一度きりの奇跡 ~Shining Soul~

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氷結火獣様
キュラー
「なん、と・・・ッ? ワタクシともあろう者が、まさか!
ニンゲンごときにッ不覚を・・・ッ とろうとはアァッ!?」
シャムロック
「邪気使いキュラーよ お前は、言ったな?人間の心が、鬼を生み育くむのだと・・・
それだけの力が人の中には秘められているということだ」
キュラー
「ぐ、ぬぬぬぬッ!?
このまま・・・ッ おめおめと敗北するものかアァァ~ッ!!」
トリス
「きゃああぁぁっ!?」
アメル
「トリスっ!?」
カイナ
「いけません! キュラーは、最後の力をふりしぼって・・・
トリスさんを鬼に変える気です!!」
トリス
「が、ぐが・・・っ! ぐる、るるる・・・っ がア・・・ッ!!」
ハサハ
「おねえちゃんっ! しっかりしてえぇ!?」
トリス
「(ダメ・・・
意識が・・・遠くなって・・・)」
トリス
「まっくら・・・
なにも・・・みえないよ・・・
ここは・・・どこなの・・・?」
キュラー
「貴女の心の中ですよ ここは・・・」
トリス
「キュラー・・・?」
キュラー
「ここは、貴女の心のもっとも深い底の部分
貴女が忘れようとして また、忘れたつもりになっている・・・
どす黒い衝動が積もりに積もった場所なのです・・・」
トリス
「この、身体にまとわりついてくるドロドロとした黒い塊が・・・
あたしの心にたまっているどす黒い衝動なの?
そんな・・・
冗談はやめてよ!?あたしの中に、こんな感情なんてあるわけないわ!?
あんたがあたしにとりつくために仕組んだんでしょ!?」
キュラー
「ククククク・・・ッ 残念ながら、今のワタクシには
貴女にとりつくだけの魔力が足りません このまま、滅びていくだけ・・・」
トリス
「・・・!」
キュラー
「ですから、ワタクシは最後の力を使って貴女に仕返しをしようと思うのです・・・
ククククク・・・はたして、貴女は耐えられますかな?
自分の中に息づく生々しい闇を前にして
鬼と成り果てるか? それとも、狂い死んでしまうのか?
いずれにしてもメルギトス様はお喜びになるでしょうな?
ククククク・・・ッ 楽しみですなぁ?」
トリス
「い、いやあぁぁっ!!」
カイナ
「ですから、危険だと言っているんです!」
フォルテ
「だからって、このまま手をこまねいて見てるよりはマシだろッ!!」
ルウ
「下手に手をつけたらトリスの精神まで、バラバラになるの!
そうなったら、キミは責任もてるの!?」
ハサハ
「・・・」
ケイナ
「フォルテもルウもお願いだから、もっと落ち着いて!」
アメル
「いや・・・っ こんなの、こんなのっいやだよぉ・・・っ」
ネスティ
「バカ・・・っ 君が、いなくなったら いなくなったら・・・」
ハサハ
「・・・・・・
・・・(ぎゅっ)」
トリス
「そうだった・・・
あの時、あたしは止められるまで本気で・・・
「成り上がり」ってあたしをバカにしたあいつを、ナイフで刺そうとした・・・
殺したいって・・・思った・・・
なんで・・・忘れてたんだろ?」
キュラー
「こわかったからですよ」
トリス
「うん・・・こわかった・・・
自分の中に芽生えた殺意が、とってもこわかった・・・
あの時だけじゃない いつも、いつでもあたしは心の底で思っていたのね
憎い・・・恨めしい・・・うらやましい・・・
そんな気持ちを持った自分がイヤだったから心の奥におしこめてふたをしたの・・・」
キュラー
「ふたを開けたのはワタクシ・・・ ですが、この衝動は貴女のもの・・・」
トリス
「そうね・・・あーあ・・・
あたしの心ってこんなにも汚れちゃってたんだ?
もう、いいや・・・楽になりたい・・・
なにも・・・見たくない・・・楽になりたい・・・」
キュラー
「ククククク・・・ッ」
ハサハ
「ちがうよ・・・?」
トリス
「え・・・」
ハサハ
「きたないものだけじゃないんだよ・・・
きれいなものだってあったよね?」
キュラー
「なんだ・・・? この声は! この光はッ!?」
ハサハ
「こころをとじないで! うつむかずに・・・みつめて・・・?
おねえ、ちゃん・・・」
トリス
「ハサハ?」
ハサハ
「おねえちゃんっ!!」
レナード
「なんだっ!? なにが起こったっていうんだっ!?」
ミニス
「ものすごい魔力・・・これ、もしかして!?」
ハサハ
「みんな・・・もう泣かないで・・・」
アメル
「ハサハちゃん あなた・・・?」
ネスティ
「この魔力は・・・ ハサハ 君のその宝珠の力だというのか!?」
ハサハ
「守ってみせる・・・だって・・・ハサハは・・・
おねえちゃんの・・・護衛獣だからっ!!」
ケイナ
「ハサハの身体が・・・変わっていく!?」
ミニス
「大人に・・変わっていく・・・」
ハサハ
「宝珠の力を借りたの
ハサハが人間になるために集めていた魔力を使って・・・
お姉ちゃんの心からハサハがあいつを追い出してみせるよ!」
ハサハ
「お姉ちゃん・・・帰ろうよ? 一緒に・・・
ハサハとみんなのところに帰ろう?」
トリス
「うん・・・」
キュラー
「邪魔をする気か!? 妖怪の分際でッ!」
ハサハ
「お姉ちゃんの心を貴女のような悪魔に渡したりはしない・・
お姉ちゃんはハサハが守るんだもの・・・
だから・・・っ
お姉ちゃんの心から出ていけえぇ~っ!!」
キュラー
「ぎィやアアああぁぁァァァァァァァッ!?」
(ニギミタマを手に入れた!)
トリス
「あったかい・・・
ねえ・・・ハサハ?
このあったかい光はあなたの持ってる宝珠のものなの?」
ハサハ
「違うよ・・・
これは、お姉ちゃんのもっている光だよ?」
トリス
「あたしのひかり・・・?
これが・・・」
ハサハ
「・・・(こくん)
お姉ちゃんの心は強い光にあふれてる だけど、光の下に影はできるから・・・
同じだけの闇をお姉ちゃんはもってる それは、仕方のないことなの
闇も、光もね それだけを見つめてはダメなの・・・
大切なのはね・・・お姉ちゃん・・・
なにもかも含めて まるごと、好きでいることなんだよ?」
トリス
「ハサハ・・・」
ハサハ
「だから、もう・・・自分を嫌いになったらイヤだよ?
ハサハ泣いちゃうよ?」
トリス
「うん、わかったわ ハサハ約束するね・・・」
ハサハ
「・・・(こくん)」
トリス
「そっか・・・ あれは、やっぱり夢じゃなかったんだ」
モーリン
「あんたの胸で眠ってるその子が、がんばってくれたから・・・
あたいたちは、またあんたとこうして話すことができたのさ」
ハサハ
「ん・・・っ」
ネスティ
「変化と呼ばれる妖怪は 一度、魔力を失ってしまったら・・・
ただの動物に戻ってしまう。二度と化けることはできなくなる」
ロッカ
「この子は、それだけの覚悟で、貴女のことを守ってくれたんですね」
リューグ
「大したチビだぜ・・・本当にな?」
トリス
「ありがとう・・・ハサハ・・・」
ハサハ
「おね・・・ちゃ・・・だいすき・・・だよ」

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