【夜会話】ミスミ(アティVer.)

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スターライト様

第8話 卑怯者

ミスミ
「思ったより、顔色が良くて、ほっとしたぞ」
アティ
「ミスミさまにお見舞いに来てもらうなんて、恐縮です」
ミスミ
「なにを言う? そなたが倒れた責任は、郷長である、わらわの不覚のせいじゃぞ
本当に、すまなんだと思うておるのじゃ」
アティ
「ミスミさま・・・」
ミスミ
「アティ わらわは、決めたぞ
これより先の戦では わらわも、共に戦うと」
アティ
「え・・・!?」
ミスミ
「わかっておる・・・ そなたや、キュウマが言いたいことはな
じゃがな、不安なのはそなたらの帰りを待つ わらわたちとて、同じなのじゃぞ」
アティ
「・・・!」
ミスミ
「良人が遠い所に行ってしもうた時に、わらわは悔やんでも悔やみきれんかった
ついていっておればお助けできたのではと、今でもそう思うてしまう・・・
もう二度と、あんな思いはしとうない!
だから、わらわは戦う そなたらと共に戦って、今度こそ守ってみせるのじゃ
後悔など・・・ せぬように・・・」
もう、止められないよね ミスミさまの気持ち 私も、わかるもの・・・

第9話 先生の休日

アティ
「ふわぁ・・・っ」
ミスミ
「ずいぶんと眠そうな様子じゃな?」
アティ
「ええ、今日みたいに思いっきり遊んだのは久しぶりでしたから」
ミスミ
「ほんに、子供らと遊ぶそなたは、すごく楽しそうじゃったぞ」
アティ
「ははは・・・ 恥ずかしいですよ」
ミスミ
「改めて、思うたわ そなたに学校の先生を頼んで良かったとな」
アティ
「そうですか?」
ミスミ
「あの子が、あんなにも学校を楽しみにしておるとは正直、驚いた・・・
帰ってくるといつも、学校でなにがあったか、一生懸命わらわに話してくれてな
それが、とてもうれしいのじゃ」
アティ
「そう言ってもらえると 私も、うれしいです」
ミスミ
「本当に、感謝しておるぞ」
アティ
「気にしないでください 私も、先生やっててすごく楽しいですし」
ミスミ
「うむ、ならばこれからもよろしくご指導頼む 先生殿」
アティ
「はい、こちらこそ」
なんだか、抜き打ち保護者面談って感じになっちゃいましたね

第10話 もつれあう真実

ミスミ
「学校をやってくれと頼んだ手前 こんなことを言うのは気が引けるが・・・
実のところ、わらわは学校には行ったことがないのじゃ」
アティ
「そうなんですか!?」
ミスミ
「いや、読み書きはきちんとできるぞ そなたと同じ家庭教師に習っておる
ただ、わらわとしては家でじっとしておるよりも 外で身体を動かすほうが・・・」
アティ
「要するに、勉強は嫌いだったんですね?」
ミスミ
「う、うむ・・・」
アティ
「スバルくんの勉強嫌いは母親譲りだったってことですか・・・」
ミスミ
「じゃが、息子に勉強させておる手前、わらわも、とは思うておるのじゃが・・・
とはいえ、やはり苦手なものは苦手じゃ 第一、楽しゅうない」
アティ
「楽しく学びたいならミスミさまも、学校に入られたらどうです?」
ミスミ
「馬鹿を申すでない!? それこそ、わらわの立場がないではないか
下手をすれば、子供らよりも出来が悪いかも知れんというのに・・・」
アティ
「そ、そうなんですか?」
なんか、とんでもない情景が浮かんじゃった 一瞬・・・

第11話 昔日の残照

ミスミ
「ひどい嵐じゃな・・・」
アティ
「ええ、雨も風もすごく強くて、大変です」
ミスミ
「そういう意味ではない」
アティ
「え?」
ミスミ
「風を操るわらわにははっきりと感じ取ることができる
この嵐は、自然の意に沿うたものではない
むしろ、それらに背こうとする力によって天が裂かれる嘆きじゃ・・・」
アティ
「天の嘆き・・・」
ミスミ
「不吉なことを言うのは わらわとて好かぬことではあるが
こうも凶事を予感させる嵐は、初めてじゃ・・・
アティ そなたも、くれぐれも気をつけることじゃ」
アティ
「ええ、わかりました」
ミスミさまがああまで言うなんて よほどのことなんですよね きっと・・・

第12話 黄昏、来たりて

ミスミ
「同じじゃな・・・ あの時と・・・
良人たちが戦った 島を守る、最期の戦と」
アティ
「あれは・・・ ひどすぎました・・・」
ミスミ
「そのとおりじゃ じゃが、もしかするとあれ以上のことが起きるやもしれんな」
アティ
「ミスミさま・・・」
ミスミ
「退けというのならば聞く耳もたんぞ!!」
アティ
「・・・っ」
ミスミ
「スバルや、わらわを案じてくれるそなたの気持ちはありがたく思う
じゃが、わらわはこの郷の長なのじゃ」
アティ
「なら、なおさら・・・」
ミスミ
「いやなのじゃ!
誰かの背中を見送ってただ待ち続けることは もう、絶対に・・・っ」
アティ
「!」
ミスミ
「わらわは・・・っ もう、あんな思いはしとうない・・・っ」
アティ
「ミスミさま・・・」
ミスミ
「キュウマも、スバルも 同じ思いじゃ・・・
認めてくれるな? アティ」
アティ
「・・・・・・」
認めてあげるしかないじゃないですか こんなの・・・っ

第13話 断罪の剣

ミスミ
「ええい、それにしても腹が立つ!?」
アティ
「ミスミさま・・・ 落ち着いて・・・」
ミスミ
「これが興奮せずにいられようか!?
無色の輩は、戦えない郷の民たちにまで手を出そうとしたのじゃぞ?
卑劣にもほどがある!
こうなれば、やはりこちらから仕掛けていって・・・」
アティ
「いけません」
ミスミ
「何故じゃ!?」
アティ
「力で相手をねじ伏せる 私たちが戦う目的はそういうことじゃないからです」
ミスミ
「・・・!」
アティ
「気持ちはわかりますよ 私だって、派閥のやり方は許せません
でも、私たちにとって大事なのは、戦えない村の人たちを守ること
負けなければいいんです 大切なものを守りきれば私たちの勝ちです!」
ミスミ
「む・・・」
アティ
「私、がんばります もっと、がんばって無色を追い払います
だから、ミスミさま 貴方にはできるだけ笑顔でいてほしいの
郷長として、今も不安を抱えている人たちのために
そして、母親として スバルくんのために」
ミスミ
「そうか・・・ そなたが、いつも笑ろうておったのは・・・」
アティ
「・・・」
ミスミ
「わかった・・・ そなたの言葉 胸にとどめておこう」
必ず終わらせますから だから、それまではお願いします・・・

第15話 ひとつの答え

ミスミ
「まさか、そなたたちがあのような隠し球を用意しておったとはな・・・
果てしなき蒼・ウィスタリアス 新たな剣の力、しっかりと見せてもらったぞ」
アティ
「私だけの、まして、剣の力だけでつかみ取った勝利じゃありませんよ
ミスミさまや、スバルくん 弱気な私をはげましてくれたみんなの優しさが・・・
勝つための力を与えてくれたんです」
ミスミ
「みなの勝利、というわけか」
アティ
「ええ、そうです」
ミスミ
「そうか・・・ それは、うれしいことじゃな
それにしても、あの剣を振るう、そなたの姿はじつに勇ましかったのう
久しぶりに、戦人として血が震えたわ・・・
手前ミソかもしれぬが まるで、若い頃のわらわを見ておるようじゃったぞ」
アティ
「ミスミさまにですか?」
ミスミ
「うむ、わらわも白南風の鬼姫と呼ばれておった頃は
長刀を片手に、そなたのように、敵陣へと向かっていったものじゃ・・・
良人となったあの人と一番槍を競ってな」
アティ
「そうだったんですか・・・」
ミスミ
「ほんに、懐かしいのう
ともあれ、戦もいよいよ大詰めじゃ
そなたに負けてはおれぬ わらわも、改めて気持ちを引き締めばならぬな
次の戦を見ておれよ 鬼姫ここにあり、と目にものをみせてくれるわ」
アティ
「あの、それはいいんですけど ミスミさま・・・」
ミスミ
「なんじゃ?」
アティ
「どうしてあんな無茶をしたんですか?」
ミスミ
「あ、いや・・・ それはのう・・・ はは、ははははは・・・」
アティ
「笑ってごまかそうなんて考えてませんよね?」
ミスミ
「う・・・っ
すまなんだ・・・」
アティ
「私のために戦おうとしてくれたことは、うれしかったけど
あんなふうに、お互いに心配をかけるようなことは、もうやめにしましょうね?
守るのも、守られるのも すぐ側にいなくちゃ、満足にできなくなるから・・・」
ミスミ
「イスラを倒して、剣を取り戻せば、この戦もようやく終わる・・・
そのあかつきには、盛大に見送りの宴をやらねばいかんじゃろうな」
アティ
「そんな、大げさですよ」
ミスミ
「なにを言うておる 最期のはなむけぐらいは派手にやらせてもらうぞ?」
アティ
「え?」
ミスミ
「思えば、本当にそなたはよくやってくれた
ぶしつけな、頼みにこたえて 子供たちに色々と教えてくれたこと、感謝しておるぞ
使っていた黒板や教科書は記念に残しておこう うん、それがいい・・・」
アティ
「あの、ミスミさま?」
ミスミ
「ん?」
アティ
「記念もなにも、そのまま残してくれないと、私困っちゃうんですけど
じゃないと、授業ができなくなるし」
ミスミ
「え!?
そなた・・・ まさか、これからも学校を続けてくれるのか!?」
アティ
「当たり前です まだまだ、教えなくちゃいけないこともありますし」
ミスミ
「し、しかし・・・ そなたは、元いた場所に帰るのでは・・・」
アティ
「もちろん、帰りますよ 片付けなくちゃいけない問題だってありますし
しばらくお休みはいただくことになっちゃうけど、必ず戻ってきますから・・・
だから、クビは勘弁してくださいね・・・」
ミスミ
「そうか・・・ はは、あはははははっ♪ そうか、そうか・・・」
アティ
「必ず勝ちましょう そのためにも・・・」
ミスミ
「ああ・・・ そうじゃな・・・」

エンディング

ミスミ
「そうか、あの子も無事に合格することができたか」
アティ
「はい、おかげさまでベルフラウは無事に合格できました」
ミスミ
「めでたいことじゃな・・・」
アティ
「保護者として、入学式にも参列してきたんですけど
あの子、新入生の総代として挨拶することを、私に内緒にしてて、驚いちゃって」
ミスミ
「すごいではないか!?」
アティ
「立派に挨拶を読みあげるあの子の姿を見ていたら
なんだか、昔の自分の姿を思い出して、ちょっとだけ泣けちゃいました・・・」
ミスミ
「そうであろうな・・・」
アティ
「長期休暇になったら こっちに遊びに来るからよろしくですって」
ミスミ
「スバルたちが、それを聞けばきっと、喜ぶじゃろう
無論、わらわも楽しみじゃ 子供というのは、短い間でも驚くほど成長するからな
よい意味で、びっくりさせてもらいたいものじゃのう」
アティ
「そうですね・・・」
ミスミ
「万事は、川のように流れ続け 同じ場所へと留まり続けることはない・・・
どうせ変わっていくのならば そなたのように、笑顔だけは忘れずにいたいものじゃな」
アティ
「ええ・・・」
ミスミ
「思えば、そなたらと出会って わらわたちも、ずいぶんと変わっていくことができた
学校を開くことができたのも 島に暮らす者たちが、すすんで手を取りあっていけたのも
みな、先生のおかげじゃ 改めて、礼を言うぞ・・・」
アティ
「そんな、私はただ 自分がやりたかったことを勝手にやっただけですよ」
ミスミ
「そうじゃ・・・ そうしたいと願うだけでなく 本当にやりとげてくれた
思いあぐねるだけで、自分で動くことができなかったわらわとは、そこが違う」
アティ
「ミスミさま・・・」
ミスミ
「正直、恥ずかしい・・・ 自分の不甲斐なさが・・・」
アティ
「そんなことないですよ!
私だって、ミスミさまがきっかけをくれなかったらきっと、同じでした・・・
貴方が背中を押してくれたから 思いきって、突っ走れたんです」
ミスミ
「先生・・・」
アティ
「お互い様ですよ・・・ 私だけでも、貴方だけでも こんな未来は描けなかった
そうでしょう?」
ミスミ
「そう、じゃな・・・
みなで助け合ったからこそ 今日という、この日があるということなのじゃな」
アティ
「ええ、ミスミさまのおっしゃるとおりですよ」
共に力を合わせてゆこうぞ もっとすばらしい未来を、子供らに見せてやるためにな
「流れゆくままに」

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