【夜会話】フォルテ(トリスVer.)

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砕華友輝様

第1話 流砂の谷

フォルテ
「へえ、見聞の旅ねぇ」
トリス
「本当のところ厄介払いにあって追放されたようなものなんです」
フォルテ
「まあまあ、そう自分を卑下しなさんな それに、旅での経験は貴重だぜ?
普通の生活じゃ絶対に味わえないことを体験させてくれるしな」
トリス
「そうですか?」
フォルテ
「んー、そうだなぁ
一文無しになって野草をあさってみたりとか化け物に追われて必死に逃げたりとか」
トリス
「フォルテさん それ本当・・・」
フォルテ
「・・・なーんてなっ♪本気にすんなよ?冗談だからさっ」
トリス
「冗談には聞こえないですよ」
フォルテ
「あははは、まあなんだ とにかく旅ってのは楽しいってことさ
すくなくとも、今までオレはそう感じてる じゃなきゃ、冒険稼業なんてできねえし
あんたらみたいなユカイな連中とだって知り合えたワケだしな」
トリス
「そうですね いえてます、それ」
フォルテ
「だろっ?」
お調子者だけどいい人、みたいね この人・・・

第2話 聖女の横顔

フォルテ
「ネスティが言っていたように、襲ってきた連中、そこらの野盗じゃねーな
剣さばきでわかるんだ 訓練でしみついた型がはっきり見てとれたぜ」
トリス
「(なるほど・・・)」
フォルテ
「ま、それさえ気づけばなんとかあしらえる相手だったけどな」
トリス
「最後にやってきたあの仮面の騎士も?」
フォルテ
「あいつは、ちと別格だ 一対一でやりあうには厄介な相手だな
だから、無理に戦おうなんて思うなよ 出くわしたら、すぐ逃げちまえ
カッコつけて死ぬよりみっともなくても生き延びようとすること
それが絶対に負けねえための、戦いの秘訣さ」
フォルテらしい秘訣よね・・・ でも、正しいことかも知れない

第3話 再会と別れ

フォルテ
「まさか、王都の中まで追いかけてきやがるとはな
オレとしたことが油断しちまってた あいつらの尾行にも気づかないなんてよ」
トリス
「しかたないわよ 油断してたっていうのなら、みんな同じよ
それだけ向こうのやり方が徹底してるってこと」
フォルテ
「にしても、あんな物騒な連中が平気で街中を歩けるなんて
王都の警備ってのも質が落ちたもんだぜ まったく・・・」
トリス
「前はそうじゃなかったんだ?」
フォルテ
「巡回する兵士の数は昔より減ってるな ま、住んでる人間の数も増えてはいるから
手が回らないってのもわかるんだがよ」
王都にいるから安全だって、頭から思いこむのは危険なのね

第4話 小さな召喚師

フォルテ
「金の派閥の話ってのは旅先でずいぶん聞いたもんだが
実際に関わったのはこれが初めてだな」
トリス
「フォルテの聞いた話ってのは、どんなものがあったの?」
フォルテ
「ま、正直いって関わり合いになりたくねえような悪い噂ばっかだな
街の領主に取り入ってご機嫌とったり、悪事の片棒かついで召喚術を使ったり、とかな」
トリス
「やっぱり・・・」
フォルテ
「でもな、そういう噂はなにも金の派閥だけに限ったもんじゃねーぞ
召喚師全部をほとんどの連中がうさんくさいって思ってんのが現実さ」
トリス
「そうなの!?」
フォルテ
「ま、そう真剣に考えることじゃねえよ 嫉妬で悪く言われてる部分だってあるしな
あのお嬢様も、堅物のネスティも・・・ それに、お前も
ちっともおかしな連中なんかじゃねーさ オレが保証してやるぜ」
トリス
「フォルテ・・・」
フォルテ
「あ、けどな!あのケルマって女は別だからなっ?
召喚師かどうかって以前に、性格に問題ありありだからな」
トリス
「言えてる!」
召喚師であることが偏見をもたれる原因になることもあるのか 気をつけようっと

第5話 はかなき平穏

フォルテ
「いやー、まいったぜ トリス」
トリス
「まいったってなにがよ?」
フォルテ
「ネスティのことさ ほれ、行きにオレと話をしてただろ?」
トリス
「(ああ、そういえばそうだったわね)
・・・ネスったら もしかして、無視とかしたんじゃ?」
フォルテ
「いーや、それは違うぜ ちゃんと話相手にゃなってくれたさ ただなあ・・・」
トリス
「ただ?」
フォルテ
「どーいうわけか 普通の会話が、最後には説教になっちまってたんだよなー・・・」
トリス
「げっ!?」
フォルテ
「そこにケイナのやつが加わってきたもんだから、そりゃもー大変で・・・」
トリス
「(うう・・・なんか、その情景がありありと目に浮かぶような・・・)」
フォルテ
「いいか?トリス こいつは忠告だ・・・
あの二人を「同時に」敵に回すのだけはやめとけよ?」
トリス
「ええ、わかってる フォルテの尊い犠牲は無駄にしないわ・・・」
フォルテ
「へへ・・・その言葉でずいぶんと報われたぜ・・・ ・・・がくっ」
他人事とは限らないからな、ホント・・・ 気をつけよーっと

第6話 彼女の決意

フォルテ
「ふーっ、なんとか首がつながったってカンジだな、毎度毎度」
トリス
「ぎりぎりでも、勝ちは勝ちよ」
フォルテ
「お、言うようになってきたなぁ?トリス」
トリス
「そりゃ、すぐ近くにお手本になる人がいるからね、度胸がつくわ」
フォルテ
「・・・・・・ なあ、トリス オレを手本にするのはよしとけよ」
トリス
「どうして?」
フォルテ
「オレはお前が思ってるような、立派な人間じゃねーってこった」
トリス
「そんなことないわ!剣の扱いだって上手いし、色々なこと知ってるし・・・」
フォルテ
「だが、どれも全部中途半端だぜ?
剣の腕では黒騎士の旦那に劣り、知識ではネスティに及ばねえ」
トリス
「だって、それは・・・」
フォルテ
「オレは昔っからどーにも、こらえ性がなくてな
ひとつのことを丹念にやり遂げるのが苦手なんだよ すぐに飽きちまう
それが積み重なって何でもできるように見せてるだけなんだ」
トリス
「・・・・・・」
フォルテ
「ま、おまえはオレとは根本的に違うようだけどな?
自分で決めたことに最後まで責任をもとうと努力してるし」
トリス
「そんなの・・・買いかぶりよ」
フォルテ
「自分でわかってねえだけだって
オマエには、そういう気質があると、オレは思うぜ?」
わかってない、か でも、それはフォルテも同じだと思うけど

第7話 波乱の港

フォルテ
「うっぷ・・・」
トリス
「まだ治らないの?フォルテ・・・」
フォルテ
「ああ、今頃になって効いてきやがった ちくしょー・・・」
トリス
「しかし、珍しいわね 陸に上がってから船酔いで苦しむなんて」
フォルテ
「戦ってる時はそれなりに緊張してるから平気だったんだがな
決着がついた時からどうもヤバイって思ってはいたんだ」
トリス
「だったら、祝勝会でお酒なんて飲まなきゃよかったのに」
フォルテ
「しょーがねぇだろぉ?わざわざ、オレたちのために宴会を開いてくれたんだぜ・・・
それに、悪酔いには迎え酒が効くっていうし・・・」
トリス
「(間違ってる・・・それって・・・)」
フォルテ
「うう、ダメだ 夜風にあたったくらいじゃ治りもしねえ
わりぃが、先寝かしてもらうわ・・・うぷっ」
トリス
「お大事に~・・・」
あれは絶対に二日酔いも混じってると思う、まったく

第8話 屍人の砦

フォルテ
「死んだ人間が襲いかかってくるってのは、ぞっとしねえな」
トリス
「気味が悪いから?」
フォルテ
「それもあるがな ほれ、生きてるヤツと違うから、手加減のしようがねーだろ?」
トリス
「あ・・・!」
フォルテ
「二度と起きあがってこねえように、確実にトドメを刺さねえといけなかったからな
一度死んでるとはいえやっぱ、後味が悪いぜ あーいうのは・・・」
トリス
「うん・・・」
戦いじゃなくて、本当の殺し合いになるってことだもんね・・・

第9話 まだ見ぬ故郷

フォルテ
「ルウはあんなこと言ってたけど、オレはそうは思わねーぞ」
トリス
「え?」
フォルテ
「ほれ、例の村さ」
トリス
「だけど、すぐ側に悪魔が封印されたっていう森があるのよ?
わざわざ、そんな場所に住もうなんて思う人なんて・・・」
フォルテ
「そう言ったルウが住んでるこの場所はどこだ?」
トリス
「・・・あ!?」
フォルテ
「オレらがおとぎ話と思いこんでた悪魔の森だって、ちゃんとここにあったんだ
ジイさんの話がウソかどうかだって、この目でたしかめんことにゃわかんねーだろ?」
トリス
「そうかもしれない うん・・・」
フォルテ
「ダメでもともとハッキリさせようぜ あいまいに終わらせるほうが、きっと
あのお嬢ちゃんのためにならねえと思うぜ」
この目でたしかめる こういう前向きさがフォルテなのよねぇ

第10話 封印の森にて

フォルテ
「なあ、トリス あの森でな・・・
悪魔どもが出てくる前に、お前らには不思議な音が聞こえたんだよな?」
トリス
「ネスも説明してたけどあれは普通の音とは違うのよ
魔力と魔力のぶつかりあいが、音として認識される現象なんだって
魔力を扱う訓練を積んでいなかったら聞こえなくて当然よ」
フォルテ
「いや、それはいい オレに聞こえないのはわかってんだ!
けどな、それならどうして・・・ ケイナのやつには聞こえたんだ?」
トリス
「!?」
フォルテ
「錯覚、だよな?
あいつ、神経質なとこあるから、まわりにつられちまうってことも多いし・・・」
トリス
「それは・・・」
フォルテ
「はははっ、そうさ!うん、きっとそうに決まってるって
あいつが・・・召喚師なわけ・・・ねえよ・・・」
トリス
「フォルテ・・・」
もし、錯覚なんかじゃなかったとしたらケイナは・・・?

第11話 処刑台の騎士

フォルテ
「悪かったな?ちょいと顔を出すだけですむ用事だったのが
こんな大騒ぎになっちまってさ」
トリス
「気にしないでよ」
フォルテ
「シャムロックにはな オレ、色々と借りがあるもんでな」
トリス
「借りって?」
フォルテ
「ふっふっふ・・・聞きたいか?
修業時代の門限破りを星の数ほど手伝わせたってのを筆頭に・・・
ムカつく先輩を闇討ちにする助っ人させたり 酒場で酔いつぶれた時に迎えに来させたり
ああ、そういえば家出してすぐの時もあいつの部屋に転がりこんだっけか・・・」
トリス
「なんか、それって一方的にフォルテが迷惑かけっぱなしっていうんじゃ・・・」
フォルテ
「だから「借り」って自覚してるだろうが?
お前だって、ネスティ相手に、似たような借りを作ってるんじゃねーのかぁ?」
トリス
「あはは・・・っ!?」
で、でもっ!フォルテほど破天荒なことしてないと思う ・・・たぶん、ね

第12話 絶望の先へと

フォルテ
「シャムロックのやつ オレが思ってたより落ちこみはしなかったみてーだな・・・」
トリス
「ええ、むしろトライドラの最後の騎士として戦うなんて
すごく立派な決意をしてたわね」
フォルテ
「そいつはどうだろうな」
トリス
「え?」
フォルテ
「何かを決意して戦うことは、うまく回ればすげえ力にもなるが
正反対に働けば命取りにだってなりかねないものだ
生真面目なあいつだけに、そうなった時がちと心配なのさ オレはな・・・」
フォルテの心配が思い過ごしで終わればいいんだけど・・・

第13話 祭りの夜

フォルテ
「おう、いいぜ 祭りだったらオレに任せとけって
ばっちり、楽しいところに案内してやるからな?」
トリス
「その様子だとフォルテは、ここの祭りは初めてじゃないのね?」
フォルテ
「へへへ、まーな?ファナンの豊漁祭は聖王国でも屈指の祭りだからな
とーぜん、オイシイところは押さえてるワケさ、これが」
トリス
「うーん、なんか頼もしいわねぇ」
フォルテ
「へへへ、どーよ?オレの顔の広さは」
トリス
「まさか、屋台の人にまで馴染みがいるとは思わなかったわ
おかげで、いっぱいおまけしてもらえたし」
フォルテ
「冒険者をやるようになってからは、祭りと聞けば、すっとんでいったからな
その結果が、こういうカタチで出てるのさ」
トリス
「でも、どうしてそんなに祭りばかりにこだわってたのよ?」
フォルテ
「あー、それはなずっと、憧れていた反動ってヤツさ
頭のカタイ親のせいでオレは子供の頃はほとんど外で遊んだりできなかったからな」
トリス
「ええっ、ホントに!?」
フォルテ
「へへ、意外だろー? だからかな?家を飛び出してすぐ冒険者になることを決めたのは・・・
自分の足で好きなだけ行きたい所に行けるってのが、すごく自由に思えたのさ
ま、実際この稼業はそれほど甘いモンじゃないって、すぐに思い知らされたけどな」
トリス
「へえ・・・」
フォルテ
「豊漁祭の見所はパレードよりもな 最後の花火だぜ
この磯は、ゆっくりそいつを見物するには最高の穴場なのさ」
トリス
「ホントだ・・・すごく、よく見える」
フォルテ
「ま、次回はもっと色気のあるお相手を連れてくるこったな?フッフッフ・・・」
トリス
「な・・・!?」
フォルテ
「あーっはっはっは!そんなに真面目な顔して悩むなよぉ?」
トリス
「か、からわないでよ!」
フォルテ
「おーっ、しかしまあ今年はまたいつもより景気よく打ち上げてるよなあ?」
トリス
「むぅ・・・」
フォルテ
「パッと咲いてパッと散る、か
あんな風に生きることができりゃあ、そりゃ最高だろうなあ
くすぶったままだらだら生きてんのはまっぴらだぜ・・・」
トリス
「(フォルテ・・・?)」
フォルテ
「どんな時も、景気よくいきたいもんだぜ な、そうだろ?トリス」
トリス
「ええ・・・そうかもしれない
(そういう生き方だってありだもんね・・・?)」

第14話 確かな想い

フォルテ
「ああは言ったものの 実際にジイさんの姿を見た時は驚いたぜ
黒騎士の旦那を相手にして、ただの木こりがあれしきの怪我だけですむなんてなあ」
トリス
「きっと、アメルたちを守ろうとする気持ちがそれだけ強かったんじゃないの?」
フォルテ
「お前の言うとおりならさぞかし美談なんだが
いくら気概があっても素人があの状況で勝ちを拾えるわけがないだろーが
ましてや、相手はあのルヴァイドだぜ?」
トリス
「それじゃあ・・・」
フォルテ
「あのジイさん・・・どうやら、ただの木こりじゃねぇってことさ
そのあたりの事情もふくめて、きっちりと話を聞くべきだろうな」
ただの木こりじゃないってどういうことなのかしら・・・?

第16話 縛鎖を断つもの

フォルテ
「なにはともあれ めでたし、めでたしだ」
トリス
「ずいぶんと、みんなに心配かけちゃったみたいだけどね」
フォルテ
「あー?オレは最初っから心配なんてしてやしなかったぜ?」
トリス
「へっ?」
フォルテ
「いや、正直なところお前がこのまま潰れるのなら、それはそれでほっとく気だったぞ」
トリス
「・・・・・・」
フォルテ
「ま、そんなことあるワケねえって わかっちゃいたんだけどな?」
本気だったわね?今の言葉、全部・・・

第17話 影は歌う

フォルテ
「しかし、デグレアってのはタチの悪い害虫みたいなもんだよなあ」
トリス
「が、害虫って・・・」
フォルテ
「だって、そーだろ?いくら退治してもしつこくわいてくるし
知らない間にあちこちに入りこんできやがるんだからな
おー!そーいやあ色からして黒だもんな」
トリス
「あ、ははは・・・」
フォルテ
「なんにしろ、一度まとめて駆除しておく必要がありそうだな」
トリス
「え?」
フォルテ
「レイムが言ってただろ 次は、戦場で会おう・・・ってな?」
トリス
「それじゃあ!?」
フォルテ
「ああ、間違いなく 次にあいつと戦う時は黒騎士の旦那たちも揃い踏みだろうよ
しんどそうだが、やるしかねえんだ・・・覚悟しとけよぉ?」
やるしかない、か ・・・そうね そのとおりよ!

第18話 誰がための剣

トリス
「議会の命令が絶対って言われた時さぁ・・・
フォルテ、本気で怒ってなかった?」
フォルテ
「いやー、つい頭に血が昇っちまってなあ
色男としては、あれは失敗だったぜ うん、うん・・・」
トリス
「あれは、デグレアだけに向けた言葉じゃなかったよね?」
フォルテ
「・・・まあな 自由になるために家を捨てたオレだがな
いざ、外に出てみりゃそんなものなんざ どこにも、ありゃあしなかった・・・
そこで、ようやく気づいたのさ
自由ってもんは、与えられるもんじゃなくて自分で作り出していくもんだってな・・・
それを忘れなけりゃ どこでだって、人間は自由でいられるんだ」
トリス
「なんとなく、わかる気がするかも・・・
(あたしも派閥で暮らしてた時は、同じようなこと考えてたし・・・)」
フォルテ
「だから、ああいう連中を見ると、余計にムカついてくるのさ
自由になれることを放棄したり、させたりするような考え方は
オレとしちゃあ、認めたくねーってこった」
フォルテは本当に自由ってものを大切に思っているのね きっと・・・

第19話 デグレアの闇

フォルテ
「いったい、奴らはどれだけの人間をまきこめば、気がすむってんだよ・・・」
トリス
「味方にまで、あんなことをするなんて信じられないわよ」
フォルテ
「味方、か・・・
もしかすると、奴らはデグレアも使い捨ての道具にしちまうつもりなのかもな?」
トリス
「そんな!?」
フォルテ
「考えてもみな?住民全部をバケモノに変えたってことは
都市としてのデグレアの価値を、台無しにしてるってことだぜ?」
トリス
「あ・・・!」
フォルテ
「ただ、わからねーのはそうまでして、奴らがなにをしようとしてるのかってことだ
どうも、イヤな予感がしてたまらねえぜ」
住む人のいない都市を手に入れて、いったい奴らになんの得があるっていうのかしら?

第20話 知の略奪者

フォルテ
「は?」
トリス
「だからぁ・・・前から、ずっと気にはなってたのよ
フォルテとケイナはその・・・ お互いのこと、どう思ってるのかって」
フォルテ
「どうって・・・ まー、言ってみりゃオレの生涯最大の敵というのが・・・」
トリス
「はぐらかさないで!」
フォルテ
「!?」
トリス
「ゴメン・・・っ でも・・・」
フォルテ
「・・・・・・ 好きだぜ・・・ あいつは、どうだかわかんねーけどな」
トリス
「・・・!」
フォルテ
「ひと目惚れってヤツさ 不覚にもな
倒れてるあいつを見つけた時は、本当に天使かと思ったんだ
なにもおぼえてないあいつを、このまま自分のものにしたいくらいだった・・・
けどな・・・オレは、卑怯者だ
継ぐべき家を捨てて逃げだしちまった臆病者なんだよ
そんな男と一緒になって、ケイナが幸せになれるはずがねえ
だから・・・オレは、この気持ちを絶対にあいつには知られたくねえのさ」
トリス
「・・・・・・」
フォルテ
「悪いな・・・」
トリス
「な、なんで謝ったりなんかするかなあ?」
フォルテ
「・・・・・・」
トリス
「あ、あたし・・・二人のこと、すごくお似合いだと思うから
本当に、そう思うから・・・うん!」
フォルテ
「ああ・・ありがとよ・・・」
トリス
「それじゃあ・・・おやすみ・・・っ!」
ちょっとだけ・・・泣いちゃうかもな 今夜は・・・

第21話 メルギトスの嘲笑(好感度・通常)

フォルテ
「よ!なにをまたシケたツラしてんだ?」
トリス
「フォルテ・・・」
フォルテ
「ま、大体のところは予想がついてんだがな
自分にもっと力があったら、こんな結末にはならなかった
そんなトコだろ?」
トリス
「・・・・・・」
フォルテ
「だがな、そいつは思い上がりってもんでしかねえぜ?」
トリス
「!」
フォルテ
「昔は、オレもそう思ってたぜ?
あらゆる力を身につけていけば、どんな人間も救ってやれるはずだと信じてたのさ
けどな・・・ それだけじゃ救えねえんだよ
伸ばした手に、相手が気づけなかったらそれまでなんだよ」
トリス
「でも・・・!」
フォルテ
「お前は、よくやったさ 背負わなくていいものまでしょいこんで
それでも、最後まで逃げなかった だろう?」
トリス
「うん・・・」
フォルテ
「だったら、もう後ろは振り向かなくていい
お前には、まだこれからがあるんだ」
おにいちゃんってきっとこんな感じなのかな・・・

第21話 メルギトスの嘲笑(好感度・大)

フォルテ
「よ!なにをまたシケたツラしてんだ?」
トリス
「フォルテ・・・」
フォルテ
「ま、大体のところは 予想がついてんだがな
自分にもっと力があったら、こんな結末にはならなかった
そんなトコだろ?」
トリス
「・・・・・・」
フォルテ
「だがな、そいつは思い上がりってもんでしかねえぜ?」
トリス
「!」
フォルテ
「昔は、オレもそう思ってたぜ?
あらゆる力を身につけていけば、どんな人間も救ってやれるはずだと信じてたのさ
けどな・・・
それだけじゃ救えねえんだよ
伸ばした手に、相手が気づけなかったらそれまでなんだよ」
トリス
「でも・・・!」
フォルテ
「お前は、よくやったさ 背負わなくていいものまでしょいこんで
それでも、最後まで逃げなかった
だろう?」
トリス
「うん・・・」
フォルテ
「だったら、もう後ろは振り向かなくていい
お前には、まだこれからがあるんだ」
トリス
「フォルテ・・・
でも・・・っ あたし、やっぱり悔しいよ・・・っ!」
フォルテ
「泣けよ?
オレが、ちゃんと捕まえててやるから」
トリス
「う・・・っ
うわあぁぁぁぁっ!!」
おにいちゃんってきっとこんな感じなのかな・・・

第22話 真なる罪人(好感度・通常)

フォルテ
「トリス ひとつ、聞かせちゃくれねーか・・・?」
トリス
「なぁに?」
フォルテ
「お前がメルギトスと戦う理由ってのはなんなんだ?
先祖の犯した罪をつぐなうためか?
人間を守るためか?それとも、この世界の危機を救うためか!?」
トリス
「そうとも言えるし違うとも言えるかな?」
フォルテ
「え?」
トリス
「あたしね、フォルテ 自分のために戦うの
祖先の罪とか、派閥の一員としての立場とかそうした義務感で戦うわけじゃない・・・
自分でそうしたいと思うから、戦うのよ」
フォルテ
「・・・・・・」
トリス
「ちゃんとした答えになってないかしら?」
フォルテ
「いや・・・ 多分、オレはお前の口からその言葉を聞きたいと思っていたはずだ
安心、したぜ?」
トリス
「フォルテ・・・」

第22話 真なる罪人(好感度・大)

フォルテ
「トリス ひとつ、聞かせちゃくれねーか・・・?」
トリス
「なぁに?」
フォルテ
「お前がメルギトスと戦う理由ってのはなんなんだ?
先祖の犯した罪をつぐなうためか?
人間を守るためか? それとも、この世界の危機を救うためか!?」
トリス
「そうとも言えるし 違うとも言えるかな?」
フォルテ
「え?」
トリス
「あたしね、フォルテ 自分のために戦うの
祖先の罪とか、派閥の一員としての立場とか そうした義務感で戦うわけじゃない・・・
自分でそうしたいと思うから、戦うのよ」
フォルテ
「・・・・・・」
トリス
「ちゃんとした答えになってないかしら?」
フォルテ
「いや・・・
多分、オレはお前の口からその言葉を聞きたいと思っていたはずだ
安心、したぜ?」
トリス
「フォルテ・・・」
フォルテ
「トリス お前、本当にすげえな
いいオンナになったぜ 本当に・・・」
トリス
「ふーん?だったら今から、乗り換える?」
フォルテ
「あ、いや・・・」
トリス
「あははははっ、冗談よ
フォルテの一番にはなれなかったけど あたしには、あたしの一番がいると思うし」
フォルテ
「ああ・・・
きっと、見つかるさ オレが保証してやるよ」
トリス
「うんっ!」

エンディング(好感度・通常/大 共通)

戦いは終わった・・・
源罪の嵐によってリィンバウムに混乱と破壊をもたらそうとしたメルギトスの最後の企みは
彼女の命がけの行動によって完全に潰えたのだ・・・
禁忌の森に隠されていた忌まわしき召喚兵器たちは永遠に抹消されて
そこには、今・・・一本の巨木がそびえている
聖なる大樹
人々が、その樹のことをそう呼ぶようになってから
二度めの季節が・・・巡ろうとしていた・・・
~聖地の森~
フォルテ
「・・・トリス?
元気がねーぞ ぼけーっとしてたらカビちまうだろうに」
トリス
「あれ、フォルテ・・・どうしてこんなところにいるの?」
フォルテ
「ああ、ケイナを鬼神の谷まで送った帰りに、お前らの顔を見に来たんだが
その様子じゃ、まだひきずってるな
アメルのこと」
トリス
「うん・・・」
フォルテ
「忘れろ、なんて無理なことは言うつもりもねーけどよ・・・
あんま、思いつめてばかりってのも、ちとマズイと思うぜ
お前にそんな顔をさせるためにアメルは、ああなったわけじゃねーだろ?」
トリス
「・・・・・・」
フォルテ
「ふう・・・こりゃ、オレの手にはおえねーな
当事者のトコへ行ってきっちり、お説教してもらうとすっか」
トリス
「え?」
フォルテ
「オレも、まだアメルに挨拶してねーしな
さあ、案内しろよ」
トリス
「うん・・・」
フォルテ
「しかし、見るたびにすげーと思うぜ
こいつのおかげでリィンバウムが滅亡せずにすんだんだよな
あらゆる邪念を吸収し 澄んだ空気に浄化してくれてるとはな・・・」
トリス
「あの日からずっとこの樹は、そうやってあたしたちの世界を守ってくれている」
フォルテ
「聖なる大樹、か
早いもんだな・・・
アメルが、この樹に生まれ変わってから
もう、季節も・・・ふた巡りか・・・」
トリス
「そうね・・・」
フォルテ
「お前らが、ここに残って、この樹の護人になるって言い出した時は、心配したぜ
はははは・・・っ ぶん殴って、お前を連れ出そうとしたっけなあ・・・」
トリス
「そんなこともあったね うん・・・」
フォルテ
「だが、お前らは結局自分の意志でここに残るって決めちまった」
トリス
「ええ、あたしはあの時、たしかに聞いた気がしたの
帰ってきます、ってそう言ってくれたアメルの声を・・・
それに、ネスだって言ってくれたわ
アメルは生きている この木の中で眠っているだけだって・・・」
フォルテ
「オレはな・・・正直、今でもお前らがここで暮らすことには反対だ・・・」
トリス
「・・・!」
フォルテ
「けどよ、人の生き方は誰かに迷惑をかけねー限りは、自由なんだよ
オレ自身、そうやって生きてきてるからな 偉そうなことは・・・言えねーよ・・・」
トリス
「フォルテ・・・
わかってはいるのよ 本当はこんなこといつまでもしてちゃいけないって・・・
でも、もうすこしだけ待っていたいの あたしは・・・」
フォルテ
「わかってるさ 誰かに教わらずともお前は、自分で答えが出せるってのはな
だから、オレはもうお前を止めない 信じて、待つことに決めた・・・」
トリス
「フォルテ・・・」
フォルテ
「忘れるなよ オレもケイナもいつだって、お前らの味方だってことをな」
トリス
「ありがとう、フォルテ」
アメル、聞こえる?
あなたの愛したこの世界は今もこうして息づいてる
相変わらず、あたしたちは不器用な生き方しかできないみたいだけど・・・
でも、あなたは言ったよね
人間は自分自身の力だけで変われるんだって・・・
そんな人間のことが愛しいって・・・
だから、あたしも信じるわ
いつかきっと・・・誰も悲しまずにすむ未来がこの世界におとずれるって
だから・・・ずっと、ずっとこの場所から、あたしたちを見守っていてね
ねえ アメル・・・
トリス
「約束するわ、フォルテ あたしは、いつまでも今のままじゃいない
アメルが守ってくれた未来に続く時を・・・絶対に、無駄にしたりしないから」
フォルテ
「おう、約束だぜ!」
トリス
「うんっ! そろそろ、戻ろっか ハサハも心配してるだろうし
ネスも、もうすぐ買い出しから帰ってくるから・・・」
フォルテ
「なあ・・・トリスよ」
トリス
「ん?」
フォルテ
「お前、やっぱいいオンナだぜ
オレが現役だったら絶対にほっとかねえくらいにな」
だから、お前はきっと幸せになれるさ このオレがばっちり保証してやるぜ
フォルテ “イケてる剣士”

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