藍空れぃん。様
- 旅は道連れ、料理は愛情 ~Wicked Bros Forever…~
- フェア
- 「急に呼び出すなんてどうしたんですか オーナー?
怒られるようなことは、してないと思うけど・・・」 - テイラー
- 「これを見てみろ」
- フェア
- 「「ミュランスの星」の最新号、上半期の新人料理人特集・・・
・・・って わたしが載ってる!」 - テイラー
- 「見てのとおりだ ワシも予想だにしなかったが
貴様の努力の成果がこうして実を結んだというワケだな」 - フェア
- 「オーナー・・・」
- テイラー
- 「だが、まだまだ! こんなもので調子にのるなよ?
ふぬけたりしたら即刻、クビにしてやるからな?」 - フェア
- 「は、はい・・・」
- テイラー
- 「ふむ、まあ それはそれとしてこういうものが
副賞として送られてきたのだがな・・・」 - リシェル
- 「シルターン自治区に慰安旅行でお二人分ご招待ですって!?」
- グラッド
- 「やったじゃないか!」
- フェア
- 「うん、うれしいにはうれしいんだけど なんていうか・・・
旅行してる場合じゃなくない? わたしたちって」 - リシェル&グラッド
- 「あ・・・」
- アロエリ
- 「そうとも、不謹慎だ!
我々、御使いが日々使命に従事しているというのに・・・」 - セイロン
- 「いや、しかし息抜きも大切なことだぞ?
どうだ、アロエリ この際、二人分だというのなら
そなたが、ついていくというのは?」 - アロエリ
- 「ばば・・・っ!? バカなことを言うな セイロンっ!?」
- ミント
- 「でも、ちょっともったいない気もするよねえ・・」
- フェア
- 「そうだ、シンゲン これで自治区に行くっていうのはどう?
もともと、旅の目的なんだしさ」 - シンゲン
- 「お気持ちは、非常にうれしいのですが しかし・・・」
- (ベベンッ!)
- シンゲン
- 「観光用の旅券では自治区に住むことはできないんですよ
手続きやらなんやらそういう費用もまた必要でして・・・」 - フェア
- 「ええっ、そうなの?」
- アカネ
- 「そういうのが大変だから、あたしやお師匠はさ
自治区に行こうと思わなかったんだよねえ・・・」 - アロエリ
- 「それに今、シンゲンに抜けられてしまうのは戦力的にも痛いぞ?」
- グラッド
- 「たしかに・・・」
- リシェル
- 「でもさ、あんたはこの機会に休んだほうがいいかもね」
- ミント
- 「働きづめのうえに戦いまくりだものねえ・・・」
- フェア
- 「うん、じつはオーナーにも厳命されたんだよね
下手に倒れられたらそれこそ困るからちゃんと休めって」 - グラッド
- 「とすると、問題は誰がついて行くかだよなあ」
- リシェル&ルシアン
- 「!」
- ミント
- 「ひとりっきりで行かせるのも逆に心配だし・・・」
- ミルリーフ
- 「じゃあ、ミルリーフがついてってあげる♪」
- フェア
- 「それはムリよ」
- ミルリーフ
- 「えーっ!!
どうしてぇ!?」 - フェア
- 「ミルリーフだけならいいよ、でも、そうなったら・・・」
- リビエル
- 「当然、同行しますわ」
- アロエリ
- 「それが御使いとしての務めなのだからな」
- セイロン
- 「最低、3人分の旅費が追加となるわけだな あっはっはっは!」
- フェア
- 「というワケなの・・・」
- ミルリーフ
- 「ううっ、でも・・・」
- アルバ
- 「今回はガマンしてさ おいらたちと一緒に留守番しよう、な?」
- ポムニット
- 「そうですよ ミルリーフちゃんはいい子ですもの
聞きわけてくれますよね?」 - ミルリーフ
- 「うぅ・・・わかったよぉ
ミルリーフ、いい子でお留守番する・・・」 - フェア
- 「うーん、やっぱり悪い気がするなあ」
- シンゲン
- 「いいじゃないですか ご主人はずっと働きづめだったんですし
たまには、羽根をのばしても、バチは当たりゃしませんよ」 - アルバ
- 「留守の間のことはおいらたちに任せて楽しんできてくれよ」
- アカネ
- 「そうそう、アタシが留守番してる限りは
間違っても、泥棒になんか入らせないからさっ♪」 - フェア
- 「元泥棒に太鼓判をおされてもねえ」
- アカネ
- 「あ、やっぱし?」
- フェア
- 「・・・うん、わかった じゃ、みんなの好意に甘えさせてもらうね」
- ─門前の広場─
- フェア
- 「いい天気ね これなら雨の心配はしなくてよさそう」
- リシェル
- 「うんうん 楽しい旅行になりそうね♪」
- フェア
- 「・・・ていうか なんであなたたちがついて来てるの?」
- ルシアン
- 「あははは・・・」
- リシェル
- 「なによぉ? 別にいいじゃないの 自腹なんだしさ
あたしは、あんたの保護者として、ついてってあげるんだから」 - フェア
- 「保護者なら、もう間に合ってるよ」
- リシェル
- 「なによ、それ!? まるで、人を邪魔者みたいに・・・」
- ミント
- 「まあまあ、二人とも ケンカしちゃダメよ
せっかくの旅行だもの みんな仲良く、楽しくいきましょう、ね?」 - ルシアン
- 「心配しないで ねえさんの面倒は僕が見るから」
- フェア
- 「う、うん・・・」
- グラッド
- 「休暇さえとれたら俺も、ついてってやれたんだけどな」
- ポムニット
- 「右に同じです えうぅ・・・」
- ミント
- 「仕方ないですよ お仕事も大切ですもの
みんなの引率はちゃんと、私がやりますから」 - ポムニット
- 「くれぐれも、よろしくお願いいたします」
- リシェル
- 「留守の間、ちゃんとチビちゃんたちを守ってあげてね?」
- グラッド
- 「おう、任せろ!」
- フェア
- 「それじゃ、そろそろ出発しましょ」
- ルシアン
- 「いってきまーす!」
- リシェル
- 「シルターン自治区かぁ ちっちゃな時に、一度行ったきりね」
- ルシアン
- 「あれ? 僕はおぼえていないけど・・・」
- リシェル
- 「そりゃそうよ だって、あんたはまだちっちゃかったもの
ママを実家に迎えにいった時、ついでにパパと観光したのよ
帝都からだと自治区は、すぐ近くだからね」 - ルシアン
- 「そうなんだ・・・」
- フェア
- 「お姉ちゃんも自治区は初めてなの?」
- ミント
- 「ええ、そうよ だから、ちょっと楽しみなの
フェアちゃんは?」 - フェア
- 「わたしも初めてなの 父さんから話に聞いたことはあるけど
あとは本かな・・・ 鬼妖界の食文化って独特みたいだから
一度、じっくり見てまわりたいって思ってたんだ」 - ミント
- 「よかったわねえ 願いがかなって
私も、鬼妖界の珍しい植物や野菜 見れたらいいなあ」 - フェア
- 「うん、きっと・・・」
- ???
- 「知らないわよっ!? そんなことっ!!」
- フェア
- 「???」
- ???
- 「フィズおねえちゃん きっと、ママたち 心配してる・・・」
- フィズ
- 「どーだか・・・ そんなの、わかるもんですか・・・
二人っきりになれてかえって、喜んでるかもしれないわよ」 - ???
- 「そんなこと・・・」
- フィズ
- 「うるさいわねえ そんなに気になるんだったら
ラミ、あんたは帰りなさいよ!」 - ラミ
- 「・・・(ふるふる)」
- フィズ
- 「どうせ、この旅が終われば、あんたともお別れなんだもの
少しくらい早まってもかまやしないわよ!」 - ラミ
- 「待って!? 待ってってば!?」
- リシェル
- 「・・・今の、なに?」
- ルシアン
- 「よくわからないけど姉妹でケンカしてたみたいだったね」
- リシェル
- 「みっとないたらありゃしないわね 道の真ん中で」
- フェア
- 「リシェルだってよく、似たようなことしてるクセに」
- リシェル
- 「なんですってぇ!?」
- ルシアン
- 「でも、あの子たち だいじょうぶかな
街道から外れていっちゃったけど」 - ミント
- 「心配よね」
- リシェル
- 「もぉ、赤の他人の心配なんてしなくていいじゃないの
ぼけっとしてたら今夜の宿につけなくなっちゃうわよ?」 - フェア
- 「うん、そうね 先を急いだほうがよさそう・・・」
- ???
- 「・・・おい そこのオマエら ちょっと待てよ?」
- フェア
- 「!」
- ???
- 「今、このへんで緑色と金色の髪をした女の子二人
見なかったか?」 - フェア
- 「あ・・・ ええと・・・」
- リシェル
- 「見なかったけど?」
- ルシアン
- 「ちょ・・・ ねえさんっ!」
- リシェル
- 「いいからっ!」
- ???
- 「そうか・・・ いや、ならいい
邪魔したな」 - ミント
- 「行っちゃった・・・」
- ルシアン
- 「ねえさん、どうしてウソついたりしたの?」
- リシェル
- 「だって、今のあいつ どう控えめに見ても悪人ぽいじゃない
目つきとかさミョーに鋭かったし」 - フェア
- 「たしかに、ちょっと物騒な雰囲気はかんじたよね」
- リシェル
- 「でしょ、でしょ!
きっと、あの子たち あいつから逃げているんじゃない?」 - ルシアン
- 「まさか・・・」
- ミント
- 「だけど、もしそれが当たってるとしたら
あの子たちのこと ますます、心配になっちゃうわね」 - リシェル
- 「う・・・」
- フェア
- 「追いかけて知らせてあげたほうがいいかもね」
- リシェル
- 「はいはい わかったわよ もぉ・・・っ」
- フィズ
- 「みんな、みんなおかしいわよ!
ずっと一緒に暮らしてたのに
離ればなれになっちゃっても平気な顔してさ」 - ラミ
- 「ねえ・・・ やっぱり、ラミね
ミモザお姉ちゃんのお家の子供になるのやめにしようか?」 - フィズ
- 「ダメよ、そんなの!
ロランジュ家の人たち、すごく喜んでくれたじゃない?
家名を継いでくれる子供が出来たって」 - ラミ
- 「でも・・・」
- フィズ
- 「あんたには召喚師としての素質がある
せっかくの才能を磨かないなんてもったいないわ」 - ラミ
- 「・・・・・・」
- フィズ
- 「ホントは、あたしもわかってるんだよ
みんな、いつまでも一緒じゃいられない仕方ないんだって」 - ラミ
- 「うん・・・」
- フィズ
- 「エドスは、もうすぐお父さんになるし レイドもアルバも
自由騎士って夢を追っかけて、遠くにいっちゃった
こだわってるのはきっと、あたしだけ やりたいこととか
見つけられないまま こんなふうに、ただ反発だけして・・・」 - ラミ
- 「お姉ちゃん・・・」
- フィズ
- 「ごめんね、ラミ お姉ちゃんなのに困らせちゃって」
- ラミ
- 「・・・(ふるふる)」
- フィズ
- 「帰ろっか?」
- ラミ
- 「・・・(こくん)」
- ギムレ
- 「おーっと! そういうワケにはいかねえな!!」
- フィズ&ラミ
- 「!?」
- ギムレ
- 「お嬢ちゃんたち ママから教わらなかったのかい?
子供だけで遠くにきたら、悪い人に連れて行かれて
遠い所へと売られてしまうってなァ!?」 - バレン
- 「あんちゃん、やっぱよくないって・・・
召喚獣ならともかく人間の子だなんて
バレたら、一生 牢屋につながれちゃうよ!?」 - ギムレ
- 「ええい、うるさいっ!
どのみち、これにしくじっちまえば後はねえんだ
腹くくりやがれ! バレンっ!!」 - バレン
- 「わ、わかったよう あんちゃん・・・」
- (ギュイィン!)
- バレン
- 「出でよ、幻獣界の下僕たちよ!!」
- (ピカッ!)
- 召喚獣
- 「グルルルル・・・ッ」
- ラミ
- 「メイトルパの召喚術・・・」
- ギムレ
- 「さあ、そいつらをとっ捕まえろ!!」
- 召喚獣
- 「ガアアアァァッ!!」
- フィズ
- 「でりゃああっ!!」
- (ブシュッ!)
- 召喚獣
- 「ギャンッ!?」
- フィズ
- 「なめないでよね?
自分の身を守るためなら、遠慮はしないんだから!」 - ギムレ
- 「くむむ・・・っ」
- フィズ
- 「ラミ、あたしから離れちゃダメよ!」
- ラミ
- 「・・・(こくん)」
- ギムレ
- 「ガキどもめ・・・
世の中の厳しさってもんを、たっぷりと教えてやるッ!!」 - リシェル
- 「あんたたちにね!!」
- (ギュイィン! ピカッ!)
- ギムレ
- 「ぴぎゃあっ!?」
- バレン
- 「あ、あんちゃんっ!?」
- ルシアン
- 「だいじょうぶ キミたち?」
- ラミ
- 「さっき、すれ違った旅の人たち・・・」
- ミント
- 「心配だったからね 追いかけてきたの
間にあってよかったわ」 - フィズ
- 「あ、うん・・・ ありがとう・・・」
- フェア
- 「召喚獣がダメなら今度は、子供相手に悪さをしようなんて
なんてあきれた根性なのよっ!!」 - バレン
- 「あんちゃん・・・ や、やばいよ・・・」
- ギムレ
- 「うろたえるなッ! こいつら、前と違ってガキばっかだぜ
今度こそ、借りを返してやるッ!!」 - リシェル
- 「そういうけどさ あんたたちだって二人きりじゃん?」
- ギムレ
- 「ぐ・・・っ」
- リシェル
- 「手下に見はなされて召喚獣しか味方がいないなんて
かわいそうすぎて泣けてきちゃうわ」 - ギムレ
- 「う、うるさいッ!! バカにするなぁ!?
こうなりゃ、ヤケだ テメエらをまとめてぶちのめして
あり金まきあげてからとんずらしてやる!!」 - ???
- 「ケッ、なにセコイこと偉そうに言ってやがる バカどもが・・・」
- ギムレ
- 「な・・・っ!? テメエ、いつの間に俺の背後に・・・」
- フィズ
- 「ガゼルっ!?」
- ガゼル
- 「ったく、勝手に宿を飛び出していった挙げ句に
こんなバカな連中に引っかかりやがって」 - フィズ
- 「・・・っ」
- ルシアン
- 「あの人、君たちの知り合いだったんだ」
- ラミ
- 「ガゼルお兄ちゃんはラミたちのお父さんがわり・・・
ずっと、ずっと 守ってくれた人なの」 - ミント
- 「そうだったの・・・」
- ガゼル
- 「おい、そこのホウキ頭!」
- フェア
- 「ほ、ホウキ頭ぁ!?」
- ガゼル
- 「ばっくれやがったことは、この際 チャラにしとくぜ
チビたちのこと 心配してくれてたみたいだしな」 - フェア
- 「う、うん・・・」
- ガゼル
- 「かわりに手を貸せ! この性根の曲がったバカどもを
ぶちのめしてやる!!」 - フェア
- 「言われなくたってそのつもりよ!!」
- ―バトル―
- ギムレ
- 「た、退却だっ! なにはともあれたいきゃ・・・」
- ラミ
- 「ダメ・・・ 悪いことしたら 逃げちゃ、ダメ!」
- ミント
- 「おしおき召喚・・・ せーのっ!」
- (キュイィン! ピカッ!)
- ミント&ラミ
- 「スライムプレス!!」
- ギムレ
- 「ひえええぇぇっ!? ね、ネバネバするうっ 動けねえぇぇっ!?」
- バレン
- 「あ、あんちゃん・・・ 気持ち悪いぃ・・・っ」
- リシェル
- 「ふん、いい気味だわ」
- ルシアン
- 「僕、グラッドさんを呼んでくるよ!」
- グラッド
- 「よし、あとは俺に任せてくれ
二度と悪さなんかする気がなくなるよう、それはもう
きつぅーく、罰を与えてやるからな!」 - ギムレ&バレン
- 「とほほほほ・・・」
- フェア
- 「お願いね お兄ちゃん」
- リシェル
- 「ねえ、そう言えば あの子たちは?」
- (バシッ!)
- フィズ
- 「い、いた・・・っ」
- ???
- 「その程度ですんでよかったんだって思いなさい!
さんざん、心配かけて・・・っ もぉ・・・っ!」 - フィズ
- 「リプレママ・・・ ごめんなさい・・・」
- ラミ
- 「お姉ちゃんを許してあげて、リプレママ
勝手に飛び出したのは悪かったけど、だけど ちゃんと反省して
自分から、帰ろうって だから・・・」 - ガゼル
- 「まあ、原因のひとつは オレが昨日、怒鳴ったせいでもあるからな
すまねえ、リプレ オレからも頼むわ」 - リプレ
- 「うん・・・」
- ミント
- 「リプレさんって言ったかしら?」
- リプレ
- 「あ、はい・・・ ありがとうございます
子供たちのこと 助けていただいて」 - ミント
- 「気にしないで 私たちが好きでしたおせっかいだし
それよりも、ねえ もしかしたらって思ったんだけど
ミモザ・ロランジュって名前の召喚師とお知り合いかしら?」 - リプレ
- 「え!?」
- ガゼル
- 「なんで、あんたがミモザのことを知ってんだよ?」
- ミント
- 「やっぱり・・・」
- ガゼル
- 「じゃあ、あんたもギブソンやミモザとおんなじ
蒼の派閥の召喚師だってことか」 - ミント
- 「うん、とくにミモザ先輩とはなかよしだよ
だから、貴方たちのことも、すこしだけ聞いたことがあるの」 - リプレ
- 「そうだったんですか」
- フェア
- 「ねえ、お姉ちゃん わたしたちにもわかるように説明して」
- ミント
- 「ああ、ゴメンゴメン えっとね、簡単に言っちゃうと
この人たちはね アルバ君の仲間 ううん、ご家族よ」 - リシェル&ルシアン
- 「えーっ!?」
- フェア
- 「(そういえば、前に一緒にパンを作った時に
アルバが言ってた名前も、たしかリプレ・・・)」 - リプレ
- 「???」
- フィズ
- 「あんたたち、なんでアルバの名前を知ってんの!?」
- ルシアン
- 「ああ、それは・・・」
- フィズ
- 「アルバ、この町に来てるんだ・・・」
- リプレ
- 「ごめんね フェアちゃん
アルバが、すっかり面倒をかけちゃって」 - フェア
- 「ううん、アルバにはわたしたちもお世話になってるから」
- ルシアン
- 「あの、せっかくだし 会っていかれたらどうですか?
きっと、喜ぶと思いますよ!」 - ガゼル
- 「いや、それはダメだ」
- フィズ
- 「なんでよ、ガゼル!?」
- ガゼル
- 「あいつとの約束 覚えてるだろう?
次に俺たちと会うのは一人前の騎士として そういう約束だ
男と男の約束を簡単に破るわけにはいかねえ」 - フィズ
- 「でも・・・っ」
- リプレ
- 「私たちの顔を見たらアルバの決心が鈍ってしまうかもしれない
だから、ガマンして 私だって、本当は会いたいんだから
ね、フィズ?」 - フィズ
- 「うん・・・」
- ガゼル
- 「さて、そろそろ先を急ぐとすっか
次の宿につく前に日が暮れちまうと大変だからな」 - リシェル
- 「そうよ! あたしたちも急がなくちゃ!?」
- ラミ
- 「お兄ちゃんたちも 帝都に、行くの?」
- ルシアン
- 「うん、そうだよ シルターン自治区っていう場所に
観光しにいくんだ」 - ラミ
- 「じゃあ、ラミたちとおんなじだね♪」
- フェア
- 「そうなの?」
- リシェル
- 「ちょうどいいじゃん なら、一緒に行こうよ」
- ミント
- 「そうね・・・ そのほうが、きっと楽しいわよね?」
- リプレ
- 「ええ、そういうことだったら、喜んで」
- ─食堂─
- フェア
- 「あれ・・・ 誰もいない・・・」
- セクター
- 「みんなだったら湖まで出かけているよ」
- フェア
- 「セクター先生! どうしてここに?」
- セクター
- 「留守番を頼まれたのさ 用心のためにね」
- フェア
- 「そっか・・・
(みんなを連れてきてたら、無駄足になってたんだ)」 - セクター
- 「それより、君こそどうしてここに?」
- フェア
- 「えっと、ちょっと 忘れ物を思い出して あはははは・・・」
- セクター
- 「そうですか でも、早く戻ってあげたほうがいい
さっきも街道でならず者たちが捕まったそうだし」 - フェア
- 「あ、うん・・・ 気をつけるから! あははは・・・」
- ─町の外へ─
- ミント
- 「すると、貴方たちは家族旅行で自治区に向かっていたのね」
- リプレ
- 「ええ、仲間たちが旅費を出しあってくれたんです
ひとつくらい こういう思い出を作っておけ、って」 - リシェル
- 「ひとつくらい、ってどういうこと?
まるで、最初で最後みたいな言い方じゃないの?」 - リプレ
- 「うん・・・ じつは、そうなの このたびから戻ったら
この子は、ミモザの家に養子へ行くって決まってるから」 - ラミ
- 「・・・・・・」
- ミント
- 「ロランジュの家に行くってことは
そっか・・・ 先輩たち、ついに結婚されるのね」 - リシェル
- 「ああ、跡継ぎの問題ってワケか」
- リプレ
- 「この子のためにも それがいいんじゃないかって
本人も納得して決めたことなの だけど・・・」 - ルシアン
- 「フィズちゃんは納得してないんだ・・・」
- ガゼル
- 「気持ちはわかるさ あいつらは実の姉妹なんだし
文句もあるだろうけどな・・・」 - ルシアン
- 「召喚術の素質が高すぎる者は無意識のうちに
暴発や暴走事故を引き起こしかねない」 - ガゼル
- 「ああ、そうさ ラミは、そういうまれな例だった
魔力の制御法は仲間うちで教えてやれたんだが
それ以上のことは専門家である召喚師に任せるしかねえ
渡りに船だったのさ ミモザの申し出はな」 - フィズ
- 「わかってるけど でも、どうしても納得できないの!
ずっと一緒にいたみんなが、どんどん離ればなれになって
あたしだけが おいてけぼりにされてく・・・」 - フェア
- 「(不安なんだよね きっと・・・
似たような気持ち わたしも、感じたことがあるから
でも、こればっかりは他人がなんとかしてあげられないから
彼女が、自分で答えを見つけなきゃいけないんだ・・・)」 - フェア
- 「うわぁーっ、ここがシルターン自治区!」
- ミント
- 「見た目からして異世界の雰囲気 ぷんぷんだよねえ」
- リシェル
- 「ちょっと、二人とも声が大きいってば
田舎者に見られちゃうでしょ?」 - ミント
- 「あ、あははは ごめんね リシェルちゃん」
- ルシアン
- 「でも、たしかにすごいよねえ」
- ガゼル
- 「ああ、圧倒されるな」
- リシェル
- 「しょうがないわねえ よーし、だったらあたしが
自治区の見所をばっちり案内してあげるわ!」 - リプレ
- 「うん、よろしくね」
- フェア
- 「うーん、ちょっと食べ過ぎちゃった」
- ミント
- 「私も、もうお腹が風船になっちゃった気分だよ・・」
- ルシアン
- 「鬼妖界の料理はとにかく種類が豊富だからねえ」
- リシェル
- 「栄養満点すぎるから 気をつけないと太っちゃうわよぉ?」
- ミント
- 「えぇーっ!? そんなこと、今さら言われても・・・」
- フェア
- 「うう・・・っ ひどいよ、リシェル」
- ガゼル
- 「心配すんなよ 帰りも、しこたま歩くんだからな
ちょっとやそっとで太ったりしねえよ」 - ミント
- 「そ、そうよね? せっかくの旅行だし ちょっとぐらい♪」
- フィズ
- 「うん、楽しまなくちゃもったいないもんね♪」
- ラミ
- 「・・・・・・
お姉ちゃん・・・ やっと、笑ってくれた」 - ルシアン
- 「よかったね ラミちゃん?」
- ラミ
- 「・・・(こくん)」
- フィズ
- 「ところでさ リプレママはどこ行ったの?」
- リシェル
- 「ああ、気になることがあるって、外に出ていったけど・・・」
- (ガチャッ!)
- リプレ
- 「大変よ、みんな!?」
- ガゼル
- 「なんだよ、おい!? 血相変えて・・・」
- リプレ
- 「いいから、これを見てちょうだい!」
- フェア
- 「チラシ???」
- 名物料理コンテスト!
自治区の活性化のため新名物となる創作料理の大会を開きます!!
腕に自身のある料理人 熱烈歓迎募集中!!
特別審査員として、あの「ミュランスの星」のミュランス氏も来賓!
優勝者には、なんと 特選食材1年分が!!
これを見逃しては 料理人の名折れだッ! - フェア
- 「たしかに・・・ これは、大変ね」
- リシェル
- 「ちょ、ちょっと? あんた、目つきがコワイわよ・・・」
- フェア
- 「料理人の名折れとまで言われたら
参加しないわけにはいかないでしょ!!」 - リプレ
- 「そうね・・・ せっかくの高級食材1年分だもの・・・
もらって帰らなきゃ 台所の担い手として失格だわ!!」 - ガゼル
- 「お、おい・・・っ リプレっ!?」
- ミント
- 「あらら、二人とも やる気まんまんだねえ・・・」
- ルシアン
- 「面白がってる場合じゃないってば ミントさん!?」
- フェア
- 「ちょうどいい機会だし アルバから聞いたあなたの料理の腕
見せてもらうわ!」 - リプレ
- 「ええ、望むところよ かかってらっしゃい!」
- リシェル
- 「あーあ、こうなったらなにを言ってもムダなのよねえ・・・」
- フィズ
- 「リプレママも、あれですっごく負けずギライだからねえ・・・」
- フェア&リプレ
- 「正々堂々、勝負っ!」
- 司会者
- 「ご来場の皆さん 大変、たーいへん おまちどーでした!
シルターン自治区 観光地化記念日恒例の・・・
高級料理食材1年分争奪! 名物料理コンテストのはじまりだぁーっ!」 - 観客
- 「おぉー!!」
- フェア&リプレ
- 「・・・・・・」
- ガゼル
- 「ケッ、たかが料理でどうして、こんなにも盛りあがれんだよ
毎日、不自由なく食えるだけで幸せってもんだろうがよ」 - フィズ
- 「あーっ、またそんな憎まれ口叩いちゃって
リプレママが聞いたら怒るぞぉ?」 - ガゼル
- 「うっせえぞ、フィズ」
- ミント
- 「ガゼルさんの言いたいこともよくわかるよ
食べる物さえない毎日を送っている人たちからすれば
こういう催しは不愉快だろうしね」 - ガゼル
- 「・・・・・・」
- ミント
- 「でも、食べなきゃ生き物はみんな生きてはいけない
欠かせないことだからこそ、色々な工夫を重ねてきて
料理っていうものがうまれたんじゃない?」 - ガゼル
- 「・・・・・・」
- ラミ
- 「リプレママがね よく、言ってるよ?
少ない材料からでもご馳走を作ることはできるって・・・」 - リシェル
- 「調理する人が食べる人の幸せを願って作ったら
当たり前に料理は美味しくなるもの・・・でしょ?」 - ラミ
- 「・・・(こくん)」
- リシェル
- 「あいつもね 同じこと何度も繰り返してた」
- ミント
- 「素材にお金をかけても 見た目を派手にしても きっと大切なのは
そういう気持ちじゃないかなって、私も思ってるわ
逆に言えば、それをきちんとわかってるあの二人だったら
素晴らしい素材を使って、それ以上に素晴らしいお料理を
作ってくれるんじゃないかなって、すごく楽しみにしてるよ♪」 - ガゼル
- 「ケッ、俺だってな それぐらいのこたぁ わかってんだよ
ったく・・・」 - 司会者
- 「今年は、なぁーんとめでたい三十五周年を記念いたしまして
特別審査員をお招きいたしております!
帝都きっての老舗たるレストロ・メニエの元料理長にして
皆さまもお馴染みの「ミュランスの星」の初代編集長・・・
帝国料理界の至宝! ミュランス先生です!」 - ミュランス
- 「・・・・・・」
- 観客
- 「おぉ~!」
- フェア
- 「ええっ・・・!? グルメのおじいさん!?」
- リプレ
- 「え、ぐるめ???」
- ミュランス
- 「ふふふ、こんな場所であうことになろうとは面白いものだな」
- 司会者
- 「えーっと・・・ ミュランス先生 いったい???」
- ミュランス
- 「この娘は、上半期の「ミュランスの星」で期待の新星の一人に
選ばれた少女なのだよ」 - 司会者
- 「な、なんとぉー!? これは、意表をついた展開だあぁーっ!!」
- フェア
- 「ただ者じゃないって思ってはいたけど
まさか、先生さまだったなんて
どうして黙ってたの?」 - ミュランス
- 「地位や名誉などというものは、スパイスとよく似ておる
使いすぎれば鼻につく 素材本来の味を楽しむためには邪魔なだけ
そういうことだ」 - フェア
- 「なるほど・・・」
- ミュランス
- 「しかし、娘よ お前となれ合う気はわしには毛頭ない
全身全霊をかけてお前が美味いと思う料理を出してこい
わしの与えた課題にそったものではなく お前自身の味覚で
究極かつ至高の一品を作ってみせよッ!! さもなくば・・・
優勝など、夢のまた夢だと思うがいい
ふはははははっ!!」 - フェア
- 「・・・っ!」
- 司会者
- 「さあ、とんでもないことになってしまいましたあぁーっ!?
ミュランス先生をうならせなければこの若き料理人には
勝利はないのです!!」 - リプレ
- 「どうするの? フェアちゃん」
- フェア
- 「ああまで言われて逃げるなんてことできないよ
受けて立つわ! リプレさんも遠慮無しでお願いね!
あなたとの勝負もわたし、すごく楽しみにしてたんだから」 - リプレ
- 「わかったわ・・・
私も、とっておきの一品を見せてあげる だから・・・
おじけづいたりせず 貴方の全力を見せてちょうだい!」 - フェア
- 「もちろんよ!
(とはいえ・・・
おじいさんはわたしの料理の手の内を知りつくしてる
同じ料理を出したって笑われちゃうかも知れない・・・
とはいえ、新レシピをぶっつけ本番で考えて完璧に作れる?
ううう・・・ どうすればいいの?)」 - わたしは・・・
- あえて基本で戦う!
- 司会者
- 「・・・では 次の試食にいってみたいと思います!
作品名は・・・ え、えーっと?」 - リプレ
- 「栄養たっぷり、ママの「愛情らーめん」よ♪」
- ミュランス
- 「むう、この料理はいまだ見たことのないシロモノだな・・・
どれ・・・
・・・ッ!」 - リプレ
- 「どうかしら?」
- ミュランス
- 「この味、まさに筆舌に尽くしがたしッ!!!」
- フェア
- 「(おじいさんが、迷わずあの言葉を口に!?)」
- ミュランス
- 「たった一杯の器の中でスープと、小麦の麺が互いを高めあいつつ
理想的な美味しさで共存しておるわ!!
しかも、こいつは後をひく・・・
汁の一滴までも、飲み干さずにはいられん!」 - 司会者
- 「ベタボメだあぁーっ! これはもう、優勝は決まったかーっ!?」
- フェア
- 「はあ・・・」
- リシェル
- 「いい加減、元気出しなさいってば
審査員があの人だった時点で不利だったんだし
今日の負けは負けのうちに入らないって!」 - フェア
- 「ううん・・・ わたしの完敗・・・
時間がたってね ようやく、それがわかってきたの」 - ルシアン
- 「フェアさん・・・」
- フェア
- 「わたし、勝ちたくて そればっかり考えて
自分の料理の味を守ろうってことしか考えてなかった
食べる相手のことをどこか、ないがしろにしちゃってたんだ」 - リプレ
- 「・・・なぁーんだ
ちゃんと自分で気づいていたんならだいじょうぶだね?」 - フェア
- 「え・・・」
- リプレ
- 「今回は、たまたまこういう形で決着がついちゃったけど
また、新しいお料理で挑戦してきてくれる ・・・そうでしょ?」 - フェア
- 「うん、負けっぱなしは性にあわないもん
必ず、再戦しに行ってみせるよ!」 - リプレ
- 「うん、非常によろしい
それじゃあ、これは私からのごほうび♪」 - 新しいメニュー 愛情らーめん のレシピメモを手に入れた!!
- フェア
- 「これって・・・らーめんのレシピじゃない!?
いいの? こんな貴重なもの わたしに・・・」 - リプレ
- 「レシピだけ真似ても あの味は、簡単には出せないわ
でもね、私は きっと貴方だったらできると思うの
食べる人の笑顔が素敵なものだって知ってる貴方だったら、ね?」 - フェア
- 「リプレさん・・・」
- リプレ
- 「リプレでいいよ 私たちは、料理をこよなく愛してる
仲間で、競争相手なんだもの!」 - フェア
- 「うんっ!」
- フェア
- 「じゃあ、ここでお別れね」
- ガゼル
- 「ああ、短い間だったけど、結構楽しかったぜ?」
- ルシアン
- 「元気でね ラミちゃん」
- リシェル
- 「立派な召喚師になりなさいよ?」
- ラミ
- 「・・・(こくん)」
- リプレ
- 「アルバのこと どうか、よろしくお願いします」
- ミント
- 「心配しないで 責任をもっておあずかりするわ」
- ガゼル
- 「よし、それじゃあ そろそろ行くか?」
- フィズ
- 「・・・待って!?」
- ラミ
- 「お姉ちゃん?」
- フェア
- 「フィズ・・・」
- フィズ
- 「あいつに・・・ アルバに、伝えて
あたしは、あたしでがんばるから・・・
なまけたりしないで がんばりなさいよ! ・・・って」 - フェア
- 「うん、ちゃんと伝えるよ!
約束する!」 - フィズ
- 「うんっ!」
- ☆
料理大会でのうわさが近隣に広まった!
ちょっぴり店の評判があがった!
- 新レシピに賭ける!
- 新しいオリジナル料理を思いついた!
- 司会者
- 「・・・では 次の試食にいってみたいと思います!
作品名は・・・ え、えーっと?」 - リプレ
- 「栄養たっぷり、ママの「愛情らーめん」よ♪」
- ミュランス
- 「むう、この料理はいまだ見たことのないシロモノだな・・・
どれ・・・
・・・ッ!」 - リプレ
- 「どうかしら?」
- ミュランス
- 「この味、まさに筆舌に尽くしがたしッ!!!」
- フェア
- 「おじいさんが、迷わずあの言葉を口に!?」
- ミュランス
- 「たった一杯の器の中でスープと、小麦の麺が互いを高めあいつつ
理想的な美味しさで共存しておるわ!!
しかも、こいつは後をひく・・・
汁の一滴までも、飲み干さずにはいられん!」 - 司会者
- 「ベタボメだあぁーっ! これはもう、優勝は決まったかーっ!?」
- フェア
- 「ちょっと待った!!」
- ミュランス
- 「む・・・」
- フェア
- 「結果を出すのはわたしが、全身全霊をかたむけて作った
新作料理を口にしてからにして!!」 - ミュランス
- 「おお、五色・・・ 五色の輝きが・・・」
- 司会者
- 「こ、これは・・・ これはいったい!?」
- フェア
- 「ふっふっふ・・・」
- フィズ
- 「五色の小さなお団子みたいなのが、器に綺麗に盛られているわ」
- ラミ
- 「きれい・・・」
- リシェル
- 「あの色の数・・・ どこかで・・・」
- ルシアン
- 「もしかして・・・ サモナイト石の種類と同じ色じゃ!?」
- ミント
- 「いわれて見ればたしかにそうだわ!
機界、鬼妖界、霊界 幻獣界、そして名も無き世界
それぞれに見立てて輪を描くようにして並べてあるもの!」 - フェア
- 「そのとおり
これはリィンバウムとそれを取り巻く世界
その有り様をあらわした料理 「至源」の・・・
「ギョウザ」よ!!」 - リプレ
- 「「しげん」の・・・「ぎょーざ」・・・」
- ガゼル
- 「ぎょーざ、か・・・ まさか、こんな所で出くわすなんてな」
- リシェル
- 「あんた、あの料理を知ってるの?」
- ガゼル
- 「ああ、ダチからよ 名前だけは聞いてる
俺たちの知らない ずっと遠い世界の料理なんだそうだ
もとはといえば あの「らーめん」もそいつの好物でな
そいつのためにリプレが苦心して再現したもんなのな」 - ミント
- 「そうだったの・・・」
- フィズ
- 「でも、そんな料理をどうして、あの人が知ってるの???」
- フェア
- 「これはね、元々はわたしの料理じゃない
家族が揃っていた頃 父さんに教わりながら妹と一緒に作った
その時の料理をわたしなりに進化させたものよ」 - ミュランス
- 「むうっ、あれほど嫌っておった父親に教わった料理を
あえて、この一番にぶつけてくるとは
なんという覚悟!!」 - リシェル
- 「そう言えば聞いたことがあったけ
家族みんなで一度だけ、料理を作ったって・・・」 - ルシアン
- 「うん、僕もおぼえてるよ
みんなで皮をこねて 具を包んで、すごく楽しかったって」 - ミント
- 「じゃあ、あの料理はフェアちゃんにとって、まさに
大事な、大事な 思い出の料理でもあるんだね」 - フィズ
- 「家族の・・・ 大事な思い出・・・」
- ミュランス
- 「思い出、か・・・
だが、肝心の味がぼけておったら話にもならんぞ?」 - フェア
- 「食べてみればわかるわ」
- ミュランス
- 「よかろう・・・ では、この灰色の「ぎょーざ」から
・・・むうッ!?」 - フェア
- 「それは、機界の「揚げギョウザ」よ」
- ミュランス
- 「エビのすり身のむっちり感と固い皮の歯ごたえ
じつに面白い!」 - リシェル
- 「ぱりぱりの皮が機械の装甲ってワケか・・・」
- 司会者
- 「さあ、続いては 妖しく紫色に光るぎょーざ、だ!」
- ミュランス
- 「このいろ・・・ 薬草の煮汁でつけたのだろう?」
- フェア
- 「ニオイでバレちゃったか
でも、驚きのタネは見た目じゃないよ?」 - ミュランス
- 「ほほう・・・
ふぐ・・・ッ!?」 - リプレ
- 「「ぎょーざ」の中からスープが、じゅわって飛び出した!?」
- ミュランス
- 「あ、あつひ・・・っ! ひかしっ、うっ、うまっ うまひぞぉっ!?
口いっぱいに広がるスープのうまみはまさに至福!!」 - フェア
- 「サプレスのは「スープギョウザ」
肉のスープを冷やして固めて、包んだの」 - ルシアン
- 「形がないのが霊界サプレス
だから、スープを具にしたんだね」 - ミュランス
- 「ぬおぉ・・・ッ!?
灼熱の辛さ・・・ こいつは、鬼妖界の「ぎょーざ」か!?
トラノツメ入りの漬け物を刻んで具に混ぜたのか!?」 - フェア
- 「さすがはグルメのおじいさん 大正解!
ちなみに、漬けたのはそこにいるミントお姉ちゃんよ」 - 司会者
- 「おおっ、それでは是非、舞台の上にどうぞっ!」
- 観客
- 「おおぉ~!」
- ミント
- 「えーっと・・・ ど、どうも・・・っ あははははは・・・」
- ミュランス
- 「そうか、貴方があの店の野菜を作った・・・
実にいい仕事だった これからも、美味い野菜を頼みますぞ」 - ミント
- 「は、はいっ!」
- ミュランス
- 「幻獣界メイトルパ 緑豊かな大地を連想する鮮やかな
緑の「ぎょーざ」のその味は・・・
ふむ・・・ さわやかで心地よい野菜の甘み・・・」 - ミント
- 「お野菜の中にお野菜をくるむことによって
風味を殺さずに仕上げたんだね」 - フェア
- 「うん、野菜の水気だけで蒸しあげた「ギョウザ」よ」
- ミュランス
- 「まさに・・・ 野菜そのものを凝縮したうま味だ」
- フェア
- 「そして、最後がわたしが昔に食べたままの味のもの
「焼きギョウザ」よ
リプレさんも司会の人も、よければ食べてみて?」 - リプレ
- 「じゃあ・・・」
- 司会者
- 「失礼して・・・」
- ミュランス
- 「うむ・・・ けして、凝ったものではないが
ほっと心が安まるどこか懐かしい味だ
ワシ個人の好みで語らせてもらうなら
素朴なこいつが一番うまいぞ、娘よ」 - リプレ
- 「うん・・・ とっても優しい味
お留守番をしてるみんなにも、食べさせてあげたいよ」 - フェア
- 「グルメのおじいさん・・・ リプレさん・・・」
- 司会者
- 「それでは、先生 もはや結果は出たといえますよね?」
- ミュランス
- 「うむ、そなたが今思っているとおりに宣言してやるがいい」
- 司会者
- 「了解しましたっ!! 優勝者は、トレイユの小さな宿屋の主人
フェアに決定だあぁーっ!!
うますぎて、解説ができねーぞぉっ!! ちきしょーっ!!」 - 観客
- 「おおぉー!!」
- フェア
- 「あはははっ♪」
- たくさんの食材を手に入れた!
- リプレ
- 「本当にいいの? 優勝賞品、半分こにするなんて・・・」
- フェア
- 「うん、こんなにたくさんあったって使い切れないし
おみやげ代わりにもってかえって使ってちょうだい」 - リプレ
- 「ありがとう」
- フェア
- 「そのかわり・・・」
- リプレ
- 「ん?」
- フェア
- 「あの、さっきの「らーめん」を・・・
食べさせてほしいの! わたし、見てただけで食べてないし・・・」 - リプレ
- 「お安い御用だよ じゃあさ、一緒に作ってみよっか?」
- フェア
- 「ええっ!? レシピは、秘密なんじゃ・・・」
- リプレ
- 「独占したってつまらないわよ 美味しい料理はね
みんなでわいわい食べるためにあるものなんだから
・・・でしょ?」 - フェア
- 「そうかも・・・ リプレさんの言うとおりだよね」
- リプレ
- 「リプレでいいよ 私たちは、料理をこよなく愛してる
仲間で、競争相手なんだもの!」 - フェア
- 「うんっ!
じゃあ わたしも・・・
ギョウザの作り方を教えるね!」 - リプレ
- 「えへへ、じつはひそかに期待していたんだよねえ
よろしくっ!」 - 新しいメニュー 至源のギョウザ のレシピメモを手に入れた!!
新しいメニュー 愛情らーめん のレシピメモを手に入れた!! - フェア
- 「じゃあ、ここでお別れね」
- ガゼル
- 「ああ、短い間だったけど、結構楽しかったぜ?」
- ルシアン
- 「元気でね ラミちゃん」
- リシェル
- 「立派な召喚師になりなさいよ?」
- ラミ
- 「・・・(こくん)」
- リプレ
- 「アルバのこと どうか、よろしくお願いします」
- ミント
- 「心配しないで 責任をもっておあずかりするわ」
- ガゼル
- 「よし、それじゃあ そろそろ行くか?」
- フィズ
- 「・・・待って!?」
- ラミ
- 「お姉ちゃん?」
- フェア
- 「フィズ・・・」
- フィズ
- 「あいつに・・・ アルバに、伝えて
あたしは、あたしでがんばるから・・・
なまけたりしないで がんばりなさいよ! ・・・って」 - フェア
- 「うん、ちゃんと伝えるよ!
約束する!」 - フィズ
- 「うんっ!」
- ☆☆☆
料理大会での優勝が近隣で大きなうわさになった!
かなり大きく店の評判があがった!
コメント