【夜会話】アメル(トリスVer.)

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スターライト様/よっぴー様/夕焼け空様

第2話 聖女の横顔

アメル
「どうして・・・こんなことに・・・」
トリス
「今はなにも考えちゃいけないわ、アメル
疲れた身体で考えても、よくないことしか浮かばないから」
アメル
「でも・・・っ」
トリス
「不安なのはわかるけど、あたしはロッカたちと約束したのよ
あなたを守るって・・
リューグやおじいさんはそのためにあの場に残ってくれたのよ
・・・信じましょう?「迎えに行く」って言葉を
そして、信じて あたしたちが味方だってことを・・・」
アメル
「・・・うん」
守らなくちゃこの子を・・・ おじいさんたちとの約束を・・・

第3話 再会と別れ

アメル
「・・・・・・」
トリス
「元気を出して、アメル
こうなったのはあなたのせいじゃない
二人には、二人なりの考えがあって、それで別行動をとっただけよ」
アメル
「それでも、やっぱりさみしいですよ・・・」
トリス
「・・・そうね」
アメル
「ロッカもリューグも昔からよく言い争っていたけれど
こんなことがなければ別々に行動したりはしなかったと思います
私のせいだ、って思うのが間違いなのはわかってます でも・・・」
トリス
「アメル・・・」
アメル
「帰ってきてほしい
それが無理ならせめて無事でいてほしいです
無事で・・・」
アメルの心配ちゃんと伝わっているはずよ・・・リューグ?

第4話 小さな召喚師

トリス
「今日のアメルを見ててなんか、あたしびっくりしちゃった」
アメル
「びっくりですか?」
トリス
「ええ、驚いた
おとなしそうに見えて意外と行動力あるし
言いたいことがあればちゃんと口に出して言っちゃうんだもの」
アメル
「ふふふっ、でもトリスさんは知らなかっただけで
あたしの性格ってもともと、あんな感じなんですよ?」
トリス
「そうなの!?」
アメル
「聖女さまって呼ばれるようになってからは
それらしくしようってちょっとだけ・・・ネコ、かぶってたの
幻滅しちゃいました?」
トリス
「そ、そんなことないわ ずっといいと思う」
アメル
「村が襲われてからずっと、あたし暗い顔ばかりしていて
トリスさんたちに心配かけっ放しでしたよね?
でも、いつまでも落ちこんでたらダメだって思ったんです
だから・・・」
トリス
「いいんじゃないの 前向きで・・・
あたしはすくなくとも今日一日で、アメルの色んな一面が見られて楽しかったもの」
アメル
「あ・・・・・・」
びっくりしたのだってうれしい驚きって感じだったもんね・・・

第5話 はかなき平穏

アメル
「どうしてあの時、彼はそのままあたしたちを攻撃してこなかったんでしょうか?」
トリス
「ミモザ先輩が言ってたわね?
もし、あの場で戦いを仕掛けたら蒼の派閥への敵対行為とみなされてしまう
だから、手を出せなかったのよ」
アメル
「でも、おかしいですよ
あの人たちは平気で村ひとつを焼き払える力があるんですよ?
あの場であたしたち全員を殺すことぐらいできたはずです!
そうすれば・・・派閥に見つかる前に目的を果たすことができたはず・・・」
トリス
「・・・・・・」
アメル
「あたし、なんだかわからなくなってます
厳しい言い方でしたがあの人は、部下たちの身を案じていました
そんな優しさを持っている人が、レルムの村を平然と焼き払ったなんて・・・
どうして、そんなことができてしまうんでしょうか!?
あたしには・・・ わかりません・・・」
トリス
「アメル・・・」
黒騎士を動かしてるものって、いったいどんな感情なのかな?

第6話 彼女の決意

アメル
「踏み出したんですよねあたしたち・・・
周りに流されないよう今いる場所を守ることだけの毎日から
自分たちの意志で初めて一歩、前に進み出したんですよね?」
トリス
「ええ、そうよ
そしてそのきっかけを作ったのは、あなたよ」
アメル
「正直、まだこわいですあたし・・・
自分の判断が本当に正しかったのかどうか不安になります」
トリス
「誰だって、それは同じよ
未来を見ることなんて誰にもできないもの だから、人は悩んだり失敗もするのよ
けどさ・・・
それを恐れていたらいつまでたっても人は同じ場所にしかいられなくなっちゃう
ギブソン先輩が言ってたの
自分の気持ちに正直になって決めたことがその人にとっての真実になるんだって」
アメル
「自分の、気持ち・・・」
トリス
「こわいかもしれない不安かもしれない
だけど、アメルは後悔はしていないんでしょう?」
アメル
「してません!」
トリス
「ええ、あたしも同じ 後悔はしちゃいない
どれだけ失敗しても、その気持ちを忘れさえしなければ
きっと、乗り越えていけるって思うの」
誰だって、きっとそうやって生きていくものなんだから・・・

第7話 波乱の港

アメル
「下町の人たちがみんな無事で、本当によかったですよね?」
トリス
「そうね、壊れた家もすぐに元に修理されるみたいだし」
アメル
「砲撃が始まった時 あたし、すごく不安になったんです
レルムの村みたいなことになっていたらどうしようって」
トリス
「けど、戻ってきたらみんな拍手で出迎えてくれたのよねえ」
アメル
「ええ、たくさんの人が「よくやった」ってほめてくれて
本当にあったかい人ばかりで・・・」
トリス
「なにもかも、きちんと片付いたら・・・また、みんなでここに来ましょうよ?」
アメル
「ええ、絶対に・・・約束ですからね?」
ささやかだけど 親切にしてもらったみんなへの恩返しにはなったかな・・・?

第8話 屍人の砦

トリス
「こんなところにいたの アメル・・・」
アメル
「トリスさん」
トリス
「熱があるのにこんな場所で夜風にあたったらダメだよ」
アメル
「・・・・・・ あたし、どうしてあんなことができてしまったんでしょう?」
トリス
「え・・・?」
アメル
「操られている人たちの心が、触れてもいないのに流れこんできて
それがかわいそうで
頭の中が真っ白になったと思ったらあんなことに・・・」
トリス
「・・・・・・」
アメル
「なんだか不安なんです あたし・・・
自分がどんどん、違う存在に変わっていってしまうみたいで
すごく、こわい・・・」
トリス
「気にしちゃダメよ
今日のことは、状況が普通じゃなかったのよ
だから、あんなことが起こっただけだよ
あたしから見てアメルはアメルのままよ
なにも変わってなんかいないわよ」
アメル
「・・・・・・」
トリス
「身体が弱ってるから気持ちも弱くなってるだけ さあ戻りましょう?」
なにも変わってなんかいない・・・ 変わるはずないじゃない・・・

第9話 まだ見ぬ故郷

トリス
「ケイナのおかげでなんとか、あの場はおさまったけど
(結局、アメルとはあれっきり話せずじまいか・・・)
仕方がないわよね さすがに
・・・・・・ だいじょうぶよね?
明日になったらきっとまた、いつもみたいに笑顔でおはよう、っていってくれるよね?
きっと・・・」
そうだよね・・・ アメル・・・

第10話 封印の森にて

アメル
「結界があたしの力で壊れてしまう瞬間
あの時、あたしは感じたんです
トリスさんと出会った時に感じたのと同じ、懐かしいなにかを・・・」
トリス
「アメル・・・」
アメル
「あたしは、あの場所を知っていたんです!?
そんなはずないのに知ってたんです!
これってどういうことなんでしょうか?
あたし・・・おかしくなってしまいそう・・・」
トリス
「あたしにもわからないけどね、アメル
あたしもね、あの森でなんだか心がざわめく感じがしたのよ」
アメル
「えっ?」
トリス
「嘘なんかじゃないわ
聞きおぼえのない言葉が頭の中で渦をまいて
自分が自分でなくなるみたいで、とてもこわかった・・・」
アメル
「あなたもそんな風に・・・」
トリス
「こんなこと言っても慰めにもならないかもしれないけど
アメルが感じたことは貴女だけが感じたものなんかじゃないわ
ここにこうしてあたしがいるんだから」
アメル
「・・・はい」
あの森には何かがあるのかもしれない・・・ アメルやあたしに関係する何かが!

第11話 処刑台の騎士

アメル
「ここまで、あたしの噂が広がっているなんて思いもしませんでした」
トリス
「あたしはフォルテから聞くまで、全然知らなかったわよ
それは聖王都がやたら広い街だったせいなのかもしれないわね」
アメル
「噂が広まった原因には心当たりがあるんです
村の人たちは、みんな聖女の癒しを求めてやってくる旅人からの収入で
貧しい村の生活が変わるのではないかと信じてましたから」
トリス
「村人たちが、宣伝していたってことね・・・」
アメル
「今にして思えば おじいさんが心配したのは、このことだったのかもしれません
噂を聞きつけて来る人たちが、必ずしも村に幸福をもたらすとは限らないって・・・
今になってからわかっても、しかたのないことですけど
ちょっと、くやしいですよね・・・」
トリス
「・・・・・・」
高い代償だったわね たしかに・・・

第12話 絶望の先へと

アメル
「トリスさん あたし、決めました
もうこれからは 自分のもってる力をこわがらないって」
トリス
「えっ?」
アメル
「あたし、何度もこの力のことをうとましく思いました
黒の旅団に村が襲われた原因も みなさんが危ない目にあってきたのも
自分がこんな力をもってるせいだって 思い続けてました
だけど・・・ 鬼にされた人たちを見た時・・・ 思ったんです
鬼が、人の心を食い荒らしてしまう病気だとしたら
あたしが、もっと強い力を使えていたら助けられたんじゃないのかって・・・」
トリス
「アメル・・・」
アメル
「ただの思いこみなのかもしれません
でも、どうあってもこの力を手放すことができないのなら
もっと、もっと役に立つようにしたい
こり力が、あたしにとって不幸をもたらすものだったとしても
周りの人たちに幸せを与えることはできると思うんです」
トリス
「思いこみなんかじゃないと思うわ
だって、アメルはその力で、あたしたちを何度も助けてくれてるんだから!
きっと、できるわ?」
アメル
「トリスさん・・」
力が不幸を呼ぶなら そのぶん、あたしたちで幸せにしてやればいい。 そうよね?

第13話 祭りの夜

アメル
「お祭りに、あたしを?」
トリス
「うん、もし良かったら一緒に見物しない?」
アメル
「はいっ、いきますっ! 連れてってください」
トリス
「(すごい喜びようねぇ)」
アメル
「えへへ・・・ あたし、村のお祭りしか知らないからすごく楽しみです♪
あ、でも・・・ 洗い物をすませないと」
トリス
「だったら、手伝うわ 二人でやったほうが早いでしょう?」
アメル
「・・・すいません それじゃ、洗ったお皿拭いてくれますか?」
トリス
「ええ、わかったわ」
アメル
「うわあ!ほらほらトリスさん あれ、見てください!」
トリス
「あはは、アメルったらまるで子供みたいにはしゃいじゃって」
アメル
「もぉ、だって・・・ 本当にすごく楽しいんですもの!
パレードは見ていてあきないし、さっき買った焼きイモさんだって、ほら?
こんなにほくほくでバターもたくさんしみてて・・・
んーっ、とってもおいしくて幸せですっ」
トリス
「お祭りで食べる物っていつもより、ずっとおいしいものね
他にも、いろいろ試してみるといいわ」
アメル
「あ・・・! トリスさん あれやってみません?」
トリス
「へえ、くじ引き ハズレなし、か・・・」
  • やってみよっか
    トリス
    「このヒモを一本引けばいいのね? よーし・・・」
    アメル
    「がんばってください!」
    トリス
    「よっ・・・あらら?」
    おっちゃん
    「はいよ、ねえちゃん! 24等賞は、ファナン名所、時計塔の置き物だよっ!」
    (時計塔の置物を手に入れた!)
    トリス
    「・・・・・・」
    アメル
    「・・・・・・」
    トリス
    「・・・いる?」
    アメル
    「あ、ははは・・・あたしは、遠慮しときます、はい・・・」
  • アメルもやろうよ
    トリス
    「このヒモを一本引けばいいのね? よーし・・・」
    アメル
    「どれにしようかなあ?」
    トリス
    「よっ・・・おっ?」
    おっちゃん
    「7等賞は、豪華な髪飾りだ! おねえちゃん、これは価値もんだよぉ?」
    アメル
    「よかったですね トリスさん
    あたしは、これ・・・ えいっ!」
    おっちゃん
    「はいよ、お姉ちゃん! 15等賞は、かわいい召喚獣のぬいぐるみだよっ!」
    トリス
    「かわいいじゃない それ・・・
    そっちの方が良かったかな・・・」
    アメル
    「・・・・・・
    ・・・これ トリスさんにさしあげましょうか?」
    トリス
    「えっ、でもアメルが当てたものよ」
    アメル
    「いいんですよ」
    トリス
    「なんか悪いなぁ・・・ あ、そうだ!
    それじゃ、これと交換しよっか?」
    アメル
    「いいんですか?」
    トリス
    「ええ、あたしは短い髪型のほうが好きだし
    アメルが使ったほうがきっと似合うと思うわ」
    (ぬいぐるみを手に入れた!)
    アメル
    「くすっ、なんだかプレゼント交換してるみたいですね?」
    トリス
    「うん、そうかも」
(花火の音)
アメル
「うわあ・・・」
トリス
「アメルは、花火を見るのは初めてなの?」
アメル
「ええ・・・ こんなに、キレイなものだったんですね
すごいなあ・・・」
トリス
「ええっ、たしかにここまで盛大なのは あたしも初めて」
アメル
「トリスさん」
トリス
「ん・・・?」
アメル
「あたし、こうして生きてこられて すごく幸せだって思います・・・
何度も落ちこんで弱音をはいて いろんな人たちに迷惑をかけて
本当になにもかもイヤになったりもしたけれど、でも・・・
つらいことだけじゃなかったから」
トリス
「アメル・・・」
アメル
「今日みたいな楽しい思い出を、あたしもっともっと作りたい
だから、負けません 負けないようにがんばりますから だから・・・
最後まで、見ていてくれますか?」
トリス
「ええ・・・
楽しい思い出をみんなと作っていきましょう
つらいことを思い出す暇なんかないくらい めいっぱいにね?」
アメル
「・・・うんっ」

第14話 確かな想い

トリス
「おじいさんの傷の具合はどうだったの?」
アメル
「初めに負った傷が無理をしたせいでひどくなってました
よほど、無理をしていたんでしょうね」
トリス
「いたたまれなかったんでしょうね・・・ 村が、こんな目にされたから」
アメル
「そうですね・・・ 傷を治すためにおじいさんの心に触れた時に、あたし感じたんです
おじいさんがこの村のことをどれだけ大切に思っていたのか
ロッカや、リューグ それに、あたしをどれだけ心配していてくれたのかを・・・」
トリス
「アメル・・・」
アメル
「やっぱり あたしはおじいさんの孫娘です
血がつながってなくたって、そんなこと関係ありません
だって・・・ ちゃんと、心がつながっているんですから・・・
それだけで、あたしは充分に幸せです」
トリス
「ええ、そうよね」
つちかってきたキズナの強さはそう簡単にほころびるものじゃないもの・・・

第16話 縛鎖を断つもの

アメル
「アルミネが、どんな天使だったかですか?」
トリス
「ええ、ちょっと知りたくなって」
アメル
「そうですね・・・ 豊穣の天使と呼ばれていただけあって、
大地に草木を芽吹かせたり
弱っている生き物に活力を与えることができたみたいです」
トリス
「じゃ、アメルの聖女の奇跡も?」
アメル
「きっと、その力の名残りでしょうね
もっと早くこのことに気づいてたら良かったのに・・・」
トリス
「どうして?」
アメル
「だって、そうすれば村の畑を、もっと豊かにしてあげられたじゃないですか?
きっと、おイモさんだって、たくさんとれたはずですよ!」
トリス
「むう・・・」
天使の力って・・・ そういう使い方していいのかしら?

第17話 影は歌う

アメル
「私のしたことが また、みなさんに迷惑かけちゃいましたね」
トリス
「気持ちはわかるわ あたしだって、まだ信じられない・・・」
アメル
「レイムさんが・・・ 黒の旅団の一員だったなんて・・・」
トリス
「でも、ひとつだけわかったことがあるわ
かばおうとしたアメルを狙って、召喚術を使った時 あの人・・・ 本気だった・・・」
アメル
「・・・・・・」
トリス
「もしも、また あの人が同じことをするのなら・・・
その時は、あたし あの人を許さないわ! 絶対に・・・」
アメル
「でも・・・ それでも・・・ あたし・・・」
信じたい、のね・・・

第18話 誰がための剣

トリス
「ルヴァイドのこと アメルは、どう思う?」
アメル
「あたしには、騎士の在り方なんてものはわからないです
でも・・・ あの人が、どこか無理をしてるということは感じとれました」
トリス
「うん、あたしもそう思ってた
黒騎士は、自分の心を無理に殺そうとしてたような気がする・・・
(反逆者の汚名って いったい、なんのことかしら?)」
アメル
「でも、思うんです あの人は、ちゃんとあたしたちの言葉を受けとめてくれた
だから、きっと 戦う以外の方法でわかりあえるはずです
あの人の心を縛りつけているものさえ、断ちきることができれば きっと・・・」
そうよね・・・ それさえわかればきっと・・・!

第19話 デグレアの闇

アメル
「それじゃあ、あの方が言ってた反逆者の汚名っていうのは・・・?」
トリス
「キュラーたちがでっちあげた、濡れ衣だったってことじゃないかな
鷹翼将軍レディウスはたった一人で、祖国を覆い尽くそうとする闇と戦っていたのよ
普通の人にはできることじゃないと思うわ」
アメル
「ルヴァイドさんは そんなお父さんの本当の姿を、知らされずにいたんですね
かわいそうです・・・ お二人とも・・・
お二人だけじゃない 他のデグレアの兵士のみなさんだって
様々な思いと共にこの戦いに参加してるはずなのに
それを自分たちのいいように利用しようだなんて・・・」
トリス
「だから、あたし ルヴァイドたちに全部話そうと思ってるの」
アメル
「トリス それじゃ・・・?」
トリス
「ええ、こんな戦いに意味なんてないわ やめるように、説得をしなくちゃ
黒騎士たちが、あたしの言葉を信じてくれるかどうかはわからないけれど・・・」
アメル
「だいじょうぶですよ!
貴女の言葉ならきっとあの人たちにも届いてくれるはずです
だって、貴女の優しいその言葉は、今までにたくさんの人たちを救ってるんですもの」
トリス
「アメル・・・」
アメル
「あたしが保証しますよ だって、あたしは他の誰よりも・・・
トリス 貴女のその優しさに救われてるんですもの」
トリス
「ありがとう、アメル」
あなたにそう言われるとなんだか、自信がわいてくるわ・・・

第20話 知の略奪者

アメル
「ガレアノたちは やっぱり、レイムさんの命令で動いていたんですね・・・
しかも、その正体が悪魔だったなんて」
トリス
「ギブソン先輩の話だと 人間にとりついた悪魔っていうのは
そう簡単に見わけることができないの 気づかなかったのも無理はないわ」
アメル
「ええ・・・」
トリス
「だけど、これでもうはっきりとわかっちゃったわね
デグレアに関する一連の事件は、あの人の手で引き起こされた」
アメル
「あたし・・・ 信じられません・・・
信じなくちゃいけない そうわかってるのに信じたくない・・・っ」
トリス
「アメル・・・」
アメル
「こわいんです! あの人のことが・・・ わからなくて・・・
どうして、どうしてあんなひどいことして笑っていられるの!?
トリス あたし、わからない? わからないよぉ・・・」
トリス
「泣かないで、アメル あたしだってわかんないよ
どうして、あの人がこんなおそろしいことをしているかなんて
わからないし・・・ こわい・・・」
アメル
「トリス・・・」
トリス
「でもね、アメル あたしたちは知ってるのよ
あの人のしたことが どれだけの人たちを傷つけたかってことを」
アメル
「・・・!」
トリス
「だから、あたし・・・ あの人を止めてみせる
どんな結果になるかはわからないけど、でもほっとくわけにはいかないもの」
アメル
「そう、ですよね・・・ あたしたちが止めてあげなくちゃいけないんですよね」
トリス
「うん・・・」
アメル
「ごめんなさい・・・ 泣いたりして
だけど、これでもう最後にしますから 約束しますから」
終わらせてみせるわ あなたがもう、泣かなくてすむように・・・

第21話 メルギトスの嘲笑

アメル
「ねえ、トリス あたしってバカな女の子ですか?」
トリス
「へっ!?」
アメル
「だって、ほら・・・ 天使だったくせにレイムさんの正体に気づかなかったし
ロッカたちにもよく言われてたんです アメルは、人のこと信じすぎるって」
トリス
「(それは、バカはバカでも、バカ正直っていうんじゃ・・・)」
アメル
「困りますよね これじゃ
これから戦う相手は人をだますのが得意な悪魔なのに・・・
治さなくちゃいけないですよね!?」
トリス
「(アメル・・・) そのままでいいのよ アメル?」
アメル
「でも・・・」
トリス
「人を疑うことなんて 無理におぼえるようなことじゃないわ
たしかに、それで傷つくこともあるかもしれないけど
できるなら、あたしはアメルには今のままでいてほしいな」
アメル
「トリス・・・」
トリス
「それにほら よく言うじゃない?
バカな子ほどかわいい・・・ってね?」
アメル
「む・・・ それって、なんだかあんまりほめてない気がするんですけど?」
トリス
「・・・やっぱり?」
アメル
「もぉーっ! トリスっ!?」
トリス
「きゃっ、あたたっ!? ちょっと、なにもそんなにポカポカ殴らなくたって・・・」
アメル
「バカ、バカ、バカっ! あはっ、あはははっ♪」
ま、これで笑ってくれるのならいいよね・・・?

第22話 真なる罪人(好感度・通常)

トリス
「フリップ様 意識を取り戻したみたいよ」
アメル
「よかった・・・」
トリス
「でも、どうしてアメルが助けたこと隠しちゃうわけ?
ふらふらになるまで癒しの力を使ったのにどうして・・・」
アメル
「あの人のためにはそれが一番だからです
それに、あたしが好きでやったことだし」
トリス
「ねえ、アメル・・・ あなたはどうしてそんなに優しいの?
聖女だから? それとも、天使の生まれ変わりだから?」
アメル
「ううん・・・ トリス
あたしはただ 自分のもらったものをわけているだけです
周りの人たちがあたしにくれる優しさ それがあったかくてとてもうれしいから
みんなに同じ気持ちを感じてほしいんです
独り占めにしちゃうよりも、そのほうがずっと素敵だもの」
トリス
「アメル・・・」
アメル
「あたし、やっぱり人間が大好きです
奪ってばかりだってレイムさんは言っていたけれど
与えることだって ちゃんと知っています だって・・・
トリス 貴女が、たくさんのあったかい気持ちを与えてくれたから
あたしは今、こうしてここにいることができるんですもの
ありがとうございます」
トリス
「そ、そんな・・・っ お礼だなんて、なんか照れくさいよぉ!?」
アメル
「・・・・・・」

第22話 真なる罪人(好感度・大)

トリス
「フリップ様 意識を取り戻したみたいよ」
アメル
「よかった・・・」
トリス
「でも、どうしてアメルが助けたこと隠しちゃうわけ?
ふらふらになるまで癒しの力を使ったのにどうして・・・」
アメル
「あの人のためにはそれが一番だからです
それに、あたしが好きでやったことだし」
トリス
「ねえ、アメル・・・ あなたはどうしてそんなに優しいの?
聖女だから? それとも、天使の生まれ変わりだから?」
アメル
「ううん・・・ トリス
あたしはただ 自分のもらったものをわけているだけです
周りの人たちがあたしにくれる優しさ それがあったかくてとてもうれしいから
みんなに同じ気持ちを感じてほしいんです
独り占めにしちゃうよりも、そのほうがずっと素敵だもの」
トリス
「アメル・・・」
アメル
「あたし、やっぱり人間が大好きです
奪ってばかりだってレイムさんは言っていたけれど
与えることだって ちゃんと知っています
だって・・・ トリス 貴女が、たくさんのあったかい気持ちを与えてくれたから
あたしは今、こうしてここにいることができるんですもの
ありがとうございます」
トリス
「そ、そんな・・・っ お礼だなんて、なんか照れくさいよぉ!?」
アメル
「・・・・・・
トリス ひとつ、お願いを聞いてくれませんか?」
トリス
「なぁに?」
アメル
「この戦いが終わったらあたしを、貴女の生まれた場所へ連れていってください」
トリス
「え・・・」
アメル
「見てみたいんです貴女が暮らしていた本当の故郷を
貴女のこと、もっといっぱい知りたいから
ダメですか?」
トリス
「ううん!そんなことないっ
約束するわ、アメル そのためにも、絶対に勝ってみせるから!」
アメル
「ええ、約束ですよ?」

エンディング(好感度・通常/大 共通)

戦いは終わった・・・
源罪の嵐によってリィンバウムに混乱と破壊をもたらそうとしたメルギトスの最後の企みは
彼女の命がけの行動によって完全に潰えたのだ・・・
禁忌の森に隠されていた忌まわしき召喚兵器たちは永遠に抹消されて
そこには、今・・・一本の巨木がそびえている
聖なる大樹
人々が、その樹のことをそう呼ぶようになってから
二度めの季節が・・・巡ろうとしていた・・・
~聖地の森~
ネスティ
「・・・トリス?
まったく・・・! さっきから、何回呼んだと思ってるんだ」
トリス
「ごめん、ごめん・・・」
ネスティ
「まあ、今日に限っては仕方がないがな
アメルのことを考えていたんだろう」
トリス
「うん・・・」
ネスティ
「メルギトスは滅び去り 戦いの爪跡も、すでに消えつつある・・・
だが、僕たちの戦いはまだ終わってはいない あの日から、ずっと続いている・・・」
トリス
「あの日の今日・・・ アメルはいなくなってしまったんだよね
笑顔のまま・・・ 永遠に・・・」
ネスティ
「トリス・・・
望みを捨てるな! そのために、僕たちはここにいるんだろ!
彼女を助ける方法は必ず、あるはずなんだ きっと・・・!
それに、今日はみんなが彼女に会いに来る日でもあるんだぞ
しっかりするんだ」
トリス
「うん・・・ わかってるよ わかってはいるんだよ だけどね・・・
でもね・・・っ」
ネスティ
「まだ、すこし時間があるな・・・
一足先に・・・ 彼女に挨拶をしに行くか?」
トリス
「え・・・」
ネスティ
「そんな、沈んだ顔のままでは、みんなに余計な心配をかけるだけだからな
アメルと会って・・・ 叱ってもらってこい」
トリス
「うん・・・」
ネスティ
「早いものだな・・・
あれから、もう季節がふたつも巡っていったなんて・・・」
トリス
「聖なる大樹・・・
この樹がアメルだって知っているのは、多分あたしたちだけ・・・
あの時から、ずっと邪悪な魔力を吸収して浄化し続けているのも」
ネスティ
「だからこそ・・・
僕たちはこの樹の いや、彼女の護人になったんだ・・・
いつか、この樹の中で眠っている彼女が目覚めるのを信じて」
トリス
「あははは・・・っ 起きるかどうかさえもわかってないのにね」
ネスティ
「不甲斐ないな・・・
これだけの月日を使って、調べているというのに・・・
手がかりさえも・・・ つかめずに・・・ッ」
トリス
「ネス・・・?
ごめん、あたし・・・ 自分一人だけ、勝手に悲しんでると思って
ネスの気持ち・・・ 考えてなかった・・・ ひどいことしてた!?」
ネスティ
「いいんだ・・・ それよりも・・・
笑ってあげなくちゃな 彼女のために・・・
僕たちは、笑っていなくちゃいけない
彼女の分まで、幸せにならなくちゃ・・・」
トリス
「うん・・・ そうだよね・・・」
アメル、聞こえる?
あなたの愛した世界は今もこうして息づいてる
相変わらず、あたしたちは不器用な生き方しかできないみたいだけど・・・
でも、あなたは言ったよね
人間は自分自身の力だけで変われるんだって・・・
そんな人間のことが愛しいって・・・
だから、あたしも信じるわ
いつかきっと・・・誰も悲しまずにすむ未来がこの世界におとずれるって
だから・・・ずっと、ずっとこの場所から、あたしたちを見守っていてね
ねえ? アメル・・・
ネスティ
「そろそろ戻ろう みんなも、じきに集まってくるだろうし
レオルドだけに応対させておいたら心配だからな」
トリス
「ええ、それじゃ・・・」
いるよ・・・
トリス
「(えっ?)」
ここに・・・ ここに、いるよ
ネスティ
「どうしたんだ?」
トリス
「この声は・・・ まさか・・・っ?」

やくそくを・・・ したから・・・

かえって・・・ きたんだよ・・・

トリス
「アメルの声よ・・・っ 間違いないわっ!」
ネスティ
「なにを言ってるんだ! 僕には、なにも・・・」
ほら、ここ・・・ あなたの・・・ すぐ、そばに・・・

トリス

「アメルっ!」
ネスティ
「トリスっ! どこへ行くんだ!?」
トリス
「アメル・・・っ!!」
ネスティ
「そんな・・・ 信じられない・・・
僕まで・・・ 幻を見ているとでもいうのか・・・!?」
トリス
「幻じゃないわよ!! アメルは・・・っ 帰ってきてくれたのよ
あたしとした 約束のために 帰ってきたのよ!」
アメル
「ん・・・っ ふぁ、あ・・・っ」
トリス
「アメルっ」
アメル
「あ・・・っ トリス・・・ おはようございます」
トリス
「お、おはよう・・・っ」
アメル
「あたし、ちょっと寝坊しちゃったみたいですね・・・
お腹すいてるでしょ? ごめんね、すぐにご飯の用意しますから」
トリス
「い、いいのよっ 今、あたし・・・っ
胸がいっぱいだからっ いいの・・・っ!」
アメル
「どうしたんですか? なにか、悲しいことがあったんですか?」
トリス
「アメル・・・っ!!」
アメル
「あ・・・っ い、痛いですってば トリス」
トリス
「アメルなのね・・・っ 本当に、ホントにっ アメルなのね・・・っ」
アメル
「ええ、そうです・・・ あたし・・・ アメルですよ・・・
だから・・・ もう、泣かないで
あたしの大好きな貴女の笑顔を、見せてください・・・ね」
トリス
「うん・・・っ」
アメル
「他のみなさんは?」
トリス
「もうすぐ、会えるわ すぐに・・・
ずっと、アメルのこと みんなも・・・待ってたんだから」
アメル
「大変!それじゃあ お出迎えの準備をしないと・・・
手伝ってくれますか? トリス」
トリス
「ええ、もちろんよ!」
アメル
「それじゃあ、急いで戻りましょう」
トリス
「あっ、アメル!」
アメル
「はい・・・」
トリス
「肝心なこと、あなたに言い忘れてたよ・・・」
おかえり…
アメル “天使は舞い降りた”

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