みずき様
第14話 来訪者たち、彼方より
- ライ
- 「なあ、先生 オレに相談があるって いったい、なんだ?」
- セクター
- 「この戦いを終わらせるための方法を、ひとつ思いついたのでね」
- ライ
- 「それ、ホントか!?」
- セクター
- 「ああ、今日のやりとりを見ていてはっきり確信がもてた
この争いの元凶がギアン個人の企みによるものであるなら
彼一人を始末できればそれで、戦いは終わる」 - ライ
- 「な・・・っ!?」
- セクター
- 「融機兵士である私なら おそらく、それを実行できるだろう」
- ライ
- 「ダメだって!? 先生に、そんなことさせるなんて!?」
- セクター
- 「気づかいは無用だよ 同種の任務は軍時代に幾度も経験している
それに、この方法なら余計な犠牲も・・・」 - ライ
- 「だけど、それじゃあオレはちっとも納得できねえよッ!?」
- セクター
- 「ライくん・・・」
- ライ
- 「たしかに、それが一番近道なのかもしれない もしかしたら・・・
それ以外の方法なんてないのかもしれない
だけど、話してもぶん殴っても言うこと聞かないからって
殺してしまえばいいなんてのは、やっぱ納得いかねーよ!?」 - セクター
- 「・・・・・・」
- ライ
- 「なあ、先生 オレの言ってることガキなのかな・・・
オトナだったら・・・ そんなの、気にしたりしないのかな?」 - セクター
- 「私にも、わからないよ だけどね・・・
君がそう言ってくれることを、私は願っていたのかもしれない
身勝手な大人の願いでしか、ないのかもしれないけれどね」 - ライ
- 「セクター先生・・・」
- セクター
- 「大人だからとか 子供だからとか 考える必要はないさ
君が信じたいと思ったものを、君は貫いていけばいい
それでいいんだよ きっと・・・」 - どれだけ悩んだって オレは、オレでしかないもんな・・・
第16話 相談イベント
第18話 はばたき、空へと突き抜けて
- (ノックする音)
- セクター
- 「はい、どうぞ・・・」
- (戸を開ける音)
- ライ
- 「こんな遅い時間におしかけてゴメンな セクター先生」
- セクター
- 「教師の立場としてはバケツを持って廊下へ直行させるべきだが
世間的には、君はもう一人前の大人だからね そうもいくまいさ」 - ライ
- 「たははは・・・」
- セクター
- 「なんの用だい?
作業を続けながらでしか、聞けないのがもうしわけないがね」 - ライ
- 「いや、いいよ 明かりが見えたから顔を出しただけだし」
- セクター
- 「なるほど・・・」
- ライ
- 「義肢のほう、どこか調子が悪いのか?」
- セクター
- 「そうじゃないさ 以前と比べればはるかに快適だよ
ただ、どうしても微調整を欠かすことはできないものなんだ
それに明日は限界まで酷使することになるとわかっているからね」 - ライ
- 「大変なんだな・・・」
- セクター
- 「慣れの問題だよ 朝早くから、君が店の支度をするのと同じ
それだけのことだよ」 - ライ
- 「うん・・・」
- (作業を続ける音)
- ライ
- 「明日になれば、全てが終わるんだな・・・」
- セクター
- 「ああ、どんな形でも必ず決着はつけねばならないだろうね
これ以上、長引いたら帝国軍が介入してくる そうなったら・・・」 - ライ
- 「召喚獣と人間の戦争、か・・・
正直、荷が重いよ そうなった時のこと考えちまうとさ」 - セクター
- 「考える必要はないさ」
- ライ
- 「え?」
- セクター
- 「そうならないことだけを、君は考えていればいいんだ」
- ライ
- 「だけど・・・」
- セクター
- 「それが希望につながるものなら、先のことを考えるのもいいさ
しかし、不安をつのらせるだけなら考えないほうがいい
そのせいで、今できるはずのことができなくなるくらいならね」 - ライ
- 「セクター先生・・・」
- セクター
- 「人というものはね 当人が思っているより要領が悪いものだよ
大人になるとそれがよくわかる
目先の事柄に対処することだけで、精一杯になってしまうんだ」 - ライ
- 「・・・・・・」
- セクター
- 「でもね、それは生き物本来としては健全な姿じゃない
人が人である以上仕方がないことではあるのだけれどね」 - ライ
- 「うん・・・」
- セクター
- 「どうあがいても、人は人でしかいられない
強化兵士であっても「響界種」であってもそれは同じことだ
人の輪に関わる限り 人は人であり続けねばならないし・・・
それをやめてしまえば多分、生きられないし 生きる意味もない」 - ライ
- 「ひとりぼっちじゃ 生きてても、楽しくないもんな・・・」
- セクター
- 「そうだね・・・ 私は、そのことを君に教えられたよ」
- ライ
- 「そんな、オレは別にたいしたことしちゃいないって!
生きてればさ、絶対いいことだってあると思っただけで・・・」 - セクター
- 「そう、そのとおりだよ
どんな結果が出ようと、生きている限りそれは変えていけるんだよ」 - ライ
- 「!」
- セクター
- 「結果は結論ではないし まして、結末じゃない
納得がいくまで何度でも繰り返して確かめ続けるものだ」 - ライ
- 「それって・・・」
- セクター
- 「そう、君の口癖だよ 君のこの言葉で私は救われたんだ」
- ライ
- 「先生・・・」
- セクター
- 「おびえる必要はない この先、どんな結果が待っていたとしても
また、その場所から始めればいいんだよ そして、私は・・・
君が納得できるまでとことんつきあっていくつもりだよ?」 - ライ
- 「うん・・・ ありがとう、先生」
- セクター
- 「さあ、夜明けまではまだ時間がある
送っていこう 帰って、少しでも身体を休めるんだ
納得のいく結末を全力でつかみとれるように、ね?」 - ライ
- 「はい・・・」
エンディング
- (ノックする音)
- セクター
- 「はい、どうぞ・・・」
- (戸を開ける音)
- ライ
- 「掃除の手伝いにきたぜ、先生
・・・って この部屋はどうするつもりなんだ?」 - セクター
- 「うん、じつは困ってるんだよ
必要な部品や危険物はすでに運んであるから問題はないけれど
そのままにしておくと次にこの家を使う人に迷惑がかかるしね」 - ライ
- 「だったら、ウチであずかってやるよ
クソ親父が使ってた離れの部屋、今は物置に使ってるからさ
適当に放りこんでおけばいいんだろ?」 - セクター
- 「ああ、すまないがそうしてもらえると助かるよ」
- ライ
- 「よし、それじゃあ ちゃっちゃと運んで済ませちまおうぜ!」
- セクター
- 「(きっかけはただ身を隠して生きるためだったけれど
ここで、子供たちと過ごしてきた日々は 知らず知らずに
壊れかけていた私に生きる力を与えてくれていたんだな)
・・・・・・
ありがとう・・・ ここで暮らした日々を私はけして忘れない」 - ミリネージ
- 「あーっ、来た来た! やっほーいっ!」
- ライ
- 「わりぃ、わりぃ 遅れちまったよ」
- ローレット
- 「まったく、教授をお待たせするなんてバッテンですわよ」
- ライ
- 「そう怒るなって、ローレット」
- セクター
- 「色々と挨拶をすませて回っていたら、時間を食ってしまったんだ
すまない、ローレット」 - ローレット
- 「ま、まあ・・・ 以後、気をつけてくだされば・・・」
- ミリネージ
- 「あれぇ? なーんか、お姉さまひいきしてるぅ?」
- ローレット
- 「お、おだまりなさい! ミリネージっ!?」
- ミリネージ
- 「きゃはははははっ♪」
- ルシアン
- 「ねえ、教授」
- ゲック
- 「なんじゃ?」
- ルシアン
- 「どうして、貴方はエニシアさんたちについていかずに
こちらの世界に残ったんですか?」 - リシェル
- 「そーよ、そーよ レンドラーやカサスみたいに
てっきり、ついていくものだと思ってたのにさ
てゆーか、そのほうがエニシアも喜んだって思うんだけど?」 - ゲック
- 「まあ、な
じゃが、ワシにはまだやらねばならぬことがたくさん残っておる」 - ライ
- 「召喚獣たちに対するつぐないか?」
- ゲック
- 「ああ、そうじゃ
若い頃のワシは、ただ自分の好奇心を満たし研究を進めるために
多くの召喚獣や人間を不幸にしてしまった」 - リシェル&ルシアン
- 「・・・・・・」
- ゲック
- 「再び、生命を拾うた時 ワシは誓ったのじゃよ
残りの生涯の全てをそのつぐないのために捧げることをな
おぬしらのおかげで姫たちは救われた
じゃが、この世界にはまだまだ、たくさんのはぐれ召喚獣たちが
苦しんでおるはず そんな連中を救ってやりたいんじゃ」 - ライ
- 「そっか・・・」
- グランバルド
- 「教授、教授! 荷物ノ搬入、全部終ワッタ!」
- ゲック
- 「うむ、すぐに行く おまえたちは、先に乗って待っておれ」
- グランバルド
- 「ウン、ワカッタ!」
- ライ
- 「無茶はするなよ? ただでさえ、アンタ年なんだしさ」
- ゲック
- 「ふん、小僧ごときに心配されるほどには老いぼれとらんわい」
- セクター
- 「本当にありがとう みんなのことは絶対忘れはしないよ」
- ルシアン
- 「先生も、お元気で」
- リシェル
- 「きっと・・・ また、会えるよね? セクター先生・・・」
- セクター
- 「・・・・・・」
- ライ
- 「会えるさ、絶対に!」
- セクター
- 「ライくん・・・」
- ライ
- 「だってさ、どれだけ遠く離れていたって、オレたちも、先生も
見すえてる先にあるモノは、同じなんだ だから、きっとまた
当たり前のように出会うことができる・・・ そうだろ?」 - セクター
- 「ああ、そうさ きっと、また会おう」
- リシェル
- 「うん・・・っ」
- ルシアン&リシェル
- 「いってらっしゃい、セクター先生!」
- セクター
- 「ああ、行ってくるよ!」
- ゲック
- 「本当に、これでよかったのか?」
- セクター
- 「・・・・・・」
- ゲック
- 「ワシの贖罪の旅に貴様がつきあう義理はあるまい
まして、ここには貴様をしたう者もたくさん・・・」 - セクター
- 「貴様は、俺の身体を修復することができる唯一の存在だからな
勝手にどこかでくたばられたら迷惑するんだよ」 - ゲック
- 「む・・・」
- セクター
- 「貴様も、それがわかっていたから
こちらの世界にあえて残ったのだろう?」 - ゲック
- 「・・・・・・」
- セクター
- 「貴様の息の根を止めるのは俺だ それまでは
つきあってやる 徹底的に、な」 - ゲック
- 「そうか・・・ ならば、せいぜい長生きせねばな」
- アプセット
- 「計器CHECK完了 「びるどきゃりあー」 イツデモ、イケマス」
- ゲック
- 「ならば、発進じゃ!」
- ローレット
- 「教授の仰せのままに!」
- 君たちと出会ったこの町で、私はもう一度生まれ変わることができた
だから、約束するよ
必ずまた帰ってくると
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