【夜会話】ケイナ(トリスVer.)

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スターライト様

第1話 流砂の谷

ケイナ
「悪かったわね 私たちにつきあってこんな夜遅くまで」
トリス
「いいえ、構わないです
残ることに決めたのはあたしたちなんだし」
ケイナ
「でも本当、貴女たちが来てくれて助かったわ
連中をしょっぴくのも私とアイツだけじゃ絶対に無理だったもの
まったく、考えなしなんだから・・・」
トリス
「あの聞いていいですか?」
ケイナ
「何かしら?」
トリス
「ケイナさんは、ずっとフォルテさんと一緒に旅してるんですか?」
ケイナ
「ん・・・まあ、ね ちょっとワケありで一緒に旅をしているの
あんなお調子者だけど一応、私の恩人だし」
トリス
「恩人?」
ケイナ
「そ、恩人・・・ 助けられる相手までは選べないからね」
どんな理由で旅をはじめたんだろう?

第2話 聖女の横顔

ケイナ
「眠れないの?トリス」
トリス
「ええ・・・」
ケイナ
「気持ちは分かるけどすこしでも休んだほうがいいわ」
トリス
「でも、こうしていても奴らがいつ襲ってくるか、不安で・・・」
ケイナ
「あのね、トリス
これは、あそこで、グースカ寝てる人間が言っていたことの受け売りなんだけど
悪いことっていうのは心配すればするほど本当に起きやすくなるものなんだって
逆に居直っちゃえば意外とあっけなく過ぎていっちゃうの」
トリス
「そんなものなの?」
ケイナ
「そんなものよ
しっかりなさい?一番不安なのは、貴女じゃなくて、あの子よ
守ってあげなくちゃ そのためには、貴女がしっかりしないとね」
トリス
「ええ・・・!」
そうよね・・・しっかりしないと

第3話 再会と別れ

ケイナ
「なんか、自信なくしちゃいそ・・・」
トリス
「どうして?」
ケイナ
「私、弓の腕だったらそれなりに自信があったんだけど
あのゼルフィルドって機械兵士には、全然通じなかったからね
一緒に戦ったミモザさんの召喚術のほうがずっとすごかったし」
トリス
「比べることなんてないって
ケイナの弓のおかげであたしたち、何度も助けられたし、自信もっていいと思うよ」
ケイナ
「ありがとトリス
でもなあ、あの銃っていう武器の威力は弓とはケタ違いだったからなぁ
うーん・・・私にも使えるかしら?」
トリス
「さ、さあ・・・」
そうなれば頼もしいと思うけど個人的にはやめてほしいなぁ銃は・・・

第4話 小さな召喚師

ケイナ
「あ、トリス」
トリス
「ど、どうしたのよケイナっ!?顔色悪いよっ」
ケイナ
「だ、大丈夫よ・・・原因わかってるから
昼間のあれ・・・ケーキ・・・
どうも、私の胃にはあわなかったみたい 胸焼けしちゃって」
トリス
「(あらら・・・)」
ケイナ
「ははは、食べ慣れないものを食べたのは失敗だったわね・・・」
トリス
「我慢しないで、アメルに治してもらったら?
先輩たちに薬をもらうとか」
ケイナ
「ギブソンさんに勧められて食べた手前ね
そういうわけにはいかないでしょ?」
トリス
「あ・・・」
ケイナ
「それに、なんだか恥かしいじゃない?
日頃、ロクなもの食べてないみたいで 心配しないで
風にあたったら気分もすこしは良くなったし」
トリス
「無理はしちゃダメよ」
ケイナ
「ええ、ありがとう それと・・・」
トリス
「?」
ケイナ
「フォルテのヤツにはこのこと、内緒ね
お腹を抱えて笑うに決まってるから」
トリス
「ははは・・・」
なんか、その気持ち分かるような気がする

第5話 はかなき平穏

トリス
「そう言えば、あれからケイナはアメルに記憶のこと話したの?」
ケイナ
「ええ、ちょっと前に話はしてみたわよ」
トリス
「ってことは?」
ケイナ
「うん、残念だけどダメだった・・・」
トリス
「そっか・・・」
ケイナ
「アメルが言うにはね私の心の中には霧で閉ざされた部分があるらしくて
その霧をとりのぞくことができれば、記憶が戻るんじゃないのかってことらしいの」
トリス
「どうしたら、その霧をとりのぞけるのかな?」
ケイナ
「わからないわ
そもそも、どうしてそんな霧が生まれたのかさえ謎なんだもの
でもね、今はこのままでもいいかなって私は思ってるの
記憶を取り戻すよりも先に、あの黒騎士たちをなんとかしないとね」
トリス
「それはそうだけどでも・・・」
ケイナ
「心配しないでいいのよトリス
私は、別に悲観的になってなんかいないわ
むしろ、気長に構えていこうって思うの
アメルも、手伝うって言ってくれたし・・・
そのためにも、絶対にあの子のこと守ってあげなくちゃね?
さーて・・・がんばらないとっ!」
明るく振舞っているけど、やっぱりケイナ無理してるんだろうなあ・・・

第6話 彼女の決意

ケイナ
「んーっ、さすがに疲れちゃったわねえ」
トリス
「レルムの村から逃げてきた時も、こんな感じだったわね」
ケイナ
「あら、だけど今回は「逃げる」旅じゃないわよ?
アメルと私たちの意志で「向かう」旅なんだから大違いじゃないの」
トリス
「あははは ええ、そうよね大違いだわ」
ケイナ
「気の持ちようひとつで人生は楽しくも厳しくもなるぜ・・・か」
トリス
「それは?」
ケイナ
「んー? アイツが私と出会った頃にね 言ってた言葉よ
あの時は無責任だって思ってたけど、こうして思い出してみると
意外と重みがあったりするから、あなどれないものよねえ」
トリス
「気の持ちよう、か」
ケイナ
「厳しい状況が、変わるわけじゃないけどさ
どうせなら、この旅も楽しいって感じられるものにしたいわよね?」
トリス
「ええ、あたしもそれにはすごく賛成だわ」
逃避じゃなくて前向きな気持ちでいられるといいわね

第7話 波乱の港

ケイナ
「同じ夜なのに見る場所が変わるとずいぶんと違って感じられるものね
ほら、波の上で月の光が弾けてる」
トリス
「なんだか、見てると吸い込まれそうね」
ケイナ
「あのきらめきを見てるとね・・・
なんだか、私 心がざわめくの
ずっと前に、これとよく似たきらめきを見たような気がして」
トリス
「それって、なくした記憶の手がかりじゃないかしら?
ケイナがいたところが海の近くだとか・・・」
ケイナ
「そこまではわからないわ
それに、あの海のものとは違う気がするの
私が倒れていたのは山奥だったそうだし」
トリス
「そっか・・・」
ケイナ
「でもね、たしかに私はこれとよく似たきらめきの中にいた気がするのよ
それだけは、たしかだと思うの・・・」
それがなんだかわかれば 手がかりになるんだけどなあ

第8話 屍人の砦

トリス
「ねえ、ケイナ ひとつ聞きたいんだけど?」
ケイナ
「なあに?」
トリス
「その・・・
フォルテにさ 着替えとか、のぞかれたことってあるの?」
ケイナ
「な・・・っ!?」
(バシッ)
トリス
「いたっ!?
あたた・・・な、殴んなくたっていいのにぃ・・・」
ケイナ
「殴られるようなこと言うからよ! まったく・・・
私以外の女の子しかのぞかないから余計に腹が立つっていうのに・・・」
トリス
「え?」
ケイナ
「なんでもないっ!!」
結局、答えは謎のまま いたたっ・・・ 殴られ損よ・・・

第9話 まだ見ぬ故郷

トリス
「さっきは驚いちゃった いきなり、平手打ちなんてするから」
ケイナ
「あの時は、あれしかあの子を正気に返す方法が思いつかなかったのよ
ほほ、赤くはれてたわ かわいそうなことしちゃったかも」
トリス
「しかたないと思うな
あたしたちなんか気が動転してなんにもできなかったし」
ケイナ
「人の心ってさ・・・
欠落ができた途端にすごく弱くなっちゃうものなのよね
欠けた部分から冷たい不安が染みこんできて
自分で自分がどうでもよくなっちゃうの
そんな時はね 思い切って破裂させたほうがいいの
あの子は優しすぎてそれができなかった だから、ね・・・」
トリス
「なんか、損な役回りさせちゃったわね ごめん・・・」
ケイナ
「いいのよ、そんな
きっとそれが、あの時の私の役目だったの
経験者にしかできない役目だったのよ」
経験者って・・・ ケイナにもあんな時があったってことなのかしら・・・

第10話 封印の森にて

ケイナ
「どうして、私にも結界の共鳴が聞こえたのかしらねえ?」
トリス
「うん、ごくまれにって話なんだけど
先天的に魔力に対して敏感な体質の人も存在するんだって
ただ、大抵そういう人っていうのは、
耐性がついてないから頭痛とかの後遺症が残るはず・・・
なんだけど・・・?」
ケイナ
「全然、平気だけど?」
トリス
「むー・・・」
ケイナ
「まあ、別にいいわ
後遺症なんて物騒なもの無いに越したことないし
なんか、得した気分がしちゃうわねー うんうんっ♪」
むうー・・・ それで済ませていいことなのかしら?

第11話 処刑台の騎士

トリス
「どう、ケイナ すこしはカイナさんと話ができた?」
ケイナ
「それなんだけどね
正直なところ・・・自分もまだ状況についていけてないのよ
だって、いきなり「ねえさまっ」なんて呼んでもらっても覚えていないんだもの
どう接したらいいのかわかんないわ」
トリス
「そっか・・・たしかにそうだよね」
ケイナ
「あの子が私のことを本当に慕ってくれるのがわかっちゃうから余計につらいのよね
思い出してあげられない自分が、なんだか悪いことしてるみたいな気がして
自己嫌悪・・・」
トリス
「あんまり、慌てないほうがいいのかもしれないわよ
無理して妹だって思うより、まずは仲間として、接してみたらどう?」
ケイナ
「仲間として、か・・・」
トリス
「うん、それだけでもきっと、カイナさんは喜ぶと思うの」
ケイナ
「うん・・・とりあえず、そこから始めてみるわ」
うち解けていけばきっと、自然に記憶も戻るんじゃないかな?

第12話 絶望の先へと

ケイナ
「いくら考えてもわからないわね・・・
シャムロックさんはどうして、アイツを「様」なんて呼んだりしたのかしら?」
トリス
「心当たりはないの?」
ケイナ
「心当たりもなにも私は、アイツの経歴ほとんど知らないのよ」
トリス
「ええ~っ!?」
ケイナ
「なによ・・・その信じられないって顔は?」
トリス
「だって、今までずっと一緒に旅をしてきたのにそれって・・・」
ケイナ
「そりゃ、何度も聞いてみたことはあるわよ?
でも、そのたびにうまいことはぐらかされちゃって
あなただって知ってるでしょ? ほら、スルゼン砦に向かう途中で・・・」
トリス
「そういえば・・・ネスの指摘を、うまくごまかしてたっけ」
ケイナ
「私が知ってるのは あいつが父親とケンカして、家を飛び出して
それからずっと、放浪してるってことだけ
そう考えると、私たちの信頼関係って意外と薄っぺらなのかもしれないわねぇ・・・」
トリス
「そうかなあ・・・」
逆に、そういう説明が必要ないくらいに信頼しあっているとはいえないかなあ?

第13話 祭りの夜

ケイナ
「いいわよ? こうなったら、私も遊んじゃうんだから!」
トリス
「え?」
ケイナ
「フォルテのやつ さんざん、祭りなら任せとけって言ってたくせに
気づいたら、一人でとっくに出かけてるんだもの
ほんと、勝手なやつ!」
トリス
「あははは・・・」
ケイナ
「でも、いいわ あなたが誘ってくれたから
このまま腹を立ててるのも、バカらしいしね」
トリス
「あのね、ケイナ?」
ケイナ
「んー、なぁに?」
トリス
「さっきから、目につく屋台の食べ物、全部食べてるけど・・・」
ケイナ
「ヤケ食いなんかじゃないわよ? 言っとくけど!」
トリス
「いや、お腹とか平気かなあって」
ケイナ
「ああ、それは平気よ こう見えても私だって冒険者だもの
結構、悲惨な食生活でも耐えられるくらい胃腸は丈夫なのよ 心配しないで」
トリス
「いや、そうじゃなくて
食べて消化したら蓄積されるよね? お肉になって・・・」
ケイナ
「・・・!!」
トリス
「(と言っても、すでに後の祭りかも)」
ケイナ
「あは、ははは・・・」
ケイナ
「あ、花火!」
トリス
「そろそろ、祭りも終わりってことね」
ケイナ
「花火もね、結構私のお気に入りなんだ
ぱっと弾けた火の粉がきらきら舞いながら落ちていくのを見てるとねえ・・・
やっぱり、不思議な気持ちになるのよ」
トリス
「シルターンにも花火はあるって話だから
忘れてる記憶が騒ぐのかも知れないね きっと・・・」
ケイナ
「うん、そうかも・・・」
トリス
「ねえ、ケイナ」
ケイナ
「ん・・・?」
トリス
「カイナとは、やっぱり相変わらずなの?」
ケイナ
「そうね・・・やっぱりまだ、戸惑いが残ってるかな
でもね・・・妹だとは思えないけど私は、カイナちゃんが好きよ。これは本当」
トリス
「素直でいい子だもん 本当に・・・」
ケイナ
「うん・・・」
トリス
「そろそろ戻りましょう あんまり遅くなると心配かけちゃうし」
ケイナ
「そうね・・・戻ったら、とっちめておかなくちゃならない相手もいるし!」
トリス
「あははは・・・ほどほどにね?」

第14話 確かな想い

ケイナ
「アグラ爺さんが結界をどうやって越えたのかだけど・・・
招かれたって考えることはできないかしら」
トリス
「招かれた?」
ケイナ
「ほら、私たちがあの森に入った時、アメルの力に反応して、結界が壊れたでしょう?
ひょっとすると アメルにはあの結界を操る力があるんじゃないのかしら・・・」
トリス
「あ・・・!」
ケイナ
「そう考えるとね イオスが街道で彼女を「鍵」って呼んだのも納得できるのよ
私たちはずっと アメルそのものが敵の狙いだと思っていたけれど・・・」
トリス
「デグレアの本当の目的は、あの森の中に入ること!?」
ケイナ
「ただのあてずっぽうよ 根拠がないわ
そもそもルウの話じゃ森の中は、悪魔たちでいっぱいなんでしょう
そんな所に入ったってなんの得にもならないじゃない?」
トリス
「あ、そっか・・・」
ケイナ
「まあ、そのあたりになんらかの秘密があるのかもしれないけど
推測だったら、いくらでもできるしね」
結局、知らないことがまだ多すぎるってことなのね・・・

第16話 縛鎖を断つもの

ケイナ
「やれやれ、これで私もひと安心ってところね」
トリス
「心配させちゃって本当にごめんなさい」
ケイナ
「ああ、そんなこと気にしなくていいのよ
貴女たちとのつきあいも、これだけ長くなってるんだもの
もう、ほとんど家族も同然じゃない?」
トリス
「それってケイナがお母さんで フォルテがお父さ・・・」
(バシッ)
トリス
「・・・いたぁ!?」
ケイナ
「私がお姉さんで 貴女たちが弟と妹よ
くれぐれも間違えないように・・・ね?」
トリス
「はぁい・・・」
照れ隠しに殴るのは勘弁してほしかったわ あうう・・・

第17話 影は歌う

ケイナ
「なんか、ああいうの見ちゃうと、やっぱりこわくなるわね・・・
他人が自分のことをどんな風に見てるのかってことがね」
トリス
「そうね・・・」
ケイナ
「私ね、ときどき思うの
いくら言葉をつくしてもらっても、受け取る本人が、自分のことを信じていなくちゃ
結局、意味なんかなくなっちゃうのかもしれないなあ、ってね」
トリス
「うん、そうかも・・・」
ケイナ
「逆に、どんな目で見られてても、自分をしっかり持っていれば
気にすることなんて なにもないのかもしれないってことかな
なぁーんてね? これが、なかなか難しいんだけど・・・
あなたやアメルには、ちゃんとわかってるみたいね?」
トリス
「え・・・?」
ケイナ、あたしたちのこと心配してくれて・・・?

第18話 誰がための剣

ケイナ
「もともと、私が記憶を取り戻そうって考えていたのってね
自分が何者なのかわからないってことがこわかったからなの」
トリス
「うん、そうよね きっと、あたしも同じこと考えると思うわ」
ケイナ
「それからしばらくして 記憶がないまま、月日を重ねていくうちにね
思い出せないことへの恐怖とは逆に、今度は思い出すことがこわくなってきたのよ
記憶が戻った瞬間に 今の自分が、失われてしまうんじゃないか ってね・・・」
トリス
「・・・・・・」
ケイナ
「でも、カイナちゃんと一緒に過ごすようになって、すこし考えが変わってきたの」
トリス
「え?」
ケイナ
「私が覚えていない過去の私は、あの子の中にちゃんとあった
私が何者なのかって問題は、それでもう充分に解決してるじゃない?」
トリス
「あ・・・!」
ケイナ
「それに、あの子は変わってしまった私をねえさまって呼んでくれてる・・・
昔の私だけじゃなく 今の私も、好きだって言ってくれるの
それに気がついたらね なんか、こだわりがなくなっちゃった?」
トリス
「ケイナ・・・」
ケイナ
「無理に過去を取り戻さなくったって、今の私はカイナを妹だって思うことができるもの
大将はね、ただそれを私に気づかせてくれただけ・・・ 身勝手だと思う?」
トリス
「ううん・・・そんなことないわ!」
それもちゃんとした答えじゃないかしら ケイナ・・・

第19話 デグレアの闇

ケイナ
「どうも、引っかかるわねえ・・・」
トリス
「なにが、ケイナ?」
ケイナ
「今回のデグレアといい以前のトライドラの時といい・・・
鬼神使いたちがその気になれば、街なんて簡単に攻め落とせるってひとじゃない?
なのに、ファナンに限っては、どうしてそれをしないのかしら」
トリス
「(言われてみればたしかに・・・)」
ケイナ
「街の内側から侵略していく連中のやり方は
ファナンのように召喚術で守りを固めている街にこそ、有効だと思うのよ
なのに、わざわざ大軍で力任せに攻めていこうとするなんて
まるで、わざと被害を大きくしてるようなものじゃない?」
トリス
「そういえば! キュラーが言ってたわ
これからの戦いは長引いたほうが都合がいいんだって・・・」
ケイナ
「都合がいいって・・・どうしてそんな結論が出てくるのよ!?」
トリス
「それはわからないよ だけど、たしかにそう言ってあいつらは笑ってた・・・」
被害を大きくして、あいつらにいったいなんの得があるっていうのかしら?

第20話 知の略奪者

ケイナ
「え?」
トリス
「だからね・・・前から、ずっと気になってたのよ ケイナとフォルテはその・・・
お互いのこと、どう思ってるのかって」
ケイナ
「どうって・・・アイツと私は、ほらずっと旅をしてきた仲間で・・・
・・・・・・
アイツの気持ちはわかんないけど・・・私は・・・アイツのこと、好きよ」
トリス
「・・・!」
ケイナ
「この世界のことも自分のことも なにもかもわからずそれがこわくて・・・
死にたいと泣いていた私を、アイツは何度も叱ってくれた・・・
今の私になれるように強くしてくれたの
そんな、アイツの優しいところが、私は好き・・・」
トリス
「・・・・・・ やっと、素直に言ってくれたね?
もぉ・・・はっきりしてくれないから、見ていてずっと心配してたのよ?」
ケイナ
「ごめんね・・・」
トリス
「ううん、いいの あたしのほうこそつらいことまで言わせちゃって、ゴメン
応援してるからね あたし!」
ケイナ
「トリス・・・うん・・・ありがとう・・・」
あの二人だったらすごくお似合いだよね・・・うん♪

第21話 メルギトスの嘲笑

ケイナ
「どうやらその様子だと また悩んでるようね?」
トリス
「ケイナ・・・」
ケイナ
「貴女のことだから多分、デグレアを救えなかったのは
自分の力が足りないせいだったって思ってるんでしょう?」
トリス
「・・・・・・」
ケイナ
「だとしたら、それは思い上がりよ」
トリス
「!」
ケイナ
「人間の気持ちなんてね 本人でさえもてあますものじゃない?
それを、他人がどうこうしようってことが、無理なのよ」
トリス
「でも・・・!」
ケイナ
「私たちにできることはせいぜい、お手伝いをしてあげることだけ
貴女は、彼らの間違いを気づかせるためにできるだけの努力を惜しまなかった
そうでしょう?」
トリス
「うん・・・」
ケイナ
「だったら、貴女が自分を責める必要はないわ
私が保証してあげる 貴女は、最後までがんばったんだって」
なんだか、ケイナ 本当に私のおねえさんみたいだった・・・

第22話 真なる罪人(好感度・通常)

ケイナ
「トリス もしも、貴女が戦う理由が・・・
過去のことを責任に感じてのことだったら そんなの、考えなくていいんだからね!?」
トリス
「ケイナ・・・泣いてるの・・・?」
ケイナ
「私、心配なのよ!?貴女が、みんなの犠牲になろうとしてるんじゃないかって!
だって、貴女は・・・自分のことより、人のことばかり考えちゃう子だから・・・っ」
トリス
「そんなことないわよ?」
ケイナ
「え?」
トリス
「あたしはね、ケイナ 自分のために戦うの
祖先の罪とか、派閥の一員としての立場とか そうした義務感で戦うわけじゃないの・・・
自分でそうしたいと思うから、戦うのよ」
ケイナ
「・・・・・・」
トリス
「ちゃんとした答えになってないかしら?」
ケイナ
「ううん・・・っ
今の言葉だけで・・・安心したよ・・・
よかった・・・」
トリス
「ケイナ・・・」

第22話 真なる罪人(好感度・大)

ケイナ
「トリス もしも、貴女が戦う理由が・・・
過去のことを責任に感じてのことだったら
そんなの、考えなくていいんだからね!?」
トリス
「ケイナ・・・泣いてるの・・・?」
ケイナ
「私、心配なのよ!? 貴女が、みんなの犠牲になろうとしてるんじゃないかって!
だって、貴女は・・・自分のことより、人のことばかり考えちゃう子だから・・・っ」
トリス
「そんなことないわよ?」
ケイナ
「え?」
トリス
「あたしはね、ケイナ 自分のために戦うの
先祖の罪とか、派閥の一員としての立場とか
そうした義務感で戦うわけじゃないの・・・
自分でそうしたいと思うから、戦うのよ」
ケイナ
「・・・・・・」
トリス
「ちゃんとした答えになってないかしら?」
ケイナ
「ううん・・・っ 今の言葉だけで・・・安心したよ・・・
よかった・・・」
トリス
「ケイナ・・・」
ケイナ
「トリス 貴女、きっと幸せらなれる・・・
こんなに、優しくて強い女の子なんだもの 絶対、幸せになれるわ」
トリス
「ありがとう、ケイナ ううん・・・お姉ちゃん・・・」
ケイナ
「いつだって、私は 貴女の味方だからね?」
トリス
「うん・・・」

エンディング(好感度・通常/大 共通)(大樹 アメルVer.)

戦いは終わった・・・
源罪の嵐によってリィンバウムに混乱と破壊をもたらそうとしたメルギトスの最後の企みは
彼女の命がけの行動によって完全に潰えたのだ・・・
禁忌の森に隠されていた忌まわしき召喚兵器たちは永遠に抹消されて
そこには、今・・・一本の巨木がそびえている
聖なる大樹
人々が、その樹のことをそう呼ぶようになってから
二度めの季節が・・・巡ろうとしていた・・・
~聖地の森~
ケイナ
「・・・トリス?
元気ないじゃない さっきから見てたけど ため息ばっかり・・・」
トリス
「あれ、ケイナ・・・どうしてこんなとこにいるの?」
ケイナ
「近くまで来たから貴女たちの様子を見にきたんだけど・・・
その様子だと、まだひきずってるみたいね
アメルのこと・・・」
トリス
「うん・・・」
ケイナ
「忘れろなんて無理は言わないけどね
あんまり、思いつめてばかりいるのは、絶対よくないわよ
あの子だって そんな情けない貴女の顔を見たら、悲しむと思うし・・・」
トリス
「・・・・・・」
ケイナ
「ねえ、ちょっとだけ散歩にいかない?
私も、まだ彼女に挨拶していないし」
トリス
「ええ、そうね・・・」
ケイナ
「ふう・・・っ いつ来ても、ここの空気はおいしいわ
やっぱり、この樹が周りの汚れたものを吸い取って
キレイにしてくれてるおかげかしらね」
トリス
「ええ、きっとそうだと思う
あの日からずっとこの樹は、こうやってあたしたちの世界を守ってくれてる」
ケイナ
「聖なる大樹、か
早いものよね・・・
アメルが、この樹に生まれ変わってから
もう、季節もふた巡りになるのよね」
トリス
「そうね・・・」
ケイナ
「貴女たちが、この森に残って、この樹の護人になるって言い出した時は、大騒ぎだった
フォルテのヤツなんか力ずくで、貴女のこと連れ出そうとしたけど
でも、貴女たちはけっきょく、ここで暮らしはじめた」
トリス
「ええ、あたしあの時、たしかに聞いた気がしたの
帰ってきます、ってそう言ってくれたアメルの声を・・・
それに、ネスだって言ってくれたわ
アメルは生きている この木の中で眠っているだけだって・・・」
ケイナ
「でも・・・いつまで、待っているつもりなの?
待っている間にも貴女の時間は、過ぎていってしまうのよ!」
トリス
「ケイナ・・・」
ケイナ
「ごめんね・・・ただ、私は心配なのよ
貴女たちが、このまま待ち続ける日々の中に埋もれていってしまいそうで・・・
心配、なの・・・っ」
トリス
「ありがと、ケイナ
わかってはいるのよ
本当はこんなこといつまでもしてちゃいけないって・・・
でも、もうすこしだけ待っていたいの あたしは・・・」
ケイナ
「うん・・・っ」
アメル、聞こえる?
貴女の愛したこの世界は今もこうして息づいてる
相変わらず、あたしたちは不器用な生き方しかできないみたいだけど・・・
でも、あなたは言ったよね
人間は自分自身の力だけで変われるんだって・・・
そんな人間のことが愛しいって・・・
だから、あたしも信じるわ
いつかきっと・・・誰も悲しまずにすむ未来がこの世界におとずれるって
だから・・・ずっと、ずっとこの場所から、あたしたちを見守っていてね
ねえ アメル・・・
トリス
「約束するわ、ケイナ あたしは、いつまでも今のままじゃいない
アメルが守ってくれた未来に続く時を・・・絶対に、無駄にしたりしないから」
ケイナ
「約束よ・・・」
トリス
「ええ
そろそろ、戻ろっか レシィも心配してるだろうし
ネスも、もうすぐ買い出しから帰ってくるから・・・」
ケイナ
「トリスっ!」
トリス
「ん?」
ケイナ
「忘れないでいてね 私も、アイツも・・・
いつだって、貴女の味方だってこと!」
いつだって 私は貴女たち三人のお姉さんでいるつもりなんだからねっ!

エンディング(好感度・通常/大 共通)(大樹 ネスティVer.)

戦いは終わった・・・
源罪の嵐によって、リィンバウムに混乱と破壊をもたらそうとしたメルギトスの最後の企みは
彼の命がけの行動によって完全に潰えたのだ・・・
禁忌の森に隠されていた忌まわしき召喚兵器たちは永遠に抹消されて
そこには、今・・・一本の巨木がそびえている。
聖なる大樹
人々が、その樹のことをそう呼ぶようになってから
二度めの季節が・・・巡ろうとしていた・・・
~聖地の森~
ケイナ
「トリス? 元気ないじゃない さっきから見てたけどため息ばっかり・・・」
トリス
「あれ、ケイナ・・・ どうしてこんなところにいるの?」
ケイナ
「近くまで来たから 貴女たちの様子を見にきたんだけど・・・
その様子だと、まだひきずってるみたいね
ネスティのこと・・・」
トリス
「うん・・・」
ケイナ
「忘れろなんて無理は言わないけどね
あんまり、思いつめてばかりいるのは、絶対よくないわよ
あの子だって そんな情けない貴女の顔を見たら、悲しむと思うし・・・」
トリス
「・・・・・・」
ケイナ
「ねえ、ちょっとだけ散歩にいかない?
私も、まだ彼に挨拶してないし」
トリス
「ええ、そうね・・・」
ケイナ
「ふう・・・っ いつ来ても、ここの空気はおいしいわ
やっぱり、この樹が周りの汚れたものを吸い取って
キレイにしてくれてるおかげかしらね」
トリス
「ええ、きっと そうだと思う
あの日からずっと この樹は、こうやってあたしたちの世界を守ってくれてる」
ケイナ
「聖なる大樹、か
早いものよね・・・
ネスティが、この樹に生まれ変わってから
もう、季節もふた巡りになるのよね」
トリス
「そうね・・・」
ケイナ
「貴女たちが、この森に残って、
この樹の護人になるって言い出した時は、大騒ぎだった
フォルテのヤツなんか力づくで、貴女のこと連れ出そうとしたけど
でも、貴女たちは けっきょく、ここで、暮らしはじめた」
トリス
「ええ、あたし あの時、たしかに聞いた気がしたの
帰ってくるよ、って そう言ってくれたネスの声を
それに、アメルだって言ってくれたわ
ネスは生きている この木の中で眠っているだけだって・・・」
ケイナ
「でも・・・ いつまで、待っているつもりなの?
待っている間にも 貴女の時間は、過ぎていってしまうのよ!」
トリス
「ケイナ・・・」
ケイナ
「ごめんね・・・ ただ、私は心配なのよ
貴女たちが、このまま待ち続ける日々の中に埋もれていってしまいそうで・・・
心配、なの・・・っ」
トリス
「ありがと、ケイナ わかってはいるのよ
本当はこんなこと いつまでもしてちゃいけないって・・・
でも、もうすこしだけ待っていたいの あたしは・・・」
ケイナ
「うん・・・っ」
ネス、聞こえる?
あなたのおかげで、あたしたちはこうして生きているわ・・・
ネスが言っていたとおり、人間は、やっぱり嘘つきで自分勝手だけど・・・
でも、昨日とは違う、よりよい明日をめざして生きようとしている
だから、あたしも信じていいよね
いつかきっと・・・誰も悲しまずにすむ未来が、この世界におとずれるって
だから・・・ずっと、ずっと、この場所から、あたしたちを見守っていてくれるよね?
トリス
「約束するわ、ケイナ あたしは、いつまでも今のままじゃいない
ネスが守ってくれた 未来に続く時を・・・ 絶対に無駄にしたりしないから」
ケイナ
「約束よ・・・」
トリス
「ええ そろそろ戻ろっか レオルドも心配してるだろうし
アメルも、もうすぐ買い出しから帰ってくるから・・・」
ケイナ
「トリスっ!」
トリス
「ん?」
ケイナ
「忘れないでいてね 私も、アイツも・・・
いつだって、貴女の味方だってこと!」
いつだって 私は貴女たち三人のお姉さんでいるつもりなんだからねっ!
ケイナ “姉の威厳”

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