【夜会話】ミニス(マグナVer.)

当サイトはアフィリエイト広告を利用しています
紫蘭様

第4話 小さな召喚師

マグナ
「そうか、ミニスは一人で修行してるのか」
ミニス
「うん、私の家に伝わる召喚術はサプレスのものばかりだから
メイトルパの術を学ぶには、私が自分で勉強しなくちゃいけないの」
マグナ
「派閥の仲間から教わることはできないの?」
ミニス
「そんなの無理よ だって、召喚術は家々ごとの秘伝だもの
うっかり秘密をもらしたら、他の家の召喚師に出し抜かれるってみんな思っているのよ」
マグナ
「(う~ん、この考え方が俺たちの派閥と決定的に違うところなんだな)」
ミニス
「お母さまが言うには 立派な召喚師になるために必要なことって
召喚術そのものだけでなくて、幅広い知識や物の見方なんですって
まだまだ、いっぱい勉強しないと・・・」
マグナ
「偉いな、ミニスは そんなにがんばって」
ミニス
「偉い召喚師になるのは 私の夢だから それに・・・
約束したんだもの もう逃げない、って」
マグナ
「約束?」
ミニス
「あ、なんでもないよっ こっちのことっ!」
マグナ
「???」
ミニスが言ってた約束って、なんのことなんだろう?

第5話 はかなき平穏

ミニス
「私、今日のことでミモザさんを見直しちゃったなあ・・・
あんなに大勢の兵士を連れた黒騎士を相手に 一歩も引かないで
きっぱり言い負かしちゃうなんて、男の人でも難しいことなんじゃない?」
マグナ
「まあ、そうだよな」
ミニス
「金の派閥であんなことできそうな人って お母さまをのぞけば思いつかないもの
蒼の派閥の召喚師ってすごいのねぇ・・・」
マグナ
「こらこら、それは買いかぶりすぎだって
メイトルパの召喚術は時として、本能の強い獣も扱ったりするから
他の系統の召喚術にもまして、術者に威厳が必要になるって聞いたことがある
だから、ミモザ先輩はあんな状況でも相手にのまれずにいられたんじゃないのかな?」
ミニス
「威厳、か・・・ 私にも、そういうことできるのかなぁ?」
マグナ
「俺じゃなくてさ 直接、先輩と話してみたらどうだい?
同じ属性の術者同士 きっと、色々と勉強になると思うぜ」
ミニス
「うん、でも・・・ 私は金の派閥の子だし」
マグナ
「大丈夫だよ あの人はそういうこと気にしないんだから
俺から、先輩に頼んであげてもいいし」
ミニス
「ほんとにっ?」
マグナ
「よし、それじゃ 今から一緒にお願いしに行こうか?」
ミニス
「うんっ!」
こういうやる気は 俺も見習わないとダメかもなあ・・・

第6話 彼女の決意

ミニス
「ファナンか・・・」
マグナ
「ミニスは、ファナンに行ったことあるのか?」
ミニス
「うん、何度かは だって、あそこは金の派閥の本部がある街だもの」
マグナ
「へえ・・・」
ミニス
「もともとは小さな漁村だったのを、金の派閥が貿易によって、今の都市に発展させたの
そして、今もその運営を取り仕切っているのが 私のお母さま・・・」
マグナ
「じゃあ、ファナンにはミニスのお母さんがいるのか?」
ミニス
「うん・・・ だけど、今はちょっと会いたくないな
ペンダントをなくしたこと、話してないから」
マグナ
「いっそ、思い切って話したほうがいいんじゃないのか?」
ミニス
「それはダメぇっ!?」
マグナ
「おいおい、なにもそんな大声で反対しなくたって・・・」
ミニス
「とにかくっ! それだけは絶対にダメ お母さまにだけは知られたくないの!
ねえ、マグナ お願いだから・・・」
マグナ
「わ、わかったよ もう言わないから落ち着けってば・・・」
怒られるのがこわいんだろうけど ちょっと異常だよな、あれって

第7話 波乱の港

ミニス
「ううう・・・」
マグナ
「なにもそこまで深刻に悩むことはないだろ?
まだペンダントをなくしたことがバレたわけじゃないんだし」
ミニス
「そんなの、わからないじゃないのっ!?
知っていて知らんぷりするのって、お母さまの得意技なのよっ?」
マグナ
「(と、得意技って・・・)」
ミニス
「ああ、どうしようっ? きっといつもみたいにお仕置きされちゃうに決まってるよぉ!?」
マグナ
「考えすぎだって 大丈夫だよ・・・」
ミニス
「ううう・・・」
しかし、そんなにこわい人には見えなかったけどなあ???

第8話 屍人の砦

ミニス
「私ね、いつも不思議に思っていたの
どうして、普通の人は召喚師を最初から嫌うんだろうって」
マグナ
「うん、普通の人たちは召喚師をこわがるか 目の仇にするかのどちらかだもんな」
ミニス
「でもね、アイツを見てわかったような気がしたの
死んじゃった人たちをモノみたいに扱うなんて・・・
あんなのってひどすぎるよっ! あんな、召喚術があるなんて!?」
マグナ
「ミニス・・・」
ミニス
「あんなことしたら 誰だって召喚師のこと嫌うに決まってるじゃないの・・・っ」
マグナ
「だからこそ、俺たちがしっかりしなくちゃいけないんじゃないのかな?」
ミニス
「えっ?」
マグナ
「ラウル師範っていう 俺の師匠にあたる人が言ってたんだ
召喚師の犯した罪は召喚師の手によってあがなわなければならない・・・
そうでないと、いつか召喚師が人々に認めてもらえなくなるって
俺たちが召喚師として人々の役に立つことをたくさんしていけば
いつかきっと、みんなわかってくれるよ 召喚師の全てが、悪人なんじゃないって」
ミニス
「・・・そうだね
きっと、みんなわかってくれるよね?」
マグナ
「ああ、そうさ きっと・・・」
それが多分 「成り上がり」の俺がやるべきことでもあるはずなんだ・・・

第9話 まだ見ぬ故郷

ミニス
「私、今までちっとも気がついてなかった・・・
自分のことばかり先に考えて、すぐ泣いたり甘えてばかりいて
アメルがどんな気持ちでいたかなんて、考えもしなかった・・・
ひどいよね?
ずっと笑顔で、私に優しくしてくれていたアメルのほうが
私なんかよりずっと不安で、つらい思いをしてたのに・・・っ」
マグナ
「ミニス・・・」
ミニス
「くやしいよぉっ!! マグナ
わたしっ、なんにもしてあげてないっ!! 助けてもらうばかりで そればかりで・・・
くやしいよぉ・・・っ」
マグナ
「・・・・・・・
顔をあげて、ミニス? それに気がついただけ君は、偉いんだから
間に合うよ、まだ 今からだって
ミニスがアメルを助けてあげることはできるはずだから」
ミニス
「ほんと・・・?」
マグナ
「ああ、だから泣くのはやめて 一緒に考えるんだ
どうすれば、アメルを元気にしてあげられるのかを」
ミニス
「・・・うんっ」
その気持ちは、きっと通じるはずだよ・・・ ミニス?

第10話 封印の森にて

ミニス
「うう、まだ頭がくらくらしてるよぉ
マグナはもう、平気なの?」
マグナ
「森にいた時は、かなりきつかったけど 今はすっかり平気だよ」
ミニス
「うらやましい・・・」
マグナ
「そう、ふてるなって 共鳴の頭痛がひどいってことは、つまり
それだけ魔力に関して鋭敏な感覚を備えてるってことなんだぜ?
召喚師の素質が高いってことじゃないか」
ミニス
「そ、そっか! ということは・・・
私の素質ってマグナよりすごいってことねっ?」
マグナ
「あ、いや・・・」
ミニス
「うーん、やっぱり才能のある者には常に苦しみがつきまとう運命なのね・・・」
マグナ
「・・・・・・」
この様子だと・・・ 訓練次第で耐性がつくってことは言わないほうがよさげだなあ

第11話 処刑台の騎士

ミニス
「あのビーニャって召喚師、いったいなに考えてるのよっ!?
自分で呼んだ召喚獣をいたぶるなんて・・・」
マグナ
「ああ、俺もあれはひどいと思ったよ
たしかに俺たちは 誓約によって、召喚獣に服従を強制させてるけど・・・
だからって、一方的に無理な要求をするのは間違ってると思う」
ミニス
「そうだよね・・・
よーしっ、今度アイツが同じことしたら、私、絶対に許さないんだから!
マグナもその時は、アイツをやっつける手伝いをしてよねっ!?」
マグナ
「ああ、わかったよ 約束だ・・・」
ビーニャのやり方を認めるわけにはいかないもんな!

第12話 絶望の先へと

ミニス
「トライドラがあんなことになっちゃって 聖王国は、これからどうなるの?
だって、トライドラは「聖王国の盾」だったんでしょ!?」
マグナ
「うん、たしかにトライドラが陥落したのは大変だけど・・・
でも、大丈夫だよ 戦いになれば、聖王国の軍隊は、トライドラだけじゃないんだ
聖王都の騎士団は精鋭揃いだし、西から援軍だってやって来る
蒼の派閥だって、敵が召喚術を使ってる以上 黙っちゃいないさ
それは、金の派閥だって同じだろう?」
ミニス
「・・・!」
マグナ
「ファミィさんは 派閥の違う俺たちから見ても、しっかりした指導者だと思う
あの人がいる限り ファナンはそう簡単に負けないって、俺は思うよ」
ミニス
「うん・・・ そうだよね・・・
お母さまはきっとデグレアの好きにはさせないはずだわ
おじさまたちだって いざとなったら駆けつけてくれる それに・・・
みんなだって・・・」
マグナ
「ちょっとは、安心できたかい?」
ミニス
「な、なによ・・・っ 今のはねっ、たまたま弱気になっただけなんだからっ!?
ほんとはっ、ちっとも不安だなんて思ってないんだからねっ!?」
マグナ
「わかってるって♪」
ミニス
「うーっ、だったらどうしてニヤニヤ笑ってるのよぉ!?」
なんだかんだいって こういうところはまだまだ子供だよな?

第13話 祭りの夜

マグナ
「なあ、ミニス まだかぁ?」
ミニス
「ちょっと待ってよ? もう・・・」
マグナ
「そのお言葉、これで11回目だぞ・・・?」
ミニス
「・・・・・・
お待たせっ!」
マグナ
「なにだよ?別にいつもと、同じ格好じゃないか・・・」
ミニス
「そんなことないわよ ちゃんと、髪だってとかし直したもの」
マグナ
「はあ・・・」
ミニス
「女の子は、身だしなみが大切なのよ?
男の人とは違ってね」
マグナ
「はいはい・・・」
ミニス
「さあ、お祭りに行きましょ!」
マグナ
「うわあ、さすがにすごい人混みだなあ
大丈夫か、ミニス?」
ミニス
「だ、だいじょぶ・・・ まだ・・・」
マグナ
「おっ、パレードが始まるぞ!」
ミニス
「えっ、どこどこっ?
ううっ、これじゃちっとも見えないよぉ」
マグナ
「うーん、ミニスじゃ背伸びしたって無理っぽいな・・・
(・・・そうだ!)」
ミニス
「きゃっ!?」
マグナ
「ほら、こうすればよく見えるだろう?」
ミニス
「な、なにすんのよっ! マグナっ!?」
マグナ
「なにって、肩車しただけじゃ・・・」
ミニス
「み、みっともないよ! おろしてったらっ!?」
マグナ
「でも、それじゃ せっかくのパレードを見逃しちゃうぞ」
ミニス
「バカバカバカぁっ! いいから、早く下ろしてってばぁ!!」
マグナ
「なあ、ミニス そろそろ機嫌を治してくれよ・・・?」
ミニス
「・・・・・・」
マグナ
「(まいったなあ・・・ あれから、すっかり口も聞いてくれなくなっちまったよ
なにが、まずかったのかなあ・・・)」
ミニス
「わあ・・・!?」
マグナ
「花火か・・・ てことは、祭りもそろそろ終わりだな」
ミニス
「あ・・・」
マグナ
「悪かったよ 俺のせいで、せっかくの祭り見物を台無しにしちゃってさ・・・」
ミニス
「ううん・・・
私が悪かったの あんなことで怒ったりなんかして・・・
ごめんなさい マグナ」
マグナ
「ミニス・・・」
ミニス
「肩車が、イヤだったわけじゃないよっ?
私のためを思ってしてくれたんだもの うれしかった
けど、いきなりだもん 驚いちゃうよ」
マグナ
「ごめん・・・」
ミニス
「私ね、お父さまがいないんだ・・・」
マグナ
「!?」
ミニス
「お母さまとお父さまは 色々な理由で結婚ができなかったの
今はどこか、別の場所で暮らしてるんだって」
マグナ
「・・・・・・」
ミニス
「だから、私は お父さまに甘えたことなんてないの
抱っこしてもらったり 肩車してもらったり 手をつないだこともないから・・・」
マグナ
「(それで、ミニスは手をつないだりするのに過敏になっていたのか・・・)
なあ、ミニス もう一度、肩車してやろうか?」
ミニス
「えっ?」
マグナ
「花火が終わるまで 俺がミニスのお父さんになってやるよ」
ミニス
「・・・・・・」
マグナ
「ダメかな?」
ミニス
「お父さまってのは無理があると思う・・・
お兄さまなら・・・ 納得してあげるけど?」
マグナ
「はははっ、それじゃ そういうことにしておこうか」
ミニス
「うん・・・」

第14話 確かな想い

ミニス
「アメルは、本当の両親のこと、どう思ってるんだろう・・・
恨んだりしていないのかな?」
マグナ
「多分、なんとも思ってないだろうな
覚えてない相手を恨むことほど、難しいことはないからね」
ミニス
「やけにはっきりと言いきるじゃないの?」
マグナ
「まあ、他人事じゃないからなあ
俺も派閥に拾われるまでは、一人で生きていたわけだし」
ミニス
「!?」
マグナ
「言ってなかったか?」
ミニス
「バカっ、初耳よ!
知ってたら、こんなひどいこと聞いたりしなかったのに・・・」
マグナ
「中途半端に覚えてたら 恨んでたかもしれないだろうけどさ
最初からいないって思ってたら、かえってなんの感情もわいてこないものだよ」
ミニス
「それで・・・ さびしくなかったの?」
マグナ
「今となっては、もうわからないな
派閥で師範やネスたちと暮らし始めてからは
一人だった頃の記憶はあんまり思い出せなくなってきてるんだ」
ミニス
「それって、やっぱりさびしかったってことじゃないのかな
さびしかったから 忘れようとしてるのよ きっと・・・」
マグナ
「そうか・・・ そうかも知れないな」
派閥に連れて来られたことが、俺の中の空白を埋めることになったのかも知れないな

第16話 縛鎖を断つもの

ミニス
「蒼の派閥が、あんなことを秘密にしていたなんて、知らなかった」
マグナ
「ファミィさんには内緒にしてくれよ?」
ミニス
「わかってるわよ そんなことぐらい
でも、お母さまってどこからともなく聞きつけるからなあ」
マグナ
「う・・・ たしかに・・・」
ミニス
「もしバレても、私のせいじゃないからね 言っておくけど!」
いったい、あの人はどうやって、情報を集めるんだろう???

第17話 影は歌う

ミニス
「お母さまには事情を説明しておいたよ」
マグナ
「せっかく情報をもらったのに、結局止められなかったな」
ミニス
「仕方ないじゃない あんなこと、誰だって予想もしなかったもの
ごめんなさいって お母さま、言ってたわ 自分の監督不行届だって・・・」
マグナ
「しかし、ここまでカンペキにだまされていたなんてなあ・・・」
ミニス
「あの人、どう見たって「善人」って雰囲気だったものね
つくづく、人間は顔じゃないって思ったよ」
マグナ
「キレイな人が、心までそうとは限らないってことかい?」
ミニス
「うん、それに・・・
見た目が頼りなさげでだらしなくても、心がキレイな人もいるしね」
マグナ
「え・・・?
あはははっ それ、言えてるかも?」
そういう雰囲気でさえ あの人は、きっと武器にしてたんだろうな

第18話 誰がための剣

ミニス
「まさか、ケルマに助けられるなんて 考えもしなかったよ」
マグナ
「うん、正直 俺もびっくりしてる
だけど、考えてみれば当然なんだよな
ケルマだって 金の派閥の人間なんだ 本部のある街が危機にさらされてるのを
黙って見てるはずがないもんな?」
ミニス
「うん・・・
私ね・・・ 金の派閥って、本当は好きじゃなかったの
いつもいつもお互いの足を引っ張ったり お金儲けのことばかり考えたりしてて
大きくなったら、私もそうなるのかなって ちょっと、不安だった」
マグナ
「ミニス・・・」
ミニス
「でも、違ったんだね? 金の派閥にだって ちゃんとした仲間同士のきずながあった
これからは、私 金の派閥にいることを恥ずかしいなんて思ったりしない!
本当に恥ずかしいのはきっと、偏った見方しかできてなかった自分だって思うから」
マグナ
「うん・・・ そうなのかもな・・・」
偏見をもたないようにするってことは、俺も見習わなくちゃな うん・・・!

第19話 デグレアの闇

ミニス
「ねえ、マグナ 素直でいることって 本当にいいことなの?」
マグナ
「どうしたんだよ? いきなり、そんなこと聞くなんて」
ミニス
「みんなに会うより前の私は、他人に心を開けない子だった・・・
自分の気持ちがうまく伝えられず、ワガママばかり言っていたの
だけど、ある人たちと出会ったことで、私は変わることができた」
マグナ
「ファミィさんから聞いてるよ。家出していた頃の話だよな?」
ミニス
「うん・・・
その人たちから 私、信じるってことの大切さを教わったわ
でもね・・・ デグレアのやり方を見ているうちにね
こわくなってきたのよ 素直に人を信じるのがいいことなのか・・・」
マグナ
「ミニス・・・?」
ミニス
「だってそうでしょ!?
平気で嘘をついたり 約束を破ったり
あいつら、そうやって素直に信じた人たちをおとしいれて、笑っているのよっ!?
ねえ、マグナ どこから、どこまで信じたらいいの?」
マグナ
「・・・・・・」
ミニス
「私、こわいよ・・・ 信じてた人に裏切られるのが、こわい!」
マグナ
「なあ、ミニス・・・
人の気持ちにまつわることには、絶対の答えなんてないんだよ?
人の数だけその答えはあって、どれひとつとして同じものなんてないんだ・・・」
ミニス
「!!」
マグナ
「だまされたくないから誰も信じないっていうのも、答えのひとつさ
でも俺は、それでも 人を信じることには素直でいたい
たとえ、その気持ちが幾度となく裏切られたとしても・・・
信じ続けたいと思うよ」
ミニス
「マグナ・・・」
マグナ
「自分の気持ちを もう一度、よく考えてみるんだ
ゆっくりでもいい でも、これはミニスが自分で見つけなくちゃいけない答えだから
・・・わかるよな?」
ミニス
「うん・・・ 私、考えてみる・・・
ちゃんと考えて 自分の答えを、自分で見つけてみるっ!」
俺にはあんなふうにしか言えなかったけど わかってくれたよな? ミニス・・・

第20話 知の略奪者

ミニス
「そんな大変なことがあったんだ・・・」
マグナ
「まあ、こうして無事に戻ってこれたから いいんだけどね」
ミニス
「でも、これでようやくわかった気がするわ
ビーニャが、召喚した魔獣を、平気で足蹴にできた理由が
アイツにすれば、人間も魔獣も、遊び道具にしか過ぎなかったのね
許せないわ・・・」
マグナ
「ミニス?」
ミニス
「召喚獣っていうのは そんなふうに扱っていいものじゃないわ!
住む世界や言葉は違うけど、あのコたちはみんな、生きている
私たちとおんなじよ 友達にだってなれる仲間なんだもん!」
マグナ
「ミニス・・・」
ミニス
「悪魔だかなんだか知らないけど、私が絶対にこらしめてやる
そうじゃなきゃ アイツに呼ばれる魔獣たちが可哀想よ・・・
そうでしょう? マグナ」
マグナ
「うん、ミニスの言ってること、俺にもよくわかるよ
一緒に、がんばろうな あいつらのやっていることを、止めるんだ!」
ミニス
「うんっ!」
いつの間にかミニスは召喚師としての自分を ちゃんと見つけだしていたんだな・・・

第21話 メルギトスの嘲笑

ミニス
「お母さまがね・・・ 言ってたよ・・・
レイムがケルマのこと人質にして、お母さまを殺そうとした時
黒騎士たち、それを止めようとしてくれたんだって・・・」
マグナ
「そっか・・・」
ミニス
「私、黒騎士のこと ずっとひどい人だって思ってたけど
色々なことを知って 今は、なんだかすごくかわいそうに思うの
これって・・・ 自分勝手な考えかな?」
マグナ
「そんなことはないよ ミニス
俺だって、同じさ あいつのこと、今はもう憎めないし・・・」
ミニス
「もっと違った形で出会っていたら
私たちとあの人たち 戦わなくてよかったのかもしれないね・・・」
マグナ
「うん・・・」
ミニス
「悲しいね・・・ ほんのちょっとだけ 気持ちが通じなかっただけなのに・・・」
だからこそ・・・ もうこんな悲しいこと 終わらせなくちゃいけないんだ・・・

第22話 真なる罪人(好感度・通常)

ミニス
「メルギトス、とうとう本気で攻めてくるつもりだね・・・」
マグナ
「こわいか、ミニス?」
ミニス
「うん・・・こわいよ・・・
でもね、私は逃げたりなんかしない
どんなにつらくたって こわくたって・・・
立ち向かわなくちゃ欲しいものは、絶対に手に入らないもの!
それにね・・・ 信じてるから・・・
マグナ 貴方のこと、私 信じてるから・・・」
マグナ
「ミニス・・・?」
ミニス
「あんな悪魔なんかに貴方が負けるはずないもの
もし負けちゃっても 私、恨んだりしないよ 自分で信じて、決めたことだもの?」
マグナ

「だったら・・・
俺は、ミニスのその言葉を信じて戦うよ・・・

俺を信じてくれた君をかならず、俺の手で守ってみせるから!」

ミニス
「マグナ・・・」

第22話 真なる罪人(好感度・大)

ミニス
「メルギトス、とうとう本気で攻めてくるつもりだね・・・」
マグナ
「こわいか、ミニス?」
ミニス
「うん・・・こわいよ・・・
でもね、私は逃げたりなんかしない
どんなにつらくたって こわくたって・・・
立ち向かわなくちゃ欲しいものは、絶対に手に入らないもの!
それにね・・・ 信じてるから・・・
マグナ 貴方のこと、私 信じてるから・・・」
マグナ
「ミニス・・・?」
ミニス
「あんな悪魔なんかに貴方が負けるはずないもの
もし負けちゃっても 私、恨んだりしないよ 自分で信じて、決めたことだもの?」
マグナ
「だったら・・・
俺は、ミニスのその言葉を信じて戦うよ・・・
俺を信じてくれた君をかならず、俺の手で守ってみせるから!」
ミニス
「マグナ・・・
ありがとう」
(チュ)
マグナ
「・・・!」
ミニス
「初めてだからねっ 叔父様たち以外に こうしたのは・・・
約束やぶったら承知しないからっ!?」
マグナ
「ああ、わかってるよ 約束も、君も 絶対に守ってみせるさ」
ミニス
「うん・・・」

エンディング(好感度・通常/大 共通)

戦いは終わった・・・
源罪の嵐によって、リィンバウムに混乱と破壊をもたらそうとしたメルギトスの最後の企みは
彼の命がけの行動によって完全に潰えたのだ・・・
禁忌の森に隠されていた忌まわしき召喚兵器たちは永遠に抹消されて
そこには、今・・・一本の巨木がそびえている
聖なる大樹
人々が、その樹のことをそう呼ぶようになってから
二度めの季節が・・・巡ろうとしていた・・・
~聖地の森~
ミニス
「・・・マグナ?
んもぉー・・・っ さっきからなに話しても上の空なんだもん!
せっかくゼラムから遊びに来たのに そんなんじゃ、私 帰っちゃうよっ!」
マグナ
「ごめん、ごめん もうしないから、機嫌直してくれよ、な?」
ミニス
「ふーんだっ! 信用できないもんっ!」
マグナ
「(まいったなあ・・・
・・・そうだ!)
なあ、ミニス ちょっと俺と一緒に外へ出ないか?」
ミニス
「外へ?」
マグナ
「ああ、そうさ ミニスに、見せたいものがあるんだよ」
ミニス
「うわあっ♪
バスラムの花が 樹のまわり一面に咲いてるわ!
ねえ、マグナ これって、もしかしてあの時の・・・」
マグナ
「うん、そうだよ ミニスが蒔いた種が この真っ赤な花畑をつくったんだ
ネスがさびしくないようにって、蒔いてくれたんだよな」
ミニス
「うん、ネスティが喜んでくれるといいなって思ったから・・・
そっか・・・ こんな花畑ができちゃうくらいに
あれから、時間が経っちゃったんだね」
マグナ
「ああ、もうすぐ季節もふた巡りするかな」
ミニス
「でも・・・ あなたやアメルにとっては
まだ、なんにも終わってないんだよね きっと・・・
だから、こうやってネスティがみんなを守るために変わった
この聖なる大樹を護っているんでしょ」
マグナ
「ミニス・・・」
ミニス
「本当は、さっきだってわかってたんだよ
マグナがネスティのこと考えてたんだって
でもね・・・ いつまでも、昔のことばかり、考えるのはよくないよっ
私、心配なの・・・ あなたたちのことが・・・」
マグナ
「ありがとう、ミニス
うん、わかってるんだ 本当はこんなこと いつまでもしてちゃいけないって・・・」
ミニス
「うん・・・」
聞こえるかい、ネス
君のおかげで、俺たちはこうして生きているよ・・・
ネスが言っていたとおり 人間は、やっぱり嘘つきで自分勝手だけど・・・
でも、昨日とは違う よりよい明日をめざして生きているんだ
だから、俺は信じるよ
いつかきっと・・・誰も悲しまずにすむ未来が この世界におとずれるって
だから・・・ずっと、ずっと この場所から、俺たちを見守っていてくれるかい?
なあ ネス・・・
マグナ
「そろそろ戻ろうか? 風がまた、強くなってきたし・・・」
ミニス
「うん、そうだね」
マグナ
「アメルも、そろそろ食事にしようって言ってたし」
ミニス
「うん、私もお母さまと焼いたプリンを持ってきてるから
デザートに、一緒に食べようね」
マグナ
「へえ、そいつは楽しみだなあ」
ミニス
「さ、行こっか」
マグナ
「ミニス」
ミニス
「ん、なぁに?」
マグナ
「この花畑、俺 大切にするからな」
ミニス
「うんっ♪」
ずっとずっと・・・こうやって二人で、バスラムの花を見れるようにね
ミニス “約束のリボン”

コメント

タイトルとURLをコピーしました