」
- エリカ
- 「あははははっ♪」
- フェア
- 「ところでさ、リシェル 店を手伝わせといて言うのもなんだけど
召喚術の勉強のほうは問題ないの?
派閥に正式に属するからには、色々と準備もあるでしょ」 - リシェル
- 「アンタねえ 誰に向かって言ってるつもり?
このリシェル様に抜かりはないわよ 次の定例考査で
ばっちり、華麗に派閥デビューしてあげちゃうんだから」 - フェア
- 「ははっ、その調子ならホントにだいじょうぶみたいだね」
- リシェル
- 「心配しないでよ あたしは、やる時はやるんだからさ
可愛い弟の未来がかかってるんだから なおさら、ね」 - フェア
- 「ルシアンの?」
- リシェル
- 「そうよ、あたしが正式に金の派閥の一員になって
ブロンクスの家名を守れる立場になれば
ルシアンも安心して自分のやりたいことできるじゃない?」 - フェア
- 「自由騎士になる夢、か・・・」
- リシェル
- 「うん、最初はとんでもないって思ってたけどさ
本気みたいだからね 姉としては、やっぱ応援してあげなきゃ」 - フェア
- 「そうだよね・・・
でも、そうなったら今みたいに、いつでも会えるってワケには
いかなくなっちゃうね」 - リシェル
- 「心配しなくたって ルシアンだったらあんたが呼べば
どんな場所からでもすっ飛んでくるって思うけどなあ・・・」 - フェア
- 「え?」
- リシェル
- 「あははははっ ううん、なんでもないないっ♪
心配いらないってば
あのコも、あたしも あんたの作る料理で育ってきたんだから
ほっといたって味が恋しくなって顔を出すわよ」 - フェア
- 「なんか、餌づけしてるみたいよね それって・・・」
- リシェル
- 「近いものはあるかも
むしろ心配なのはこの店のほうね
あんた一人でやってけるの?」 - フェア
- 「なんとかするよ 元々は、一人でやってたんだし
それに今はミルリーフだっていてくれるもの」 - リシェル
- 「うーん・・・それでも、やっぱ不安だなあ・・・
よし、決めた!
派閥に入っても あたし、助っ人にきてあげるわ」 - フェア
- 「え、でも・・・」
- リシェル
- 「だいじょうぶだって 出来る範囲でしか無茶はしないから
ポムニットと相談して、かわりばんこに手伝いにくるわ
なら、文句はないでしょ?」 - フェア
- 「やれやれ・・・言い出したら聞かないもんなあ
・・・ありがとね?」 - リシェル
- 「水くさいことは言いっこナシナシ なんたって・・・
あんたとあたしは 一番の親友なんだから・・・ね?」 - フェア
- 「うんっ!」
- ずっとずっと仲良しのままでいようね
いつかおばあちゃんになったときに、思い出話でいっぱい笑えるように
その時まで、めいっぱい人生楽しんじゃお!
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