一門様/不断様
第4話 素敵な若さま、大暴走!
- セイロン
- 「なるほど・・・
そういった理由で御子殿が世話になっていたワケか
迷惑をかけたな」 - フェア
- 「別に、感謝されるようなことなんてしてないってば
なりゆきで関わったから、最後まで面倒みてるだけ・・・
それだけだよ」 - セイロン
- 「あっはっはっは! そうか、そうか
だが、我はそういう考え方は好きだぞ
鬼妖界でいうところの侠気というものだな」 - フェア
- 「きょうき???」
- セイロン
- 「かいつまんで言えば困っている者を助けてやろうとする心だ
人間の、しかも童がこれをもちあわせておるとはな・・・
いやはや、この世界は本当に面白いものよ あっはっはっは!」 - フェア
- 「面白いって?
あなたは、この世界がイヤじゃないの?」 - セイロン
- 「とんでもない! 我は、自分から望んでこの世界に来たのだ
まあ、召喚獣にも色々といるということだな
あっはっはっは!」 - リビエルの言うとおりやっぱ、この人って変わってる・・・
第5話 今はもう、戻れない場所
- セイロン
- 「怒らないのかね?」
- フェア
- 「なにが?」
- セイロン
- 「アロエリがしでかした一連の出来事だよ」
- フェア
- 「もう、すんだことよ それに・・・
そうさせないためにあなた、先に彼女を殴ったんでしょ?」 - セイロン
- 「あっはっはっは!
やれやれ・・・ しっかりお見通しか」 - フェア
- 「まあ、なんとなくそう思っただけなんだけどね」
- セイロン
- 「ニンゲンの言葉にはあやつも、ただ反発するだけだろうが
我の叱責であればいくらかはこたえるだろうと思ってな」 - フェア
- 「でも、ちょっとやりすぎだったんじゃないの?」
- セイロン
- 「あの時・・・ 彼女は、罰せられることを望んでいた
だから、はっきりと目に見える形で罰してやったのだよ
ずっと引きずってきた自責の念から解放してやるために、な」 - フェア
- 「よくわかんないなぁ そういうのは」
- セイロン
- 「まあ、御使いの中でも我は少しばかり特異な立場であるからして
冷めた目を持ち続けていられるのやもしれんな・・・」 - フェア
- 「特異な立場?」
- セイロン
- 「我は「ラウスブルグ」の住人ではないのだよ」
- フェア
- 「!?」
- セイロン
- 「ゆえあって、世話になっていた客人なのだ」
- フェア
- 「ちょっと待って!?
なんで、よそ者が御使いなんて立場になれちゃうの!?」 - セイロン
- 「先代から頼まれたのだ
御子殿が後継者となるまでの期限つきで、な」 - フェア
- 「そうだったんだ・・・」
- セイロン
- 「約束が遺言となった今 違えるわけにはいかぬ
そして、願わくば先代の仇を討つ!
そうすることで たまわった恩義に報いたい・・・
今の我を動かしてるのは、そうした願いであるのだよ」 - セイロンにとってはそれが、ゆずれない想いなのね・・・
第6話 疑惑と不審の、黒いヤツ
- セイロン
- 「武の技を磨き続ける者にとって、ケガは必ずついて回るものだ」
- フェア
- 「セイロンも、やっぱりケガとかしてたの?」
- セイロン
- 「ははっ、当然だとも
ただし、武闘家の我は、ストラによる回復術を会得していたからな
骨が砕けようとも、ストラで癒しながら修行しておったぞ」 - フェア
- 「無茶苦茶ね・・・」
- セイロン
- 「いやいや、これが意外と利にかなっておるのだよ
肉体というものはかけられた負荷に応じて、強化される
極限状態におかれるほど、その反発により底力が増すのだよ」 - フェア
- 「じゃあ、アルバの骨折に治癒の奇跡を使わせなかったのも
そういう理由なの?」 - セイロン
- 「ああ、育ち盛りの年頃ゆえ、もともと治りは早かろうし
回復力をストラで高めてやる治療法が一番よいと思ってな」 - フェア
- 「なるほどね・・・」
- セイロン
- 「過ぎたるは及ばざるがごとし、ストラや魔力による治癒の術はな
自然回復の助け程度に用いるのが一番よいということなのだよ
命に関わるような大怪我の場合、また話は別なのだがな」 - フェア
- 「あまり頼りすぎるのはよくないってこと?」
- セイロン
- 「はっはっは、まあ そういうことだ」
- ストラや奇跡も万能じゃないってことか・・・
第7話 お魚たずねて、秘密基地
- フェア
- 「セイロンは龍人なのにやたらと人間のこと くわしいよね
ケガの手当てのこともそうだし、食べ物とか武術のこととかもさ」 - セイロン
- 「あっはっはっは それは、鬼妖界にも人間が暮らすからだ
正確には、人間という種族そのものが例外で このリィンバウムと
鬼妖界シルターンという、ふたつの世界に存在しているのだよ」 - フェア
- 「例外なんだ・・・」
- セイロン
- 「ああ、珍しいな
異なる世界に同種族が存在するのは、人間と竜くらいのものだ」 - フェア
- 「竜も?」
- セイロン
- 「そもそも、真の竜とは魂の輝きが極限に至り 発現するものなのだ
姿形はそう見えずとも・・・
概念としてはどこにでも存在しうるのだよ」 - フェア
- 「???」
- セイロン
- 「ははは、すまぬ 難しすぎたようだな
店主らの常識とは異なる概念によって竜は語られるものだ
機会があれば、また説明することもあろう」 - フェア
- 「あ、うん・・・」
- よくわからないけど竜って、とてつもなく難しい存在かも・・・
第8話 流れ三味線、はぐれ弾き
- フェア
- 「珍しいよね セイロンがわたしを呼び出すなんて」
- セイロン
- 「きちんとした形で話をしておく必要があったのでな」
- フェア
- 「え?」
- セイロン
- 「すまぬ、店主よ
そなたらの好意に甘え あのような事態を招いてしまった
詫びのしようもないことだと思っている」 - フェア
- 「ちょっと、待って!? 待ってってば!?
別にセイロンたちのせいでああなったワケじゃないんだし
それに言ったでしょ? あなたたちはわたしの身内も同然だって」 - セイロン
- 「そう言ってもらえたからこそ、なおのこと 心苦しいのだよ
身内を危険に巻き込むことなど、誰だって望みはするまい」 - フェア
- 「セイロン・・・」
- セイロン
- 「だが、そうは思っても 我らには身をよせるあてが他にないのだ
今少しだけ、ここにとどまらせてほしい
二度とあのようなことが起きぬように、我も充分に気を配るゆえ
だから、頼む・・・」 - フェア
- 「頭をあげてよぉ セイロンらしくないよ そういうのってさ
わかったら、いつものように豪快にしててよ・・・ね?」 - セイロン
- 「フェア・・・
・・・承知した」 - そういう危険も承知で わたしは、身内だって言ったんだよ・・・
第10話 想い、途切れることはなく
- セイロン
- 「クラウレの言った秘密のことだがな あれは・・・」
- フェア
- 「それは明日 みんなの前で話してくれる?
今は、ちょっと聞きたくないの ゴメン・・・」 - セイロン
- 「そうか・・・」
- フェア
- 「別に、あなた達に腹を立ててるからじゃないのよ?
まあ、ちょっぴりムカッとはしたけど
でも、それよりも今は、色んな事がいっぺんにあったから・・・
アタマがぐちゃぐちゃになってて、ちょっとキツイんだよね
ポムニットさんとかアロエリのことも心配だし・・・」 - セイロン
- 「さもあらん
我も、彼女の件にはド肝を抜かれた
悪魔の血を引く娘であろうとはな」 - フェア
- 「見た目にはあんまり驚いてるようには見えないけど?」
- セイロン
- 「それはおそらく 生まれた世界の違いのせいであろうな
鬼妖界では、妖怪と人が交わることなどさほど珍しくもない
場合によっては礼賛されもするし
そうして生まれた子が、英雄として名をあげた伝承もあるのだよ」 - フェア
- 「そうなんだ・・・」
- セイロン
- 「願わくば、彼女もまたそのように大成してもらいたいものだな」
- そうだよね・・・ 結局は考えようってことなんだもんね
第11話 うつろなるもの、来たりしもの
- セイロン
- 「とうとう、あの男まで出てきてしまったな
「魔獣調教師」・・・
無色の派閥の召喚師 ギアン・クラストフ」 - フェア
- 「いよいよ、親玉の登場ってワケだね」
- セイロン
- 「いや、厳密には彼は親玉ではない
敵の頂点に存在するのは「姫」と呼ばれる少女なのだ」 - フェア
- 「少女、って・・・女の子が親玉なの!?」
- セイロン
- 「うむ、年の頃は店主らと同じくらいか
もっとも、人間と仮定した場合での話だがな」 - フェア
- 「それって、人間じゃないってことなの?」
- セイロン
- 「さすがにわからぬよ 一度きり、遠くから見ただけだからな
どうやら、普段からあまり表には出ずにすごしているらしい
まさに「箱入り娘」という言葉が似合いだな あっはっはっは!」 - フェア
- 「茶化さないでってば」
- セイロン
- 「まあ、全軍の指揮を任されているのはあの男に違いない
まあ、見たとおりのなにかと得体の知れぬ人物なのだよ」 - フェア
- 「うん、召喚術の力をあんな風に消し去ってしまうなんて
ちょっと人間離れした芸当だもんね・・・」 - セイロン
- 「まったくもって同感だ
あやつと比べたら「将軍」や「教授」の振る舞いのほうが
我には理解できるし 認められる部分もある」 - フェア
- 「認められるってどういうことよ?」
- セイロン
- 「「姫」に対する忠義で行動している部分さ
先代に受けた恩義へと報いるため、仇討ちを志している我には
あの者たちの想いは自分のことのように感じとれるのだよ」 - フェア
- 「だからって・・・
そのために命を捨てるなんて、わたしには理解できないよ
守るために戦ってるんだったら、ともかく
あいつらは奪うために攻めてきてるのよ!?
なのに、命まで捨ててしまえるなんて、絶対おかしいよ・・・」 - セイロン
- 「一面だけを見るのならそのとおりやもしれぬ しかしな・・・
もしかすると、それは別のなにかを守るためなのかもしれぬぞ?」 - フェア
- 「え?」
- セイロン
- 「あの老人に限ってのことならば、答えは明白と言ってもいい
おそらく、あの者は死に場所を求め続けておるのだろうな・・・
死によって、罪の報いを受けたいのだろうさ
だからこそ、復讐から逃げようとしなかった」 - フェア
- 「そんな!? いくらなんでも・・・」
- セイロン
- 「年を重ねていくほどに人は、そう思ったりもするようになる
まあ、敵の事情を詮索したところでどうにもなるまいさ。
戦いは避けられぬ そして、我らは負けるわけにはいかぬのだ
惑わされてしまえば 命をなくすことになりかねんぞ、店主よ」 - わかるけど・・・ でも・・・っ
第13話 思い願うこと、貫くこと
選択不可
第14話 来訪者たち、彼方より
- セイロン
- 「我を、ひどいヤツだと思っているのではないのかね?」
- フェア
- 「別に、そんなことは思ってなんかないよ
立場だってあるし なによりあなたたちは当事者なんだもんね
わだかまりがあるのも当然だって思うし」 - セイロン
- 「この立ち位置は・・・ 本当にきついものだな
クラウレが耐えてきた重みが、今さらながら骨身にしみているよ」 - フェア
- 「クラウレ、か・・・
ねえ、セイロン 御使いだった頃のクラウレって
どんなカンジだった?」 - セイロン
- 「行動力と責任感をあわせもった、長にふさわしい男だった
私事を顧みることなく 郷のため、民のために働き続けていたんだ」 - フェア
- 「優等生だったんだね」
- セイロン
- 「だがな、真面目すぎて無理ばかりするせいで
側で見ている、我やアロエリは、いつも心配させられたさ
手を抜け、休め、と我はいつもそう言ってばかりいたがな
今思うと、あやつは 背負った立場の重さに潰されないように
気を張ることで、抵抗していたのかもしれぬ
わかったところで 今となっては、もう手遅れだろうがな」 - フェア
- 「セイロン・・・」
- セイロン
- 「敵に回してためらいはない、などとは言えぬ
だが、あやつは今まで そうした感情を殺して長を務めてきたのだ
我だけが、客人面でその責任から逃げるわけにもいくまい
御使いとしての立場を 最後まで、しっかりと貫き通してみせる
それが我の覚悟であり かつての友への誠意なのだからな・・・」 - セイロンの覚悟・・・ でも、本当にあなたはそれでいいの?
第16話 相談イベント
第18話 はばたき、空へと突き抜けて
- フェア
- 「・・・・・・」
- (コンコン)
- セイロン
- 「開いておるぞ、店主殿。遠慮せずに入って来い」
- (ガチャ)
- フェア
- 「まいったわね・・・
まるで、わたしが来ることお見通しだったみたいじゃない」 - セイロン
- 「気配を感じたからな」
- フェア
- 「気配???」
- セイロン
- 「鬼妖界における武術はことに精神鍛錬を重視するものでな
修行の果てに、説明のつかぬ不思議な力さえ体得できるのだよ
我ら龍人は、それが魂の持つ力だと解釈しているがな」 - フェア
- 「魂の力・・・
じゃあ、もしかしてセイロンが、武術を学んだのって・・・」 - セイロン
- 「そのとおり、これも「至竜」の境地に至る修行の一環なのだよ
なかなか、簡単には到達できぬがな?」 - フェア
- 「あはははっ」
- セイロン
- 「だからこそ、我はギアンと戦うのが正直、恐ろしい」
- フェア
- 「え・・・」
- セイロン
- 「こともなげに、「竜」に至るのだと、あの男は言うことができる
我にはできぬよ とても、そのような自身はないのだ」 - フェア
- 「セイロン・・・
しっかりしてよね!? いつものあなたらしくないじゃない?」 - セイロン
- 「フェア・・・」
- フェア
- 「なんていうかあなたって、いつも偉そうに笑ってて
根拠のない自信に満ちあふれてるのが当然だったじゃない」 - セイロン
- 「それは、我ではなく店主殿のことであろう?」
- フェア
- 「え?」
- セイロン
- 「無理難題を前にして引くことも、かわすことも潔しとせずに
正々堂々とぶつかって、結局は乗り越えてしまう
そんな店主殿の姿を見て、我は心底感心をしておるのだぞ?」 - フェア
- 「あれは・・・ただ、必死になってやってるだけよ
別に、立派な考えがあるワケじゃないよ」 - セイロン
- 「自然体だからこそ感心しておるのだよ」
- フェア
- 「買いかぶりすぎだと思うけどなあ
今だって、不安で眠れなくて、ここにいるんだし・・・」 - セイロン
- 「過程は問題ではない。それは、そなたの持論のひとつであろう?」
- フェア
- 「!」
- セイロン
- 「おびえようが取り乱そうがいざという場面で
ためらわずに決断をし行動できれば、それで充分ではないか」 - フェア
- 「そっか・・・うん、そうだね
難しく考えたってなるようにしかならないもんね」 - セイロン
- 「あっはっはっは。それでこそ店主殿だぞ」
- フェア
- 「それはこっちのセリフよ
そんなふうに陽気に笑ってるのが、一番セイロンらしいよ」 - セイロン
- 「うむ、笑う門には福が来るともいうしな
明日の決戦を最後にそれぞれがそれぞれの日常を取り戻せれば
これほど、めでたいこともあるまいさ」 - フェア
- 「ええ、そうだね」
- セイロン
- 「そうすれば・・・我も、心おきなく旅立つことができる」
- フェア
- 「旅立つって・・・リュームたちも一緒なんでしょ?」
- セイロン
- 「いや、そうではない
我は、御使いの座を辞するつもりなのだ」 - フェア
- 「!」
- セイロン
- 「仲間たちには、もう理解してもらっておる」
- フェア
- 「なんで!? 確かに継承は無事に終わったけど・・・
リュームにはセイロンの助けがまだ必要なはずでしょ?」 - セイロン
- 「以前、話したであろう
我は、自らの意志でこの世界にやってきて
客人として、守護竜殿の世話になっておった。その見返りに・・・
御子殿が一人前になるまで、御使いの役目を引き受けていたのだ
本来の目的を一時的に、棚上げしてな」 - フェア
- 「本来の目的?」
- セイロン
- 「我が一族が祭っている龍神イスルギさまがこの世界に遣わした
龍姫さまと呼ばれる御方を、鬼妖界に連れ帰ることだよ」 - フェア
- 「龍姫ってことはつまり、その人も龍神ってこと?」
- セイロン
- 「鬼妖界の静かなる龍神や鬼神は、霊界の天使たちと同様に
エルゴの王と、深い親交があったのだよ
彼の戦いが終わった後も、望んでこの地に残られた方もいる」 - フェア
- 「龍姫さまってのもその一人ってこと?」
- セイロン
- 「ああ、本来ならば連れ戻す必要などなかったのだがな
彼女を祭っていた一族の血筋が絶えてしまったのでな
心配された龍神さまが我を迎えの使者として遣わされたのだよ」 - フェア
- 「・・・って! ずっとほっといていいの!?」
- セイロン
- 「失敬な、ちゃんとお捜ししてはいたぞ
ただ、いかんせん手がかりがまるでないのだよ
龍神の谷の御屋敷はもぬけの空になってしまっておったし
どうやら、人里に出ていってしまわれたらしいのだよ」 - フェア
- 「あちゃ~」
- セイロン
- 「まあ、龍姫さまはこちらの暮らしも長いであろうから
そう心配せずともうまくやっていると思っておるよ
あの御方のように馴染みすぎていても困るがな・・・」 - フェア
- 「あの御方???」
- セイロン
- 「いやいや、別になんでもないぞ あっはっはっは♪」
- フェア
- 「???」
- セイロン
- 「まあ、そういう理由で我は旅に出るのだよ」
- フェア
- 「そっか・・・じゃあ、仕方ないよね
でも、なんだかさみしくなっちゃうな」 - セイロン
- 「店主殿・・・」
- フェア
- 「わかってたつもりだったんだけどさ いざとなるとね
やっぱり、つらいよ みんなと離ればなれになっちゃうのはさ
もうずっと、一人で暮らしていたせいかな
他の誰かが、この家にいてくれるってことがすごくうれしくって
だから・・・」 - セイロン
- 「それは、我とて同じ気持ちさ
これほど安らいだ気持ちで過ごせたのは初めてかもしれぬ
きっと・・・フェア そなたのおかげだ」 - フェア
- 「セイロン・・・」
- セイロン
- 「そなたは優しい そして、その優しさがここには満ちている
そなたの優しさに包まれて、日々を過ごしてきたことで
我らが心に受けた傷は癒されたのだろうな 感謝しておるよ」 - フェア
- 「べ、別に・・・わたし、特別なことはしてないし・・・」
- セイロン
- 「守ってみせるよ そなたは、けして傷つけさせぬ
皆が、笑ってそれぞれの門出を迎えられるように
そして、またここで何度でも、笑って再会できるように」 - フェア
- 「うん・・・」
エンディング
- ルシアン
- 「ありがとうございます また、お越しください」
- フェア
- 「ギネマ鳥のオムレツにソレルクの甘辛煮込み あがったよ!」
- リシェル
- 「はいはい、了解! お次は海賊風焼き飯ふたつ、よろしく!」
- フェア&リシェル
- 「つ・・・っ つかれたあぁ・・・っ」
- ルシアン
- 「二人とも、ほんとにおつかれさま」
- フェア
- 「うん、ルシアンもおつかれさま」
- リシェル
- 「にしても、最近のお昼時って、戦場そのものよねえ
ちょっと前まではお客が列を作るなんてありえなかったもん」 - ルシアン
- 「それはそうだよ! なんたって、今のフェアさんは
「ミュランスの星」が認めた、帝国最年少の有名料理人だもの
噂を聞いて、遠くから食べに来る人たちもいるくらいなんだよ」 - リシェル
- 「有名料理人ねぇ・・・」
- フェア
- 「そんなのは、他人が勝手に騒いでるだけよ
わたしはただ、ずっとこの町でおいしい料理を作り続けて
もっと、みんなに喜んでもらいたいだけ それだけでいいの
まあ、とにかく今はひと休みにしましょ
夜になったら、また大忙しなんだから」 - リシェル&ルシアン
- 「はーい・・・」
- セイロン
- 「そうか、そうか 繁盛しておるのなら結構ではないか」
- フェア
- 「他人事だとおもってのんきだよねえ
もーっ、どうせなら忙しい時にやって来て手伝ってほしいよ」 - セイロン
- 「それはできぬな こう見えて、我は我で忙しいのだよ」
- フェア
- 「龍姫さま探しでしょ?
すこしは手がかりとか見つかったの?」 - セイロン
- 「いや、それがまるでさっぱりなのだよ あっはっはっは♪」
- フェア
- 「笑って言うようなことじゃないでしょ!?」
- セイロン
- 「失敬な、これでも足を棒にして捜してはいるのだぞ?
大道都市のほうまでひとしきり歩いて回ってきたし
旅人たちにもマメに話は聞いておるのだ」 - フェア
- 「(このところ、姿を見せないと思ったら
そんなところにまで調べに行ってたのね)」 - セイロン
- 「結論から言えば、この近辺にはいないと考えるべきだろうな」
- フェア
- 「じゃあ、やっぱり旅に出るの?」
- セイロン
- 「そのつもり・・・だったのだがな
ちょっとばかり事情が変わったのだ」 - フェア
- 「は?」
- セイロン
- 「店主殿が懇意にしていた・・・
ほれ、シャオメイとかいう占い師
彼女に事情を話したら協力してくれることになったのだよ」 - フェア
- 「協力って・・・そりゃ、あの子はミョーに物知りだし
いろいろと不思議なこともできちゃうけどだからって・・・」 - セイロン
- 「彼女は「龍神」だよ。おそらく、先代よりもはるかに永い歳月を
過ごされている御方だ」 - フェア
- 「!」
- セイロン
- 「店主殿も、薄々とは気づいておったのではないのか?」
- フェア
- 「まあ、普通じゃないことは、わかっていたつもりだけど・・・
(そっか、あの子も「至竜」だったんだ・・・)」 - セイロン
- 「竜の道は竜に訊け! 調べてあげるからここで待ってなさい
・・・そう言われてしまった手前、待つしかあるまいて」 - フェア
- 「ははは・・・」
- セイロン
- 「商売仲間に、情報を扱う人物がいるとも言っておられたし
闇雲に捜すよりもきっと、そのほうがよかろうと思ってな」 - フェア
- 「・・・じゃあそれまでは、この町にいるってこと?」
- セイロン
- 「ああ、そうなるな
とはいえ、まさか「隠れ里」に出戻るわけにもいかぬし
困ったものだよ あっはっはっはっは♪」 - フェア
- 「・・・読めたわよ?
さては、セイロン また、うちに居候するつもりねっ!?」 - セイロン
- 「おお、さすがは店主殿 話の手間が省ける!」
- フェア
- 「あのねえ・・・」
- セイロン
- 「・・・ダメかね?」
- フェア
- 「仕方ないでしょ? もぉ・・・っ
その代わり、ちゃんと食べるぶんは働いてもらいますからね?」 - セイロン
- 「無論、心得ておるとも
大船に乗ったつもりで任せてくれたまえ あっはっはっは♪」 - フェア
- 「やれやれ・・・」
- テイラー
- 「おい、本当に最後まで顔も見せずに行くつもりなのか?」
- ケンタロウ
- 「ああ、親がなくとも子は育つ、ってな
アイツも、想像以上にいっちょまえに育ってやがったからなあ
オレ様がいなくたってなにも問題はねーさ」 - テイラー
- 「だが、いくらなんでも薄情すぎやしないか?
次はいつ、戻ってこられるかも知れんというのに・・・」 - ケンタロウ
- 「約束がよ、いまだに守れてねーんだよなあ
エリカの病気を治して家族みんな、揃って一緒に暮らしていく
その方法を見つけるまでは、オレ様は帰れねえんだわ」 - テイラー
- 「だが・・・」
- ケンタロウ
- 「バカとかクソとかロクデナシってのは慣れちまったけどよ
ウソつき、って呼ばれるのだけはカンベンだからな」 - テイラー
- 「そうか・・・」
- ケンタロウ
- 「つーわけだからよ 悪いが、もうすこし世話を頼むわな」
- テイラー
- 「ふん、言われずともわかっておるわ
あの人の居場所は二度と、誰にも荒らさせはせんよ
だから、とっとと約束を果たして戻ってこい!!」 - ケンタロウ
- 「おうよッ!」
- リシェル
- 「なるほど・・・それで、あんたがここにいるワケか」
- セイロン
- 「うむ、そういうことだ」
- ルシアン
- 「だけど、本当にだいじょうぶ?
セイロンさんお店を手伝うのって初めてでしょ?」 - セイロン
- 「ははは、ずっと側で見ておったから心得たものだよ」
- リシェル
- 「見た目ほどラクじゃないわよぉ?」
- セイロン
- 「う、うむ・・・」
- フェア
- 「ふふっ、これからさんざん働いてもらうんだから
イヤでも、すぐに慣れるわよ♪」 - セイロン
- 「ははは・・・」
- ルシアン
- 「心配しないで? わからないことは僕が教えるからさ」
- セイロン
- 「よろしく頼む・・・」
- フェア
- 「それじゃ夜の部の営業、はりきって行くわよ!」
- リシェル&ルシアン
- 「おーっ!」
- いずれまた、別れの時は訪れるであろう
だが、今しばらくの間は、そなたらと共に暮らそう
そなたの優しさと笑顔に満たされた、心地の良いこの場所で
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