スターライト様
- レックス
- 「ようやく、雨もあがったみたいだな」
- (コンコン)
- レックス
- 「?
(こんな夜更けにいったい、誰が?)」 - フレイズ
- 「・・・・・・」
- レックス
- 「フレイズ!?」
- フレイズ
- 「ついてきてください レックス
どうしても、貴方にしておきたい話があるんです」 - レックス
- 「ここは・・・」
- フレイズ
- 「魔晶の台地 私たちの領域を満たすマナは、この水晶から生み出されています」
- レックス
- 「瞑想の祠と、同じってわけか・・・」
- フレイズ
- 「ひらけた場所のほうがなにかと都合がいいですからね」
- レックス
- 「例えば・・・ 俺と全力で戦う、とか」
- フレイズ
- 「承知の上でしたか」
- レックス
- 「それだけはっきり殺気が出ていたら・・・」
- フレイズ
- 「ならば、話が早い
おつきあいしていただけますか?」 - レックス
- 「その前に、聞かせてくれないか
そこまでして、君がファリエルを守ろうとしている理由を」 - フレイズ
- 「いいでしょう
ここまで踏みこんできてしまった貴方にはそれを知る権利がある」 - フレイズ
- 「ファリエルさまがあのように、亡霊として生き続けている原因を作ったのは
この私なのです」 - レックス
- 「!?」
- フレイズ
- 「まだ未熟ながらも 精一杯に運命へと立ち向かっていく彼女の魂の輝きを
私は心から慈しみ その助けとなることを心からうれしく思っていました
ですが、それでも越えられない運命がやってきたのです」 - レックス
- 「この島で起こった過去の戦い・・・」
- フレイズ
- 「乱戦の中で、はぐれ ようやく私が彼女を見つけ出した時には
ファリエルさまは息を引き取られる寸前でした・・・」 - レックス
- 「・・・っ」
- フレイズ
- 「半ばまで炎に失われた身体には、手の施しようもなくて・・・
あの時ほど・・・ 私は、自分の愚かさを悔いたことは・・・ ありません・・・」 - レックス
- 「フレイズ・・・」
- フレイズ
- 「死せる者の魂は 次の世界で、新たな姿に生まれ変わります
しかし、この島ではそれが不可能であることは、貴方も知っているはずです」 - レックス
- 「島の力に囚われて操られるがままの亡霊になってしまう」
- フレイズ
- 「ファリエルさまを 彼女の魂を、そんな目には、会わせたくなかった・・・
そして・・・ 私は、天使であることを捨てました・・・
自分の魂を分け与え 彼女を霊的生命に変え 確定されていた運命に逆らったんです」 - レックス
- 「な・・・」
- フレイズ
- 「天使のもたらす奇跡は その魂に課せられた運命を、全うさせるために用いるもの
その掟を破った私はもう天使ではない 堕ちた天使なんです」 - レックス
- 「そんな・・・」
- フレイズ
- 「悔いてはいません
生き延びたいと願う彼女の意志を、私はかなえることができたのですから」 - レックス
- 「フレイズ・・・」
- フレイズ
- 「私はまだ、あの人に安らぎの中にいて欲しかった・・・
だが、貴方と出会い ファリエルさまは変わられてしまった
隠していた素性を明かし、今まで以上に戦いの矢面へと立つようになった」 - レックス
- 「・・・」
- フレイズ
- 「迷惑なのですよ
貴方は、あの人を危険の中に連れ出していってしまう
私は、それがどうしても許せない」 - レックス
- 「だから、力ずくで俺を、彼女から遠ざけるつもりなのか」
- フレイズ
- 「そのとおりです
貴方が、彼女との接触を絶つことを誓ってくださらない限りは・・・」 - レックス
- 「できないよ
君にも、俺にも そんなことを決める権利なんてないんだ
それは、彼女自身が決めることなんだ」 - フレイズ
- 「やはり、この場所を選んだのは正解でした」
- 霊界の住人
- 「オォォォォォ・・・」
- レックス
- 「(領域の住人たち・・・)」
- フレイズ
- 「我らの想いはひとつ ファリエルさまを守ることです
あえて、あの方の意に背いてでも!」 - (キンッ!)
- レックス
- 「く・・・っ!」
- フレイズ
- 「貴方なら、誰よりも守ることを願う貴方なら、わかるはずです・・・
あの方が、あえて危地に向かってその身を投げ出していることを!」 - レックス
- 「わかってるさ!
ファリエルは、いつもみんなのも前に立って災いを受け止めようとしている・・・」 - (キンッ!)
- レックス
- 「死なない体を理由に 彼女は、みんなの生命を守る盾になろうとしてるんだろう!?」
- フレイズ
- 「それを知っていながら なぜ、貴方は止めてはくれないのです・・・
魂だけの身であろうと 傷つけば、痛みや苦しみだって感じるのですよ?」 - レックス
- 「・・・っ」
- フレイズ
- 「止められない・・・ 護衛獣である私には止められないのですよ
だから、私は貴方に託したのに・・・ なのに・・・っ
貴方は、このままファリエルさまが消えても構わないと言うのですか!?」 - レックス
- 「違う・・・」
- (レックス抜剣覚醒)
- レックス
- 「そんなこと、俺は望んじゃいない!!」
- フレイズ
- 「・・・!?」
- レックス
- 「見殺しになんかしない 俺は、ファリエルも守ってみせる
ただ、俺は同時にあの子の意志も守りたいんだ
力ずくで、危険から引きはがすことだけが守るってことじゃないはずだろう!?」 - フレイズ
- 「口では、なんとでも言えるでしょう!」
- (キンッ!)
- レックス
- 「それでも、言葉にしなくちゃ、気持ちは伝わらないだろう!?」
- (ズドーーーン!!!)
- フレイズ
- 「ぐ、う・・・っ」
- レックス
- 「もう、やめるんだフレイズ・・・
これ以上、俺は君と争いたくない!」 - フレイズ
- 「貴方が望まなぬとも 私には、最後まで戦う理由がある・・・
敗北を認めるわけには・・・」 - ファリエル
- 「やめて、フレイズ!?」
- レックス
- 「ファリエル・・・」
- ファリエル
- 「どうして、こんな勝手なことをするの? 私は・・・」
- フレイズ
- 「貴方の意志で始めた戦いではありません!」
- ファリエル
- 「!」
- フレイズ
- 「これは私闘です・・・ 私の存在意義をかけた死闘なのです・・・」
- ファリエル
- 「フレイズ・・・」
- フレイズ
- 「護衛獣の使命は召喚した者を守ること
例え、貴方が拒んでも そのためなら、私は戦い続ける!
貴方の魂だけは失いたくない・・・っ 守りたいんです!」 - レックス
- 「違うよ、フレイズ
俺たちが戦っても戦わなくても どっちが勝っても負けても・・・
ファリエルの未来は彼女にしか、決めることができないんだ」 - フレイズ
- 「・・・っ」
- ファリエル
- 「ありがとう・・・ フレイズ・・・
貴方が心配してくれて 私、とてもうれしいよ 貴方のおかげで、私すごく幸せだったわ
だから、もういいの・・・
貴方が、憎まれ役にならなくてもいいの」 - フレイズ
- 「ファリエルさま・・・」
- ファリエル
- 「それにね、フレイズ 私、今は消えるつもりなんてないよ」
- フレイズ
- 「え・・・」
- ファリエル
- 「もっと別の未練ができちゃったから
貴方や、集落のみんな 色んな人たちと一緒にずっと、この島で暮らしていきたいの
だから、消えない もったいなくて消えたりできないよ?」 - フレイズ
- 「あ・・・」
- ファリエル
- 「ダメ、かな?」
- フレイズ
- 「いいえ・・・っ」
- レックス
- 「フレイズ・・・」
- フレイズ
- 「すまなかった レックス
もう、私は迷わない 彼女が望んだ道が貴方と共に行くことであるのなら・・・
私も、共に戦います 彼女の魂の輝きを守るために・・・
そして・・・ 今の戦いの中で貴方が見せてくれた偽りのない、輝きを信じて・・・」 - レックス
- 「ああ!」
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