【夜会話】ルーガ(ディランVer.)

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第7話

ディラン
「ルーガ。」
ルーガ
「ボーヤ、返事は決まったのかい?」
ディラン
「いや、まだ悩んでる。
なあ。ルーガ。ちょっと聞いてもいいか?」
ルーガ
「何をだい?」
ディラン
「ルーガは、どうしてローングランドのリーダーになったんだ?」
ルーガ
「前のリーダーが引退するとき、押し付けられたのさ。」
ディラン
「断らなかったのか?」
ルーガ
「そんな事できやしないよ。引き受けなきゃならない鉄の決まりなんだからね。
でも、何とかなったよ。ファングや、たくさんの仲間が助けてくれたからね。
あんたも、そんな仲間がたくさんいるんだ。何とかなるんじゃないの。
何と言っても、その中にはアタシもいるんだしね。」
ディラン
「ルーガ。」
ルーガ
「ま、まだ時間はあるんだ。ゆっくり考えな。」
ディラン
「(ルーガの言うとおりだ。俺には、仲間がいる。
よし、決心がついたぞ)」
ルーガ
「ボーヤ、アタシ達がついてるよ。」

第8話

ディラン
「ルーガ。」
ルーガ
「今日は残念だったね、ボーヤ。
せっかく、こんな遠くまで来たってのに、実験は成功しちまうんだからさ。」
ディラン
「本当に、すまない。」
ルーガ
「ちょっとボーヤ。あんたが謝る事ないさ。
こういう事だって、時にはある。いちいち気にするもんじゃないよ。
それに、あのグラナードっていけすかない宰相の次の目的地が分かったんだ。」
ディラン
「マナの門…だな。」
ルーガ
「それは、ここまで来たから知りえた情報さ。
誇っていいと思うよ。」
ディラン
「ありがとう、ルーガ。」
ルーガ
「お礼なんていいさ。アタシは、思った事を言っただけだからね。
さ、宿に戻ろうかね。ランカスタってのは寒さに弱いんだよ。
明日、鼻水たらしてたら笑い者になっちまうしね。」
※ルーガ立ち去る
ディラン
「(手がかりは、マナの門という言葉
よし、何としてでも突き止めてやるぞ)」
ルーガ
「今日負けたって、明日勝てばいいのさ。」

第9話

ディラン
「ルーガ。」
ルーガ
「風が気持ちいいね。ボーヤもそう思うだろ?
空を飛ぶってのは、こんな気持ちなのかね。
だとしたら、ファング達がちょっとうらやましいね。」
ディラン
「ルーガは、ランカスタの民だけど翼を持ってないよな。
翼のない種族なのか?」
ルーガ
「あれ? ファングから聞いてないのかい?
アタシの体には、半分しかランカスタの血が流れてないのさ。
父親は、人間だったからね。」
ディラン
「そうだったのか。全然知らなかったよ。」
ルーガ
「今でこそ、アタシみたいなのも増えてるけど、
昔は、本当に珍しくてね。
それで、いろいろと苦労したもんさね。
ボーヤみたいな人間が、たくさんいてくれたら良かったのにね。」
ディラン
「えっ?」
ルーガ
「いや、何でもないよ。ちょっと口が滑っただけさ。
それじゃあね、ボーヤ。」
※ルーガ立ち去る
ディラン
「(俺みたいな人間がたくさんいたら良かった。どういう意味だろ?)」
ルーガ
「もっと早く、ボーヤに会いたかったよ。」

第10話

ディラン
「ルーガ。」
ルーガ
「さすがのアタシも、今日ばかしはヤバイって思ったよ。
あのまま、マナが暴走してたら、アタシ達の命はなかったんだろうね。」
ディラン
「ああ、確かにそうだな。」
ルーガ
「あの、あくり~んって子には足を向けて寝られないよ。」
ディラン
「あくり~んが何者なのか? ルーガはどう思う?」
ルーガ
「そーさね、不思議な子だよ。宝珠が光って、出てきたって言うんだろ?
しかも、マナの門をいとも簡単に直しちまったそうじゃないか。
そんな事ができるなんて、もしかしたら、女神様なのかもしれないね。」
ディラン
「えっ!」
ルーガ
「ほら、あくり~んって女神アクリーンと同じ名前だろ?
ま、さすがにそれはないかね。あんなお子様が女神だなんてちょっとムリがあるよ。
あの子の正体が何であれ、アタシ達の味方だってのは確かなんだ。
とりあえず、それで良しとしようじゃないか。
さて、アタシもヘトヘトだしそろそろ寝るとしようかね。
じゃあね、ボーヤ。」
※ルーガ立ち去る
ディラン
「(そうだな。あくり~んは俺達の味方。それだけで今は十分だ)」
ルーガ
「あの子が女神………まさかね。」

第11話

ディラン
「ルーガ。」
ルーガ
「考え事かい? ボーヤ。」
ディラン
「ルーガは、ファングの過去の事を知ってたのか?」
ルーガ
「まあ…ね。アメリアって名前までは知らなかったけど。
まさか、帝国の将軍だったなんてね。手強い相手だよ、全く。」
ディラン
「………俺達は、間違っているんだろうか?」
ルーガ
「どうしたんだい? いきなり?」
ディラン
「俺達は今、帝国と戦っている。その戦いによって家族を失った帝国の民もいる。
彼らは、悲しみの中、俺を憎むんだろうか?」
ルーガ
「そーさね。憎むだろうね。」
ディラン
「やっぱり、そうか。」
ルーガ
「しっかりしな、ボーヤ。それは仕方のない事なんだ。
それに、この戦いはそんな憎しみの繰り返しを終わらせる戦いでもあるんだ。
ボーヤが勝利して、ランカスタと人間が共存できる世界になったら、
そんな憎しみも、これ以上生まれる事もなくなるはずさ。」
ディラン
「そうだな。ありがとう、ルーガ。」
ルーガ
「そーさね、向けられる憎しみが背負いきれなくなったら、
そん時は、アタシが一緒に背負ってやってもいいよ。」
ディラン
「え?」
ルーガ
「ま、どういう意味かは、想像にお任せするよ。フフフ。」
ルーガ
「ボーヤの苦しみは、アタシの苦しみさ。」

第12話

ディラン
「ルーガ。」
ルーガ
「ボ、ボーヤ。まだ、起きてたんだね。
ちょっと、アタシと話をしてもらってもいいかい?」
ディラン
「別にいいけど、どうかしたのか?」
ルーガ
「その、今日の事なんだけどね、できれば、忘れてくれるとありがたいんだけど。」
ディラン
「今日のこと?」
ルーガ
「ルオール古城での事さ。ファングがアタシをからかっただろ?」
ディラン
「ああ、幽霊だって言って、ルーガが驚いて…。」
ルーガ
「わーわーわーわーわー!」
ディラン
「そんなに慌てなくていいのに。」
ルーガ
「アタシ、オバケとか幽霊って奴だけはダメなんだよ。
みっともないだろ? だから、忘れておくれよ。な、ボーヤ。」
ディラン
「別にそんなみっともない事じゃない。
誰にだって、苦手な物のひとつくらいあるよ。当たり前の事さ。」
ルーガ
「ボーヤ…。」
ディラン
「だけど、意外だったな。ローングランドの荒くれ者を束ねるリーダーのルーガが、
女の子みたいに、悲鳴あげたんだから。」
ルーガ
「ボ、ボーヤ!!!」
ディラン
「ごめんごめん。大丈夫、キレイさっぱり忘れるから。
それじゃ、おやすみ。」
※ディラン立ち去る
ルーガ
「まったく、このアタシをからかうほどになるなんてね。
いつまでも、ボーヤなんて呼んでられないかもね。フフフ。」
ルーガ
「いつの間にか、ボーヤじゃなくなってたんだね。」

第13話

ディラン
「ルーガ。」
ルーガ
「やっぱり、起きてたんだね。ボーヤ。
きっと王子の事でも考えて、眠れないんじゃないかって思ってね。」
ディラン
「ルーガ、ノイン王子は、どんな思いで亡くなったんだろう?」
ルーガ
「えっ?」
ディラン
「ずっと人質生活を送っていて、やっと帰れると思ったら、洗脳されて操られ、
洗脳が解けて故郷に戻ってきた矢先に、命を落とすなんて。
きっと、絶望の中で息を引きとったんだろうな。」
ルーガ
「それは、違うんじゃないかい?王子が最後に見せた笑顔。
あれは、本物だったじゃないか。
満足して、旅立ったんじゃないかって、アタシは思うよ。
何てったって、最後に大切な妹を守れたんだからね。
それに、王国を託せる人間がいる事に、安心してたんだろうね。」
ディラン
「そんな人間がどこに?」
ルーガ
「ボーヤ、あんただよ。
だから、ボーヤ。あんたは前へ進まなきゃならない。
こんなとこで、落ち込んでるヒマなんかないんだよ。」
ディラン
「…そうだな。よく、分かった。ありがとう、ルーガ。
ノイン王子の期待は、裏切れない。俺は、必ず帝国の野望を打ち砕く。
絶対に…。」
ルーガ
「こんな言い方しかできないなんて、アタシも不器用だね。」

第14話

ディラン
「ルーガ。」
ルーガ
「あんた、ボーヤだよね。
あの、ラディウスってのと入れ替わってるってのはゴメンだよ。」
ディラン
「俺は、正真正銘、帝国のボーヤだよ。ルーガ。」
ルーガ
「ゴメンゴメン、ちょいとからかっただけさ。
このアタシが、ボーヤとあんなゲス野郎を見間違えるはずがないだろう。」
ディラン
「見分けがつくのか? 同じ顔なのに。」
ルーガ
「ボーヤ、いい事を教えてあげるよ。
男の顔ってのはね、形だけじゃないんだよ。
何か苦難を乗り越える度に、深みが加わっていくんだ。
あのラディウスの顔には、そんなもんは何もありゃしないよ。
自分の境遇にヘソを曲げて、ひねくれてる。お子ちゃまの顔さ。」
ディラン
「なら、俺はどうなんだ?」
ルーガ
「最初は、世間知らずのボーヤの顔だったさ。
だけど、今じゃすっかり男の顔になってきてるよ。
アタシが、思わず意識しちまうくらいにね。」
ディラン
「え?」
ルーガ
「何でもないよ。ボーヤにはまだ早い話さ。
そーさね、アタシ達が戦いに勝って、世界が平和になったら…。
アタシも、自分に正直になってみようかね。
ま、とにかく。そんなだから、ボーヤは負けっこない。
このルーガ様もついてるんだしね。」
ルーガ
「アタシがボーヤと………ふふ、悪くないね。」

第15話

ディラン
「ルーガ。」
ルーガ
「とうとう、明日だね。ボーヤ。
正直、ボーヤがここまでくるとは思ってなかったよ。」
ディラン
「そうなのか?」
ルーガ
「ああ、そうさ。まったく、大したボーヤだよ。」
ディラン
「だけど、不安で一杯だよ。俺達が、勝利できるのか。」
ルーガ
「大丈夫、ボーヤならきっと勝てるさ。
下手な気休めなんかじゃない。アタシはそんな事を言うガラじゃないからね。
本当に、そう思うんだ。ボーヤならって。
アタシだけじゃない。きっとみんなもそう思ってるはずさ。
だから、王国兵もローングランドの戦士も、さらには帝国兵までもが、
ボーヤ。あんたに、ついてきてるんだ。」
ディラン
「それなら、うれしいな。」
ルーガ
「ボーヤ、もう何も言わない。とにかく思いっきりやんな。
ボーヤのすぐ隣には、このアタシが・・・いるからね。」
ルーガ
「惚れた男と戦うってのも、悪いもんじゃないね。」

第16話

ディラン
「ルーガ。」
ルーガ
「興奮冷めやらぬと言ったとこかい?ボーヤ。」
ディラン
「ああ、これからの事をちょっと考えててさ。
帝国の民が、どうすればランカスタの民に慣れてくれるのかって。」
ルーガ
「皇帝さんの悩みは尽きないようだね。」
ディラン
「ルーガは、アークランドに戻るつもりなのか?」
ルーガ
「そうさね。でも、もうローングランドもやめようかって思ってるんだ。」
ディラン
「どうして?」
ルーガ
「他に、いたい場所ができちまったのさ。
ボーヤ、あんたの側っていう場所がね。」
ディラン
「ええっ!」
ルーガ
「まだまだ、帝国の住民はランカスタに抵抗があるだろうよ。
アタシの父親は人間だ。だから、帝国の人間も、抵抗が少ないだろうよ。
慣らしていくのには丁度いいんじゃないのかい?」
ディラン
「確かに、そのとおりだけど・・・。」
ルーガ
「考えといちゃくれないかい?アタシは、ボーヤと一緒にいたいと思ってるんだ。
できれば、この先ずっとね。」
ルーガ
「ボーヤの隣が、アタシの居場所なのさ。」

第17話

ディラン
「ルーガ。」
ルーガ
「オヴァドが、さらに大きくなったような気がするよ。
あれが落っこちてきたら、ひとたまりもないね。」
ディラン
「このルーンハイムに生きる命を、消させるわけにはいかない。
女神クラヴィスを倒し、オヴァドの衝突を防ぐんだ。」
ルーガ
「・・・ボーヤ、あんたは本当大したもんだよ。
女神と一戦交えるってのに、ちっとも迷いがないじゃないか。
さすが、アタシが認めた男だよ。
アタシが、惚れちまっただけの事は・・・あるよ。」
ディラン
「えっ!?」
ルーガ
「あ~あ、情けない。
このルーガ様が、人間の坊ちゃんなんかに惚れちまうなんてね。
屈強なローングランドの戦士が周りに一杯いるってのにね。おかしいったらないよ。」
ディラン
「ルーガ・・・。」
ルーガ
「アタシが惚れちまったくらいいい男なんだ。
女神なんぞに負けたら、しょうちしないよ。ボーヤ。
絶対に勝って、生きて帰ってくるんだ。約束だよ。」
ディラン
「ああ、分かったよ。ルーガ。約束だ。
勝って、一緒に帰ってこよう。俺達のルーンハイムに。」
ルーガ
「惚れた男を、死なせやしないさ。」

エンディング

ルーガ
「ここからの眺めとも、しばらくはお別れかね。」
ディラン
「ルーガ、本当にいいのか?
ローングランドをやめて、帝国に来るなんて。」
ルーガ
「ああ、いいんだよ。
ボーヤ、あんた皇帝の仕事は大変だろ?
だから、このルーガ様が手助けしてやろうと思ってね。
ローングランドは心配いらないよ。
ファングがちゃんと仕切ってくれるさ。
帝国が脅威でなくなった今、ローングランドの役割も変わっていく。
これからは、帝国との橋渡し的な組織へとなってくだろうよ。
世代交代には、いい機会さ。」
ディラン
「でも、ルーガ。帝国はまだ…。」
ルーガ
「分かってるよ。まだまだ、反ランカスタの連中が多いって言うんだろ?」
ディラン
「ああ、そうだ。王宮内にもランカスタの民を嫌う人間がまだいる。
ルーガに、不快な思いをさせたくはないんだ。
帝国に来るのは、もう少し後にしても…。」
ルーガ
「心配いらないよ。そんな事にへこたれるルーガ様じゃないよ。
それに、そんな連中がいるなら、なおさらアタシが行かなきゃね。
半分は人間の血が流れてるアタシに、まずは慣れてもらうんだよ。」
ディラン
「なんだか、ルーガを利用するみたいで、申しわけがないよ。」
ルーガ
「いーんだよ。アタシは、ボーヤの役に立てりゃいいんだ。
惚れた男のために一肌脱ぐのが、女ってもんじゃないかい?」
ディラン
「ルーガ…。」
ルーガ
「さ、行こうじゃないか。帝国へ。」
ルーガ
「惚れた男についてくってのも悪くないもんだよ。ボーヤ。」

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