【夜会話】エルナディータ(ディランVer.)

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第5話

ディラン
「エルナディータ。」
エルナディータ
「ディラン様!なんなんですの!あの部屋は!
ホコリだらけで、とても眠れたものじゃないですわ!」
ディラン
「なら、俺が使ってる部屋と交換するか?
そこなら、ファラが掃除してくれたからキレイだけど。」
エルナディータ
「ファラ!セレスティアの王女ですわね。でしたら、お断りします!」
ディラン
「どうして?」
エルナディータ
「だって、ディラン様は10年間、ずっとあの娘と一緒だったのでしょ?
わたくしの知らないディラン様の事を知ってるなんて、
未来の妻として、許せませんわ。」
ディラン
「えっ!」
エルナディータ
「わたくし、まだ皇帝夫人を諦めてませんの!
ディラン様、帝国と戦っているのでしょ?
つまり、ディラン様が勝てば、皇帝になるって事ですわ。」
ディラン
「(なんて強引なんだ…)」
エルナディータ
「とにかく、セレスティアの王女が掃除した部屋は嫌です!」
ディラン
「でも、他には『特別室』ぐらいしか。」
エルナディータ
「まあ、そんなステキな部屋がありますの?
早速、そこを使わせてもらう事にしますわ。
それでは、おやすみなさいませ。ディラン様。」
ディラン
「まさか、本当にあそこで寝るとは思えないけど…。意地っ張りみたいだしな。
毛布でも、持ってってやるか。」
エルナディータ
「皇帝夫人の夢、諦めませんわ!」

第6話

ディラン
「エルナディータ。」
エルナディータ
「ディラン様。まだ起きてらしたのね。」
ディラン
「明日の戦いの事を考えてたら、何だか眠れなくなったんだ。」
エルナディータ
「心配する事ありませんのよ。だって、ディラン様の作戦は完璧ですもの。
ましてや、未来の妻であるわたくしも参加するんです。
ディラン様は、大船に乗った気でいればいいのですわ!」
ディラン
「フフ、ハハハ。」
エルナディータ
「何がおかしいんですの?」
ディラン
「君にそう言われたら、何だか本当に大丈夫なような気がしてきたから。」
エルナディータ
「それって、わたくしの言葉でディラン様が元気になったって事ですわね。
やっぱり、わたくしはディラン様の妻にふさわしいって事ですわ。」
ディラン
「いや、さすがにそこまでは言ってない…。」
エルナディータ
「ディラン様。わたくし、エルナディータが、精一杯サポートいたします!
ですから、明日は思いっきり剣の腕をふるってくださいませ!
ディラン様のご活躍、期待してますわ。」
ディラン
「わっ!!!な、何するんだよ!」
エルナディータ
「それでは、おやすみなさいませ。ディラン様」
ディラン
「(ちょっと驚いたけど、彼女のおかげで元気が出たのは事実だ
ありがとう、エルナディータ)」
エルナディータ
「続きはまた明日、ですわよ。」

第7話

ディラン
「エルナディータ。」
エルナディータ
「あら、ディラン様。まだ起きてらしたのね。」
ディラン
「どうしようか、考えてたんだ。その、国王のこと。」
エルナディータ
「まあ、何を考える事があるのです?
ぜひにも、引き受けるべきですわ!」
ディラン
「いや、だけど俺は国王にふさわしいような人間じゃないし。」
エルナディータ
「そんな事はありませんわよ。
ディラン様は、十分、国王にふさわしい方ですわ。
悔しいですけど、ファラさんの人を見る目だけは確かだと思いますわよ。
未来の妻であるわたくしが、精一杯手助けいたします。
だから、何の心配もなさらずに、国王をお引き受けください。
明日、良い返事を期待していますわよ。
それでは、おやすみなさいませ。」
ディラン
「(ありがとう、エルナディータ。おかげで、決心がついたよ)」
エルナディータ
「王妃になるのも、悪くありませんわね。」

第8話

ディラン
「エルナディータ。」
エルナディータ
「ディラン様。どーしたんですの?」
ディラン
「いや、ちょっと眠れないから夜空でも眺めようと思って。」
エルナディータ
「キレイですわ。空気が冷たいから、澄みきってますのね。
ディラン様。本当の帝国は、わたくしの知っている帝国とは違いますのね。」
ディラン
「えっ?」
エルナディータ
「もっともっと、恐ろしい国だったのですわね。
正直、最初は疑ってました。本当は、やっぱり帝国が正しいんじゃないかって。
だけど、ディラン様と一緒にいて、初めて、本当の事が見えてきた気がしますわ。
帝国は、間違ってます。それだけは、確かですわ。」
ディラン
「そう思う人間が、帝国の中にも増えてくれたら、俺達は勝利する事ができる。」
エルナディータ
「ディラン様。わたくし、精一杯協力いたしますわ。だから、がんばりましょ。
戦いが終わって、帝国がステキな国になったら、その時は…。
一緒に、帝国に戻るというのも、悪くありませんわよね?」
ディラン
「(そうだな、本当にそんな日が来るのなら…)」
エルナディータ
「そしたら、ディラン様は皇帝でわたくしは皇帝夫人♥」
ディラン
「えええっ!」
エルナディータ
「その時のために、キッスの予行演習をいたしましょ?」
ディラン
「いや、ちょっとそれは…。
お、おやすみ!」
エルナディータ
「あ、待ってください!ディラン様~~~~!」
エルナディータ
「キッスの練習はひとりではできませんわよ。」

第9話

ディラン
「エルナディータ。」
エルナディータ
「ディラン様、こんなステキな夜空の旅ができるなんて、わたくし、感激ですわ!」
ディラン
「いや、そんな気楽な旅じゃないんだぞ。
俺達は、グラナードからマナの門を守るために…。」
エルナディータ
「そうだわ!わたくし、いい事を思いつきましたわ!
わたくし達の新婚旅行。ハインラインさんにお願いいたしましょ。」
ディラン
「ええっ!」
エルナディータ
「こうやって、夜空を飛んでルーンハイム中を旅しますの。
たくさんの星達が、わたくし達の結婚を祝福してくれるのですわ。」
ディラン
「ハインラインは、3女神を生み出し世界を創造した神竜。
そんな事を頼んだら、失礼だぞ。」
エルナディータ
「そうかしら?案外頼んだら、こころよく引き受けてくれたりして。
その時が来たら、お願いしてみましょ?ディラン様。
それでは、おやすみなさいませ。」
ディラン
「エルナディータにも、困ったもんだな。あんな事を言い出すなんて。」
エルナディータ
「新婚旅行、楽しみですわ。」

第10話

ディラン
「エルナディータ。」
エルナディータ
「ディラン様。まだ起きてらしたんですか?」
ディラン
「ああ、ちょっとあくり~んの事を考えていたんだ。」
エルナディータ
「あくり~ん!あのお子様ですわね!
ディラン様に、そんな趣味がおありだなんて。
分かりました。わたくしはディラン様の未来の妻。
ディラン様の好みに合わせますわ。」
ディラン
「えっ?」
エルナディータ
「あたち、えるなでぃ~た。でぃらんおにーたまのことだいすきなの~~~!
おにーたまの、みらいのおくたんになりますの~~~。」
ディラン
「………エルナディータ。何か、誤解してるようだけど。
俺は、あくり~んは何者なんだろうって考えてただけなんだけど。」
エルナディータ
「何だ、そうでしたの。良かったですわ。
ちょっとわたくしにはムリがありましたものね。
ホッとしたら何だか、どっと疲れてしまいましたわ。
おやすみなさいませ。ディラン様。」
ディラン
「(何だか、悩んでるのがバカらしくなってきたな
あくり~んの事はだんだんと分かっていくだろう
少なくとも敵じゃない。今はそれだけで、十分だ)」
エルナディータ
「ディラン様好みの女になりますわ。」

第11話

ディラン
「エルナディータ。
どうしたんだ?こんな夜に。」
エルナディータ
「実はわたくし、アメリア将軍にあこがれてましたの。
召喚戦争で武功をたて、将軍に取り立てられたすごい女性だって。
なのに、あんなにもヒドイ人だったなんて、信じられませんわ。
あんな人間にあこがれてたなんて、恥ずかしいですわ。」
ディラン
「エルナディータ。」
エルナディータ
「ディラン様、わたくしは帝国で、亜人は汚らしい者だと教えられましたわ。
だけど、本当に汚らしいのは、そうやって彼らをさげすむ帝国の人間の方なのですわ。」
ディラン
「ああ、俺もそう思う。」
エルナディータ
「ディラン様!この戦いに勝って、帝国を変えましょ!
誰もランカスタの民を嫌う人がいない、そんな帝国にしてみせましょ!」
ディラン
「そうだな、エルナディータ。一緒に、がんばろう。」
エルナディータ
「まあっ。」
ディラン
「どうしたんだ?」
エルナディータ
「一緒にがんばろうって、それってつまり、プロポーズって事ですわね。」
ディラン
「えええ!?」
エルナディータ
「もちろん、お受けしますわ。ディラン様。」
ディラン
「いや、一緒にってのはみんなと一緒にって意味であって…。
おやすみ!」
エルナディータ
「あ、待ってください。
ディラン様、ディランさま~~~!」
エルナディータ
「プロポーズの返事はもちろんOKですわ!」

第12話

ディラン
「エルナディータ。」
エルナディータ
「ディラン様。グラナードはノイン王子を洗脳して、操っていたのですね。
本当にヒドイ事をしますわ。許せませんわ。」
ディラン
「ああ、でももう終わりだ。
こうやって洗脳も解けてノイン王子も戻ってきたんだからな。
王子が元気になったら、セレスティアの国王になってもらおう。
これで、王国の結束はますます高まるはずだ。」
エルナディータ
「そうでしたわ。ノイン王子が戻ってきたら、ディラン様は王様ではなくなるのでしたね。」
ディラン
「ああ、そうなるのが自然な事だからな。」
エルナディータ
「でもまあ、それでいいのかもしれませんわね。
ディラン様は、いずれはデルティアナの皇帝になられるお方。
いつまでも、セレスティアの国王をやっているわけにはいきませんわ。」
ディラン
「は、はあ。」
エルナディータ
「この戦いに勝利して、ディラン様が帝都に戻り皇帝になられる日まで。
わたくしは、ずっとディラン様をお助けしますわ。」
ディラン
「ありがとう、エルナディータ。」
エルナディータ
「ディラン皇帝………いい響きですわ。」

第13話

ディラン
「エルナディータ。」
エルナディータ
「ディラン様。ノイン王子は、立派な方でしたのね。」
ディラン
「ああ、そうだ。
ああやって機転をきかして、俺達の命を救ってくれたんだからな。」
エルナディータ
「やっと、洗脳が解けて故郷に戻ってこれたっていうのに…。
あんまりにも、気の毒すぎますわ!
これも帝国の仕業なのですわね。
帝国のくだらない野望のせいなのですわね。
ディラン様、わたくし、ものすごく怒ってますわ!
皇帝グロッケンにも、宰相のグラナードにも、あの仮面のラディウスにも!
こうなったら、召喚の塔に殴り込みですわ!止めてもムダですわよ!」
ディラン
「誰も止めたりしないよ。俺も、明日出発するつもりだったから。
ノイン王子の死を、ムダにしてはならない!
召喚の塔へ行く。そこに、父上やグラナードがいるなら…。
この俺が、倒す。」
エルナディータ
「わたくしもお供いたしますわ!」

第14話

ディラン
「エルナディータ。」
エルナディータ
「ディラン様。」
ディラン
「どうしたんだ?エルナディータ。人の顔をまじまじと見つめて。」
エルナディータ
「やっぱり、そっくりですわね。あのラディウスと。
あんなイケすかない男がディラン様と同じ顔だなんて、なんだか嫌ですわね。」
ディラン
「エルナディータ。いいのか?」
エルナディータ
「何がですの?」
ディラン
「皇帝夫人になるのが、エルナディータの夢だったんだろ?
帝都に戻り、ラディウスと一緒になろうとは、思わないのか?」
エルナディータ
「ディラン様の、バカ!
バカ! バカ! バカ!」
ディラン
「いた! いたたた!何するんだよ?」
エルナディータ
「ディラン様、あなたは何も分かってません。
皇帝夫人とか、正直もうそんなのはどうでもいいんですわ!
わたくしは、ディラン様が、皇子とか関係なく、ディラン様の事が…。
あ~~~~ん!勇気が出ませんの~~~!」
ディラン
「(一体どうしたんだ?エルナディータ)」
エルナディータ
「ディラン様のおたんこなす~!」

第15話

ディラン
「エルナディータ。」
エルナディータ
「ディラン様。いよいよ、帝国との決着がつくのですわね。」
ディラン
「ああ、そうだな。」
エルナディータ
「大丈夫。ディラン様ならきっと勝てますわ
だって、未来の妻であるわたくしが一緒なんですもの。」
ディラン
「エルナディータ。君は、不思議な娘だな。
君に励まされると、気持ちが本当に軽くなるんだ。」
エルナディータ
「うふふ、これも愛の力なのかもしれませんわね。」
ディラン
「祖国である帝国と戦うのはつらいと思う。だけど、力を貸してくれ。」
エルナディータ
「誇れるような祖国を、一緒に作りましょ。ディラン様。
それでは、おやすみなさいませ。」
エルナディータ
「わたくし、あの時、ディラン様を追いかけて帝国を飛び出して、
本当に良かった。そう思ってますわよ。
だって、こうやってディラン様と一緒にいられるんですもの。」
ディラン
「(俺も、君が来てくれて良かったよ。エルナディータ)」
エルナディータ
「わたくしの命に代えても、ディラン様を守りますわ。」

第16話

ディラン
「エルナディータ。」
エルナディータ
「ディラン様!とうとうやりましたわね!わたくし達の、勝利ですわ!」
ディラン
「ああ、そうだな。長かった戦いも、これでやっと終わったよ。」
エルナディータ
「だけど、ディラン様。のんびりしてるヒマはありませんわよ。
すぐにディラン様が新皇帝となる事を祝う式典を開きませんと!
そうだわ、ついでにわたくしとの結婚式もあげてしまうというのは?」
ディラン
「えええっ!」
エルナディータ
「そうですわね。善は急げと言いますし。
早速いろいろと準備を始めませんと。」
ディラン
「エルナディータ。聞いてくれ。」
エルナディータ
「え?」
ディラン
「皇帝として、俺はこの国を変えていくつもりだ。
まだまだ残るランカスタの民への抵抗をなくし、みんなが仲良く暮らせるように。
帝国がやってきた事への償いも、しなければならない。
俺と結婚しても、大変な事ばかりかもしれないぞ。」
エルナディータ
「そんな事、分かってますわ。」
ディラン
「えっ?」
エルナディータ
「どんなに大変でも、わたくしは、ディラン様の妻になりたいのです。
万が一に、ディラン様が皇帝にならなかったとしたって…。
わたしくしの想いは同じですわ。」
ディラン
「エルナディータ。」
エルナディータ
「ディラン様がいれば、他には何もいりませんわ。」

第17話

ディラン
「エルナディータ。」
エルナディータ
「ディラン様、ちょっとだけよろしいですか?」
ディラン
「ああ、別にいいけど。どうかしたのか?」
エルナディータ
「ちょっとだけ、やっておきたい事があるのですわ。
ここは教会ですわ。わたくし達の結婚式を行ってますのよ。」
ディラン
「えっ?」
エルナディータ
「ほら、神父様がディラン様に尋ねてますわ。
エルナディータを、妻として一生愛すと誓いますか? って。」
ディラン
「エルナディータ、どうしてこんなこと。」
エルナディータ
「お願い、ディラン様。ウソでもいいから、誓うって言ってください。
そうしてくれたら、わたくし、がんばれますの。
女神クラヴィスとの戦い、へこたれずに、一生懸命やれますの。
戦いに勝ったら、こんなステキな未来が待ってるんだって…。
自分を、元気づけられますもの。」
ディラン
「エルナディータ… 分かったよ。
俺は、妻エルナディータを、一生愛し続ける事を誓います。」
エルナディータ
「わたくしは、夫ディランをずっとずっと愛し続けるって誓いますわ。
うふふふ。
キスは、すべてが終わった後のお楽しみですわよ。ディラン様。
だから、必ず戻ってきましょう。約束ですわ。」
ディラン
「ああ、約束だ。必ず、戻ってこよう。」
エルナディータ
「さあ、参りましょう、わたくし達の未来へ。」

エンディング

エルナディータ
「ディラン様が帝国の皇帝に。ファラさんが、王国の女王に。
これで、やっとひと段落ですわね。」
ディラン
「ああ、そうだな。」
ディラン
「だけど、これからが大変だ。
帝国の中には、まだ反王国や反ランカスタの考えを持った民も多い。
平和な未来のため、これから少しずつ変えていかなければな。
力を、貸してくれるか?エルナディータ。」
エルナディータ
「もちろんですわ。ディラン様。
あっ、もしかして今のって、わたくしへのプロポーズでしたの!?」
ディラン
「えっ!?」
エルナディータ
「わたくしとした事が、気がつかなかったなんて。一生の不覚ですわ。
どーしましょー。すぐにドレスの準備をいたしませんと。」
ディラン
「いや、今のはそんなんじゃなくって、その…だな。」
エルナディータ
「フフフ、分かってますわ。ちょっと、からかっただけですわよ。」
ディラン
「何だ、そうだったのか。」
エルナディータ
「わたくし、ちっとも急いではいませんわ。
だって、これからはディラン様とずっと一緒なんですもの。
ディラン様が、その気になった時に、プロポーズしてくださればいいですわ。
もちろん、返事は決まってますわよ。」
ディラン
「エルナディータ…。」
エルナディータ
「ディラン様♥プロポーズ、楽しみにしてますわよ♥」

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