藍空れぃん。様
- フェア
- 「!」
- ???
- 「・・・・・・」
- フェア
- 「(メイトルパの亜人! えーっと、たしか犬型のは・・・
バウナス、とかいうんだっけ?
でも、こんな所にひとりっきりでなにしてるんだろう?
近くに主人の姿もないみたいだし)」 - ???
- 「・・・・・・」
- どうしようかな・・・
- ほうっておく
- フェア
- 「(ほうっておいたほうがいいのかも・・・
下手に声をかけてややこしいことになるのもまずいし)」
- 声をかけてみる
- フェア
- 「(そういえば・・・ 前にお兄ちゃんが言ってたっけ
最近、召喚獣の失踪事件が増えているって
教えてあげたほうがいいかも・・・)」 - ???
- 「!」
- フェア
- 「あははっ、えーと こんにちは」
- ???
- 「はい、こんにちは ええと・・・」
- フェア
- 「わたし、たまたま通りかかっただけなんだけど
最近、この町では召喚獣が行方不明になってるの
だから、貴方も気をつけたほうがいいかな、って」 - ???
- 「キミは、ボクを心配して声をかけてくれたのかい」
- フェア
- 「うん、一応は・・・」
- ???
- 「ふふっ、ありがとう 親切なんだね、キミは
だけど、ボクたちはその行方不明事件の犯人に会いたくて
ここで、こうして待っていたんだよ」 - フェア
- 「・・・え?」
- ???
- 「ほら、スバル この子は犯人とは無関係みたいだよ」
- スバル
- 「ああ、どうやらそうみてえだな」
- フェア
- 「・・・うわっ!?
(い、いつの間に背後に・・・っ)」 - スバル
- 「あははははっ おどかしちまって悪かったな?
おまえの足運びがただ者じゃなさげだったもんだから
こっちも用心して気配を消してたんだ カンベンしてくれ」 - フェア
- 「あ、うん・・・」
- スバル
- 「オレの名はスバル で、そっちが相棒のパナシェってんだ」
- パナシェ
- 「よろしくね
キミの名前は?」 - フェア
- 「フェアだよ この町で、宿屋をやっているの
貴方たちってもしかして「はぐれ」召喚獣なの?」 - スバル
- 「「はぐれ」ねぇ・・・」
- パナシェ
- 「まあ、端から見るとそうなんだろうね
でも、ボクたちは普通の召喚獣とは色々と違うんだよ」 - フェア
- 「???」
- スバル
- 「腰を落ち着けられる場所がありゃ、説明してやれるんだけど
なにぶん、オレたち 人間じゃないからさ
普通の店に入れてもらないんだよな」 - フェア
- 「じゃあ、ウチに来ればいいよ」
- パナシェ
- 「え、でも・・・」
- フェア
- 「気にしないで ちょっとした事情があって
ウチの宿には、もう何人も召喚獣たちが泊まってるの」 - スバル
- 「ホントかっ!? うひゃー、そいつは助かるぜ!
久しぶりに、屋根のある場所で寝れるぞ パナシェっ♪」 - パナシェ
- 「もう、スバルったらはしゃぎすぎ・・・
あ、ちゃんとお金は持ってるから、心配しないでね?」 - フェア
- 「あははは・・・」
- 喧嘩御免!暴れん坊皇子旅日記 ~Bash the Wicked Bros~
- フェア
- 「じゃあ、スバルたちは人間の暮らしぶりを勉強するために
旅をしていたんだね」 - スバル
- 「ああ、そうさ」
- パナシェ
- 「ボクたちが暮らす島は長いこと、外の世界と交流がなかったけど
それじゃいけないって考えるようになってきてるんだよ」 - スバル
- 「そこで、若い世代のオレたちが外の世界を見て回ってるのさ
どういう形で人間と関わっていくべきなのか見極めるためにな」 - セイロン
- 「なるほど・・・ あるいみ、隠れ里とは正反対の考え方だな」
- リビエル&アロエリ
- 「・・・・・・」
- グラッド
- 「事情はわかったよ しかしなあ・・・
今の話だけで君たちが「はぐれ」じゃないと認めるのは厳しいぞ
実際、そんな島があるなんていう話は聞いたことがないし」 - ミント
- 「でも、蒼の派閥が編纂事業をしている世界地図だって
空白のない完璧なものは、未だに完成してはいないですし
私たちの知らない場所は、まだまだあるとは思いますよ」 - リシェル
- 「そうよ、そうよ! 現に隠れ里の存在だって
あたしたち、全然知らなかったじゃないのよ?」 - グラッド
- 「そりゃ、たしかにそうだけど・・・」
- フェア
- 「ゴメンね、なんだか疑ってばかりで
でも、グラッド兄ちゃんもこれが仕事だから」 - パナシェ
- 「気にしないで 当然のことだし」
- スバル
- 「オレたちの身元をどうしてもはっきりさせたいんならさ
帝国軍にいるアズリアって人にたずねてくれよ」 - グラッド
- 「アズリアだって!?」
- ルシアン
- 「たしか、女の人では初めて将軍の地位についた人で・・・
傀儡戦争の時に国境で悪魔の軍勢を撃退した英雄・・・」 - スバル
- 「オレが出会ったのはちっちゃかった頃のことだけどな」
- パナシェ
- 「ダメだよ、スバル 迷惑かかるじゃない」
- スバル
- 「いいじゃんか いつでも歓迎するって言ってたし」
- ポムニット
- 「ここまで具体的な名前が出てきちゃうところを見ますと
口から出任せとはちょっと思えないですよね?」 - グラッド
- 「う、うむ・・・」
- シンゲン
- 「では、これで一応 身元の問題は解決といたしまして
現状、貴方達が困っているという悩みとやらを
ひとつ聞かせてはくれませんかね?」 - フェア
- 「わたしたちもなにか力になれるかもしれないしさ」
- パナシェ
- 「うん、実はね・・・」
- フェア
- 「仲間とはぐれた???」
- リシェル
- 「なんか、つい最近 聞いたような話ね」
- アルバ
- 「あははは・・・」
- パナシェ
- 「ボクたちはずっと3人で旅をしていたんだけど
この町の近くでもう1人が迷子になっちゃって
もう何日も行方がわからないんだ」 - ルシアン
- 「その子もやっぱり君たちみたいな人の姿をしてるの?」
- スバル
- 「まあな・・・ けど、大きさがな まるで違うんだよ」
- ルシアン
- 「大きさって?」
- スバル
- 「花の妖精なのさ 迷子になってるマルルゥはな」
- アロエリ
- 「妖精・・・ 妖精が旅しているというのか!?」
- スバル
- 「ついてくんなって言ったんだけどきかなくてさあ
ちみっちゃいくせにふらふら飛び回って大変なんだよ」 - リビエル
- 「たしかに、年若い妖精は、身体も小さいですし
好奇心旺盛だから迷子になったのもうなずけますわね」 - セイロン
- 「ただの迷子ならよいのだがな」
- リビエル
- 「え?」
- セイロン
- 「ほれ、先日 グラッド殿から聞いたであろう
最近、この町で召喚獣の失踪事件が起こっておると」 - フェア
- 「!?」
- パナシェ
- 「うん、ボクたちもそれを心配しているんだよ
人間に捕まってしまったのかもしれないって」 - ミント
- 「そうね・・・ その可能性は否定できないわ
小さな妖精は見た目が愛らしいこともあって
ペットとして高く取り引きされるって話も聞いたことがあるし」 - アロエリ
- 「なんだ、それは!? ふざけるにもほどがあるぞッ!!」
- リシェル
- 「怒るのはわかるけどそれが現実なのよ
特に、召喚術が広く普及して、召喚獣が財産と認められてる
この帝国ではね」 - アロエリ
- 「クソぉ・・・ッ!」
- ミルリーフ
- 「ミルリーフも、もしママたちに見つけてもらえなかったら
きっと、そうなっていたんだね・・・」 - フェア
- 「(ミルリーフ・・・)」
- スバル
- 「この町にそんな悪党がいるんなら
見つけ出して、絶対とっちめなくちゃ気がすまねえ!」 - フェア
- 「じゃあ、パナシェが町外れでぼーっとしてたのって・・・」
- パナシェ
- 「オトリのつもりだったんだよ
スキを見せてればなにがしかの接触があるかと思ってね」 - フェア
- 「もしかして、わたし 邪魔しちゃった?」
- スバル
- 「気にすんなって どのみち、収穫はなさそうだったし
やっぱ、パナシェがエサじゃ食いついてこないのかもな」 - パナシェ
- 「だからってスバルがエサじゃ逆に逃げちゃうよ」
- スバル
- 「あっははは そりゃそうだ」
- フェア
- 「ねえ、お兄ちゃん なんとか力になってあげられない?
町で起きた事件を解決するのが駐在軍人でしょ?」 - グラッド
- 「まあな・・・
だが、召喚獣の失踪が人為的なものかさえ未だ不明なんだぞ
手がかりもなしじゃ解決のしようもない」 - ミント
- 「それなんですけど
オトリ捜査っていう方法自体は有効だと思うんですよ」 - グラッド
- 「???」
- リシェル
- 「思わずかぶりつきたくなるくらいのエサだったら
結果は違ってくる そういうことでしょ」 - ミント
- 「そうそう♪ つまりね・・・」
- リビエル
- 「ひっく、ひっく ひっく・・・」
- ???
- 「おやおや、天使のおじょうちゃん どうしたんだい?」
- リビエル
- 「ごしゅじんさまとぉ はぐれっ、ちゃったよよぉぉ・・・っ」
- ???
- 「そいつはいけないな きっと、ご主人さまも心配してるだろう
どれ、僕が一緒に捜してあげよう」 - リビエル
- 「・・・ほんとに?」
- ???
- 「ああ、本当だとも 安心して、僕についておいで」
- リビエル
- 「うん・・・」
- リビエル
- 「ねえ、どうして町の外にいくの?」
- ???
- 「町の中には悪い人がたくさんいるからね
おじょうちゃんを安心できる場所にかくまうためさ」 - リビエル
- 「ねえ、どうして洞窟に入るの?」
- ???
- 「ここが一番安全だからだよ だって・・・」
- ???
- 「オリつきだからな! うははははっ!!」
- リビエル
- 「・・・!?」
- ???
- 「ふふ、でかしたぞ 我が弟、バレンよ
よもや、はぐれの天使をお持ち帰りしてくるとはな」 - バレン
- 「ギムレあんちゃん 僕、がんばったよ
ねえねえ、僕ってかっこいい?」 - ギムレ
- 「ああ、かっこいいさ 最高にイカしてるぞ
なあ、オマエたちもそう思うだろう!」 - (無法者)
- 「おいーっす!!」
- リビエル
- 「(オリの中に召喚獣たちが・・・
それも、みんなおとなしそうな種族ばっかり・・・)」 - ギムレ
- 「うはは、そいつらは全部、我らが捕まえてきた魔物たちよ
こいつらをまとめて売っ払えば、大金が手にはいるって寸法さ」 - バレン
- 「ぼっろもうけっ♪ ぼっろもうけっ♪」
- ギムレ
- 「召喚獣が行方不明になったところで
真剣に捜して回る主人なんて、まず いねえからな
新しいのを買ったり召喚すれば、それですむだけのことよ」 - リビエル
- 「ひどい・・・っ」
- ギムレ
- 「うはははは、召喚獣ににらまれたところでなにも感じないぞ
ついでに言えば 泣こうがわめこうがへっちゃらだとも」 - バレン
- 「さあ、おじょうちゃん おとなしくオリの中に入ったほうがいい
じゃないと、すっごく痛い目を見ることになっちゃうぞぉ?」 - リビエル
- 「ふふふ、痛い目にあうのは・・・
はたして、どちらのほうかしらね!?」 - (バシュッ!)
- バレン
- 「ひゃっ!?」
- アロエリ
- 「つくづく、呆れた外道どもだな」
- リシェル
- 「そうね、そのうえこんなにあっさりひっかかるなんて
同じ人間として恥ずかしいわよ まったく・・・」 - ギムレ
- 「ひっかか・・・っ?」
- リビエル
- 「お誕生日とお祭りが重なったくらいにおめでたいわね
あんな見え見えの手口に、この私がひっかかるなんて
ありっこないですわ 最初から、お芝居していたのよ」 - グラッド
- 「貴様らの尻尾を掴むためにな!」
- バレン
- 「ててっ、帝国軍っ! 帝国軍の兵士だよっ あんちゃんっ!?」
- グラッド
- 「悪事は全て露見した おとなしく武器を捨てて、縄につき
真聖皇帝の裁きを受けるがいい!!」 - ギムレ
- 「皇帝にびびってこんな商売なんぞやってられるか!
相手は兵士一人だ 口をふさいじまえばなにも問題ねえ!」 - (無法者)
- 「おいーっす!!」
- スバル
- 「・・・召鬼・轟雷ッ!」
- (ドッシャーンッ!)
- スバル
- 「反省するんだったらカンベンしてやろうかと思ったんだけどさ
こりゃあ、もう ドカンと一発決めるしかなさそうだな」 - フェア
- 「ええ、こういうひどい連中にはぶっとばしてわからせるしかないもんね!」
- バレン
- 「あわ、あわわ・・・・ あわわわわわわわわ」
- スバル
- 「風雷の里の長 鬼姫ミスミが一子 雷迅の将スバル
いっくぜえぇーっ!!」 - -バトル-
- ギムレ
- 「あ、明日に向かって退却だあぁーっ!!」
- バレン
- 「あんちゃん、待ってえええぇぇーっ!?」
- グラッド
- 「なんて逃げ足の早さだ まったく・・・
まあ、いいか さらわれた召喚獣が確保さえできれば
事件の立件そのものは・・・
って、おい!?」 - スバル
- 「あれ? もしかして勝手に逃がしたらまずかったのか?」
- パナシェ
- 「あははは、だってみんな、きゅうくつそうだったから」
- グラッド
- 「なんてことを・・・ とほほほ・・・」
- ミルリーフ
- 「・・・ワザとでしょ?」
- スバル
- 「・・・まあな
でも、逃がしたのは帰りたくないって連中だけだからな」 - パナシェ
- 「人間も襲わないって約束もさせたからね」
- フェア
- 「あはははは・・・ やれやれ・・・」
- アルバ
- 「で、結局のところ マルルゥはあそこにいなかったのか」
- パナシェ
- 「うん、てっきり捕まってると思っていたんだけど」
- スバル
- 「まったく、いったいどこいっちまったんだよ、あいつ・・・」
- オヤカタ
- 「ムイッ、ムイムイ!」
- ミント
- 「ちょっと、オヤカタ どうかしたの? そんなにあわてて」
- オヤカタ
- 「ムイッ、ムイーッ!」
- フェア
- 「とにかく、ついていってみましょ」
- ???
- 「うううう・・・っ 誰かぁ・・・っ
このベトベトしたの とってくださぁーい」 - スバル&パナシェ
- 「マルルゥっ!?」
- フェア
- 「えぇーっ!?」
- ミント
- 「じゃあ、私が見たあのふわふわした光の正体は・・・」
- マルルゥ
- 「はい、マルルゥだったのですよ」
- スバル
- 「まったく、心配かけさせやがって」
- マルルゥ
- 「ヤンチャさん ワンワンさん ごめんなさい」
- ルシアン
- 「だけど、どうしてオヤカタは今まで
マルルゥのことに気づかなかったのかな???」 - オヤカタ
- 「ム、ムイィ・・・」
- マルルゥ
- 「オヤカタさんはマルルゥをかばってくれてたのです!
人間に見つかったら大変だから、って
ゴハンも半分こしてわけてくれたのです」 - ミント
- 「そうだったの」
- リシェル
- 「ふふふっ、オヤカタ いいトコあるじゃん」
- オヤカタ
- 「ムイィィ・・・ッ」
- パナシェ
- 「でも、どうしてこんな所にいたの マルルゥ?」
- マルルゥ
- 「あんまりこの畑が素敵な場所だったからついふらふらと
えへへへ・・・」 - アロエリ
- 「たしかに、この畑は大地の豊かな息吹に満ちているからな
植物の妖精が、つい引き寄せられたのもうなずける」 - パナシェ
- 「うん、そうかも なんだか懐かしいカンジがするもの」
- シンゲン
- 「まあ、一件落着ということですかね」
- (グウゥゥ~)
- マルルゥ
- 「あややや・・・」
- フェア
- 「ずっと半分こじゃそりゃお腹だってすいちゃうよね
うん、ここはひとつ マルルゥの好きな物作ってあげるわ」 - マルルゥ
- 「それなら、マルルゥ お鍋がいいですよ♪」
- フェア
- 「は?」
- パナシェ
- 「ボクたちの島のしきたりなんだよ
いいことがあった時には、みんなでお鍋を囲むんだ」 - スバル
- 「みんなの絆がもっと深まるようにってな」
- セイロン
- 「ほう、じつに素敵なしきたりではないか」
- フェア
- 「よーし、だったら とびっきりのお鍋 食べさせたげる!」
- ミント
- 「お野菜はもちろん うちの畑のでね?」
- リシェル&ルシアン
- 「おーっ!」
- 新しいメニュー ミニ海賊ナベ のレシピをひらめいた!!
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