子音様/砕華友輝様
第1話 流砂の谷
- バルレル
- 「おい、ニンゲン どうして野盗の連中を殺っちまわなかったんだよ?」
- トリス
- 「相変わらず乱暴ね すすんで殺す必要はないのよ」
- バルレル
- 「けッ、なァに甘いコト言ってやがる・・・
戦いってもんはなァ 殺すか殺されるかってもんなんだ! わかってんのか!?」 - トリス
- 「サプレスでは、そうだったんだね?」
- バルレル
- 「おうよッ! 降参した次の瞬間に いきなり不意打ちするヤツだっているんだ
敵には確実にトドメをさすのが・・・」 - トリス
- 「バルレル」
- バルレル
- 「あァ?」
- トリス
- 「心配してくれたの? あたしのこと・・・」
- バルレル
- 「なッ!?
な、な、んなわけねえだろうがッ!? なんでオレがニンゲンごときに・・・」 - トリス
- 「まるっきり忠告だよ、今の」
- バルレル
- 「思いあがるなよな! ニンゲン!!
テメエに死なれて はぐれにされちまうと困るってだけだッ
いいか!? それだけのことなんだからなッ!?」 - トリス
- 「はいはい」
- けっこう、かわいいとこあるじゃない・・・気をつけなきゃね、はぐれにしないためにも
第2話 聖女の横顔
- バルレル
- 「気にくわねェな あの黒い鎧の連中 一方的に斬りまくりやがって・・・」
- トリス
- 「ええ、そうよね なにも病人まで襲う必要はないのに」
- バルレル
- 「ケッ!俺が言ってるのはそんなことじゃねェよ
あれだけ人を殺したくせに、奴ら、感情をちっとも乱さねえ」 - トリス
- 「たしかに、あいつらの落ち着きぶりは不気味だったわね・・・」
- バルレル
- 「感情を露にするのがニンゲンだろうが?
あれじゃ人形だぜ ったく、本当に鎧の中身は入ってんのかよ」 - 人形か・・・ だから、あんなことができたのかも知れない
第3話 再会と別れ
- バルレル
- 「ワナだったな?」
- トリス
- 「・・・・・・・・・」
- バルレル
- 「オレの言ってたとおりだったよなァ?
ほれ、どうした? なんとか言ってみろよ ニンゲン!?」 - トリス
- 「悪かったわよ・・・」
- バルレル
- 「はァ、聞こえねぇなぁ」
- トリス
- 「あたしが悪かった! その、お前の言うこと信じなくて・・・」
- バルレル
- 「ヒャハハハハッ! そういう言葉がずっと聞きたかったんだよ
どうも、テメエは ニンゲンの中でも特にお人好しって種類のようだからなァ
ちっとは人を疑うことをおぼえるこったな」 - トリス
- 「うう・・・」
- バルレル
- 「まァ、なんなら このオレが指南してやるからよ? ひゃははははは!」
- 言い返せなかった・・・ くっ、くやしい・・・
第4話 小さな召喚師
- バルレル
- 「ヒヒヒ、ニンゲンよ テメエもとうとう 恨みをかっちまったってわけだ
あのケルマっていうケバいオンナ かーなーり、根に持つ雰囲気だぜェ?」 - トリス
- 「嬉しそうな顔して なんてこと言うのよ
それに、あたしは話し合いで解決しようとしたのよ それは逆恨みってやつよ」 - バルレル
- 「けッ!逆恨みだって立派な恨みだっての
おうおう、見える 見えるぜェ? お前の背中にどんよりからみついた・・・
あのオンナのどす黒い恨みの思念がよォ?」 - トリス
- 「や、やめなさいよ!? そういうのっ!!」
- バルレル
- 「ヒヒヒヒヒ・・・」
- もう・・・バルレルめ 見えないって知っててからかってるなぁ?
第5話 はかなき平穏
- バルレル
- 「テメエの先輩とかいうオンナな ありゃ、意外とやるもんだなァ・・・」
- トリス
- 「へえ、珍しいわね バルレルが他人のことをほめるなんて」
- バルレル
- 「しかたねェだろうが あれだけの軍勢に囲まれてるってのによ
あぁも見事なタンカを見せつけられちゃ オンナだってバカにもできやしねェ・・・」 - トリス
- 「ミモザ先輩はあれでもメイトルパの召喚師としては、幹部クラスの使い手だもの
ギブソン先輩もそうよ あたしと同じサプレスの術の使い手だけど・・・
あたしには扱えないような強力な天使や悪魔を制御できるのよ」 - バルレル
- 「あーあ、そういうスゲエ召喚師に誓約されたんなら、オレもあきらめがつくのに
よりによって、テメエみたいなヘナチョコの護衛とはなァ・・・?」 - トリス
- 「悪かったわね! ヘナチョコで・・・」
- バルレル
- 「ケッ、悔しかったらもっとウデを磨けよな
テメエが、それなりに使える召喚師になれば オレもそれなりに服従してやらァ?
ま、テメエにゃ無理だろうけどよ・・・」 - トリス
- 「よーし、その言葉 忘れないでね!?」
- いまに見てなさい バルレルめ・・・ ぐうの音も出なくしてやるんだから
第6話 彼女の決意
- バルレル
- 「チッ・・・ 殺気だった気配が完全に消えやがったぜ
この様子だとアイツら 完全にテメエたちを見失ったみてェだな?」 - トリス
- 「ふう・・・ ひと安心ってとこね」
- バルレル
- 「まァな だが、これで終わりとは思えねェぞ?
アイツらのしつこさは 悪魔のオレでさえ呆れるほどだからなァ
油断してると、後ろからバッサリってこともあり得るかもな? ヒヒヒ・・・」 - トリス
- 「あんたって つくづく、イヤなことばかり言うわね?」
- バルレル
- 「おいおい、これでもオレは忠告してやってるつもりだぜェ!?
ちっとは感謝しろって ニンゲン?」 - 感謝したくなるような忠告にしてほしいわ・・・ 本当に
第7話 波乱の港
- バルレル
- 「いやァ、大砲ってのは派手でいいよなァ?
ぶっ放した時の轟音 それに、火薬が燃える独特のあの香り・・・
くーっ、いかにも破壊兵器ってカンジがまた たまらねェぜ!!」 - トリス
- 「あんたって子は、また変なトコで盛り上れるわよねぇ・・・」
- バルレル
- 「なァ、ニンゲン 海賊退治の褒美にはアレをもらえって な?な?」
- トリス
- 「そんな物もらって どうする気よ?」
- バルレル
- 「そりゃあ、もちろん 所構わずぶっ放すに決まってんだろォが!」
- トリス
- 「・・・やっぱり」
- バルレル
- 「んだよォ? いいじゃんかよォ!?」
- そんな物騒なこと 却下よ、却下!!
第8話 屍人の砦
- バルレル
- 「なァ、ニンゲン・・・」
- トリス
- 「なによ?」
- バルレル
- 「オマエはあのレイムってヤツ どう思ってるんだ?」
- トリス
- 「どうって・・・ 礼儀正しくて、親切で
自分の目的をしっかりもってる、素敵な人だと思うけど」 - バルレル
- 「・・・ケッ! エライほめようだな
ひとつ忠告してやらァ アイツにゃ、あんまし関わるんじゃねェ」 - トリス
- 「どうして?」
- バルレル
- 「口先ばかりがうまいヤツにゃ、ロクなのがいねェって決まってるもんなんだよッ」
- トリス
- 「なんなのよそれ? そんなのレイムさんに失礼じゃない!?」
- バルレル
- 「うるせェな! とにかく、オレは アイツと関わるのはゴメンだからなッ!」
- トリス
- 「待ちなさい! バルレル!?」
- バルレルのやつ 初対面で雰囲気負けしたから、きっと根に持ってるのね?
第9話 まだ見ぬ故郷
- バルレル
- 「ったく、どいつもこいつも辛気くさい顔しやがってよォ・・・
これじゃ、せっかく調子がよくたって ハメも外せねェぜ」 - トリス
- 「・・・・・・」
- バルレル
- 「口うるさいコイツですら、文句のひとつも返してこねェし・・・
あーあ、つまんねェ!」 - トリス
- 「うるさいなぁ そんなに退屈だったらルウの家で暮らしてる仲間と遊んだら?」
- バルレル
- 「ケッ!あんな下級の言葉もしゃべれねェ連中と一緒にすんな!
今はこんな姿だがなァ オレはもともと・・・」 - トリス
- 「・・・・・・」
- バルレル
- 「・・・聞いてねェし クソッ!」
- バルレルのヤツ 状況を考えなさいよ まったく・・・
第10話 封印の森にて
- バルレル
- 「なあ、ニンゲン 気づいてっか?
あのオンナのチカラ だんだんと、強まってきてるぜ・・・
結界ぶち壊すなんて尋常じゃねェぞ?」 - トリス
- 「わかってるわよ」
- バルレル
- 「どこまでいくのかわかんねェけどよォ あれじゃ・・・
ニンゲンとは呼べなくなるんじゃねェか?」 - トリス
- 「わかってるって 言ってるでしょ!?」
- バルレル
- 「ケッ!んだよォ オレにあたるなよな!」
- トリス
- 「・・・ごめん」
- バルレル
- 「まァ・・・ 許してやらァ・・・」
- トリス
- 「・・・・・・」
- バルレル
- 「ケッ!オレもすっかりニンゲンに寛容になっちまったぜ
アーッ、忌々しいッ 先に寝るからなッ!?」 - どうしたらいいのよ? どうしたら・・・
第11話 処刑台の騎士
- バルレル
- 「あのビーニャとかいうガキといい、その前のガレアノといい
連中の暴れっぷりは 悪魔のオレから見ても呆れちまう・・・ 無茶苦茶すぎらァ」 - トリス
- 「バルレルでも そう思うの?」
- バルレル
- 「おい、コラ・・・ 「でも」ってのはなんだよッ、「でも」ってのはよォ?」
- トリス
- 「だって、悪魔ってのは ああいうことを好むもんなんじゃないの?」
- バルレル
- 「まァ、そりゃ 否定はしねェがよ
けどな、あんな調子でばかすかニンゲン殺すのは、もったいねェってもんだぜ・・・」 - トリス
- 「?」
- バルレル
- 「低能なテメエにもわかるように説明するとだなァ・・・
あっさり殺すよりも とりついて、じわじわいたぶっていくほうが
悪魔にとってはうま味があるんだよ」 - トリス
- 「・・・!?」
- バルレル
- 「その時々にニンゲンが吐き出す、様々な感情を味わいつくすのが 醍醐味なのさ
断末魔の苦しみだけを食い散らかすってェのは、下の下なんだよ」 - トリス
- 「な、なるほど・・・」
- なんか、とんでもないことを力説されたような気がするわね
第12話 絶望の先へと
- バルレル
- 「ケッ!まさか鬼の野郎が出しゃばってきやがるとはなァ・・・」
- トリス
- 「バルレル なんか、あんた 敵意むき出しってカンジじゃない?」
- バルレル
- 「あたりめェだろうが! ったく・・・
シルターンの鬼神と オレたちサプレスの悪魔ってのはなァ
テメエらの世界を奪い合った宿敵同士なんだよッ!」 - トリス
- 「あらら!?」
- バルレル
- 「連中がオレたちと同じように、ニンゲンの心につけこんで
その感情を食らうってところからして気にくわねェ・・・
おい、トリス 間違っても、鬼にとりつかれたりなんかすんじゃねェぞ!」 - トリス
- 「バルレル あんた・・・?」
- バルレル
- 「それぐらいなら、先にオレに食われろ! もったいねェからなッ」
- トリス
- 「・・・・・・」
- 変な期待をしたあたしがバカだった・・・
第13話 祭りの夜
- バルレル
- 「あァん? なんで、オレがテメエと祭りに行かなくちゃなんねェんだよ」
- トリス
- 「なによ、せっかく誘ってやってるのに」
- バルレル
- 「ははァ・・・ さては、他の連中には相手にしてもらえなかったんだなァ?」
- トリス
- 「・・・!
わかった、もういいわよ そういうこと言うのなら他を当たるわ」 - バルレル
- 「お、おいっ ちょっと待て!」
- トリス
- 「なによ?どうせ行く気はないでしょ?」
- バルレル
- 「コホン・・・ まァ、そのつもりではあったけどなァ
あまりにテメエがあわれだから、ひとつ同情で行ってやらァ」 - トリス
- 「別に無理しなくたっていいのよ?」
- バルレル
- 「あーっ、うっせェ! ついていってやるって言うんだから、素直に連れてきやがれッ!」
- トリス
- 「(あらあら・・・ 素直じゃないのはどっちよ?)」
- ―中央大通り―
- バルレル
- 「いいね、いいねェ この乱雑っぷりはキライじゃねェなァ
いろんな感情がごちゃ混ぜになってて飽きねェぜ・・・」 - トリス
- 「ほら見なさい、やっぱり行きたかったんじゃない」
- バルレル
- 「ん、なんか言ったか?」
- トリス
- 「なんでもないわよ」
- バルレル
- 「・・・おっ? あそこで配ってるのは ひょっとして、酒か!」
- トリス
- 「振るまい酒ね どこの祭りでも普通にやってることよ」
- バルレル
- 「くーっ・・・ いいね、いいねェ! タダ酒なんて最高じゃねェかよ!?」
- 飲ませてやろうか?
- 少しだけよ?
- トリス
- 「しかたないなぁ 少しだけよ・・・?」
- バルレル
- 「ヒヒヒヒヒ! そうこなくっちゃいけねェよなぁ!!」
- トリス
- 「(やれやれ・・・まあ、今日だけは目をつぶりますか
見かけはああでも 一応、あたしの何倍も年上みたいだし)」
- バルレル
- 「うひゃひゃひゃひゃ!」
- トリス
- 「こら、バルレル いい加減にしっかり歩きなさい?」
- バルレル
- 「ひっかりひてるっていっへるだろォがぁ?」
- トリス
- 「まったく・・・ 調子に乗って何杯もあけるからよ
(酔いが冷めるまで しばらく、ここで頭を冷やさせるか・・・)」 - バルレル
- 「おっ、なんらぁ!?」
- トリス
- 「花火よ。祭りもそろそろ終わりってことね」
- バルレル
- 「もォ終わりかよォ? つまんねェな・・・」
- トリス
- 「そんなこと言って お前は、毎日がお祭り気分じゃない
好き放題に言いたいことを言ってるし」 - バルレル
- 「そりゃァ、そうか? ひゃはははははははっ
けどなァ・・・
前の主人ってのは テメエの百倍はひでェヤツだったぜェ・・・」 - トリス
- 「え・・・?」
- バルレル
- 「研究だかなんだかしらねェが、呼ぶたびオレの身体を切り刻みやがって・・・
悪魔だって、痛ェもんは痛ェんだぞッ!?」 - トリス
- 「バルレル・・・」
- バルレル
- 「ケッ!まァいいさ テメエが生きてる限り アイツはオレをもう呼べねェ・・・
安心して・・・ 高いびきだぜェ・・・
・・・ぐおぉぉぉっ」 - トリス
- 「(そういえば、あたしはいつもケンカしてて
この子の過去、なにも知らなかったのよねぇ)」
第14話 確かな想い
- バルレル
- 「薄々たァ感じてたがよ これではっきりしたな」
- トリス
- 「なによ・・・」
- バルレル
- 「あのオンナが ニンゲンじゃねェってことさ」
- トリス
- 「えっ!?」
- バルレル
- 「ザコとはいえ、悪魔がうろついてる森の中で 普通の赤ん坊が生きてられっか、あァ?」
- トリス
- 「それは・・・っ」
- バルレル
- 「それにそう考えりゃ アイツの持ってる力の異様さにも 説明がつくってもんよ
悪魔の森で、拾われた聖女か・・・ ヒヒヒヒヒッ、こりゃ傑作モンだよなァ」 - トリス
- 「バルレルっ!!」
- バルレル
- 「な、なんだよ・・・っ」
- トリス
- 「今みたいなことは 二度と言わないで!!」
- バルレル
- 「あ、あのなァ!? オレは別にデタラメを言ってるんじゃ・・・」
- トリス
- 「そんなこと関係ない! とにかく、もう絶対口にしないで ・・・わかった?」
- バルレル
- 「ケッ!わかったよ 黙っといてやらァ
ったく・・・ ムキになりやがってよ」 - それぐらい、あたしだってわかってるわ 言わないだけで みんなだって・・・
第16話 縛鎖を断つもの
- トリス
- 「でも、あんたが心配してくれるとは 正直、思わなかったわ」
- バルレル
- 「ケッ、悪かったな!?
・・・と、悪態をつくところだがなァ
オレにはオレの都合もあったんだよな 実はよ・・・」 - トリス
- 「へ?」
- バルレル
- 「食い飽きちまったのさ 重っ苦しい感情はよ
今回の騒ぎで どいつもこいつも悩みまくってたからな
ひとしきり味わってはみたものの、ずっとノーテンキなテメエにくっついてたせいで
すぐに飽きちまってな だからよォ・・・」 - トリス
- 「・・・・・・」
- (殴った音)
- バルレル
- 「うぎゃっ!?」
- つくづく・・・っ! この子は・・・っ!
第17話 影は歌う
- バルレル
- 「ケッ!だから前にも忠告しといてやったろうが・・・
アイツにゃ、関わるなってな!?」 - トリス
- 「うん・・・」
- バルレル
- 「あのオンナにもよォく言い聞かせておくこったな
テメエに輪をかけてお人よしだからなァ またぞろ、おなじことをやらかしかねねェ」 - トリス
- 「ねえ・・・ バルレル?」
- バルレル
- 「あァ?」
- トリス
- 「あんた、ひょっとして最初から、あの人がデグレアの手先だって知ってたんじゃ?」
- バルレル
- 「ば、バカ野郎ッ!? テメエ、オレが知っていて黙ってたって言うのかよォッ!!」
- トリス
- 「そうは言ってないわ でも、あんただけが最初からあの人のこと警戒してたから」
- バルレル
- 「ケッ!言っとくがな デグレアの手先なんかにゃ、オレはびびったりしねェぞ!?
オレがアイツに近づきたくねェのは・・・!」 - トリス
- 「ないのは?」
- バルレル
- 「・・・・・・
・・・なんでもねェ」 - トリス
- 「ちょっと、待ちなさい バルレル!?」
- あの子、どうして途中で黙ったりなんかしたのよ・・・?
第18話 誰がための剣
- バルレル
- 「しかし、まあ、派手にやりやがったな、あの糸目オンナ・・・
悪魔の力で、大地震を引き起こすとはなァ」 - トリス
- 「うん、タダ者じゃないとは思ってたけど
さすが、金の派閥の議長だけはあるわね」 - バルレル
- 「ん?ちょっと待てよ。
たしか、テメエらが拾った召喚師のチビの母親が、あのオンナなんだろ?
だったら、なんで親子で違った系統の召喚術を使うんだよ?」 - トリス
- 「多分、父親譲りってことなんじゃないのかなあ。
詳しいことは聞いたことないけどね」 - バルレル
- 「ヒヒヒ・・・なんか、複雑な背景がありそうだなァ?」
- トリス
- 「下手に首を突っこむものじゃないわよ?バルレル」
- バルレル
- 「ケッ!テメエが言えた義理かァ?」
- トリス
- 「そうじゃなくて!一歩間違ったら、ほら
あの、ファミイさんを敵に回すってことになるのよ?」 - バルレル
- 「う・・・ッ」
- さすがのバルレルも、ファミイさんに悪さはできないわよねぇ?
第19話 デグレアの闇
- バルレル
- 「ケッ!どいつもこいつも、ニンゲンはバカ揃いだぜ。
自分の上にいるヤツが何者かぐらい、テメエで把握しろってーの!」 - トリス
- 「それができないようにしてたのが、あいつら三人の巧妙なところなんじゃないの」
- バルレル
- 「オレからすりゃあそんなもんは、負け犬の遠吠えでしかねェよ。
特にバカなのは、あの黒騎士と、そのオヤジだな」 - トリス
- 「こら!バルレル、そこで、どうして鷹翼将軍の名前が出てくるワケ!?
あの人は、一人でガレアノたちと戦ってたんじゃない!?」 - バルレル
- 「その『一人』でってところが、バカの極みなんじゃねェか。
相手は、街ひとつを乗っ取ろうとしてる連中なんだぞ?
一人で戦って、勝てるはずなんかねェだろうがよ!?」 - トリス
- 「それは・・・」
- バルレル
- 「ケツまくって、自分だけでも逃げときゃあよかったんだよ。
オレなら、そうやって後から倍返しするぜ?」 - トリス
- 「・・・・・・・・・」
- バルレル
- 「勇気と無謀ってのはな、いつだって、紙一重のもんなんだよ。
今回のテメエの行動もまさにそれよ・・・ムキになって、無茶なことしやがって」 - トリス
- 「バルレル・・・」
- バルレル
- 「カッコつけて危険を犯すよりも、みっともなくても絶対に安全な方法をとりやがれ!
・・・わかったな?」 - トリス
- 「うん・・・悪かったわよ・・・」
- バルレル
- 「ケッ!ニンゲンに説教するたァ、オレも相当ヤキが回っちまったもんだぜ・・・」
- 悔しいけど、たしかにバルレルの言ったことは図星かもしれない・・・
第20話 知の略奪者
- トリス
- 「ねえ、バルレル。
あの三人が悪魔だってこと、あんたはどうして気づかなかったの?」 - バルレル
- 「ケッ、そいつはな、テメエのせいってもんなんだぜ?」
- トリス
- 「え?」
- バルレル
- 「召喚された悪魔はなァ、誓約されることでその力を、大きく制限されちまうんだよ。
ニンゲンごときでも命令ができるようにな」 - トリス
- 「それじゃ、今のあなたは本来の力を抑えられてるっていうの?」
- バルレル
- 「まァな・・・
だが、ヤツらは違うぜ。誓約なんていう足かせに縛られてねェ・・・
だから、本来の力を好き放題に使うことができんのさ」 - トリス
- 「ちょっと待ってよ?誓約されてないってどういうこと!?
あの悪魔たちはレイムさんが召喚したんじゃないの!?」 - バルレル
- 「ケッ!そいつはテメエで考えなッ!!」
- それが本当だとしたらいったい、どういうことなの・・・?
第21話 メルギトスの嘲笑
- トリス
- 「バルレル。あんた、もしかして最初に出会った時から
あの人がメルギトスだってこと、気づいていたんじゃないの?」 - バルレル
- 「まァな・・・
いまさら気づくとは、テメエの鈍さにはつくづく呆れるぜ。
ケッ、それともオレの言い方が悪かったのか」 - トリス
- 「・・・・・・・・・」
- バルレル
- 「で、どうする?
メルギトスの強さは、ハンパじゃねェぞ?」 - トリス
- 「それでも・・・
あたしは最後まで戦う。このまま、あいつをほっておけないもの」 - バルレル
- 「バカか、テメエは!?
勝てねェんだよ!!ニンゲンがいくらあがいたところで
そんなに死にたいのか、ニンゲン!?」 - トリス
- 「死なないし、負けるつもりもないわ?」
- バルレル
- 「わからねェ・・・どうして、テメエは笑っていられるんだ?
笑いながら、勝ち目のない戦いをするなんて言えるんだよッ!?」 - トリス
- 「そうね・・・
人間、だからかな?」 - バルレル
- 「・・・・・・!!
オレは・・・ゴメンだからな・・・」 - トリス
- 「わかってるわよ、バルレル。
あんたをはぐれになんてさせないわ。明日にでも、サプレスに帰してあげる・・・
今まで、ありがと」 - バルレル
- 「トリス・・・
ウオォォォ~~ッ!!」 - さびしくなるけど、仕方ないよね・・・?
第22話 真なる罪人(好感度・通常)
- トリス
- 「バルレル・・・あんた・・・今、なんて言ったの!?」
- バルレル
- 「そんなに驚くようなことじゃねェだろうが ったく・・・
サプレスに帰るのはやめたって言ったんだよッ!?」 - トリス
- 「いいの・・・このままだとあんたもメルギトスと戦うことになるのよ?
勝てる保証なんてまるでないのよ!?」 - バルレル
- 「わかってるぜ んなこたァ・・・
だがな、オレにだってメンツがあるんだ
このまま帰ってみろ?
手下の連中たちにナメられちまうぜ!!」 - トリス
- 「は、はあ・・・」
- バルレル
- 「つきあってやらあ!こうなりゃ、とことんやってやるッ!!
感謝しやがれよ・・・トリス!?」
第22話 真なる罪人(好感度・大)
- トリス
- 「バルレル・・・あんた・・・今、なんて言ったの!?」
- バルレル
- 「そんなに驚くようなことじゃねェだろうが、ったく・・・
サプレスに帰るのはやめたって言ったんだよッ!?」 - トリス
- 「いいの・・・このままだとあんたもメルギトスと戦うことになるのよ?
勝てる保証なんてまるでないのよ!?」 - バルレル
- 「わかってるぜ、んなこたァ・・・
だがな、オレにだってメンツがあるんだ。
このまま帰ってみろ?
手下の連中たちにナメられちまうぜ!!」 - トリス
- 「は、はあ・・・」
- バルレル
- 「つきあってやらあ!こうなりゃ、とことんやってやるッ!!
感謝しやがれよ・・・トリス!?」 - トリス
- 「え・・・?あなた、今・・・あたしの名前呼ばなかった!?」
- バルレル
- 「うだーッ!?いちいち、細けェこと気にすんじゃねェ!!
うれしくねェのか、どうなんだ!?トリスッ」 - トリス
- 「そ、そりゃあ、うれしいわよ・・・
あんたみたいなのでも、あたしには、初めての護衛獣なんだもの
お別れするのは、やっぱり、さびしいし」 - バルレル
- 「よォし・・・いい返事だ・・・」
- トリス
- 「あんたはどうなのよ?バルレル」
- バルレル
- 「ケッ!んなこたァどうだっていいだろ?」
- トリス
- 「バルレル!」
- バルレル
- 「・・・・・・・・・
今まで見たニンゲンの中じゃ、テメエが一番マシなんだよ・・・それだけだッ!!」 - トリス
- 「そっか・・・あはっ、ははは・・・
(ありがと・・・バルレル・・・)」
エンディング(好感度・通常/大 共通)
- バルレル
- 「オラ・・・テメ・・・まで・・・」
- トリス
- 「ん・・・」
- バルレル
- 「・・・で・・・つもりだ・・・ッ!?」
- トリス
- 「ん、んん・・・???」
- バルレル
- 「さっさと起きやがれ!トリスッ!!」
- トリス
- 「ふぁ・・・?おふぁよぉ・・・っ バルレル・・・」
- バルレル
- 「ケッ!なァにがおはよぉ、だ ったく・・・
わざわざ、オレが起こしに来てやったってのに・・・
メシはもうとっくにできてんだぜ アイツに怒られても知らねェぞ?」 - トリス
- 「へっ!?」
- アメル
- 「もぉ・・・トリスもバルレルくんもねぼすけなんだから
せっかく焼きたてのパンだったのに冷めちゃいましたよ」 - バルレル
- 「ケッ!オレまでひとまとめにすんじゃねェよ・・・アメル」
- トリス
- 「はいはい・・・どーせ、あたしがみんな悪いんですよーだ」
- ネスティ
- 「だからといって開きなおればいいというものではあるまい
どうだろう、アメル 寝坊の罰として朝食を抜くというのは」 - アメル
- 「あ、なるほど・・・」
- トリス
- 「ちょ、ちょっとっ それって、シャレになってないってば!
ねえ、アメルぅ・・・勘弁してよぉ」 - アメル
- 「どーしようかなぁ?」
- バルレル
- 「なっさけねェなァ おい、見てみろよこのツラ・・・
メシを抜かれたら本気で泣きそうだぜ 食べさせてやれよ」 - アメル
- 「ふふふっ、それじゃあ今日のところはバルレルくんに免じて・・・ね」
- トリス
- 「やりぃーっ!!」
- ネスティ
- 「バルレルに感謝しておくんだぞ トリス」
- トリス
- 「うんっ!うんっ!ありがとねバルレルっ♪」
- バルレル
- 「ヒヒヒ・・・ッ この貸しはでけェぞォ トリス」
- ネスティ
- 「食事が済んだら昨日のおさらいとして試験をするからな」
- トリス
- 「いっ!?」
- ネスティ
- 「戦いで学んできた君の召喚術は、技術だけが先行して、理論を無視してるからな
この機会に、みっちり追いついてもらわなくては、困るんだ」 - トリス
- 「むう・・・っ」
- バルレル
- 「おーっ!一難去って、また一難だなァ」
- アメル
- 「じゃあ、あたしお勉強が終わるまでにおいものケーキ焼いておきますね」
- ネスティ
- 「ありつけるかどうかは試験の点次第だがな」
- トリス
- 「(あちゃあ・・・っ)」
- バルレル
- 「ま、ダメだったらオレがテメエの分も食ってやるからよォ」
- トリス
- 「しかし、ネスも毎日毎日、ひどいと思わない?
戦いが終わってみんなで暮らし始めてから、ずっと勉強づけなんだもの」 - バルレル
- 「メガネの野郎も必死なのさ
なにしろ、限られた時間をつかってテメエを強くしなきゃならねェんだ・・・
間違いなく、復讐にやってくる・・・
メルギトスの野郎に負けねェようにな」 - トリス
- 「うん・・・わかってる、それは
あの最後の戦いでメルギトスは倒すことができたけど・・・
リィンバウム中にばらまかれてしまった源罪までは、消し去ることはできなかった」 - バルレル
- 「召喚されたんじゃねェアイツは、倒されても送還されたことにはならねェからな
ばらまいた源罪を利用して、復活の時をどこかで待ってるに違いねェんだ・・・」 - トリス
- 「それは、今日かもしれないし明日かもしれない
ううん・・・もう、すでに復活して新たなかん計を巡らせているのかも・・・」 - バルレル
- 「ケッ!シケたツラァしてんじゃねェよ
テメエらはそのためにこうして、集まって準備してるんじゃねェのかよ?
今度こそ、あの野郎をぶっちめるためによ」 - トリス
- 「ええ、そうね・・・
強くならなくちゃ あたしたちが、今度こそ全てを終わらせなくちゃね」 - バルレル
- 「ま、せいぜいがんばるこったな」
- トリス
- 「その時には、また頼りにさせてもらうわ バルレル」
- バルレル
- 「ケッ!つくづく護衛獣づかいのあらいヤツだな、テメエは」
- ま、いいさ テメエの傍にいる限り、退屈だけは永遠にしねェだろうしな
- 護衛獣(霊)バルレル “第三の目”
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