【夜会話】独白(ライVer.)

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紫蘭様

第1話 流れ星、拾っちゃいました

断れるワケないだろ
そろいもそろってあんなに真剣にお願いされちまったらさ
面倒は承知で、オレはチビすけを連れていくことに決めたんだ
悪いヤツらをやっつけた高揚感も手伝って、まあ悪い気分じゃなかったし
だけど──
まさか、この時の約束があんな大騒動になってふりかかってくるとは
つくづく、オレの人生は平穏って言葉とは無縁なのかもしれない
はぁ・・・

第2話 この子どこの子、迷子の子?

ありったけの理不尽な怒りをこめて、オレは叫んだんだ
でも、それはあとの祭りでいわゆる、負け犬の遠吠えで
叫んだところで、絶対にあのクソ親父には届かない
それが余計に腹立たしい!
ともあれ──
周囲の人たちをまきこみながら、騒ぎは確実に大きくなりつつある
後悔なんてしてないけどすまない気持ちはあるから
だから、せめてこれ以上大事にならないことをオレは心底願っていた
親父の無責任な行動に振り回されるのは、オレだけでたくさんだ!
ったく・・・

第3話 ドキドキ、はじめての御使い

結局のところ──
オレはまたしてもクソ親父の筋書きどおりにハマっちまったらしい
それはそれで腹立たしいことだけれど、不思議と後悔だけはしなかった
〔リューム/ミルリーフ/コーラル〕を守ることもリビエルを助けたことも
仕向けられたものだろうとそうするって決めたのは、あくまでオレ自身の意志
だから、納得できた 覚悟ができたんだと思う
得体の知れない連中を敵に回して、どれほどのことができるのか
わかりゃしないが、まあ やるしかないだろうさ
夜風に吹かれながらぼんやり、そんなことを考えていると
不意に、声をかけられてオレは振り向いたんだ

第4話 素敵な若さま、大暴走!

ともあれ、二人目の御使い セイロンがやって来た
リビエルに負けず劣らず妙ちくりんなヤツだけどその強さは相当なもんだ
残りの御使いたちもこの調子で見つかってほしいもんだよな
それにしても──
〔リューム/ミルリーフ/コーラル〕の言葉 正直、ぐさっときた
召喚獣ってのは人間の役に立つために働く存在
それが当たり前だってオレたちは思ってたから
ああ言われると、なにも言い返せなくなる・・・
けど、オレとあいつがケンカしても、なんとか仲直りできたように
互いを思いやることさえ忘れなければ、そうしたどうしようもない現実も
ほんのすこしでもマシなものへと変えていけるはずなんだ
すくなくとも、この時のオレはそう思っていたし
そう信じたいって願ってたんだ・・・

第5話 今はもう、戻れない場所

結局、アロエリは帰ってきた
そして、オレはなにも言わず彼女のことを迎え入れたんだ
なんで怒らないのよ、ってリシェルはぷんすか腹を立ててたけどさ
怒れるわけねえって・・・
だって、オレとあいつはある意味で似たもの同士だったんだから
理不尽な境遇に対してなにもできないもどかしさ
覆せない自分の非力さが悔しくて、当たり散らすことでしかまぎらわせない
今よりもっとガキだった頃のオレもそうだったっけな
いや・・・
大人になったつもりで いっちょ前の口をきいてても
今も昔も、オレはオレで変わってないのかもしれない
やっぱ、自分じゃよくわかんねえよ・・・

第6話 疑惑と不審の、黒いヤツ

言葉にしなければ伝わらないことがある
たった一言でも投げかけられた言葉で
力がみなぎることもあれば深く傷つくことだってある
それほどの力が言葉にはある
今のアルバには、そういう勇気づけてくれる言葉の力が必要だって、オレは思ってた
でも、違ったみたいだ
誰かの言葉に頼らなくてもアルバは自分で立ち直れる強い心をもっていたんだ
そして、多分――ルヴァイドはちゃんとそのことを見抜いていた
考えてみりゃ、当然だよな ずっと共に旅を続けてきた仲間同士なんだから
言葉でおぎなわなくてもわかりあえる結びつきの強さ
ちょっとだけ・・・うらやましいかもな・・・

第7話 お魚たずねて、秘密基地

フォークを持った手は止まりがちだったけど
それでも、アルバはきちんと料理をたいらげてくれた
たかが料理ひとつでケガが治ってしまうなんてことはありえないんだろうけどさ
それですこしでもアルバが元気になってくれればいいって
そう思ったんだ・・・
だけど、わからないのはゲックたちのことだ・・・
どうしてあんな場所であんなことをしていたのか
竜を手に入れる以外にもなにか目的があるのか
御使いたちにたずねてもはっきりとした答えは返ってこなくて
ただ、もやもやとした気分だけが、いつまでも残っていたんだ・・・

第8話 流れ三味線、はぐれ弾き

そう言って、そのままレンドラーたちは去っていったんだ・・・
リシェルとルシアンはポムニットさんに抱きつきわんわん泣き出しちまうし
オレはオレで、加勢してくれたアルバやシンゲンにお礼を言ったりして
気づいたら、とっぷりと日は暮れちまってた
ようやく一人になると あらためて、事の重大さを考えずにはいられなかった
〔リューム/ミルリーフ/コーラル〕の隠れてる場所が、この宿屋だって知られちまった以上は
間違いなく、敵は集中攻撃をしかけてくる
いや、それだけじゃない
今日のような、卑怯なやり口でくることだってためらいはしないだろう
無関係な町の人たちまでまきこんじまうことになっちまったら・・・
今になって、兄貴たちが最初に心配していた理由が身にしみてわかったよ
けど、逃げたりはしねえ 決めた以上は、最後まで責任をとってやるんだ
弱気になりかける気持ちを必死にふるいたたせながら
あらためて、オレは自分にそう言い聞かせた・・・

第9話 再会、そして・・・

悲痛なアロエリの叫びに背を向けて、クラウレは去っていた──
もはやそろうことはなくなってしまった四人の御使いたち
今だ果たされぬままの遺言と継承の儀式
見えかけていた結末がまるで幻だったかのようにはるか遠くにかすんでいく
道標を失ったオレたちはただ呆然とするばかりで
無言で、うなだれるしかなかったんだ・・・

第10話 想い、途切れることはなく

疑われたその身の潔白をアロエリは、自らの行動によって証明してみせたんだ
敬愛する兄と決別という重すぎる代償さえも払って
その兄クラウレが遺した不審で不吉な言葉の数々
かりそめの平穏 民たちの真の望み くびきからの解放
御使いたちが隠している秘密がなんなのか、正直オレにはどうでもいい
けど、隠し事をされていたことに関しては、ちょっと腹が立ってるかもしれない
さびしいっていうか 悔しいっていうか
でも、それ以上に───
ポムニットさんのことが今は、とても気にかかってしょうがないんだ
ずっと近くにいたのにオレたちは知らなかった 不思議にも思わなかった
彼女がどこから来たのか どうして、ここにいるのか
そんなこと必要ないくらいあの人がいてくれる風景は当たり前のものだったから
だから、不安になるんだ これから先も───
ずっと、当たり前のままでいられるんだろうか?

第11話 うつろなるもの、来たりしもの

見えるもの 見えないもの
気づいてほしいこと 知られたくないこと
誰もがみんな色々なものを抱えて毎日を生きている
つきまとう重みや苦しみはそれを抱える本人にしかわかりようのないことだし
わかったところで他人にはどうすることもできないのかもしれない
それを知っていたからセクター先生は他人に理解されるよりも自分の望みを貫くことを選んだんだと思う
だけど・・・ オレは、やっぱり納得がいかないんだ
理解されなくてもいいなんて、それは強がりじゃないのか?
誰からも心配されずに優しくもされないで 生きていくなんて無理だ
だって、いくら本人がそれでもいいって思っていたって・・・
他人が向ける気持ちまで止めてしまうことなんてできっこないんだから
オレたちが、今こうして先生のことを心配しながら
夜空にぽつんと浮かぶ月を見上げてるように──

第12話 キミの言葉が、悲しくて・・・

どうすることもできなかったんだ
あまりにひどいことが立て続けに起こりすぎて 冷静じゃいられなくて
あのまま戦ってたら、多分 絶対に負けていた・・・
そう判断できただけ、まだマシだったのかもしれない
傷ついたセイロンたちの手当をすませ、手分けしてベッドへと寝かせてから
疲れきった身体をひきずるようにして、外に出たんだ
ひどく落ちこんでしまってる〔リューム/ミルリーフ/コーラル〕の顔を見てるのはつらかったし
考える時間も欲しかった けれど──

  • 初回
    浮かんでくるのはカサスさんの笑顔ばかりで

  • 周回
    浮かんでくるのはカサスさんの、エニシアの楽しそうに笑っている声と
    悲しそうにオレを見つめたまなざしの痛みばかりで

やるせない気持ちだけが夜風にあおられるようにしてどんどんふくれあがっていく
知らない場所で、一人きり 迷子になってしまったようなどうしようもない不安感
どうすれば・・・ この迷路から抜け出すことができるんだろうか・・・

  • エニシアフラグ成立時
    (笛の音)
    聞こえる・・・ あの笛の音が・・・
    澄みきっていて とても優しくて なのに・・・
    どこか、さびしげで悲しそうな、彼女の笛の音色が・・・
    エニシア・・・っ!

第13話 思い願うこと、貫くこと

関門橋を爆破するという敵の計画は、かろうじて阻止できたけれど
その意図がなんだったのかは 結局、わからずじまいだった
ただ、ひとつ言えるのは オレたちだけにしぼられていた、彼らの標的が
無関係な人々まで巻き込むものへと、変わりつつあるということだ
それが、ギアンによってもたらされた変化だというのならば
今日の一件は、まだほんの兆しでしかない
そんな気がしたんだ
たくさんの想いや願いをのみこみながら、確実に日々は加速していく
乗り越えるには、きっと相当の覚悟が必要だってわかってるつもりだけど
いざ、その時がきたら 本当にオレは貫くことができるんだろうか?
自分が正しいと信じること 信じたいことを──

第14話 来訪者たち、彼方より

話し合うためにやって来た「姫」と呼ばれる少女 エニシア──
彼女の見せた数多の想いが偽りではないことを、誰もが確かに、感じとっていた
そしてそれは、同時に両者の間にある溝の深さを再確認することだったんだ
失われてしまったものは悔いても、戻ってこない どうしようもない
だけど、オレは思うんだ
元に戻らないなら、その溝は代わりのなにかで埋めるしかないんじゃないか、って
代わりなんか認めない そう拒絶することが当たり前なのかもしれないけれど
そうしている限り、多分 現実はなにも変わらないから
誰だって、本当はきっとそのことに気づいてるはず
だからこそ、オレはギアンの真意を知りたい
エニシアと同じ「響界種」でありながら、彼女をだまして戦いを指揮してきた男
仲間たちでさえ知らないアイツが胸の内に秘めたもの それを知ることができれば
どんな形であったとしてもちゃんとした答えが出るって この時、オレは信じていた
信じていたんだ・・・

第15話 朽ちてゆく、世界の中で・・・

そっか・・・ そうだったんだ・・・
思い出したよ・・・ やっぱり、おぼえていたんだ・・・
あったかくて、優しくて 側にいると安心できたんだ
こんな場所で、一人きりでずっと、オレを見守っててくれていたんだね?
お母さん・・・

第16話 そして、狭間に立つ者

気づけば、本当にたわいもないことだったのかも知れない
朝の光が、夜の闇の恐怖を消し去ってくれたあの時のように
ただ、確かめるだけで 気づくだけでよかった それだけだったんだ
つながりを断たれるから「不安」なんじゃない
「不安」が、つながりを断とうとしていたんだ
「ひとりぼっち」にされるんじゃなくて なろうとしていたんだ
今なら、はっきりと言える
自分が本当にいるべき いや、違う──
本当の自分でいられるその場所が、どこなのかが!

第18話 はばたき、空へと突き抜けて

決戦の時は、確実に近づいてきていた
休んでおかなくちゃいけないって、頭ではわかっているけれど
気持ちが高ぶってどうしても、オレは眠れなかったんだ
そっと、ベッドを抜けだして月明かりの下を歩いていく
忘月の泉── 母さんがいる場所
会えるだなんて思っていなかったけれども でも、ここに来たかった
濁った水面に浮かぶオレの顔は、ぼんやりと歪んでいたけれど
その向こうにいる母さんにオレは、笑顔で告げたんだ
いってくるよ、って・・・
聞こえない声にうなずいて立ち上がりかけた時
ふと、思い浮かんだ
もう一人、今どうしても会いたいと思う人の顔が
今一番、大切に思ってる人の優しげなその笑顔が・・・

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