不断様/凪愛クロウ様
第3話 ドキドキ、はじめての御使い
- ミント
- 「リビエルちゃんの話が本当だとすると
私たちが敵に回してる相手は、相当の力をもっているみたいね
竜を倒すなんてこと 普通に考えたらできっこないもの」 - フェア
- 「だよね・・・
実際、あそこで「教授」が調子を崩さなかったら
危なかったなって思う」 - ミント
- 「戦うために召喚術を使うのは、あんまり好きじゃないけど
私もできる限りがんばってみるよ」 - フェア
- 「ごめんね、迷惑かけて」
- ミント
- 「いいんだよ 私だって、みんなを守りたいもの
だから戦うの、貴方たちが正しいと思うことを貫くように
私もそうするだけ だから、気にしないで」 - フェア
- 「うん・・・」
- ありがとね・・・ ミントお姉ちゃん
第4話 素敵な若さま、大暴走!
- ミント
- 「はあ・・・」
- フェア
- 「珍しいね ミントお姉ちゃんがため息つくなんて」
- ミント
- 「もぉ、私だってそういう気分の時があるんです!」
- フェア
- 「あはは、ごめんごめん
でも、どうしてそんな気分なの?」 - ミント
- 「あの子の言ってたことが引っかかってるの
私、召喚師だから余計にね・・・」 - フェア
- 「あ・・・」
- ミント
- 「召喚術の行使の際に交わされる誓約には拒否権なんてない
召喚に逆らうことができても喚ばれてしまったら
術者の言うことに従うしかないのよ
たしかに、呼ばれる相手の都合や気持ち 考えてないよね」 - フェア
- 「うーん・・・ でも、お姉ちゃんに限っては
そんなに深刻に考える必要なんてないと思うけどな」 - ミント
- 「どうして?」
- フェア
- 「だって、ほら・・・」
- オヤカタ
- 「ムキュウゥゥ・・・」
- ミント
- 「オヤカタ・・・ あなた・・・」
- フェア
- 「オヤカタはちゃんとお姉ちゃんのこと心配してくれてる
イヤイヤだったらこんなことしないよ」 - オヤカタ
- 「ムイッ! ムイッ!」
- ミント
- 「うん・・・ そうだね・・・」
- 召喚獣の気持ちだっていろいろあるんだよ きっと・・・
第5話 今はもう、戻れない場所
- ミント
- 「あの時、獣皇の怒りを鎮めた笛の音色って
どこから聴こえてきたのかしらね」 - フェア
- 「近くに隠れていた仲間の仕業じゃないのかな?」
- ミント
- 「だとしたら、戦いに加わっていないのは不自然じゃない?
私たちが駆けつける前に、目的だって果せただろうし」 - フェア
- 「たしかに・・・」
- ミント
- 「もっと遠くのほうから ううん、距離とかじゃなくって・・・
こことは違う世界からあの笛は聴こえてきた そんな気がしてるの
なにも確証はないんだけどね」 - フェア
- 「こことは違う世界、か
たしかに、あの笛はそう思えるぐらいにキレイな音色だった
(それに、どことなく悲しげで・・・)」 - ミント
- 「あれを奏でていた人も私たちの敵の一人だというなら・・・
なんだか、せつないね」 - フェア
- 「うん・・・」
- でも、そうだとしても 向きあえば、戦うしかないんだよね・・・
第6話 疑惑と不審の、黒いヤツ
- フェア
- 「あの人たちが出発する時、色々と話をしてたみたいだけど
もしかして知り合いだったの?」 - ミント
- 「ううん、私も会ったのは初めてだよ
ただ、先輩からあの二人については聞いていたから」 - フェア
- 「ああ、前に遊びにきてた、超辛党のお姉さんのこと?」
- ミント
- 「そう、ミモザ先輩
「傀儡戦争」の時に先輩とあの二人は戦ったことがあるの」 - フェア
- 「ええっ!?」
- ミント
- 「悪魔にだまされていた彼らは、戦争の発端を作ってしまったけど
真実に気づいてからは必死で戦いを終わらせようとしたんだって」 - フェア
- 「レンドラーが言ってたのは、その戦争のことだったんだ・・・」
- ミント
- 「そして今は、ああして「自由騎士」となって
とり戻した平和を守っていこうとしてる
つぐないの気持ちもあるんだろうけど
そういうつらい過去と正面から向き合って生きていくのは
きっと、すごく勇気のいることだろうなって そう思ったよ」 - フェア
- 「うん、そうだね・・・」
- あの二人の強さってそういう勇気も含めたものなのかもね・・・
第7話 お魚たずねて、秘密基地
- フェア
- 「魚が手に入ったからわたしは別に構わないんだけど・・・
凍った湖、溶けるまでほっといてもいいの?
「蒼の派閥」とかに報告したら、なんとかなるんじゃないかな」 - ミント
- 「うん、たしかにそうかもしれないね
でも、報告はしないほうがいいかもって私は思っているの」 - フェア
- 「どうして?」
- ミント
- 「あそこの機械設備はどれをとっても貴重なものだわ
特に、人工的な方法でサモナイト石を精製するなんてことは
今まで、誰一人として成功していないもの」 - フェア
- 「だったら、なおさら報告して研究するべきなんじゃ・・・」
- ミント
- 「そしたら、きっと大騒ぎになるよ?」
- フェア
- 「!」
- ミント
- 「コーラルちゃんと同じで、あの設備も価値がありすぎるの
秘密を手に入れた者が世界のありようさえも変えてしまうくらい
素晴らしいけれど とても、恐ろしい力」 - フェア
- 「・・・・・・」
- ミント
- 「だから、このことは私だけの胸の内にしまっておきたいの
今ならまだ、湖の件は異常気象のせいとかにしてしまえるし」 - フェア
- 「そっか・・・」
- ミント
- 「世界の真理を探求する「蒼の派閥」としてはダメダメだけどね?」
- フェア
- 「そんなことないよ!」
- それに、そのほうがお姉ちゃんらしいってわたしは思うな・・・
第8話 流れ三味線、はぐれ弾き
- ミント
- 「本当に、みんなが無事でよかったよ」
- フェア
- 「一歩間違ってたら、とんでもないことになってたよね・・・
お姉ちゃんたちは最初から、こうなるかもしれないこと
わかってたんでしょ?
わたしたちが竜の子をかばい続けていけばいつかは、きっと
敵が、ああいう卑怯な攻め方をしてくるってことを・・・」 - ミント
- 「気づいてなかったっていったら、ウソになっちゃうけどね
でも、それでも私は貴方たちの気持ちを大切にしたかったの」 - フェア
- 「どうして?」
- ミント
- 「まっすぐだったから
大人の理屈でそれを曲げたくなかったの
すくなくとも貴方たちがきちんと納得できるまでは
助けて、見守ってあげたかったんだ」 - フェア
- 「お姉ちゃん・・・」
- ミント
- 「どうする?
ここで納得して、大人に任せることに決めちゃったって
誰も、貴方たちのこと責めないと思うよ?」 - フェア
- 「・・・・・・
ごめんなさい・・・ 迷惑かけっちゃてるのわかってるけど
でも・・・」 - ミント
- 「もう、そんなすまなさそうな顔なんてしないの!
私たちは、最初に決めているんだもの
貴方たちが納得するまで、お手伝いをしながら見守っていくってね
だから、胸をはってがんばればいいんだよ」 - フェア
- 「うん・・・」
- ありがとう・・・ミントお姉ちゃん・・・
第10話 想い、途切れることはなく
- フェア
- 「ポムニットさんにあんな秘密があったなんて・・・」
- ミント
- 「フェアちゃんはやっぱり、驚いた?」
- フェア
- 「そりゃ驚いたよ いきなりだったし
ミントお姉ちゃんは驚かなかったの?」 - ミント
- 「驚いたけど・・・ でも、気にすることじゃないかなって
そう思ってるよ」 - フェア
- 「そうなんだ・・・」
- ミント
- 「誰にだって、他人に言えない秘密はあるよ
大切な人だったら全てを打ち明けられる それも本当だけどね
逆に、大切な人だから絶対に知られたくない事だってあるの
秘密を明かしたせいで 大切な人を失うなんて つらいもの・・・」 - フェア
- 「うーん、わたしにはよくわかんないなぁ」
- ミント
- 「貴方は、自分の気持ちを素直に口にするほうだものね」
- フェア
- 「それって、つまり わたしが単純だってこと???」
- ミント
- 「ううん、違うよ とても勇気があるっていうことなんだよ
ちょっとだけ うらやましいな」 - フェア
- 「ミントお姉ちゃんにも言えない秘密ってあったりするの?」
- ミント
- 「うーん、それも秘密のひとつだから教えてあげない♪」
- フェア
- 「むむ・・・」
- ミント
- 「それはともかく
ポムニットさんも それに御使いの人たちの隠し事も
そういう気持ちから秘密にしてきたことだって私は思うの
だから・・・」 - フェア
- 「わかってるよ 薄情だなんて怒らないから」
- ミント
- 「うんうん♪」
- 悪気があったんじゃないんだしね・・・
第13話 思い願うこと、貫くこと
- フェア
- 「グランバルドが自爆しようとしたと時に
先生、わたしたちに逃げろって言ってくれたよね」 - ミント
- 「うん・・・」
- フェア
- 「あの時、はっきりわかったんだ
口では復讐のことばかり言ってるけどセクター先生は
それだけに心が囚われてるんじゃないってことが
だって、本当に復讐を第一に考えているんだったら
わたしたちを気づかうより、自分が安全に脱出する方法を
真っ先に考えてたはずだもん」 - ミント
- 「うん、そうだね わたしもそう思うよ」
- フェア
- 「不意をつくためにわたしたちを囮にしたっていうのもさ
たしかに、それ自体 目的のひとつだったかもしれないけど
もしかしたら、敵の動向を知らせようとしたのかも・・・
そんな気がしてるの
甘い考えなのかも知れないけど」 - ミント
- 「・・・・・・」
- フェア
- 「でも、だとしたらなんで、ああまでしてムキになるのかな
果たさなくてもいい復讐なら、やめちゃうことだって・・・」 - ミント
- 「多分、やめることができないんだよ」
- フェア
- 「え?」
- ミント
- 「あの人は、復讐を遂げることそのものが目的なんじゃなくて
それを果たそうとする行為自体にすがって生きようとしている
そんなふうに私には感じられるの」 - フェア
- 「なによ、それ? よくわかんないよ?」
- ミント
- 「セクターさん さっき言ってたよね
じきに、自分の機能は停止する──死んでしまうんだ、って
私だったら、多分 それを知っただけで耐えられないよ
こわくてたまらなくておかしくなっちゃうかもしれない
だって、回避不能な死の宣告なんだよ?」 - フェア
- 「・・・・・・」
- ミント
- 「すがりつくものが必要だったのかもしれない・・・
あの人は、それを復讐に求めたんだと私は思うの
激しい憎しみを燃やすことで、からっぽになりかけた心を
奮いたたせてかろうじて、立っているんだと思う」 - フェア
- 「けど、それじゃあ復讐を果たした後はどうなっちゃうの?
燃やしつくして憎しみまでからっぽになっちゃったら
先生は、いったいどうなるのよ!?」 - ミント
- 「・・・っ」
- フェア
- 「冗談じゃないよ!? そんなこと、絶対にさせるもんですか!」
- ミント
- 「じゃあ、私たちになにがしてあげられるっていうの!?
あの人のためにできることが残っているというの!?」 - フェア
- 「お姉ちゃん・・・」
- ミント
- 「残ってないよ・・・っ なんにも・・・っ
どうがんばったって 死に、逆らうことはできない・・・
死んだら、なんにも残らないよ・・・っ」 - フェア
- 「そんなことないっ!!
死んでしまっても残るものはあるよ
大切な人と一緒に過ごした思い出は残りつづける・・・
わたしは、ちゃんとそのことを知っているんだもん!!」 - ミント
- 「フェアちゃん・・・」
- フェア
- 「死に逆らうことは無理なのかもしれない だけど・・・
それでも、わたしは最後まであきらめたりしたくないよ!
だって、あきらめたらホントに、どうにもならなくなっちゃう
みっともなくても格好悪いって、他人に笑われても・・・
最後の最後まであきらめないよ!
できることは、まだあるって信じてる! だから・・・
あきらめないで ミントお姉ちゃん!
わたしはあきらめない だって・・・
先生を助けてあげられるのは、わたしたちだけなんだもの!」 - ミント
- 「!」
- フェア
- 「からっぽになんかさせない・・・ 憎しみなんかに
すがらなくても生きていたいって思える気持ちを
わたしたちで、先生に与えてあげようよ!」 - ミント
- 「フェアちゃん、あなたは・・・」
- フェア
- 「あきらめないでよ お姉ちゃんがわたしを信じてくれるなら
それを支えにしてわたしも、最後までがんばれるから!
お願いだから・・・」 - ミント
- 「フェアちゃん・・・
わかった・・・約束するよ・・・」 - きっと、まだ方法はあるはずだよ! きっと・・・
第14話 来訪者たち、彼方より
- ミント
- 「「響界種」というのは召喚師たちが、便宜上つけた呼び方なの
正直、あんまりいい意味では使われていない言葉だね」 - フェア
- 「うん、いかにも記号みたいでイヤな響きだもん
でも、どうしてそういう扱いをされちゃうの?」 - ミント
- 「こういう話はあんまりしたくないんだけどね
召喚師たちの大半は召喚獣を、便利な道具みたいに思ってるの
同じ命をもつ生き物だってことを、忘れてしまっているのよ」 - フェア
- 「アロエリたちもたしか、そんなこと言ってたっけ・・・」
- ミント
- 「使役する側の人間は使役される側の召喚獣よりも偉い
そう考える人たちには召喚獣と人間が、愛を育むことが・・・」 - フェア
- 「許せない、ってワケね」
- ミント
- 「それと、もうひとつ
異なる世界の両親から命を授かった彼らには 不思議な力があるの
親の力をそのまま受け継いだり、それ以上のものを得たり
あまりに力が強すぎて制御ができなくなってしまうことも・・・」 - フェア
- 「それって、無茶苦茶大変じゃない!?」
- ミント
- 「ええ、そのせいで「響界種」はみんなに恐れられてしまうの
こわいから遠ざけるし近付いてきたら、すぐ追い払おうとする
能力が暴走するなんて簡単には起きないことなのにね・・・」 - フェア
- 「ポムニットさんが半魔だっていうことを必死に隠してたのも
そういう理由のせいだったんだ・・・」 - ひどい話だよね・・・ わざとそうしてるワケじゃないのに・・・
第16話 相談イベント
第18話 はばたき、空へと突き抜けて
- ミント
- 「はい、お待たせ ごめんね、着替えで待たせちゃって」
- フェア
- 「こっちこそごめんなさい
こんな時間にいきなりおしかけちゃって」 - ミント
- 「うーん・・・まあ、場合が場合だし仕方ないかな」
- フェア
- 「うん、ありがとう」
- ミント
- 「でも、ちょっとだけ意外だったなあ
フェアちゃんが不安で眠れなくなっていたなんて・・・」 - フェア
- 「恥ずかしくて他のみんなには言えなくて
それで・・・」 - ミント
- 「私のところに薬草茶をもらいにきたんだね」
- フェア
- 「お姉ちゃんから、前に話を聞いてたから」
- ミント
- 「うん、よく効くわよぉ 短い時間でも疲れが吹き飛んじゃうもの
今、入れてあげるから座って待っていてね」 - フェア
- 「うん・・・」
- フェア
- 「あのね・・・ずっと気になってたんだけど・・・」
- ミント
- 「なぁに?」
- フェア
- 「先生とはあれからどうなったの???」
- ミント
- 「うわぁ!!」
- (ドンガラガッシャーン)
- フェア
- 「だ、だいじょうぶ!?」
- ミント
- 「へ、へーき、へーきっ ちょっと鼻をぶつけただけだから・・・っ」
- フェア
- 「(ぶつけた、って・・・いったい、向こうでなにが???)」
- ミント
- 「はい、どうぞ」
- フェア
- 「ありがとう」
- ミント
- 「うーん、やっぱりこのお茶の香りは安らぐよねえ」
- フェア
- 「・・・・・・」
- ミント
- 「もぉ・・・どうして、そんなに聞きたがるかなあ」
- フェア
- 「だって、二人ともそれらしいそぶりを見せないんだもん」
- ミント
- 「それはね・・・
つまり、そういう関係にはなってない そういうことだよ」 - フェア
- 「ウソッ!? だって先生も、お姉ちゃんのことが好きで・・・
あ・・・っ」 - ミント
- 「うん・・・知ってるよ・・・
おぼろげな記憶だけど あの時の話、ちゃんと聞こえていたから」 - フェア
- 「そうだったんだ・・・
ゴメンね、興味本位で聞いちゃって・・・」 - ミント
- 「ううん、気にしないで 誰かに聞いてほしい気持ちもあったから
フェアちゃんに話せて、ちょっとだけ胸がすっきりしたよ」 - フェア
- 「なら、いいけど・・・」
- ミント
- 「だけど、こういう話ができるのって、すこしうれしい気もするな」
- フェア
- 「え?」
- ミント
- 「仲のいい姉妹って感じがするもの♪」
- フェア
- 「うん、そうかも♪」
- ミント
- 「私にはね、故郷に弟や妹がいたの
年頃も、ちょうど君やリシェルちゃんたちと同じくらいの」 - フェア
- 「へえ・・・」
- ミント
- 「任務でこっちに来てからは、もうずっと里帰りしてないから
今では、すっかり大きくなっちゃっているんだろうけど
私の思い出の中では弟も妹も、別れた時のままの姿なの・・・
だからかな、私は時々貴方たちに、弟たちの面影を重ねちゃうの
お姉ちゃんって呼んでくれるのがすごくうれしいの」 - フェア
- 「あはは・・・」
- ミント
- 「身代わりなんかじゃなくて、あなたたちは本当の家族と同じ
だから、安心してね あなたたちの事は
お姉ちゃんが、絶対に守ってあげるからね?」 - フェア
- 「うん、わたしもお姉ちゃんのこと守ってみせるから!」
- ミント
- 「ありがとう」
- フェア
- 「ふぁ、あ・・・っ」
- ミント
- 「お茶の効き目がでてきたみたいね
無理せず、このまま泊まっていきなさい
朝になったらちゃんと起こしてあげるから」 - フェア
- 「うん、そうするよ
おやすみなさい ミントお姉ちゃん」 - ミント
- 「おやすみなさい フェアちゃん」
エンディング
- ルシアン
- 「ありがとうございます また、お越しください」
- フェア
- 「ギネマ鳥のオムレツにソレルクの甘辛煮込み あがったよ!」
- リシェル
- 「はいはい、了解! お次は海賊風焼き飯ふたつ、よろしく!」
- フェア&リシェル
- 「つ・・・っ つかれたあぁ・・・っ」
- ルシアン
- 「二人とも、ほんとにおつかれさま」
- フェア
- 「うん、ルシアンもおつかれさま」
- リシェル
- 「にしても、最近のお昼時って、戦場そのものよねえ
ちょっと前まではお客が列を作るなんてありえなかったもん」 - ルシアン
- 「それはそうだよ! なんたって、今のフェアさんは
「ミュランスの星」が認めた、帝国最年少の有名料理人だもの
噂を聞いて、遠くから食べに来る人たちもいるくらいなんだよ」 - リシェル
- 「有名料理人ねぇ・・・」
- フェア
- 「そんなのは、他人が勝手に騒いでるだけよ
わたしはただ、ずっとこの町でおいしい料理を作り続けて
もっと、みんなに喜んでもらいたいだけ それだけでいいの
まあ、とにかく今はひと休みにしましょ
夜になったら、また大忙しなんだから」 - リシェル&ルシアン
- 「はーい・・・」
- (コンコン!)
- ミント
- 「はぁーい、どうぞ?」
- (ガチャッ!)
- フェア
- 「ミントお姉ちゃん ちょっといいかな」
- ミント
- 「あれれ、どうしたの?フェアちゃん」
- フェア
- 「それがね 思ったよりも客足がよかったせいで
野菜が足りなくなっちゃって・・・都合、つくかな?」 - ミント
- 「うーん、ご希望どおり用意できるかどうかは畑と相談しないとね
とりあえず、一緒に見て回ってくれる?」 - フェア
- 「うん、わかった」
- オヤカタ
- 「ムイムイっ♪」
- フェア
- 「あはは、オヤカタ 今日も畑の見回りご苦労さま」
- ミント
- 「オヤカタ、悪いけど土の中のお野菜の具合 見てきてくれる?」
- オヤカタ
- 「ムイッ!」
- ミント
- 「だけど、お店のほう 本当にすごい評判みたいだねえ
昔と比べたら倍近く仕入れてもらってるのに、これだもの」 - フェア
- 「本当なら、余った野菜を安く売ってもらう約束なのに
今じゃ、すっかり専属の野菜畑みたくなっちゃったもんね
・・・ゴメンね?」 - ミント
- 「気にしなくていいよ これはこれで、結構楽しいしね
私の畑でとれる野菜を食べて、喜んでる人がたくさんいてくれる
そう思うとね、研究のほうにも、ぐっとやる気がでてくるの」 - フェア
- 「そっか・・・」
- オヤカタ
- 「・・・ムイムイッ!」
- ミント
- 「ふむふむ、どうやらなんとかなりそうね」
- フェア
- 「よかったあ・・・」
- ミント
- 「収穫が終わったら薬草茶で、ひと息入れていきなさいね
目の下、クマができかけてるよ?」 - フェア
- 「えぇ~っ!? ウソぉ・・・っ!?」
- ミント
- 「女の子なんだからそういうことにも気を配らないと
手入れの仕方 教えてあげる」 - フェア
- 「うう・・・っ お願いします」
- テイラー
- 「おい、本当に最後まで顔も見せずに行くつもりなのか?」
- ケンタロウ
- 「ああ、親がなくとも子は育つ、ってな
アイツも、想像以上にいっちょまえに育ってやがったからなあ
オレ様がいなくたってなにも問題はねーさ」 - テイラー
- 「だが、いくらなんでも薄情すぎやしないか?
次はいつ、戻ってこられるかも知れんというのに・・・」 - ケンタロウ
- 「約束がよ、いまだに守れてねーんだよなあ
エリカの病気を治して家族みんな、揃って一緒に暮らしていく
その方法を見つけるまでは、オレ様は帰れねえんだわ」 - テイラー
- 「だが・・・」
- ケンタロウ
- 「バカとかクソとかロクデナシってのは慣れちまったけどよ
ウソつき、って呼ばれるのだけはカンベンだからな」 - テイラー
- 「そうか・・・」
- ケンタロウ
- 「つーわけだからよ 悪いが、もうすこし世話を頼むわな」
- テイラー
- 「ふん、言われずともわかっておるわ
あの人の居場所は二度と、誰にも荒らさせはせんよ
だから、とっとと約束を果たして戻ってこい!!」 - ケンタロウ
- 「おうよッ!」
- ミント
- 「そうそう、この前テイラーさんが家にやってきたんだよ」
- フェア
- 「オーナーが!?」
- ミント
- 「子供たちの面倒をいつも見てもらってるお礼にって
この借家を、正式な私の持ち家にしてくれるんだって」 - フェア
- 「よかったじゃない!」
- ミント
- 「もっと畑を大きくすることが、条件のひとつだけどね」
- フェア
- 「あはは・・・」
- ミント
- 「どうしようかなって思ってるんだよね
ほら、一応は私 派閥から派遣されてきてる立場だから
ここに家を持つってことは、定住するってことになるだろうし
それなりの覚悟がいるって思うんだよね」 - フェア
- 「そうだよね・・・」
- ミント
- 「フェアちゃんはどう思う?」
- フェア
- 「わたしとしてはお姉ちゃんががいないと困るし・・・
できれば、ずっとこの町にいてほしいけどさ・・・」 - ミント
- 「・・・うんっ! それじゃ、やっぱりそうしちゃおう♪」
- フェア
- 「ホントにいいの!? わたしの意見なんかで決めちゃって・・・」
- ミント
- 「ほんとはね、もともと気持ちはそのつもりで傾いていたんだよ
ただ、ちょっぴり誰かに後押しをしてほしかったの」 - フェア
- 「そっか・・・」
- ミント
- 「フェアちゃんがそう言ってくれるならすごく心強いもの
だから、もし・・・なにか困ったことが起こっちゃった時は
真っ先に、貴方のこと頼ってもいいよね?」 - フェア
- 「そんなの当然だよ ミントお姉ちゃんはわたしにとって
ホントのお姉ちゃんのようなものだもん
妹として、いつでも相談に乗っちゃうよ?」 - ミント
- 「うふふっ、ありがとう フェアちゃん
さて、と・・・ そうと決まったらがんばらなくちゃね
早速、畑の拡張工事にとりかかるとしますか」 - フェア
- 「じゃあ、次の休日にはには リシェルたちと一緒に手伝いにくるよ」
- ミント
- 「うん、頼りにしてるよ」
- ずっと、ずっとこの町で、大好きな貴方達と、いつも笑顔で暮らすことができたら幸せだよね
コメント