蒼天様/ファイポー様/柳羽様/YAMAKO様/みずき様/sitora0602様/不断様/如月 樹様/紫蘭様
リューム
- リューム
- 「多分・・・ ここに来るって思ってたぜ」
- ライ
- 「オレも、ここで待っててくれると思ってた」
- リューム
- 「で、ふっきれたか?」
- ライ
- 「正直に言えば まだ、迷ってる
でも、動かなきゃ始まらないってのはわかったつもりさ
ビビってる場合じゃなさそうだしな?」 - リューム
- 「ケッ、言われる前に気づけっつーの!
一応、オマエはオレの保護者なんだからな?」 - ライ
- 「ああ、そうだな・・・」
- (ヒュオォォォ)
- リューム
- 「なあ・・・ なんで、オマエはオレを受け入れた?」
- ライ
- 「え?」
- リューム
- 「素性もしれず 誰かに狙われていて おまけに・・・
生意気ばっか言ってる厄介者を、どうして守ってこれたんだ?」 - ライ
- 「なんでかな・・・ 言葉にしようとするとうまく言えねーよ
でも、気がついたらそれが当たり前だった
おまえのいない毎日が今じゃもう、考えられないくらいにな」 - リューム
- 「なんだよ・・・ わかってんじゃねえか
それが、答えだよ」 - ライ
- 「そっか・・・ やっぱ、そうなのか」
- リューム
- 「ああ、そうさ
ほれ、わかったならさっさと他の連中を安心させてやれ!」 - ライ
- 「そうだな・・・
ありがとな・・・リューム・・・」 - (ライ、去る)
- リューム
- 「ったく・・・世話の焼ける保護者だぜ」
ミルリーフ
- ミルリーフ
- 「きっと・・・ここに来るって思ってたよ」
- ライ
- 「オレも、ここで待っててくれると思ってた」
- ミルリーフ
- 「答えは見つかった?」
- ライ
- 「正直に言えば まだ、迷ってる
でも、動かなきゃ始まらないってのはわかったつもりさ
戻ってくるって約束もしたからな」 - ミルリーフ
- 「うん、守ってくれたね だから、今度は・・・
話してきかせて? ミルリーフに
パパのこと、助けてあげたいから・・・」 - ライ
- 「ああ・・・」
- ミルリーフ
- 「パパは、どうしてミルリーフを育ててくれたの?」
- ライ
- 「え?」
- ミルリーフ
- 「ミルリーフはパパの本当の子供じゃないのに
すぐに泣いちゃうし悪い人たちにだって狙われていたのに
どうして優しいの? 今までずっと、守ってくれてきたの?」 - ライ
- 「なんでかな・・・言葉にしようとするとうまく言えねーよ
でも、気がついたらそれが当たり前だった
おまえのいない毎日が今じゃもう、考えられないくらいにな」 - ミルリーフ
- 「ありがとう、パパ ミルリーフすごくうれしいよ
ミルリーフもパパとおんなじだよ それに・・・
みんなも、きっとそうだって思う」 - ライ
- 「あ・・・」
- ミルリーフ
- 「それが、答えじゃないのかな?」
- ライ
- 「そっか・・・やっぱ、そうなのか」
- ミルリーフ
- 「うん、きっとそうなんだよ!」
- ライ
- 「ありがとな・・・ミルリーフ・・・
おまえのおかげだよ オレは、もう迷ったりしねーからなっ!」 - ミルリーフ
- 「うんっ♪」
コーラル
- コーラル
- 「きっと・・・ここに来るって思ってた・・・」
- ライ
- 「オレも、ここで待っててくれると思ってた」
- コーラル
- 「答え、見つかった?」
- ライ
- 「正直に言えばまだ、迷ってる
でも、動かなきゃ始まらないってのはわかったつもりさ
間違いに気づいたらすぐに正さないとな?」 - コーラル
- 「うん、当然かと
じゃあ、次は話してくれる番・・・だよね?」 - ライ
- 「ああ・・・」
- コーラル
- 「素朴な疑問・・・
どうして、貴方はボクを、拾ったの?」 - ライ
- 「え?」
- コーラル
- 「身元不明、挙動不審 そのうえ、敵にまで狙われていて・・・
見捨てても、当然なのに、どうして守ってくれたの?」 - ライ
- 「なんでかな・・・言葉にしようとするとうまく言えねーよ
でも、気がついたらそれが当たり前だった
おまえのいない毎日が今じゃもう、考えられないくらいにな」 - コーラル
- 「ほら・・・貴方は、とっくに見つけてる・・・
わかってなくてもわかっているんだよ だって・・・
ボクが、その証拠!」 - ライ
- 「コーラル・・・
そっか・・・やっぱ、そうなのか」 - コーラル
- 「うん、だから心配しないで?
みんなも、きっとわかってくれてる」 - ライ
- 「そうだな・・・
ありがとな・・・コーラル・・・」 - コーラル
- 「お礼、いらない だって・・・
ボク、お父さんの子供なんだから!」
リシェル
- リシェル
- 「・・・っく、ひっく う、ううう・・・っ!?」
- ライ
- 「こんなところにいたのかよ
ったく・・・ ずいぶん捜したぜ?」 - リシェル
- 「あ、あんたこそ!? なに、もたもたしてたのよッ!?
黙ったまんまで部屋に閉じこもっていじけてたくせして
おかげで、みんな調子が狂っちゃったじゃない!?」 - ライ
- 「だったら、なんでさっきみたく、呼びに来なかったんだよ?
いつもみたいに なんで、怒鳴りつけなかったんだよ!?」 - リシェル
- 「そんなの、できっこないじゃない!?
本気で落ち込んでるあんたに、そんなことできないわよッ!?」 - ライ
- 「!?」
- リシェル
- 「みくび、らないでよ あたしは、ちゃんとわかってる・・・っ
あんたが、どれだけ苦しんでる、のか こわがってる、のか
あたしが・・・っ だれより、いちばんっ わかってる・・・っ」 - ライ
- 「リシェル・・・」
- リシェル
- 「なんでよぉっ!? なんで、あんたばかりそうなのよぉっ!?
ひどいじゃない!? 不公平じゃない!? う、ううぅ・・・っ
うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 - ライ
- 「・・・落ち着いたか?」
- リシェル
- 「う、ん・・・っ」
- ライ
- 「ったく、どうしておまえが泣くんだよ」
- リシェル
- 「だって・・・イヤだったんだもん」
- ライ
- 「オレが「響界種」だったことがか?」
- リシェル
- 「違うわよっ!? そんなの、ちっとも気にしてないわよ!
ただ、あんたがそれを変に気にして そのせいで・・・
どっか行っちゃうのだけは、絶対にイヤだったんだもん
あたしは、ずっとあんたに甘えてた
あんた、優しいから 無茶なこと言っても実行しちゃうから
頼りっぱなしだった お姉さんぶってるクセして・・・
ちっとも、助けてあげてない・・・」 - ライ
- 「そんなことないぜ?
おまえは、充分助けてくれてるよ」 - リシェル
- 「でも・・・っ」
- ライ
- 「今だって、オレの代わりに泣いてくれた
オレが不安だったこと全部、先回りしてさ
関係ないって言ってくれた
こわがらなくてもいいって、オレに教えてくれた」 - リシェル
- 「ライ・・・」
- ライ
- 「心配すんなって オレは、どこにもいかねーよ
オレの居場所はここだけなんだ
いるべき場所であり いたい場所なんだ」 - リシェル
- 「・・・ホントに?」
- ライ
- 「確認しなくたって、おまえならちゃんと知ってんだろーが?
オレが、ウソつくの大嫌いだって、な」 - リシェル
- 「・・・うんっ!」
ルシアン
- ルシアン
- 「びっくりしたよ
まさか、僕のところに ライさんがたずねてくるなんて」 - ライ
- 「そんなにおかしいか?」
- ルシアン
- 「ああ、そういう意味じゃなくてね、ほら
ねえさんが出かけてるから、てっきり一緒にいるのかなあって」 - ライ
- 「そっか、リシェルは留守にしてるのか」
- ルシアン
- 「急ぎの用事なら、僕捜してくるけど?」
- ライ
- 「いや、いいさ まとめてすむならって思っただけで
もともと、オレは おまえに話を聞いてほしかったんだよ」 - ルシアン
- 「僕に?」
- ルシアン
- 「じゃあ、やっぱり本当だったんだね
ライさんが、「響界種」だったっていう話は・・・」 - ライ
- 「やっぱ、おまえたちも気がついてたのか?」
- ルシアン
- 「セイロンさんから それとなく、説明はしてもらってたんだ
ねえさんは、ムキになって否定してたけど」 - ライ
- 「まあ、アイツが戸惑うのも無理はないだろうな
オレだって、今でも混乱してるんだし」 - ルシアン
- 「信じられない?」
- ライ
- 「られない、じゃなくて たくない、って気分なんだけどな
正直、困ってる・・・」 - ルシアン
- 「え?」
- ライ
- 「このトレイユの町で地道に働きながらまっとうに生きる
そのつもりだったよ だけど、それはもう無理だって思ってる
「響界種」のオレに そんなマトモな暮らしできっこ・・・」 - ルシアン
- 「そんなことないよ!? それって間違ってる!
「人間」ならよくって「響界種」だからダメ そんな考え方なんて
そんなの、全然ライさんらしくないよっ!!」 - ライ
- 「!」
- ルシアン
- 「だってそうでしょ? いつものライさんだったら
そんな納得のいかないこと、絶対に認めたりしないじゃない!?」 - ライ
- 「あ・・・」
- ルシアン
- 「あきらめちゃダメだよライさん 負けちゃイヤだよ
へっちゃらだぜって笑い飛ばしてよ? 僕も・・・
一緒に戦うから!? ずっと一緒に戦うから だから・・・っ!」 - ライ
- 「わかったよ・・・ おまえの言いたいこと オレ、わかったから
だから、もう泣くなよルシアン」 - ルシアン
- 「ライさん・・・」
- ライ
- 「納得いかない、か たしかに、おまえの言うとおりだったぜ
なら、納得がいくまで徹底的にやるしかない それが・・・
オレの 流儀だもんな!」 - ルシアン
- 「・・・うんっ!」
グラッド
- グラッド
- 「そうか・・・
こうして、じかに話されちまったら信じるしかないな
お前が「響界種」だったなんてなあ」 - ライ
- 「・・・・・・」
- グラッド
- 「だとしたら、まず礼を言わなくちゃいかんだろうな」
- ライ
- 「え?」
- グラッド
- 「トレイユを守る駐在軍人として感謝いたします!
本官、ならびに町の住人の命を救ってくださって
本当に、ありがとうございましたッ!!」 - ライ
- 「や、やめてくれよ!? そんな、大げさなことしてねーってば!?」
- グラッド
- 「いや、こういうことはきちんと形式に則っておかないと・・・」
- ライ
- 「いいんだって! オレと、兄貴の仲じゃねーかよ?」
- グラッド
- 「まあ・・・それもそうだよな」
- ライ
- 「ったく・・・」
- グラッド
- 「それで、お前はどうするつもりだ?
やっぱ、ギアンの誘いを受けるのか?」 - ライ
- 「いや、それはなんか違うって思ってる」
- グラッド
- 「なら、悩むことなんてないじゃないか」
- ライ
- 「そんなに単純なことじゃねーんだよ!?
オレはここにいたいよ でも、周りのみんなに迷惑が・・・」 - グラッド
- 「迷惑になるなんて 誰が、お前に言った?」
- ライ
- 「え・・・」
- グラッド
- 「お前が一人でそう思いこんでる それだけだろ」
- ライ
- 「でも、普通に考えたら 絶対に・・・」
- グラッド
- 「たしかにな
でも、そういう場合 真っ先に関わるのは駐在軍人の俺だ
なんとかしてやるよ だから、余計なこと心配すんなって!」 - ライ
- 「兄貴・・・」
- グラッド
- 「厄介事だったら慣れっこだしな それに・・・
俺とお前の仲だろ?」 - ライ
- 「う、うん・・・っ」
ミント
- ミント
- 「いらっしゃーい ライくん
今、お茶もってくから座って、座って?」 - ライ
- 「ミントねーちゃん オレがくることわかってたのか?」
- ミント
- 「もちろんだよ
・・・ってウソウソ、ホントはね
オヤカタが気づいて知らせてくれたの」 - ライ
- 「オヤカタが・・・」
- オヤカタ
- 「ムイムイッ!」
- ミント
- 「私はちっとも気づいていなかったけど
このコは、最初から君が何者なのか知ってたみたいだね」 - ライ
- 「ってことは、やっぱねーちゃんも、もう知ってるんだよな?」
- ミント
- 「うん・・・ だけど ちゃんと、君から話して欲しいな」
- ライ
- 「わかってるよ オレ、そのつもりでここに来たんだから」
- ミント
- 「君が「響界種」か うーん、やっぱりピンとこないなあ」
- ライ
- 「オレだってそうだよ でも、ホントだから困ってるんだ・・・」
- ミント
- 「どうして?」
- ライ
- 「みんながどう思うか それが、こわいんだよ
嫌われたりしたらどうしよう、って考えちまうから」 - ミント
- 「なるほど・・・
ねえ、おぼえてる?
私が、この町に やって来た日のこと」 - ライ
- 「忘れっこねえよ あの日のことはさ」
- ミント
- 「びっくりしたよ 扉を開けたら君たちがいて
泥のおだんごで顔を真っ黒にされちゃって・・・」 - ライ
- 「追い返すつもりだったんだよ あの時は
空き家だったここは オレたちの遊び場だったからさ
なのに、ねーちゃん 怒るんじゃなくて、笑いだすんだもん」 - ミント
- 「でも、そのおかげで君たちとは、すぐに仲良くなれたよね
荷物を整理する時も、畑を作る時も、いつもお手伝いしてくれた」 - ライ
- 「友達になってやるぜ! とか、エラそうなこと言ってたよなあ」
- ミント
- 「でも、その言葉が私には、ものすごくうれしかったんだよ」
- ライ
- 「え?」
- ミント
- 「ほら、私はよそ者で しかも「蒼の派閥」の召喚師じゃない?
来たばかりの頃は町の人たちとあんまりなじめなかったんだ」 - ライ
- 「ウソだろ!?」
- ミント
- 「ウソじゃないよ こっそり、めそめそ泣いたりしてたし
でも、君たちが毎日のように遊びにきてくれたから
がんばらなきゃって自分に言い聞かせてこられたんだよ」 - ライ
- 「そうだったんだ・・・」
- ミント
- 「私が、ここにいるのは ライくん 君たちのおかげなの
仲良くなれてよかったなあって今でも思ってる
君が「響界種」でもそれは変わらない」 - ライ
- 「あ・・・」
- ミント
- 「ライくんはライくん そうでしょ?」
- ライ
- 「ねーちゃん・・・」
- ミント
- 「まだ、こわいかな?」
- ライ
- 「・・・ううん もう、へっちゃらさ!
ありがとな ミントねーちゃん
その・・・大好き、だぜ?」 - ミント
- 「うん、私も君のことが大好きよ
じゃあ、一緒にみんなのところに行きましょうか?」 - ライ
- 「おうっ!」
リビエル
- リビエル
- 「あ・・・」
- ライ
- 「よ、よぉ?」
- リビエル
- 「・・・・・・
バカバカバカバカっ! 貴方、どれだけみんなに心配かけさせたか
ちっとも、全然カケラもわかってないでしょ!?」 - ライ
- 「ぐ・・・っ」
- リビエル
- 「深刻な顔して、部屋に閉じこもったっきり不安にさせといて
なにが「よぉ?」よ ふざけるにも、ほどがありますわよっ!?
どうしたらいいのか 真剣に考えていたのがバカみたい・・・っ
泣いたりして・・・ホント、バカそのものじゃないの・・・っ」 - ライ
- 「悪かったよ、ゴメン 心配かけて・・・」
- リビエル
- 「女を泣かすなんてね 男として、最低の行為なんだから・・・っ」
- ライ
- 「ちゃんと反省するから だから、リビエル
話を聞いてくれよ? そのために、オレはここに来たんだから」 - リビエル
- 「まあ・・・そういうことでしたら仕方ありませんわね
お説教は後回しにして聞いてさしあげますわ」 - リビエル
- 「そうでしたの・・・ だとしたら、悩むのも当然かもしれない
ごめんなさい・・・怒鳴りつけたりして」 - ライ
- 「いや、いいんだよ おまえが言ったとおりだったんだしさ
叱られて当然だぜ むしろ、おかげですっきりしたよ
ありがとな」 - リビエル
- 「な、なによ・・・ 怒られたクセしてお礼を言うだなんて
やっぱり、貴方おバカですわよ」 - ライ
- 「ああ、そうかもな」
- リビエル
- 「・・・・・・
それで、貴方は どうするつもり?」 - ライ
- 「はっきりした答えは まだ、出せてねーよ 迷ってる・・・」
- リビエル
- 「想いは・・・至源なり・・・」
- ライ
- 「え?」
- リビエル
- 「始原の界の意志は想いにて、界を成し生命を育みたもう
故に、万物は想い 万事もまた、想い
想いこそ、始原なり 世の理の輪を回すのは
至源にして、無限の想いの力なり・・・
「エルゴ碑文」という古い伝承の一節ですわ
わかりやすく言えばね 想いは、全てを変えてしまうということ」 - ライ
- 「想いが、全てを・・・」
- リビエル
- 「答えを探しているから貴方は迷っているの そうじゃなくて
かなえたい想いを答えにしなさいな」 - ライ
- 「!」
- リビエル
- 「強く望めば、きっとそれは現実になる
大変かもしれないけど、それでも、貴方が努力をし続けるなら・・・
私は、それをかなえる手助けをしてあげる」 - ライ
- 「リビエル・・・」
- リビエル
- 「どう、ちょっとはお役にたてた?」
- ライ
- 「ちょっとどころか ばっちり、手助けになってくれたぜ
ありがとな、リビエル
おまえのおかげで オレ、もう迷わずにすみそうだ!」 - リビエル
- 「うん、上出来ですわよ」
セイロン
- ライ
- 「なあ、セイロン アンタは最初から気づいてたのか?
オレが、その・・・「響界種」だってこと」 - セイロン
- 「ああ、前もって話は聞いておったよ」
- ライ
- 「前もって???」
- セイロン
- 「おやおや、すっかり忘れているようだな
我は、そなたの父君と会っておるのだぞ?」 - ライ
- 「あーっ!?」
- セイロン
- 「そなたの父君が先代の守護竜をたずねられたそもそもの理由はな
至竜の生き血を求めてのことだったのだよ」 - ライ
- 「生き血って・・・なんで、そんなもんを」
- セイロン
- 「幽角獣の角と同様に至竜の生き血も万病に効く秘薬になるのだよ
授かった「響界種」の能力が強すぎるせいで愛娘が苦しんでいる
救うために、生き血を どうか、わけて欲しい
父君はそう言ったのだ」 - ライ
- 「エリカのために・・・」
- セイロン
- 「対価として、父君は先代の望みをかなえてくれたのだよ」
- ライ
- 「なんで、そのことを黙ってたんだよ!?」
- セイロン
- 「話せば、店主殿の出生の秘密に触れてしまう」
- ライ
- 「あ・・・」
- セイロン
- 「それに、半信半疑でもあったからな
腕輪の封印とやらは そなたの能力を抑えこんでおった
親心がさせたのだろう そう思うと、余計に言い出せなかった
すまなかったな」 - ライ
- 「・・・いいさ どのみち、いつかはこうなってたんだ
アンタを責めるのはスジ違いだよな、うん」 - セイロン
- 「強いな、そなたは」
- ライ
- 「そーでもないぜ? 今だって、みんなに会うのがこわいし」
- セイロン
- 「心配するな・・・ そなたは、けして孤独にはならぬ
そなたは、我らを身内と言ってくれた
ならば、我らにとっても、そなたは大切な身内だ
身内を守るためなら迷いなどあるものか」 - ライ
- 「うん、ありがとな セイロン・・・」
アロエリ
- アロエリ
- 「前の時とは、立場が正反対みたいだな?」
- ライ
- 「ああ、そういやクラウレのことでもめた時も
ここで、おまえを見つけたんだよな」 - アロエリ
- 「ああ、あの時はもう最悪だった・・・
あんな恥ずかしい姿 兄さまにも、見せたことないのに・・・」 - ライ
- 「なに、ぼそぼそ言ってるんだ?」
- アロエリ
- 「なんでもないッ!!気にするなッ!?
まあ、過ぎたことはどうでもいいことだ
それよりも、今は貴様のことが問題だ」 - ライ
- 「まあな・・・」
- アロエリ
- 「そうか、貴様もまた「響界種」だったか」
- ライ
- 「アロエリからすればあんまりいい印象じゃないだろ?
敵であるギアンの同類ってことだし」 - アロエリ
- 「・・・・・・」
- (殴る音)
- ライ
- 「あいたっ!?」
- アロエリ
- 「バカ者め、それを偏見というんだ!
貴様もギアンもたしかに「響界種」という点では同じだ
しかし、それならばエニシアやポムニットだって同じだろう?
オレは少なくともアイツらを憎んだりしてはいないぞ?」 - ライ
- 「た、たしかに・・・」
- アロエリ
- 「別々のものをまとめてひとくくりにするからおかしくなるんだ
なんのために名前があると思っている?」 - ライ
- 「え・・・」
- アロエリ
- 「「ギアン」は敵で「響界種」だがな
「響界種」が敵だというつもりはない 同じように・・・
なにより先に、貴様は「ライ」だろうがッ!?」 - ライ
- 「!?」
- アロエリ
- 「貴様が、貴様だからここにいる連中は共に戦ってきたんだ
貴様自身が、貴様であろうとすることをやめない限り
なにも変わらない そうじゃないのか?」 - ライ
- 「ぷっ、くくく・・・っ あはははははっ!!
そうだよな?うん、おまえの言うとおりなんだよな
オレはオレなんだ なにがどうなったって それは変わらない」 - アロエリ
- 「そんな簡単なことを忘れるから、貴様はバカ者なんだ
情けない・・・」 - ライ
- 「ああ、まったくだぜ みっともねーよなあ」
- アロエリ
- 「まあ、それもまた貴様らしさだがな」
- ライ
- 「だけどさすがはアロエリだよな
たった一言でオレの迷いを吹き飛ばしてくれるなんてさ」 - アロエリ
- 「べ、別に・・・っ そう感心するほどのことじゃない・・・
貴様がふぬけてると調子が狂うからな!それだけだぞ!?」 - ライ
- 「へいへい・・・そーですか・・・
でも、ありがとな?」 - アロエリ
- 「い・・・いいから!とっとと他の連中に会ってこいッ!!」
- ライ
- 「ああ、行ってくるぜ!」
- アロエリ
- 「まったく・・・なんで、こんなにもバカなんだ・・・
(わたしは・・・)」
ポムニット
- ポムニット
- 「お部屋でじっとしているのは、もうあきちゃいましたか?」
- ライ
- 「ポムニットさん・・・」
- ポムニット
- 「でしたら、ちょっとわたくしにつきあってくださいませんか?
すこし、話したいことがあるんですよ」 - ライ
- 「うん、オレもポムニットさんに話したいことがある」
- ポムニット
- 「じゃあ、決まりですね」
- ポムニット
- 「じゃあ、やっぱり おじょうさまたちを助けてくれたのは
ライさんだったんですねえ」 - ライ
- 「オレじゃねーよ 母さんが助けてくれただけさ」
- ポムニット
- 「それでも、貴方がいなかったら、奇跡は起こらなかったはず
ありがとうございます 本当に感謝してますよ」 - ライ
- 「うん、でもさ・・・これで、みんなにもバレちまったよな
オレは「響界種」で人間じゃないって」 - ポムニット
- 「ええ、そうですね わたくしとおんなじ「響界種」です
でも、それだけのことですよね?」 - ライ
- 「それだけ、って・・・」
- ポムニット
- 「そう言ったのはライさんじゃないですか?」
- ライ
- 「!?」
- ポムニット
- 「半魔であると知られて わたくし、ここから逃げようとしました
みなさんに迷惑をかけたり、傷つけることがこわくて
でもね・・・本当に一番こわくてたまらなかったのは
大好きな人たちに仲間はずれにされることだったんです」 - ライ
- 「(同じだ・・・今のオレと・・・)」
- ポムニット
- 「貴方に怒られて引き止めてもらえてうれしかった・・・
だから、今度はわたくしが、貴方を叱ってあげます!
逃げちゃダメです! 貴方の居場所はここにあるんですから!
それに・・わたくしは、貴方にここにいてほしい
みなさんも、きっとそう思ってるはずです だから・・・
どうか、信じてあげてくださいまし!?
もしも、それができないというのでしたら・・・
わたくしを引き止めた責任、今すぐとってくださいまし!?」 - ライ
- 「ポムニットさん・・・」
- ポムニット
- 「えうっ、うう・・・っ ううう・・・っ」
- ライ
- 「泣かないでくれよ わかったから、オレ わかったからさ」
- ポムニット
- 「どこにも・・・っ いか、ない・・・っ です・・・か?」
- ライ
- 「いくもんかよ ここが、オレの居場所なんだから
ここにいたいんだよ だから、そうする!
それでいいんだよな ポムニットさん?」 - ポムニット
- 「は、はい・・・っ!
それでいいんです ええ、それだけでいいんです・・・」
アルバ
- アルバ
- 「自分の居場所、か」
- ライ
- 「ギアンに言われるまで オレ、そんなこと全然考えもしなかった
不意打ちされたみたいで、頭の中が真っ白になっちまって・・・」 - アルバ
- 「それで、らしくもなく部屋の中に閉じこもっちゃったんだね」
- ライ
- 「あーっ、情けねえ! こうして思い返すと顔から火が出そうだ」
- アルバ
- 「でもさ・・・ それは、誰でも一度は悩むことなんだよ
おいらもそうだったし」 - ライ
- 「アルバも?」
- アルバ
- 「ああ、本気で騎士を目指すと決めた時にね いっぱい悩んだよ
なれるかどうかも不安で仕方なかったし
小さな頃から一緒に育ったみんなと離れるのも、さびしかった」 - ライ
- 「フィズや、ラミちゃんたちのことだよな きっと・・・
どうやって 決心したんだ?」 - アルバ
- 「簡単なことだよ
それでも、騎士になりたかったんだ」 - ライ
- 「それだけ?」
- アルバ
- 「うん、それだけ
でも、それが一番大事なんだなって今でも思ってるよ
やりたいことをやる 成功するって保証がなくってもさ
そうしていればすくなくとも、毎日がんばれるから」 - ライ
- 「・・・だよな
つまんなかったら成功しても、喜べないもんな」 - アルバ
- 「君の悩みも、きっとそう考えてみたら
答えは、簡単に出るんじゃない?」 - ライ
- 「ああ、簡単どころか 最初っから、とっくに出てるじゃねーかよ」
- アルバ
- 「うん」
- ライ
- 「ありがとな、アルバ よし、もう迷ったりなんかしねーぞっ!」
シンゲン
- シンゲン
- 「おや、岩戸は開いたようですね」
- ライ
- 「は?」
- シンゲン
- 「鬼妖界に伝わる昔話のことですよ
お天道さまがお月さまにからかわれて
すねて、洞窟に閉じこもったから夜ばっかり続いて
みんなが、大層困ったってお話です」 - ライ
- 「・・・」
- シンゲン
- 「旅芸人が洞窟の前でにぎやかに歌って踊ってみせるとね
もともと、明るいお天道さまは、ついつられてしまって
岩戸を開けて一緒になって騒いでいるうちに
自分がすねていたことも、けろりと忘れたそうですよ」 - ライ
- 「もしかして・・・その旅芸人の役をやりたかったのか?」
- シンゲン
- 「いえいえ、自分にはそこまでの芸はございませんよ
岩戸をぶったぎって引きずり出すくらいがせいぜいですね」 - ライ
- 「!?」
- シンゲン
- 「でもまあ、御主人は出てきてくれましたし
それでいいじゃございませんか?」 - ライ
- 「う、うん・・・」
- シンゲン
- 「それで、悩みごとは解決したんですか?」
- ライ
- 「正直に言うとさ まだ、迷ってるよ
でも、閉じこもってもなんともならないってことだけはわかった」 - シンゲン
- 「なるほどね・・・
だったら、それでもういいじゃありませんか」 - ライ
- 「え?」
- シンゲン
- 「悩んだままでもいいってことですよ」
- ライ
- 「でも・・・」
- シンゲン
- 「答えは、あとからついてくるもの
御主人は、今までずっとそうしてきたじゃないですか?」 - ライ
- 「あ・・・」
- シンゲン
- 「やりたいようにやればいいんです 夢中になっていれば
悩んでいたことさえけろりと忘れるかもしれないんですし」 - ライ
- 「シンゲン・・・」
- シンゲン
- 「まあ、なんであれ 自分は、貴方のこと気に入ってますし
とことん、ついていくつもりですから 楽しめるうちはね」 - ライ
- 「そっか・・・ なら、楽しめるようにしていかねーとな?」
- シンゲン
- 「ええ、是非そう願いたいですな」
セクター
- セクター
- 「いらっしゃい、ライくん」
- ライ
- 「あのさ、先生・・・ オレ・・・」
- セクター
- 「みなまで言わずとも まあ、大体のところは察してるつもりだよ」
- ライ
- 「オレ・・・っ!?」
- セクター
- 「急くことはないよ ちゃんと座って落ち着きなさい
お茶でも飲みながらゆっくりと話をしよう」 - セクター
- 「そうか、君はやはり「響界種」だったか」
- ライ
- 「オレ、なんだか ワケがわかんなくなっちゃってさ
みんながこのことを知ったら、どんな顔するかって思うと
こわくて・・・」 - セクター
- 「本当にそっくりだね」
- ライ
- 「え?」
- セクター
- 「融機兵士であることを隠していた時の私とね」
- ライ
- 「あ・・・」
- セクター
- 「私も、ずいぶんと悩んだりしたものだよ
正体がバレた時にはどうなってしまうのか
まして、私の存在は軍にとっての機密で 汚点でもあるからね
抹殺される可能性もないとはいえないし
でもね、今にして思い返してみると
本当に苦しかったのは 隠し続けるという行為そのものだったんだ」 - ライ
- 「!」
- セクター
- 「他人をあざむくことはできても、自分は絶対いつわれないからね
罪悪感は消せない 心は傷を負うばかりでいつか裂けてしまう」 - ライ
- 「先生・・・」
- セクター
- 「それでも、私には隠すしかなかった でもね・・・
ライくん 君はそうじゃない 今日までずっとこの町で暮らしてきた日々がある
たくさんの人とのつながりがある そうだろう?」 - ライ
- 「うん・・・」
- セクター
- 「こわいのはわかる 私だってそうだった
でも、君から勇気をもらって、ようやく私は、私になれた
君はね、とっくに証明しているんだよ
人が人を想う気持ちはどんな空白も埋めてくれるということを
私が、その証人だ」 - ライ
- 「・・・うんっ!」
グランバルド
- グランバルド
- 「フムフム… ナルホド…」
- ライ
- 「なあ、相談しといて こんなこと言うのも なんだけどさ
おまえ、今の話の内容 わかってんのか???」 - グランバルド
- 「バカニスルナ!?ぐらん、チャント 聞イテイタ!!
聞イテイタ、ケド デモ…
ムツカシクテ、ヨク ワカラナイ… ウウウ…ッ」 - ライ
- 「ったく… ま、いいけどよ
実際に話してみたら グチになっちまっただけだったしな
でも、口にしたら 気分はなんだか すっきりしたよ
ありがとな グランバルド」 - グランバルド
- 「役ニ立テタナラ ぐらん、ウレシイ ダケド…
教授ナラ、キット モット、役ニ立テタ ぐらん、ソウ思ウ」 - ライ
- 「たしかに、ゲックのジイさんは色々と 物知りだからなあ
考え抜いた挙げ句に さぞかし、的確な助言を…」 - グランバルド
- 「ソレ、アリ得ナイ」
- ライ
- 「は?」
- グランバルド
- 「教授、キット大声デ 怒鳴リツケルダケ あどばいす、シナイ」
- ライ
- 「どういうことだよ?」
- グランバルド
- 「正解ダケ、見セテモ 意味ナイカラ」
- ライ
- 「!」
- グランバルド
- 「模範解答ハ、存在スル デモ、悩ンデルヒト 欲シイノハ…
自分デ出シタ、答エ ソレガ、正シイッテ 認メテモラウコト」 - ライ
- 「あ…」
- グランバルド
- 「デモ、教授ハ ソレハ「甘え」ダト 言ッテイタ
ぐらんニハ、ヨク ワカラナイケレド
キット、教授ハ ワカッテイルカラ 怒鳴ルンダト思ウ」 - ライ
- 「(たしかに、そうかも しれない…
他人に正しい答えを もらっても、納得が いかなかったら
なんの意味もない 結局、答えは自分の中にしかないんだ
きっと、ジイさんは 怒鳴ることで、それを伝えたかったんだな
とにかく、自分の力だけで、答えを出すことが肝心なんだ!
認めるのも、正すのも それからなんだ!!)」 - グランバルド
- 「アノ… らい?」
- ライ
- 「よっしゃ! もう、迷ったりしねーぞっ!!
ジイさんの所へ 帰ったら、伝えておいてくれ
アンタの怒鳴り声で 目が覚めた、ってな♪」 - グランバルド
- 「ウ、ウン…」
- ライ
- 「じゃあ、またなっ!」
- (ライが去る)
- グランバルド
- 「???
ワカラナイ… ぐらん、ヤッパリ ワカラナイ???」
コメント