パッチ様/sitora0602様
第3話 ドキドキ、はじめての御使い
- リシェル
- 「そっか・・コーラルの親はもういないんだ」
- ライ
- 「親元に帰してやるのは無理になっちまったな」
- リシェル
- 「そうね
けど、だとしたらこの先どうするの?
あたしは、ずっと面倒みたっていいと思ってるけどさ
ポムニットやグラッドさんからしてみれば
話が違うってことになっちゃわない?」 - ライ
- 「けど、だからって中途半端でほうりだすつもりなんてねえよ
すくなくとも他の御使いってのが見つかるまでは
面倒みてやるつもりさ」 - リシェル
- 「よかった・・・」
- ライ
- 「最悪、そいつらが出てこなかった時には
クソ親父の野郎をふんづかまえて責任とらせてやる
なんてったって諸悪の根元だからな!」 - リシェル
- 「あははは・・・」
- ったく・・・無責任な親をもつと苦労するぜ・・・
第4話 素敵な若さま、大暴走!
- リシェル
- 「そっか・・・セクター先生に叱られたんだ
道理で、やたら素直に自分から謝ったワケね」 - ライ
- 「あの先生にだけはどうしても頭があがらねーんだよなあ
ガキの頃からさんざん怒られてる相手だしな」 - リシェル
- 「わかるなぁ、それ
あたしも先生の前じゃ自然に言葉づかいとか改まっちゃうしさ」 - ライ
- 「二人そろってバケツもって立たされたもんな」
- リシェル
- 「あの頃が、一番楽しかったなあ
毎日、どんなことして楽しく遊ぶか、そんなことばっか考えてさ
なんにも知らない子供だったから、泣くのも怒るのも自由だった」 - ライ
- 「今はもう、そういうワケにはいかねーしな
中途半端に大人だから いまさら、ガキっぽくもしていられねえ
もしかすると、一番めんどくさい時期なのかもな、オレたち」 - リシェル
- 「ま、偉そうにこんな話をしてる時点で、子供とはいえないわね」
- ライ
- 「ははっ、そりゃそうだ」
- それでも、多分まわりから見たらガキなんだろうな
第5話 今はもう、戻れない場所
- リシェル
- 「あーっ、もおっ!なんなのよ、あの暴力女はっ!!」
- ライ
- 「まだ怒ってんのかよ」
- リシェル
- 「あったりまえよ!
偉そうな口を叩いたくせして、あっさり出戻っちゃってさ
あたしだったら、絶対恥ずかしくって、顔も見せられないのに」 - ライ
- 「そんな恥をかぶってもあいつは戻ってくると決めたんだぜ
そんだけ、反省してるってことじゃねえか?」 - リシェル
- 「それは・・・」
- ライ
- 「カンベンしてやれよ」
- リシェル
- 「わかったわよ・・・
でも、ポムニットにはちゃんと謝ってほしいものだわね
あの子、ものすごく心配してたのに」 - ライ
- 「そうだな そのことはちゃんとアロエリに言うよ
けどお前って・・・」 - リシェル
- 「な、なによ?」
- ライ
- 「なんだかんだ言ってポムニットさんのこと大事にしてるよな
普段はあれだけ迷惑をかけまくってるくせに」 - リシェル
- 「あ、あたしは特別っ! だって、あの子はうちのメイドなんだし
迷惑かけるのが義務でお世話をするのが権利なんだからねっ!?」 - ライ
- 「ぐちゃぐちゃだぞ? お前の言ってる理屈」
- リシェル
- 「うるさいっ、うるさい うるさあぁーいっ!?」
- 結局のとこ、こいつはポムニットさんに甘えてるんだよなあ
第6話 疑惑と不審の、黒いヤツ
- リシェル
- 「ケガ人を置いてさっさと行っちゃうなんてさ
ホント、あいつらって身勝手すぎるわよね」 - ライ
- 「そんな言い方するなよ
急がなきゃならない任務だから、仕方なくそうしたんだろ?」 - リシェル
- 「任務だ、急ぎだ、ってそんなのは言いわけにしかならないわよ!
置いていかれる側からすれば、なぐさめにもならないわ・・・」 - ライ
- 「リシェル・・・」
- リシェル
- 「わかっちゃうのよ アルバの気持ち
いくら、うわべをとりつくろってもらっても納得したつもりでも
置いてけぼりにされたさみしさは、やっぱり消えたりはしないよ
あんただって、それは知ってるはずでしょ?」 - ライ
- 「まあ、な・・
けど、ふてくされてもなんにも始まらねーし
わりきるしかねえって」 - リシェル
- 「なによ、大人ぶってさ
どうせ、あたしはふてくされてばかりの子供ですよーだっ!」 - ライ
- 「ったく・・・
けど、ある意味じゃあ たいしたもんかもな」 - リシェル
- 「え?」
- ライ
- 「そうやって、他人のために、腹をたててやれることがだよ
自分のことでさえ はっきりと不満を口にするのは
なかなか、できるもんじゃねーしな」 - リシェル
- 「なによ、それ つまり、単純だっていいたいワケ?」
- ライ
- 「からむなって これでも、ほめてるつもりなんだからさ
単純だから悪いってもんでもねーだろ?」 - リシェル
- 「そりゃまあ・・・ そうだけど・・・
なんだか、ちっともほめられてる気がしないなあ」 - ライ
- 「ったく・・・めんどくさいヤツだな オマエって・・・」
- リシェル
- 「あーっ!? 今のは、間違いなくけなしたでしょ!?」
- あいててっ!? こらっ、ひっかくな! おい・・・っ!?
第7話 お魚たずねて、秘密基地
- リシェル
- 「まさか機械兵士まで出てきちゃうなんて思わなかったわよ」
- ライ
- 「それなんだけどな 出くわした相手があんなんだったから
どうもイマイチ機械兵士のこわさってわからねーんだよな
あのグランバルドって なんか間の抜けたしゃべり方してたし
機械人形についても まあ、似たような感想なんだけど
ぶっちゃけ、お前が言うほど物騒なもんなのか?」 - リシェル
- 「あーっ、なによ? 疑ってるワケ?
そりゃ、たしかにあの連中はちょっとぬけてたけどさ
でも、実際の話 機械兵士ってのは本当に恐ろしいのよ
王国時代よりも前に ある都市が機械兵士の軍団に襲撃されてね
ひと晩でガレキの山にされちゃったんだって」 - ライ
- 「ホントかよ、それ?」
- リシェル
- 「派閥の文献に書いてあったんだもん デタラメじゃないよ」
- ライ
- 「しかし、そいつらどうやって退治されたんだ?」
- リシェル
- 「勇敢な騎士たちが機械兵士を操ってた移動要塞に侵入して
制御装置を破壊して活動を止めたんだって
ただ、無事に帰ってこられてのは見習いの騎士一人だけで
他の騎士はみんな不思議な光に包まれて消えちゃったそうよ」 - ライ
- 「うさんくさい話だな やっぱ・・・」
- リシェル
- 「ホントだってば! ちゃんと、騎士団の名前も載ってたし!
たしか、エ・・・エストなんとかっていう名前のはずよ」 - ライ
- 「わかった、わかった
なんにせよ、なめてかからないようには気をつけるさ」 - リシェル
- 「うん、それが賢明ね」
- ああいう連中だからなんとか勝ててるって部分もあるしな・・・
第8話 流れ三味線、はぐれ弾き
- ライ
- 「しっかし、お前も無茶しやがるなあ
ポムニットさんがいくら心配だからって飛び出すなんてさ」 - リシェル
- 「だって、本当に心配だったんだもん しょうがないでしょ」
- ライ
- 「まあ、気持ちはよくわかるぜ 責める気もねえよ
でも、次もああしてうまく助けが入るとは限らねーからな」 - リシェル
- 「だね・・・アルバとシンゲンには感謝しないと・・・」
- ライ
- 「今日みたいなことが二度と起こらないようにするためにも
一刻も早く、残った御使いを見つけだすしかなさそうだな
コーラルが守護竜の力を全部継承しちまえば
あいつらだって手出しができなくなるだろうし」 - リシェル
- 「でも、そうしたらあの子とは、お別れになっちゃうんだよね」
- ライ
- 「リシェル・・・」
- リシェル
- 「わかってるよ いつまでも、今のままじゃいられないのは
でも、やっぱりさびしいよ
こんな形じゃなくてもっと別の出会いならよかったのにね?」 - ライ
- 「だな・・・」
- それはありえないってわかってても、やっぱツライよな・・・
第11話 うつろなるもの、来たりしもの
- ライ
- 「ロレイラルの機械で強化された兵士、か
まさか、先生がそんなものにされていたなんてな・・・」 - リシェル
- 「うん、あたしもまだ信じられないくらいよ
先生のあのケガは軍人だった時のものだって聞いていたし」 - ライ
- 「必死に隠し続けてきたんだろうな
杖をついてたのもそのための演技だったのかもしれない」 - リシェル
- 「ううん、それは違うとあたしは思うんだ」
- ライ
- 「え?」
- リシェル
- 「機械は強力になるほどそのぶん精密になっていくものなのよ
定期的に整備しないと動作に支障が出るし壊れたりもするの
きっと、そのせいで本当に具合が悪くなってたんだよ」 - ライ
- 「でも、戦ってるときは全然そんな様子には見えなかったぞ?」
- リシェル
- 「復讐に向ける執念で限界を超えているのかあるいは・・・
壊れても構わないって覚悟してるとか・・・」 - ライ
- 「バカ野郎っ!? お前、そんなことあるわけが・・・」
- リシェル
- 「・・・」
- ライ
- 「・・・くッ!!」
- リシェル
- 「パパから・・・聞いた話なんだけどさ
何年か前に起こった「傀儡戦争」のことおぼえてる?」 - ライ
- 「ああ、悪魔が侵略してきたっていうアレだな」
- リシェル
- 「あの時、悪魔たちが本当に狙っていたのはロレイラルの技術で
召喚獣を機界の技術で戦闘兵器に作り替える方法だったらしいの」 - ライ
- 「!?」
- リシェル
- 「「ゲイル計画」って呼ばれてたんだって
先生が受けた処置がどんなものかは知らないけど・・・
目指していた目的は多分、同じだろうね」 - ライ
- 「どっちにしたって許せないことには違いねえーよ・・・
命あるものを兵器に作り替えちまう技術なんてのはよッ!」 - リシェル
- 「だよね・・・
「ゲイル計画」が間違っていたって気づいたから
昔の召喚師たちはその技術を封印して隠してきたんだもの
同じ間違いを繰り返すなんて、バカなことはしちゃダメだよね?」 - ライ
- 「あったりまえだッ!!」
- それじゃ、あまりにも救いようがなさすぎるじゃねえかよ・・・
第13話 思い願うこと、貫くこと
- ライ
- 「結局、あれっきり先生は見つからずじまいか・・・」
- リシェル
- 「仕方ないわよ偏光迷彩なんて使われちゃったら」
- ライ
- 「なあ、それってなんなんだ?」
- リシェル
- 「光を曲げることで姿を隠す、機界の偽装技術のことよ
人間の目じゃ、まず見つけることは無理なんじゃないかな」 - ライ
- 「そっか・・・
なんか、そういう説明聞くと、イヤでも実感させられちまうよな
先生が、やっぱ普通の身体じゃないってことをさ」 - リシェル
- 「だね・・・
だけど、あたしたちにとっては、やっぱり先生は先生だよね?」 - ライ
- 「そんなの当たり前だ 考えるまでもねーよ」
- リシェル
- 「あーっ、こんなことになるって前もってわかっていたんなら
機界の科学技術とかもっと勉強しとけばよかった!
そしたら、あたしが先生を治療してあげられたのに・・・」 - ライ
- 「リシェル・・・
なら、今からそのぶん取り戻せばいいだけのことじゃねえか?」 - リシェル
- 「え?」
- ライ
- 「まだ、充分に間に合う・・・そうだろ?」
- リシェル
- 「う、うんっ! そうだよねっ? 間に合うよね!?」
- ライ
- 「とにかく、オレは力づくでも先生を引っ張り戻してくる
お前の出番はそれからだぜ?」 - リシェル
- 「ふん、あたしのこと誰だと思ってるワケ?
金の派閥の幹部職 機界の召喚師ブロンクス家を
しょって立つ うるわしき紅一点リシェル様よっ!
ビシッと決めるからまっかせなさいっ!」 - ライ
- 「おう、その意気だぜ!」
- そのためにも、絶対に先生をここに連れてこないとな!
第14話 来訪者たち、彼方より
- リシェル
- 「なんなのよ、もおっ ギアンのヤローめ!
角が生えてぴかーっと光ったら元通りだなんてさあ
反則よっ、反則っ! インチキするにもほどがあるわよ!!」 - ライ
- 「まあ、アレには正直びびったけどもな」
- リシェル
- 「はぐれ召喚獣に・・・「響界種」か・・・
今まで、あたしそういうことマジメに考えたことなかった
原因を作った召喚師の一人なのにね・・・」 - ライ
- 「別に、オマエが責任感じる必要なんてねーだろうがよ」
- リシェル
- 「ありがと だけど、やっぱり無関係じゃないよ
召喚師である以上知らんぷりできない問題だって思うの
ううん、きっと知っておかなきゃいけないことなんだ」 - ライ
- 「リシェル・・・」
- リシェル
- 「ポムニットやエニシア カサスさん、みんなつらい思いをしてる
クラウレとかギアンも そりゃあ、ムカつくし うっとおしいけどさ
そうなったのは、多分あたしたち人間のせいでもあるんだと思う」 - ライ
- 「そうかもな・・・
でも、だからこそ どこかで止めなくちゃいけないんだ
ギアンがなにを望んでいるのかは、オレにもまだわからないけど
そのために、悲しい思いをしてるヤツらがたしかにいるんだ
オレは、そいつらを助けてやりたいんだ」 - リシェル
- 「ライ・・・
まあ、エニシアだけは なんとしてでも助けてあげたいわよねー?
なんていったって かわいそうなお姫様だもんねー?」 - ライ
- 「な、なに言ってんだよ オレは、そんなこと考えてなんか・・・」
- リシェル
- 「なんで、そこで赤くなるかな・・・」
- ライ
- 「なんだよ、おい? オマエこそ、なんでムッとするんだよ?」
- リシェル
- 「べっつにーっ! なんでもないですよぉーっだっ!!」
- ライ
- 「待てよ、リシェル!? おい、待てってば!?」
- なんなんだよ・・・まったく・・・
第16話 相談イベント
第18話 はばたき、空へと突き抜けて
- リシェル
- 「ふーん、やっぱ眠れずにいたんだ?」
- ライ
- 「オマエ、なんでこんなところにいるんだよ?」
- リシェル
- 「決まってるじゃない あんたが帰ってくるの待っててあげたのよ
どうせ、こんなことだろうって思ったから
わざわざ話し相手になりにきてあげたの 感謝なさいよね?」 - ライ
- 「リシェル・・・」
- リシェル
- 「あんたって、昔から人前じゃ平気で大口かましちゃうクセに
一人になった途端に色々と余計なことを考えちゃうのよねえ」 - ライ
- 「それは、オマエだっておんなじだろーがよ?
その場の勢いとノリでとんでもないことを安請け合いしてさ
そのつじつま合わせにオレやルシアンは苦労しっぱなしだったぜ」 - リシェル
- 「そんなの当たり前よ それが、あんたたちの役目なんだもん」
- ライ
- 「ったく・・・」
- リシェル&ライ
- 「・・・ぷっ、くくくっあっははははははっ♪」
- リシェル
- 「ホント脳天気だよねえ あたしも、あんたもさ」
- ライ
- 「ああ、まったくだぜ あれだけいろんなことさんざん経験して
そのうえ、今からその総仕上げの決戦に行こうってのにさ
オマエの顔みたら一発で緊張感なんかぶっとんじまったよ」 - リシェル
- 「はいはい、それはなによりですこと」
- ライ
- 「ありがとな、リシェル」
- リシェル
- 「な、なによ? 急に改まったりして」
- ライ
- 「なにって・・・ まあ、その、なんだいろいろだよ・・・
あの日、オマエらと一緒にリュームを拾ってからさ
ホントにいろんなことを経験したし、知らずにいたことも知って
オレなりに、気づいたことや考えたこともたくさんあってさ
まあ、とにかく・・・オマエに礼を言いたい気分になったんだよ
こんな時じゃなきゃ多分、言う気になんかなれそうにないしな」 - リシェル
- 「ライ・・・」
- ライ
- 「・・・なんだよ? なんか、調子狂うな
さっきみたいに「当然よ!」とか言わねーのかよ?」 - リシェル
- 「いいでしょ、別に たまには、そういう気分の時もあるの」
- ライ
- 「そういうもんかよ?」
- リシェル
- 「そういうものよ」
- ライ
- 「ふーん・・・」
- (風の音)
- リシェル
- 「ねえ・・・この先のこととか考えてるの?」
- ライ
- 「この先?」
- リシェル
- 「戦いに決着がついた それから先のことよ」
- ライ
- 「そっか・・・そういうことは全然考えてなかったな」
- リシェル
- 「なによ、それ・・・ 脳天気にも、ほどがあるんじゃないの?」
- ライ
- 「へいへい、どうもすみませんでした
けどよ・・・改めて考える必要もないんじゃねーかな」 - リシェル
- 「え?」
- ライ
- 「たとえは悪いけどこの騒動は、お祭りみたいなもんだよ
バカみたいな大騒ぎの後は、いつもの日常が戻ってくるだけさ
いつか、オマエが返してほしがってた普通の毎日が、な」 - リシェル
- 「ライ・・・」
- ライ
- 「オレは、宿屋の雇われ店長に戻って、毎日うまい料理を作って
オーナーの小言に顔をしかめつつ、なんとか切り盛りして・・・」 - リシェル
- 「おじいさんになるまでまっとうに人生を生きていく!
・・・だよね?」 - ライ
- 「平凡で、退屈で年寄りくさいかもしれないけどな?」
- リシェル
- 「でも、それが一番あんたらしいかもしれないよね」
- ライ
- 「リシェル・・・」
- リシェル
- 「まあ、アレよ? あたしも、あたしで思うとこもあってさ
そういう生き方もいいかも、なーんて思ったりしてるの」 - ライ
- 「そっか・・・」
- リシェル
- 「あんたと一緒だったら平凡で退屈なんてことなさそうだし・・・」
- ライ
- 「は?」
- リシェル
- 「あっはははっ♪ なんでもないないっこっちの話・・・」
- ライ
- 「???」
- リシェル
- 「なんにせよあんたはあたしの家来みたいなもんなんだから
せいぜい、これからもはげみなさいよね?」 - ライ
- 「あのなあ・・・」
- リシェル
- 「とりあえず、勝利のパーティでは、好物をたくさん作ること!
いいわね?」 - ライ
- 「ったく・・・しょうがねーなぁ
そのかわり、死んでも無事に戻ってくるって約束しろよな?」 - リシェル
- 「うん、あんたもね♪」
エンディング
- ルシアン
- 「ありがとうございます また、お越しください」
- ライ
- 「ギネマ鳥のオムレツにソレルクの甘辛煮込みあがったぜ!」
- リシェル
- 「はいはい、了解! お次は海賊風焼き飯ふたつ、よろしく!」
- ミルリーフ
- 「果物畑のパンケーキ 盛りつけできたよ」
- ライ
- 「上出来、上出来 仕上げもできるか?」
- ミルリーフ
- 「クリームとチョコを半分ずつに、ナッツを散らすんだったよね
まかせてっ♪」 - ライ&リシェル
- 「つ・・・っ つかれたあぁ・・・っ」
- ルシアン
- 「二人とも、ほんとにおつかれさま」
- ライ
- 「おう、ルシアンもおつかれさん
ミルリーフもな?」 - ミルリーフ
- 「えへへっ♪」
- リシェル
- 「にしても、最近のお昼時って、戦場そのものよねえ
ちょっと前まではお客が列を作るなんてありえなかったもん」 - ルシアン
- 「それはそうだよ! なんたって、今のライさんは
「ミュランスの星」が認めた、帝国最年少の有名料理人だもの
噂を聞いて、遠くから食べに来る人たちもいるくらいなんだよ」 - リシェル
- 「有名料理人ねぇ・・・」
- ライ
- 「そんなのは、他人が勝手に騒いでるだけさ
オレはただ、ずっとこの町でうまいメシを作り続けながら
もっと、みんなに喜んでもらいたいだけ それだけでいいんだ」 - ミルリーフ
- 「それじゃ、ぐるめのオジサンとの約束はどうするの?
本格的に料理の修行にきなさいって、手紙で誘われてるでしょ?」 - ライ
- 「ジイさんには悪いけど もうしばらく、待ってもらうつもりさ
あの騒ぎで壊れた町を元どおりにするために働いてる人たちに
うまいメシを食べて もっと、がんばってもらいたいからな」 - ミルリーフ
- 「そっか・・・」
- ライ
- 「まあ、とにかく今はひと休みにしようぜ
夜になったら、また大忙しなんだからな」 - リシェル&ルシアン
- 「はーい・・・」
- ライ
- 「ふわああぁ・・・っ」
- リシェル
- 「でっかいアクビねぇ アゴ外れちゃうわよ?」
- ライ
- 「いいだろ、別に 大あくびぐらいしたってさ
オマエ相手に今さら気どったって、仕方ねーだろが」 - リシェル
- 「親しき仲にも礼儀ありっていう鬼妖界の格言 あんた、知ってる?」
- ライ
- 「なんだそりゃ???」
- リシェル
- 「はあ・・・ いいわよ、もう・・・
でも、最近の忙しさは ちょっと殺人的よね
そのぶん、もうかって パパは、ホクホク顔になっちゃってるけど」 - ライ
- 「たしかに、注意はされても、怒鳴られることは減ったかな
それはそれで、なんか物足りない気もするんだけどな」 - リシェル
- 「呼び出されるのが当たり前ってカンジだったもんねえ
でもさ、いいじゃん? それだけあんたのこと認めてくれてんだし
あたしとしても ひと安心、かな」 - ライ
- 「一人前だぞって胸を張るにはまだまだだけどな」
- リシェル
- 「お、謙虚じゃん?」
- ライ
- 「そりゃあな・・・ 前は、認められたくてムキになってたけど
今はもう、不思議とそういう焦りは消えちまったんだよなあ」 - リシェル
- 「ふーん・・・
きっと、それがさ 大人になったって証拠かもよ?」 - ライ
- 「・・・そうか?」
- リシェル
- 「多分、ね
ま、変に考えたりしなくても、別にいいんじゃない
ガキでも大人でも あんたはあんたに変わりないんだし」 - ライ
- 「ははっ、そうだよな」
- リシェル
- 「・・・・・・」
- ライ
- 「けどさ・・・ 変わったのはオマエもだろが
ポムニットさんから教えてもらったぞ
オーナーと・・・ 親父さんと、仲直りしたんだって?」 - リシェル
- 「べ、別にそんな大げさなことじゃないってば!?
ただ、無闇やたらに突っ張っていても疲れるだけだって
気づいて、バカバカしくなっちゃったから ヤメにしただけよ」 - ライ
- 「ふーん・・・」
- リシェル
- 「ポムニットめ・・・ 余計なこと言うなってクギさしとかなきゃ」
- ライ
- 「照れるな、照れるな オレ、ちょっと感心してるんだからさ」
- リシェル
- 「・・・え?」
- ライ
- 「なんだかんだ言って オレはまだ、当分はバカ親父のことを
許せそうにないしな」 - リシェル
- 「ライ・・・」
- ライ
- 「だからさ、オマエとオーナーが仲直りしてくれたってことがさ
なんか、うれしいんだ 自分のことみたいでさ」 - リシェル
- 「そっか・・・」
- テイラー
- 「おい、本当に最後まで顔も見せずに行くつもりなのか?」
- ケンタロウ
- 「ああ、親がなくとも子は育つ、ってな
アイツも、想像以上にいっちょまえに育ってやがったからなあ
オレ様がいなくたってなにも問題はねーさ」 - テイラー
- 「だが、いくらなんでも薄情すぎやしないか?
次はいつ、戻ってこられるかも知れんというのに・・・」 - ケンタロウ
- 「約束がよ、いまだに守れてねーんだよなあ
エリカの病気を治して 家族みんな、揃って一緒に暮らしていく
その方法を見つけるまでは、オレ様は帰れねえんだわ」 - テイラー
- 「だが・・・」
- ケンタロウ
- 「バカとかクソとかロクデナシってのは慣れちまったけどよ
ウソつき、って呼ばれるのだけはカンベンだからな」 - テイラー
- 「そうか・・・」
- ケンタロウ
- 「つーわけだからよ 悪いが、もうすこし世話を頼むわな」
- テイラー
- 「ふん、言われずともわかっておるわ
あの人の居場所は二度と、誰にも荒らさせはせんよ
だから、とっとと約束を果たして戻ってこい!!」 - ケンタロウ
- 「おうよッ!」
- ライ
- 「ところでさ、リシェル 店を手伝わせといて言うのもなんだけど
召喚術の勉強のほうは問題ないのか?
派閥に正式に属するからには、色々と準備もあるんだろ?」 - リシェル
- 「アンタねえ 誰に向かって言ってるつもり?
このリシェル様に抜かりはないわよ 次の定例考査で
ばっちり、華麗に派閥デビューしてあげちゃうんだから」 - ライ
- 「ははっ、その調子なら ホントにだいじょうぶみたいだな」
- リシェル
- 「心配しないでよ あたしは、やる時はやるんだからさ
可愛い弟の未来がかかってるんだから なおさら、ね」 - ライ
- 「ルシアンの?」
- リシェル
- 「そうよ、あたしが正式に金の派閥の一員になって
ブロンクスの家名を守れる立場になれば
ルシアンも安心して自分のやりたいことできるじゃない?」 - ライ
- 「自由騎士になる夢、か・・・」
- リシェル
- 「うん、最初はとんでもないって思ってたけどさ
本気みたいだからね 姉としては、やっぱ応援してあげなきゃ」 - ライ
- 「だよな・・・
となると、今みたく いつでも会えるっていうワケには
いかなくなるよな」 - リシェル
- 「心配いらないってば
あのコも、あたしも あんたの作る料理で育ってきたんだから
ほっといたって 味が恋しくなって顔を出すわよ」 - ライ
- 「なんか、餌づけしてるみたいだな それって・・・」
- リシェル
- 「近いものはあるかも
むしろ心配なのは この店の方ね
あんた一人でやってけるの?」 - ライ
- 「なんとかするさ 元々は、一人でやってたんだし
それに今はミルリーフだっていてくれるしな」 - リシェル
- 「うーん・・・ それでも、やっぱ不安だなあ・・・
よし、決めた!
派閥に入っても あたし、助っ人にきてあげるわ」 - ライ
- 「え、でも・・・」
- リシェル
- 「だいじょうぶだって 出来る範囲でしか無茶はしないから
ポムニットと相談して、かわりばんこに手伝いにくるわ
なら、文句はないでしょ?」 - ライ
- 「・・・ったく 言い出したら聞かないもんな
・・・ありがとな?」 - リシェル
- 「水くさいことは言いっこナシナシ なったって・・・
あたしの将来にも 無関係な問題じゃないし・・・」 - ライ
- 「???」
- リシェル
- 「と、とにかくっ そーゆーことで決定だかんね!
せいぜい、感謝しなさいよぉ?」 - ライ
- 「自分から言っといて やたらエラそうだなオマエ・・・」
- リシェル
- 「そりゃそうよ? だって・・・
あんたは、永遠にあたしの家来なんだから!」 - ライ
- 「へいへい・・・ わかりましたよ ったく・・・」
- リシェル
- 「えっへへへ♪」
- わがまま言ってゴメンね
でも、ホントはいつも感謝してるんだよ
だから、ずっとあんたのそばにいてあげる
平凡で退屈な人生でもくっついてそばにいさせてね
大好きだよ
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