【夜会話】ヴァリラ(クリュウVer.)

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不断様

第2話

クリュウ
『!』
クリュウ
「あ・・・」
ヴァリラ
『・・・』
ヴァリラ
「クリュウ ・・・おまえか 何しに来た?」
クリュウ
「ちょっと通りかかっただけだよ ・・・そういえばはじめて会ったときもここにいたよね?」
ヴァリラ
「ここにいる時はただのひとりの人間でいられるからな
ここではオレをヴァリラ様なんて呼ぶヤツはひとりもいない
親が金の匠合の長だというだけでヴァリラ様、ヴァリラ様と息苦しい毎日だ・・・
・・・まあ おまえにはわからんか」
クリュウ
「ちょっとわかるかも」
ヴァリラ
「そうなのか?」
クリュウ
「うん 僕の父さん、黒鉄の鍛聖だったシンテツって人なんだ・・・知ってる?」
ヴァリラ
「あたりまえだ ワイスタァンの鍛冶師でシンテツの名前を知らない者などいない・・・
だがなるほど・・・ 天才の俺が敗れるわけだ」
クリュウ
「(自分でも天才って・・・ すごい自信だなぁ・・・)」
ヴァリラ
「それから新米鍛冶師の武器から安く買い上げる件だが・・・
やめるよう父に言っておいた」
クリュウ
「ほんとに!?」
ヴァリラ
「言っただけだ オレの父親がすぐにやめるとも思えんが・・・」
クリュウ
「それでもいいよ! ありがとうヴァリラ!」
ヴァリラ
「うるさい・・・別におまえのためにやったわけじゃない! ・・・俺は帰るぞ!」

第3話

ヴァリラ
「なんだおまえか」
クリュウ
「なんだはないだろ?」
ヴァリラ
「どうした? 友人を倒さなければならなかった自分をなぐさめてほしいのか?」
クリュウ
「どうしてそれを?」
ヴァリラ
「オレは金の匠合の長の息子だ 欲しい情報はすぐにでも手に入るさ
たとえば、そのラジィってヤツが実は女で おまえにベタ惚れらしい・・・とかな」
クリュウ
『!』
クリュウ
「うそだろ!?」
ヴァリラ
「冗談だ!」
クリュウ
『汗』
クリュウ
「・・・」
ヴァリラ
「ふむ、オレのジョークでも少しは元気の足しになればと思ったが今ひとつだったようだな・・・
忘れてくれ」
クリュウ
「あ、いや、ありがと・・・」
ヴァリラ
「ふむ
オレには友人がいないからラジィとやらを倒したおまえの痛みはわからんが・・・
鍛聖になるからには越えなければいけない痛みになるのだろうな
そういう意味ではおまえの方が一歩先に行っているということか」
クリュウ
「・・・」
ヴァリラ
「気にするな 心配しなくてもおまえはオレが倒してやるさ」

第4話

ヴァリラ
「クリュウか・・・ 今日の試合見せてもらった・・・
ふぬけたか」
クリュウ
「どういうことだよ?」
ヴァリラ
「文字通りだ
オレを倒したときの冴えがない オレを倒したときの力がない オレを倒したときの気迫がない」
クリュウ
「そんなこと言われても・・・」
ヴァリラ
「相手が女だからか・・・ それとも奴らに惚れたか? どちらだ? 姉か妹か?
まぁ・・・あの二人が将来美人になるのは確定だからな・・・ わからないこともないぞ」
クリュウ
「な、な、何言ってるんだよ! そんなんじゃないって!」
ヴァリラ
「そうか・・・まあいい それはそうと 試合の後の態度はよかった
女はまもるもの いい言葉だ クリュウのくせに紳士だった・・・」
クリュウ
「え・・・そうかな・・・ クリュウのくせにってのは気になるけど」
ヴァリラ
「そうか・・・?
なんにしろ 男ならあのようにあるべきだ
オレの父親・・・金の派閥の長だが あいつはオレの母をまもらなかった あれは・・・男ではない」
クリュウ
「(そっか、ヴァリラって母さんいないのか・・・ ちょうど僕の反対なんだ・・・)」

第5話

ヴァリラ
「クリュウか」
クリュウ
「ジャマだったかな?」
ヴァリラ
「そうだな・・・ だが まあいいだろう
ところできいたぞ リンドウ・・・ 金剛の鍛聖に会ったそうだな」
クリュウ
「なんで知ってるの?」
ヴァリラ
「金の匠合の情報網を甘く見るな このワイスタァンのことでわからぬことはない」
クリュウ
「さすがだね・・・」
ヴァリラ
「まぁせっかくの情報網も商売にしかいかせんのでは意味がないがな・・・」
クリュウ
「それだけでもすごいと思うけど・・・
そういえば・・・ じゃあ知ってるよね?」
ヴァリラ
「ん? デグレアの兵士がリンドウをおそった話か?
それならきいている」
クリュウ
「僕らにできることってないかな?」
ヴァリラ
「あせるな それは大人の仕事だ
オレたちは鍛聖になる まずはそこからだ 欲張っても何も出はしない」
クリュウ
「・・・そうだね」
ヴァリラ
「それにそんなことよりも大事なことがあるだろう?」
クリュウ
「僕と・・・ヴァリラの勝負だね」
ヴァリラ
「わかっているじゃないか・・・ ライバルはそうでなくてはな・・・」
クリュウ
「ところでヴァリラ・・・ 今日の試合はどうだった?」
ヴァリラ
「ふん・・・ 当たり前のことをきくな」

第6話

ヴァリラ
「どうした? また悩みごとか?」
クリュウ
「ううん 別に悩みごとってわけじゃないよ」
ヴァリラ
「そうか それはいいことだ
悩んでいてはハンマーを振る手がにぶる
そんなおまえと戦って勝っても意味がないからな」
クリュウ
「そうだよ そういえばヴァリラ なんで先に帰っちゃったのさ?」
ヴァリラ
「試合があった それだけだ それ以上の理由はない」
クリュウ
「で、試合は?」
ヴァリラ
「きくまでもないだろう? それともそれは挑戦か?
だとすれば望むところだ 次の準決勝・・・その次の決勝
どちらで当たっても全力でおまえと戦える」
クリュウ
「いや・・・ そういうつもりじゃ・・・
でも全力で戦うのは僕も賛成だよ」
ヴァリラ
「いいだろう」
クリュウ
「そうだね 僕たち準決勝まで来てるんだよね・・・」
ヴァリラ
「当然だろう? それともおまえは負けることを考えていたのか?」
クリュウ
「そんなことないよ すごいことだよなぁって思ってただけ
それよりサナレもあとふたつ勝てば準決勝だからヴァリラも応援してあげてよ!」
ヴァリラ
「なぜだ?」
クリュウ
「え?」
ヴァリラ
「なぜオレが敵の応援をする必要がある?
勘違いするな おれはおまえたちと友達ごっこしているつもりはない
・・・オレは帰る」
(ヴァリラ去る)
クリュウ
「ヴァリラ・・・」

第7話

ヴァリラ
「きいたぞクリュウ サイジェントの勇者にあったそうじゃないか?」
クリュウ
「ええ!? 何でもう知ってるの?」
ヴァリラ
「オレはこれでも金の匠合の息子だ
その情報網を甘く見るなってことだ」
クリュウ
「そっか・・・つまり ナシュメントさんが教えてくれたんだね?」
ヴァリラ
「・・・・・・そうとも言うな
・・・で、どんなヤツだった? その勇者とやらは?」
クリュウ
「フツーのひとだったよ ただ、いっしょけんめいですごくやさしい人だったかな」
ヴァリラ
「強いか?」
クリュウ
「うん!すごく! 鍛聖の人たちよりも強いんじゃないかなぁ・・・」
ヴァリラ
「・・・それはすごいな」
クリュウ
「こんど遊びにくるって言ってたからヴァリラも会ってみてよ」
ヴァリラ
「そうだな」
クリュウ
「そしたらヴァリラの意地っ張りなところとかなおるかもしれないよ!」
ヴァリラ
「それはオレが意地っ張りで自信過剰で・・・・ そのうえ意地が悪いと言うことか?」
クリュウ
「いや・・・別にそこまで言ってないんだけど・・・・」
ヴァリラ
「そうか・・・ならいい」

第8話

ヴァリラ
「クリュウか・・・ どうした?」
クリュウ
「うん・・・ いろいろ気になってさ・・・」
ヴァリラ
「おまえもわからないやつだな 小さなことを気にしたり 変なところでおおざっぱだったり
・・・こんどはなんだ?」
クリュウ
「勇者ってなんなのかなって・・・」
ヴァリラ
「そんなことか・・・
決まっているだろう 誰かのために迷わず戦い 勝った者のことだ」
クリュウ
「そんな簡単に言うけどさ・・・」
ヴァリラ
「大切なのは迷わないことだ 本当に正しいことをするのに迷う必要はないだろう
言葉を変えれば 自分を信じる、ということだな」
クリュウ
「・・・わかんないよ なんでヴァリラは自信満々かなぁ」
ヴァリラ
「決まっている・・・ オレは帝王だからな」
クリュウ
「・・・相変わらず すごい自信だね・・・」
ヴァリラ
「心外だな・・・
・・・
・・・・・・まあいい
それからな・・・ 本当の勇者は自分のことを勇者とは思っていないものだ」
クリュウ
「え?」
ヴァリラ
「勇者なんていうものはなろうとしてなるものではないということだ
サイジェントの勇者も おまえの父親もそうだろう?」
クリュウ
「そうだね・・・」
ヴァリラ
「ところでクリュウ オレは勇者になろうと思う」
クリュウ
「何言ってるんだよ? 今、勇者はなろうとしてなるものじゃないって・・・」
ヴァリラ
「オレは別だ」
クリュウ
「・・・・・・」
ヴァリラ
「近いうちにオレは・・・金の匠合の・・・ 父の悪行をあばく・・・
見ていろ・・・
オレは金の匠合をだれにも恥じることもないものにしてみせる」

第9話

ヴァリラ
「クリュウか・・・ どうした笑いにきたのか?」
クリュウ
「どうしてそうなるのさ・・・ ヴァリラってときどきわけわかんないよね」
ヴァリラ
「未熟な物の武器を安く買い上げて売りさばくだけでなく・・・ デグレア相手に商売をしていたんだぞ
金の匠合・・・ いや、オレの父親は・・・」
クリュウ
「笑わないよ そんなことで
だってヴァリラはそれを恥ずかしいと思ってるんでしょ?」
ヴァリラ
「そうだが・・ ・・・
フッ・・・
まったく・・・ おまえと話していると悩んでいた自分が馬鹿のように思える
・・・そうだな オレが恥じているのだからつまりオレが正せばいいのだ」
クリュウ
「そうそう!
もしかしたらなんか理由があるかもしれないし」
ヴァリラ
「理由・・・?」
クリュウ
「うん、理由
あ、そうだ! 確かめてみればいいよ! その理由を!」
ヴァリラ
「確かめる? そうか・・・それもそうだな
よし・・・ならばさっそく明日にでも父のところに乗り込むとしよう」
クリュウ
「がんばれ!」
ヴァリラ
「何を言っている? 当然、おまえもいっしょだ」
クリュウ
「ええ~!?」

デートイベント

ヴァリラ
「おい 出かけるぞクリュウ!
行き先はオレの家・・・いや、金の匠合だ 用意はできてるか?」
クリュウ
「え?」
ヴァリラ
「何をしている? たしかめに行けといったのはお前だろう
ルベーテと通じてデグレアに武器を売ったこと その本当の気持ちを問いただす
おまえはオレにつきそいすべてを見とどけなければならない」
クリュウ
「そういうものなの?」
ヴァリラ
「そういうものだ」
クリュウ
「う~ん」
  • ・・・わかった
    クリュウ
    「・・・わかったよ」
  • ひとりで行くのがこわいの?
    クリュウ
    「ちょっと待ってよ! そんなこと言って・・・
    本当はひとりで行くのがこわいんじゃ・・・」
    ヴァリラ
    「挑戦的だな・・・ なんならオレはここで決着をつけてもいいぞ」
    クリュウ
    「う・・・」
    ヴァリラ
    「まったく・・・いいから行くぞ」
    • わかった、行くよ
      クリュウ
      「わかったよ・・・ 僕も腹をくくってついていくことにするよ・・・
      しょうがないよね ヴァリラだもん・・・」
    • 行かないよ
      クリュウ
      「僕は行かないよ だって・・・ヴァリラの家の問題だろ?
      僕には関係ないじゃないか・・・」
      ヴァリラ
      「それはそうだが クリュウ・・・おまえにはそれを言って欲しくはなかった
      ・・・オレのわがままか?」
      クリュウ
      「・・・・・・」
      • わかった、行くよ
        クリュウ
        「わかったよ・・・ そこまで言うならついて行くよ」
        ヴァリラ
        「それでいい おまえがオレの生き様を見ていること そこにこそ意味も実もある」
        クリュウ
        「はぁ・・・?」
      • どういう意味なの
        クリュウ
        「それってどういう意味?」
        ヴァリラ
        「・・・オレはこうなることが嫌だったのだがな・・・ ・・・・・・仕方あるまい
        つまりだな・・・ おまえにオレのすること 生き様を見ていて欲しい・・・」
        クリュウ
        「それって・・・親友としてって・・・こと?」
        ヴァリラ
        「バカを言うな、ライバルとしてだ! それに・・・ちっ・・・ どうとでも取るがいい!」
        クリュウ
        「わかったよ ついて行ってあげるってば」
  • 僕は関係ないよね?
    クリュウ
    「それってヴァリラの問題で僕には関係ないよね?」
    ヴァリラ
    「何を言っている 乗りかかった船だろう? 最期まで見とどけていけ」
    クリュウ
    「そんなメチャクチャな!」
    ヴァリラ
    「いいから来い」
ヴァリラ
「ところで わかってると思うが護衛獣は抜きだからな!」
クリュウ
「なんで?」
ヴァリラ
「・・・まったく
ツベコベ言うな! 出かけるぞ!」
  • すぐ行くよ
    クリュウ
    「じゃあ行ってくるよ ザンテック/ラショウ/シュガレット/クッティ」
  • 準備するから待って
    クリュウ
    「準備するからちょっと待ってよ」
    ヴァリラ
    「・・・早くしろ」
    (ヴァリラ入り口で待つ)
    ヴァリラ
    「準備できたか?」
    • うん!行こう
      クリュウ
      「じゃあ行ってくるよ ザンテック/ラショウ/シュガレット/クッティ」
    • ちょっと待って
      ヴァリラ
      「・・・早くしろ」
ヴァリラ
「クリュウ
これでオレの父親が・・・ 金の匠合のボスにふさわしくないとわかったら・・・」
クリュウ
「わかったら?」
ヴァリラ
「・・・
・・・行くぞ」
クリュウ
「ええ! どうするつもりなの?」
(金の匠合へ)
ヴァリラ
「こっちだ」
(クリュウ&ヴァリラ、奥へ移動)
ナシュメント
「おぼっちゃま・・・」
ヴァリラ
「どけ、ナシュメント オレは父に用があるのだ」
ナシュメント
「いえ・・・どけませぬ おぼっちゃまのたのみと言えどここはゆずれませぬ」
ヴァリラ
「なぜだ」
ナシュメント
「わたくしはこの金の匠合・・・ いえ、リボディ様におつかえして20年になります・・・
それゆえ・・・おぼっちゃまが何を考えているかなどは言われずともわかります」
ヴァリラ
「ならばなおさらだ オレは金の匠合の後継者として ことのしだいを知る必要がある
通せ」
ナシュメント
「なりません」
ヴァリラ
「それは父の言葉だと思っていいのだな?」
ナシュメント
「・・・それは・・・」
ヴァリラ
「そうでないのならここを通れない理由がないはずだ」
ナシュメント
「・・・」
クリュウ
『・・・』
クリュウ
「(なんか・・・大変なことになってきたな・・・ どうしよう・・・)」
  • 通してもらえるようにたのむ
    クリュウ
    「ナシュメントさん 通してください!
    ヴァリラは本気なんです・・・本気で匠合の未来のことを考えているんです!」
    ナシュメント
    「・・・」
    ヴァリラ
    「わかってくれナシュメント・・・」
    ナシュメント
    「・・・」
    クリュウ
    「ナシュメントさん!」
    ナシュメント
    『・・・』
    ナシュメント
    「・・・ヴァリラおぼっちゃま いい友人を得ましたな・・・
    剣の腕・・・鍛冶の腕・・・ ありとあらゆる才能に恵まれながら
    おぼっちゃまに足りなかったもの それがクリュウ様です」
    ヴァリラ
    「・・・」
    ナシュメント
    「ヴァリラ様が帝王たりえるためにたりなかったのは 信頼してくれる友人です
    クリュウ様をここまで連れてくることなど・・・以前のヴァリラ様にはできませんでした」
    ヴァリラ
    「・・・ふん」
    ナシュメント
    「おぼっちゃま・・・お通りください」
    ヴァリラ
    「わかった・・・ ただしどんな結果になっても・・・ 恨むなよ」
  • 黙って話をきいている
    クリュウ
    「(これはヴァリラの問題だ・・・ 口を出しちゃいけない・・・)」
    ヴァリラ
    「ナシュメント・・・ 父の執事なら分をわきまえろ 命令だ・・・ここを通せ」
    ナシュメント
    「なりませぬ・・・今のヴァリラぼっちゃまにはここを通る権利がない、と存知ますゆえ」
    ヴァリラ
    「・・ナシュメント どかねば斬るぞ」
    ナシュメント
    「笑止・・・ですな」
    クリュウ
    「(ねえヴァリラ ナシュメントさんってそんなに強いの?)」
    ヴァリラ
    「(ああ・・・ 父に雇われる前まではどこかの国の騎士だったらしい)」
    クリュウ
    『!』
    ヴァリラ
    「ナシュメント・・・ ・・・今のオレは絶対にひくことはできない・・・
    クリュウが見ているからな!」
    ナシュメント
    「・・・
    ・・・ふふふ ヴァリラ様はいいご友人を見つけたようですな」
    ヴァリラ
    「なんだと?」
    ナシュメント
    「礼を言いますぞ、クリュウ様」
    クリュウ
    「え?」
    ナシュメント
    「ヴァリラ様はたしかに天才ですがそれゆえに、今まで帝王の器たりえませんでした・・
    ヴァリラ様にはほかの人を信じる気持ちが欠けていたのです・・・
    ですが・・・ クリュウ様と友人になることで変わりつつあるようですな・・・
    無理を承知でお願いします ずっとヴァリラ様のご友人でいてさしあげてください」
    クリュウ
    「あ、はい!」
(クリュウ&ヴァリラ&ナシュメント、更に奥へ移動)
リボディ
「なんじゃヴァリラ? わしはこれから人に会うというのに・・・ 用なら後にしろ」
ヴァリラ
「そうはいかない・・・ 父上・・・オレは今 ここで話がしたい」
リボディ
「バカなことを言っていないで部屋に戻りなさい」
クリュウ
「あの・・・ヴァリラの話をきいてあげてください」
リボディ
「ふん・・・誰かと思えばシンテツの子供か・・・ ジャマだ、帰りたまえ」
ヴァリラ
「そうはいかない・・・ こいつはここで話をきく そのしかくがある」
リボディ
「この少年がかね?」
ヴァリラ
「そうだ・・・
オレはこいつに出会うまで金の匠合のやることにギモンなど持っていなかった
剣など自分できたえるものではないと思っていた・・・ まわりは利用するものだと思っていた
金の匠合のしていることが正しくて・・・銀の匠合は腰抜けなヤツらだと思っていた
だが・・・それは違うと・・・気付かせてくれたのは こいつだ・・・」
リボディ
「ほう・・・?」
ヴァリラ
「父上の・・・いや あんたのしていることはいったいなんだ?
銀の匠合の鍛冶師が作ったのとはくらべものにならないほど出来の悪い武器をたくさん作り・・・
若い鍛冶師の作った武器を安く売りさばき・・・
デグレアなどに・・・ あのようなヤツらに武器を売る!
これのどこに正義がある!? どこに正しさがある!? 金もうけにどれほどの意味がある!?
返答によっては・・・ あんたには金の匠合の長をやめてもらう・・・!」
  • ヴァリラを止める
    クリュウ
    「ちょちょっちょっとヴァリラ!? そんな・・・いきなり!?」
    ヴァリラ
    「クリュウ 悪いが黙っていてくれるか
    ・・・さあ父上 理由があるならきかせてくれ ないのなら・・・」
    リボディ
    「・・・それは・・・」
  • ヴァリラを応援する
    クリュウ
    「僕も・・・理由を知りたいと思います
    なんでルベーテさんに武器を売ったりしたんですか? あんなに悪い人に・・・」
    リボディ
    「うむ・・・それは・・・」
リンドウ
「それはわしから話そう」
リボディ
「リンドウ・・・」
ヴァリラ
「金剛の鍛聖・・・」
リボディ
「リンドウ・・・しかし お前が話すといっても・・・ しかしそれは・・・」
リンドウ
「なに・・・いずれはこの子たちがこの剣の都を引っ張っていくことになる
知っておくのも悪くはないだろう?」
リボディ
「・・・ぬぅ」
(リンドウ、近づく)
リンドウ
「どうしたい、ふたりは?」
ヴァリラ
「オレは・・・」
クリュウ
「僕は・・・」
  • 知りたい
    クリュウ
    「僕は・・・知っておきたいと思います」
    ヴァリラ
    「クリュウの言う通りだ 理由を知らないままいるのは気持ちが悪い」
    リンドウ
    「と、若者ふたりはこう言っておる 文句はなかろう? リボディ?」
    リボディ
    「・・・ぬぅ 仕方なかろう」
    リンドウ
    「おまえの負けだのう? それでは・・・
    そもそも、金の匠合を作ってくれとリボディにたのんだのはわしら鍛聖なのだよ」
    クリュウ&ヴァリラ
    『!』
    ヴァリラ
    「なんだと・・・」
    リンドウ
    「剣の都の鍛冶師はみんな芸術家のようなものだからな
    困ったことに金もうけにも政治にもキョウミがない
    だから、ワイスタァンが国として収入を得たり、国のために動いたりする組織が必要なわけだのだよ」
    リボディ
    「わしには鍛聖になれるほどの腕もなかったからな だから・・・
    ワイスタァンのためになるなら・・・ そう思って引き受けたわけじゃ」
    クリュウ
    「でも・・・金の匠合と銀の匠合が争ってるのは・・・?」
    リボディ
    「それは・・・」
    リンドウ
    「単純にリボディとブロンの仲が悪いだけだ」
    クリュウ
    「・・・ああ そうなんですか・・・」
  • 知りたくない
    クリュウ
    「・・・僕は・・・ 無理に知る必要はないと思います
    リンドウさんがわけを知ってるってことは・・・ 悪いコトじゃないってことです
    僕はリンドウさんたち鍛聖様を信じてますから」
    ヴァリラ
    「・・・そうだな ただ・・・クリュウが言うほど簡単でもないことはわかる
    悪いとわかっていてもしなければならないことがある そういうことなのだろう・・・」
    クリュウ
    「むずかしいね・・・」
リンドウ
「・・・まあ、すぐにわかる必要はない だが金の匠合がやっていることは決して悪いことなどではない
それだけわかってくれればいい」
ヴァリラ
「しかしルベーテに武器を売ったのなぜだ・・・」
リボディ
「あれは少しこみいった事情があってな・・・
ルベーテが何をしているか探るために
味方のふりをしたんじゃよ」
リンドウ
「おかげで ルベーテが何をたくらんでいるかシッポを捕まえることができた
リボディのおかげだ」
リボディ
「なぁに おやすいごようだ」
ヴァリラ
「金の匠合はいつもこんなことをしていたのか?」
リボディ
「そうじゃ」
ヴァリラ
「すまない、父上・・・オレは 少し勘違いをしていたようだ・・・」
リボディ
「なぁに わかればいいんじゃよ、ヴァリラ」
クリュウ
「よかったねヴァリラ お父さんが悪い人じゃなくて」
ヴァリラ
「ああ・・・ まさか金の匠合がワイスタァンの経済と政治を支えていたとはな」
クリュウ
「ええ!? ヴァリラ・・・ ヴァリラのお父さんたちが何してるかわかったの!?
僕にはさっぱりわからなかったよ・・・」
ヴァリラ
「つまりだな・・・ この街の鍛冶師は腕はいいが商売っけがないんだ
だから国が・・・ 剣の都がうるおうためには誰かが金をもうけて
ワイスタァンにおさめないといけないんだよ」
クリュウ
「・・・なんで? みんなちゃんとかせいでるよ?」
ヴァリラ
「水路や塔は誰が修理する?」
  • 大工さんかな?
    クリュウ
    「大工さんかな・・・?」
    ヴァリラ
    「・・・おい その大工に給料を払うのは誰かと言ってるんだ」
    クリュウ
    「あ・・・鍛聖の人たちだね!」
  • 鍛聖の人たち?
    クリュウ
    「鍛聖の人たちが大工さんたちにお願いするんだよね」
ヴァリラ
「そうだ その鍛聖の払う給料はどこから出ている?」
クリュウ
「・・・あ、そうか・・・」
ヴァリラ
「その給料を稼ぐのが金の匠合の役割なんだ」
クリュウ
「すごい大切だね・・・」
ヴァリラ
「そういうことだ
しかし・・・ 今回はつきあわせて悪かったな
恩に着るぞ・・・でなければオレは父親をごかいしたままでいるところだった」
クリュウ
「そんなの気にしないでよ 僕とヴァリラは友達だろ?」
ヴァリラ
「友達か・・・」
クリュウ
「不満? じゃあ親友のほうがいい?」
ヴァリラ
「・・・いや オレたちはライバルだ」
クリュウ
「うん ライバルだね!」
ヴァリラ
「次は試合で会おう・・・」

エンディング

ヴァリラ
「調子はどうだ? 黒鉄の鍛聖サマ・・・」
クリュウ
「その呼び方、なんかテレちゃうよ まだまだ見習い鍛聖でもっと覚えなくちゃいけないこと
いっぱいあるのに・・・」
ヴァリラ
「仮にもオレに勝った男が情けないこと言うな」
クリュウ
「ごめん・・・」
ヴァリラ
「情けないのはオレも同じか・・・
おまえも永遠のライバルが永遠に鍛聖になれなくては格好がつかないだろう?
待っていろ、すぐに追いつくからな」
クリュウ
「気にすることないよ どんなでもヴァリラは大切な友達だから」
ヴァリラ
「・・・言ってろ」
クリュウ
「でも、ヴァリラには金の匠合のこともあるし・・・ 大変だね・・・」
ヴァリラ
「望むところだ 金の匠合も鍛聖になることもどちらも最高の仕事をみせてやる
そして、このワイスタァンを誰にも恥じることのない剣の都にしてみせよう
黒鉄の鍛聖クリュウ おまえとふたりでな・・・」

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