【夜会話】シオン(マグナVer.)

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不断様

第16話 縛鎖を断つもの

シオン
「ほう・・・」
マグナ
「どうかしたんですか?」
シオン
「ずいぶんと、いい顔になりましたね・・・ マグナさん」
マグナ
「そ、そうですか?」
シオン
「ええ、さっきまでとは別人のようですよ
瞳にあった迷いがすっかり消えています」
マグナ
「うん・・・ まだ、少しだけ不安はあるけどね」
シオン
「それでいいんですよ」
マグナ
「え?」
シオン
「すこし迷っているくらいが、人間にはちょうどいいんです
完全にそれが消えてしまったら、それはもう人とは言えません」
マグナ
「・・・!」
シオン
「ですから、安心して迷えばいいんです
そうすることで もっともっと、貴方の心は強くなるはずです
私が、保証しますよ」
迷いがなくなったらそれは人じゃない、か 確かにそうかもしれないな・・・

第17話 影は歌う

マグナ
「結局、俺の不注意でみんなに迷惑をかけていたってことなのか」
シオン
「耳が痛いですねえ それは・・・
私もある意味 貴方たちをずっとだまし続けていたわけですからね」
マグナ
「そんな!? シオンの大将は別だよ」
シオン
「いいえ、同じですよ
たまたま今回は私が貴方の味方をしてあの人が敵に回っただけのこと・・・
まったく、逆の結果になっていた可能性もあったのですから」
マグナ
「・・・・・・」
シオン
「あえて、私とあの人の間に違いがあるとすれば、それは・・・
過程と目的のどちらを重んじているかという一点だけでしょう」
マグナ
「過程と目的・・・?」
シオン
「シノビは目的達成を至上のものとします その過程に、こだわりは持ち込みません
ですが、あの人は明らかに過程そのものを楽しんでいました
それは強みでもあり同時に、弱みにもなりえるものです
あの人に勝つためにはそれが重要な鍵となるでしょう
もっとも・・・
それすらも、擬態だという可能性は消せないのですがね・・・?」
まずは、それを見極めなくちゃダメだってことか・・・

第18話 誰がための剣

シオン
「黒騎士の持つ信念が間違っているとは 私は思いません
命令に忠実であること 騎士にしろ、シノビにしろ、これは守るべき大前提ですからね」
マグナ
「それは、たしかにそうなんだろうけど でも・・・・
理不尽な命令に従って動くなんて、やっぱりおかしいよ!?」
シオン
「誰かに仕えることを選んだ時点で、それは覚悟しておかねばならぬことなのです
それが納得できぬなら 最初からそういう立場に身をおかなければいいだけのこと」
マグナ
「そんな・・・」
シオン
「厳しいようですが 組織に属すると言うことは、それだけ大変なことなのです
それに、これは 組織だけに限ったことではありませんよ?
生きるということは様々な理不尽と向かいあっていくということ
その全てに反発だけしていては、とうてい生きてはいけません」
マグナ
「俺には・・・納得できないよ・・・」
シオン
「当然でしょうね 私のこの言葉もまた 貴方が向かい合う理不尽のひとつです
それを受け入れるか しりぞけるか、全ては貴方自身が決めるべきことなのですから」
マグナ
「シオンさん・・・」
シオン
「自分なりの価値観を作り上げていくこと
それが、大人になるということなのかもしれませんね・・・」
俺だけの・・・価値観、か・・・

第19話 デグレアの闇

マグナ
「今回は、本当に大将に迷惑かけっぱなしだったよな・・・
一人のほうが、もっと楽に潜入できていたんでしょう?」
シオン
「否定はしませんよ
ですが、貴方はあの時 はっきりと覚悟をしていましたから
責任を感じていたんでしょう?
調律者の一族として 召喚兵器を求めて戦争をしている、デグレアのことに・・・」
マグナ
「ちぇ・・・お見通しか・・・ やっぱり、大将にはかなわないや」
シオン
「ふふふ、伊達に貴方より長い月日を生きてはいませんからね
ですが、あまりなにもかも背負っていては、ダメですよ?
人には、それぞれに分というものがあります
それをわきまえずにいては、せっかくの勇気も無謀にしかなりません」
マグナ
「そうだね・・・」
シオン
「今回のことで貴方はそれを学んだはずです 同じ間違いは、もう してはいけませんよ」
もしかして、それを教えるために大将は俺を連れてったのかもしれないな・・・?

第20話 知の略奪者

シオン
「血識、ですか?」
マグナ
「うん・・・あの悪魔たちはそう言っていたよ
俺たちの身体に流れる血には、俺たちの記憶や経験したことが全部溶けてるんだって
それを飲むことで あいつらは召喚術を使えるようになったんだってさ・・・」
シオン
「ふむ・・・
どんな味がするんでしょうかね?」
マグナ
「・・・ぶっ!?」
シオン
「ほら、むせないでください?」
マグナ
「だ、だって・・・!」
シオン
「冗談に決まっているじゃないですか」
マグナ
「大将が言うと、本気に聞こえるんだよぉ」
シオン
「失敬な・・・
・・・ふふっ」
マグナ
「どうしたの?」
シオン
「いえ、ね 今の貴方とのやりとりと、よく似たことを
弟子としていたことを思い出しまして・・・」
マグナ
「大将の弟子って・・・ソバ職人?」
シオン
「違いますよ あちらでは、私は薬屋の店長ですから
本人は「可愛い店員さん」と名乗っていました」
マグナ
「(薬屋ねぇ・・・?)
あ、でも「可愛い」なんて言うからには お弟子さんは、女の子だよな・・・
女の子のシノビ!?」
シオン
「クノイチと言うんです もっとも・・・
まだまだ、至らない未熟者ですがね
今頃、なにをしてることやら・・・」
大将は、その子のこと すごく大切に思ってるみたいだな・・・

第21話 メルギトスの嘲笑

マグナ
「俺、後悔してます
もしも、あの時戦わずに、きちんとルヴァイドと話をすることができていたら
こんなことにはならなかったかもしれないのに!?」
シオン
「・・・・・・
マグナさん 「もし」という言葉はなんの意味もないものなんですよ
過去に起きた事柄は絶対に覆せない それが、現実です」
マグナ
「でも・・・!」
シオン
「それを可能にするのはたったひとつだけ
過去を越えるだけの未来を、作ってゆくということだけです」
マグナ
「過去を・・・越える未来・・・」
シオン
「生きている私たちにはそれができるはずです そして、それこそが
去っていった者への なによりのたむけではないですかね
私は、そう思いますよ」
マグナ
「・・・・・・」
越えていかなくちゃいけないんだ・・・ だって、俺たちはまだ生きてるんだから

第22話 真なる罪人(好感度・大)

シオン
「貴方にとって、今日知らされたことは許し難いものだったでしょうに・・・
よく、我慢をなさいましたね?」
マグナ
「別に俺、我慢なんかしてないって
たださ、憎まれるのをわかってて、それでも真実を教えようとした
総帥の気持ちを考えたら、なんだかかわいそうで・・・
この人も、俺と同じで過去に苦しめられてきたんだなって思って
それだけのことだよ」
シオン
「マグナさん
私は、あの時 貴方がメルギトスの誘惑に屈するようなら
その場で、切り捨てる覚悟でした・・・」
マグナ
「!?」
シオン
「貴方は、貴方自身が思っている以上に
この戦いの行方を左右するだけの存在になっているのです
だからこそ メルギトスも、貴方を味方に引きこもうとしたのでしょう」
マグナ
「・・・・・・」
シオン
「ですが、どうやら 取り越し苦労だったようですね
強くなりましたよ 貴方は・・・
私が思っていたよりもずっと、強い心を手に入れられた」
マグナ
「大将・・・」
シオン
「今の貴方ならば 私は、安心して命を預けられますよ
これまでの私は かつての仲間の願いによって、貴方に力を貸して参りました
しかし、シノビは本来たった一人の主君に仕えるべきもの・・・
命を賭けるだけの価値があると、己が認めた人間にのみ、従って生きるものなのです
マグナ 貴方は、私の主君になれますか?」
マグナ
「え・・・」
シオン
「貴方がそれを望まれるのならば、私は貴方にお仕えしたい」
マグナ
「で、でも・・・っ シオンの大将はサイジェントに仲間がいるんじゃ!?」
シオン
「私がおらずとも 彼らなら、大丈夫です
それに、彼らにはアカネがついています 不肖の弟子ではありますが・・・
あの子が自分で選んだ主君たちなのです 私の出る幕など、ないほうがよいでしょう」
マグナ
「・・・・・・」
シオン
「マグナさま ご返答は、いかに?」
マグナ
「俺、シオンさんが認めてくれてるほど 自分に自信はないけど でも・・・
貴方がそうすることを望んでくれるのなら シオンさんの力を貸して欲しいよ」
シオン
「ならば、私はこれより貴方に仕えるシノビとなりましょう
よろしくお願いします 我が主君よ・・・」

エンディング(好感度・大)

戦いは終わった・・・
源罪の嵐によって、リィンバウムに混乱と破壊をもたらそうとしたメルギトスの最後の企みは
彼の命がけの行動によって完全に潰えたのだ・・・
禁忌の森に隠されていた忌まわしき召喚兵器たちは永遠に抹消されて
そこには、今・・・一本の巨木がそびえている
聖なる大樹
人々が、その樹のことをそう呼ぶようになってから
二度めの季節が・・・巡ろうとしていた・・・
~聖地の森~
シオン
「・・・マグナ?
ただいま戻りました マグナさん」
マグナ
「シオンさん・・・
お疲れさま さっそくで悪いけどさ 話のほう、聞かせてくれるかな」
シオン
「わかりました では、外に出てお話をしましょうか
彼にも、一緒に聞いてもらいたいですからね」
マグナ
「うん、そうだね」
シオン
「早いものですね・・・
あれから、もう 季節がふたつも巡ってしまったなんて」
マグナ
「どうだった? サイジェントの街にも顔を出したんでしょ?」
シオン
「ええ、移動の途中にすこしだけ寄らせていただきました」
マグナ
「みんな、相変わらずだったかい?」
シオン
「それはもう・・・
凝りもせずに さぼっていた弟子にも たっぷりとお仕置きをしてきましたよ
まったく、いつまでも手のかかることです」
マグナ
「あははは・・・」
シオン
「あちらの面々の他にも 色々な方たちにお会いしましたよ
ギブソンさんやミモザさん、蒼や金の派閥のみなさん・・・
みんな、貴方のことを心配していましたよ
一生、この場所で過ごすつもりなのかと」
マグナ
「・・・・・・」
シオン
「そろそろ、顔を見せてあげてもいいのではないですか?」
マグナ
「うん、わかってるんだ 本当はこんなこと いつまでもしてちゃいけないって・・・
アメルみたいに俺も、前向きになって生きないとさ
ネスにさ・・・叱られるもんな」
シオン
「彼女は今、村の復興のために、がんばっているそうですよ
ロッカさんやリューグさんたちと一緒になってね」
マグナ
「そうか・・・」
シオン
「貴方がただ、感傷に浸っているわけでないことはわかっています
貴方なりのやり方で 彼から受け継いだこの世界を守ろうとしていることも
私はただ そんな貴方が一日でも早く
自分の幸せを見つけることができるようになればいいと、心から願っているのです」
マグナ
「シオンさん・・・」
聞こえるかい、ネス
君のおかげで、俺たちはこうして生きているよ・・・
ネスが言っていたとおり 人間は、やっぱり嘘つきで自分勝手だけど・・・
でも、昨日とは違う よりよい明日をめざして生きてるんだ
だから、俺は信じるよ
いつかきっと・・・誰も悲しまずにすむ未来が この世界におとずれるって
だから・・・ずっと、ずっと この場所から、俺たちを見守っていてくれるかい?
なあ ネス・・・
シオン
「では・・・ご報告をさせていただきましょうか」
マグナ
「うん」
シオン
「貴方が懸念したように 散り散りになった悪魔たちは
やはり、帝国領に潜伏しているようです それらしき騒ぎを聞きつけました」
マグナ
「見過ごすわけにはいかないな・・・
急ごう、シオンさん
一人でも多くの人の大切なものを守ること
それが、ネスのしてくれたことへの・・・
俺なりの答えだから!」
シオン
「そして・・・ 私は、そんな貴方と共にゆく道を選んだシノビです・・・」
行きましょう・・・貴方の望むままに・・・
シオン “お師匠ってば!”

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