【夜会話】ラショウ(クリュウVer.)

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第0話

ラショウ
「お、あんなところに船があるじゃねえか」
クリュウ
「だめだよラショウ!
勝手に乗ったら怒られるって!」
ラショウ
「大丈夫だ! 正確にいうとオレ様は乗ったことにはならねぇからな
ほれ おいていくぜ」
クリュウ
「もう…」
ラショウ
「おうおう3年前と変わらねぇいい風だぜ
ワイスタァンなんて2度と来ないと思ってたが…」
クリュウ
「ねえ…ラショウは父さんの護衛獣だったんだよね
鍛冶師としての父さんってどんな人だったの?」
ラショウ
「そうかシンテツのヤツ 忙しくてほとんど家にも帰ってなかったからなぁ
いいぜ、順番に教えてやるよ オレ様とシンテツがいかに活躍したかをよ」
クリュウ
「ほんとに?」
ラショウ
「たーだーし てめえがもうちっと成長したら、だ
それまではもったいつけて小出しにしてやるぜ」
クリュウ
「えーと… …
ありがと」
ラショウ
「はぁ?」
クリュウ
「ほら順番に話してくれるってことはさ パートナーになってくれるってことでしょ?
だからありがとう!」
ラショウ
「まったく調子狂うぜ…
おまえといいシンテツといい どうしてそんなにお人好しなんだかよ」

第1話

ラショウ
「…」
クリュウ
「なんだよラショウ うれしくないの? 一回戦突破だよ?
少しぐらいほめてくれたっていいじゃん…」
ラショウ
「話になんねぇな あんなの勝って当然だろうが
だいたい勝てたのはオレ様のおかげだろうが?
いいか、おまえのオヤジ… シンテツのヤツはな
自分の何倍もでかい敵に勝ってもほめてくれとは言わなかったぞ」
クリュウ
「だって父さんは…」
ラショウ
「鍛聖だからってか?
あのなぁ… おまえのオヤジだって駆け出しのころってのがあったんだよ
弱っちくてな 見ていらんなかったぜ… 正直てめぇより弱かったな」
クリュウ
「本当に?」
ラショウ
「腕は、な だが心は強かったぜ オレ様が子供のあいつににらまれて…
…なんでもねぇ」
クリュウ
「なに? 父さんににらまれてどうしたの?」
ラショウ
「うるせぇよ 今のはナシだ無し!」
クリュウ
「ずるいや…」
ラショウ
「うるせぇよ…まあなんにしろ、てめぇにしちゃ上出来だったぜ」
クリュウ
「うん!」

第2話

ラショウ
「やっぱ船はいいなぁ! ブロンのヤツにどやされようがここはオレ様の場所だぜ!
なぁクリュウ?
…っておい 何シケたツラしてやがる?」
クリュウ
「うん…」
ラショウ
「ああ、あのヴァリラっていうオボッチャマのことか?
てめぇもナンギなやつに目ぇつけられたじゃねぇか?」
クリュウ
「ナンギ?」
ラショウ
「めんどくさいってことだよ」
クリュウ
「うん…
って笑いごとじゃないよ!」
ラショウ
「そうだな 今回アイツに勝てたのは…ありゃ完全にまぐれだ」
クリュウ
「やっぱり…?」
ラショウ
「今回はあいつ てめぇをナメてたからな
でもな、多分試合で当たったら てめぇは10数えるあいだももたねぇだろうよ」
クリュウ
「そうだよね…でも 武器を作る腕ならきっと…」
ラショウ
「話にならねぇ! 武器をきたえる腕だってあっちの方がダンチで上なんだよ
いいかクリュウ てめぇやサナレの武器は売りもんにもならねぇんだよ
たぶんあのヴァリラってヤツの腕は大人顔負けだぜ?
だからこそ誰の武器を使って戦ってもいっしょなんて言えるんだろうよ」
クリュウ
「勝てるかな…」
ラショウ
「勝つんだろうが この未熟もんがよ!」
クリュウ
「…うん、そうだね!」

第3話

ラショウ
「どうした ヤツを倒したことがまだひっかかってるのか?」
クリュウ
「うん だってラジィは僕なんかよりずっと小さいのに
鍛聖になって何をしたいのかをちゃあんと考えてたんだ」
ラショウ
「おいおい、忘れちまったのか? てめぇだってあったじゃねぇか その…
シンテツの野郎みたいになりたい だっけか?」
クリュウ
「それってなんかボンヤリしてない?」
ラショウ
「いいんだよ てめぇにはわかんねぇかもしれんが 人の上に立つヤツはその方がいいんだ」
クリュウ
「…なんで?」
ラショウ
「シンテツの野郎もそうだったが みんなの役に立ちたいってな
それくらいいいかげんな目標を持ってるヤツが いちばん人様の声をきけるんだよ
現にラジィのヤツは『花の都』って目標があって…たぶん鍛聖になってもそれしかできねぇ
でもクリュウ てめぇはそのラジィの夢もとりこんで いっしょに実現できるだろうが
いいかげんってのはそんくらいすげぇんだよ」
クリュウ
「ほめてくれてるの…?」
ラショウ
「いんや てめぇら親子はホント似てるなって言ってんだよ」

第4話

ラショウ
「サクロのやろう エラそうにしやがって…
3年前までは、ほんの若造だったくせしやがって…
シンテツの後ろでピィピィ泣いてたくせしやがってよぉ!」
クリュウ
「サクロさんとラショウは仲いいの?」
ラショウ
「あぁん? いいわけねぇだろ? 見てわかんねぇのか?」
クリュウ
「ごめん でもなんか楽しそうだったから」
ラショウ
「まぁな サクロの奴は冷静ぶっててかしこい気取りで
大嫌いだが…
まあ嫌いじゃない」
クリュウ
「それムジュンしてない?」
ラショウ
「嫌いじゃなくて大嫌いなんだよ わかりやがれ!」
クリュウ
「わかるようなわかんないような…」
ラショウ
「あいつは若造のくせに 妙に冷静ぶったり変になんでも背負い込もうとしたり
とにかく放っておけねぇんだよ
でもってあいつのそんなところが嫌いだ」
クリュウ
「ラショウはやさしいんだね」
ラショウ
「はぁ? オレ様は鬼だぞ?」
クリュウ
「でもやさしいよ」
ラショウ
「おいこら…それ以上言うと… 喰うぞ」
クリュウ
「でもやさしいよね!」
ラショウ
「あのなぁ…」

第5話

クリュウ
「父さんとリンドウさんって 親友だったんだよね」
ラショウ
「そうだな どっちかっていうと…
悪友」
クリュウ
「…」
ラショウ
「リンドウとシンテツとブロンはいっつもつるんでてな
そんでブロンのヤツとシンテツがアマリエ様にホれてよ ふたりで取り合いだ」
クリュウ
「え!?…そうだったの?」
ラショウ
「そういうわけだ 勝ったのは当然シンテツだけどな
いやぁ振られた後のブロンは見物だったぜぇ クックック」
クリュウ
「ラショウ、悪シュミだよ…」
ラショウ
「うるせぇよ ブロンの不幸はオレ様の楽しみだ
じゃあ何かクリュウ? てめぇはブロンが勝った方がよかったってのか?」
クリュウ
「そうは言ってないけどさぁ」
ラショウ
「それならいいじゃねぇかよ」
クリュウ
「…じゃあリンドウさんは?」
ラショウ
「シンテツのアニキみたいなもんだな
歳は離れてるがいつもつるんでたぜ 遊ぶときもヤツと戦ったときもよ」
クリュウ
「ヤツ?」
ラショウ
「おっとしゃべりすぎたな 今日はここまでだ!」

第6話

クリュウ
「ねえラショウ
父さんはなんで剣を作って残したのかな… ラショウは知ってる?」
ラショウ
「当たり前だろうが オレ様はずっとシンテツといっしょにいたんだぜ
全部知ってるに決まってるだろうが」
クリュウ
「そっか」
ラショウ
「ききたいか? きいたら巻き込まれることになるぜ?」
クリュウ
「ききたいよ… だって…」
ラショウ
「おっと… どうせもう巻き込まれてるなんて物語みたいなこと言うなよ
いいか… オレ様の見立てじゃ 3年前の事件は終わっちゃいねぇ
ていうかリンドウたちの態度を見るかぎりはまだまだ続いてる…
シンテツがいなくなっちまった事件なんだぜ?」
クリュウ
「でも知りたいよ!」
ラショウ
「カァッ… ちったぁアタマ使えってんだ!
いいか? なんで今までてめぇにシンテツの話を
周りの大人が誰もしなかったと思ってるんだ?
まだ早いってことだぜ
あのなぁ! シンテツとずっといっしょにいたオレ様からしてみりゃあよ
リンドウたちがてめぇに武器を渡したりして巻き込むようなマネをしてるのが
信じられねぇくらいなんだ!」
クリュウ
「…それだけ僕がまだ未熟ってこと?」
ラショウ
「そうだよ! それくらい肝に命じときな!」
クリュウ
「……」
ラショウ
「おい…半人前がいっちょまえに落ち込んでるなよ
いいか てめぇの目標はまず大会で優勝することだろうが!
それを忘れるんじゃねぇよ!」
クリュウ
「うん…そうだね まずはもっといい鍛冶師にならないとね!」

第7話

クリュウ
「ねえラショウ」
ラショウ
「んあ?…なんだ?」
クリュウ
「あのね…」
ラショウ
「なんでルベーテやウレクサがあんなことするんだろうってか?」
クリュウ
「うん…」
ラショウ
「あいつらにもそれなりの理由があるんだろうよ」
クリュウ
「でも…理由があるからって していいことといけないことはあるんじゃないかな?
鍛聖の人たちっていうのは 勇者様みたいなものでしょ…」
ラショウ
「てめぇにとって、だろ?
なんたって、てめぇはシンテツ以外の鍛聖をろくに知らないんだからな
まぁ、ただのアコガレってヤツだ」
クリュウ
「えと…うん… そうなのかな…」
ラショウ
「鍛聖になるってことは国の王になるのと同じことなんだぜ?
良い王さんもいりゃあ 悪い王もいるだろうが?
鍛聖もいっしょだ
だがてめぇは今、実際に鍛聖をめざしてるんだろうよ
だったらあこがれと違うって駄々をこねてねぇで
自分がどういう鍛聖になるのかを考えればいいんだよ
…って 何言ってるんだかよ… 似合わねぇ
シルターンのゴケイ山に鬼の王ありと言われたこのオレ様が…
シンテツのヤツといっしょにいたあいだにすっかりまるくなっちまったか…」
クリュウ
「プ…」
ラショウ
「何がおかしいんだよ?」
クリュウ
「あのさ… ありがとうラショウ…」
ラショウ
「んあ?」
クリュウ
「地震、おさまるといいね…」
ラショウ
「そうだな…」

第8話

クリュウ
「ウレクサさんが最後に言ってた 勇者になる方法って…
間違ってるよね」
ラショウ
「あったりまえだろうが サイジェントの勇者様はそんなのがいいって言ってたか?
てめぇの親父はどうだ?」
クリュウ
「そうだよね… 間違ってるよね」
ラショウ
「あいつは勘違いをしてるんだよ
勇者ができるのに方法や法則なんかねぇんだ
求めるものでもなければ与えられるもんでもねぇ わかるか?」
クリュウ
「…ちょっとわかんないや」
ラショウ
「まあゆっくり考えな てめぇにはまだくさるほど時間があるんだ
それにてめぇはめぐまれてるんだぜ」
クリュウ
「どうして?」
ラショウ
「勇者にはなれなくても… 努力なしで もう勇者の息子ではあるわけだ
そんだけで期待される
サクロもリンドウも シンテツの子供ってだけで てめぇに期待してるだろうよ?
ルマリにも期待してもらえないウレクサには それが許せなかったのかもな」
クリュウ
「う~ん… わかんないよラショウ」
ラショウ
「わかんなくてもいいって言ってんだろ?
いまはとにかくシンテツを超えることだけ考えてな」
クリュウ
「うん…そうだね!」

第9話

ラショウ
「どうしたよ しけたツラしやがって?」
クリュウ
「こっちがききたいよ… なんでラショウはそんなに元気なのさ?
ルベーテさんが鍛聖の人たちを裏切ってたりしてたのに 平気なの?
ウレクサさんだって ルベーテさんのせいで…」
ラショウ
「それは違うぜ」
クリュウ
「何が?」
ラショウ
「ウレクサは悪くない そう言いたいのか?
ウレクサはルマリのためにやれることをしただけだと そう言いたいんだな?
だとしたらそれは甘いぜ」
クリュウ
「どうしてさ? だって…」
ラショウ
「勘違いするんじゃねぇよ ウレクサは悪いんだ それを忘れるなってこった
悪いことをしたが… それでも憎みきれない …それならわかるけどな」
クリュウ
「そっか… ラショウの言う通りだね」
ラショウ
「あのなぁ… いまごろヴァリラのヤツはもっと悩んでるはずだぜ
なんたってあいつは 自分の親父がルベーテの手助けをしてたんだからな
悩みっぷりもてめぇの比じゃねぇだろうよ?」
クリュウ
「…ラショウって案外みんなのこと心配してるんだね…」
ラショウ
「ああん? そんなことねぇよ
… ハッ! …みんないい気味だぜ!」
クリュウ
「ウソばっか… 本当はやさしいくせに」
ラショウ
「うるせえ! オレ様は鬼王だぜ! やさしいわけがあるかよ!」
クリュウ
「そんなことないよ やさしいよ?」
ラショウ
「…まったくよ やっぱりてめぇといると調子狂うぜ…
準決勝の前に気合いを入れ直す必要があるな…
…ふふん 決めたぜ…」
クリュウ
「何?」
ラショウ
「なんでもねぇよ」

デートイベント

ラショウ
「こっちは準備完了だ! 出かけるぞクリュウ!」
クリュウ
「え?…なんかあったっけ、今日」
ラショウ
「約束しただろうがよ、昨日!」
クリュウ
「…? そうだっけ?」
ラショウ
「したんだよ!」
クリュウ
「わかったわかった!
…で どこ行くのさ?」
ラショウ
「いいじゃねぇかよ」
クリュウ
「よくないよ… もうすぐ準決勝だろ…」
ラショウ
「そうだな…
ところでクリュウ てめぇはシンテツのようになりたいって言うが
あいつの何を目標にしてるんだ?」
クリュウ
「え… 僕が目標にしてる父さん…」
  • みんなに尊敬されてるところ
    クリュウ
    「みんなに尊敬されてるよね 勇者とか英雄とか… そういうところかな?
    僕もみんなに尊敬されるような鍛聖になりたいんだ」
    ラショウ
    「…わかってねぇな シンテツは尊敬されるために鍛聖になったわけじゃ…」
    クリュウ
    「…何?」
    ラショウ
    「まあいいじゃねぇか それよりも行くぜ」
  • 武器を作る腕
    クリュウ
    「やっぱり鍛冶師だもんね あんな武器が作れたらって思うよね」
    ラショウ
    「…そうだな
    だがな… おまえが知ってるシンテツの武器は あの3本の剣だけだろうよ?」
    クリュウ
    「そういえば…」
    ラショウ
    「まあ当然だな シンテツはしまっておくために武器をきたえてたわけじゃねぇ
    あの3本の剣以外は全部誰かが使ってるはずだ」
    クリュウ
    「そっか 使うための武器だもんね」
    ラショウ
    「まあ…飾るための武器ってのを作ってるヤツもいるけどな
    そのあたりはそれぞれだが どいつも誰かに持ってもらうために武器を作ってるのさ」
  • 父さんってところ
    クリュウ
    「父さんをめざすのは 父さんが僕の父さんだからだよ」
    ラショウ
    「ほう? どういう意味だそりゃ」
    クリュウ
    「言葉通りなんだけど…」
    ラショウ
    「そうかよ… …まぁ、そうだろうな まったく、てめぇらしいぜ」
クリュウ
「で、結局どこへ行くのさ?」
ラショウ
「いいからついてこいって」
  • わかったよ
    クリュウ
    「わかったよ 行きますよ」
    ラショウ
    「おう」
  • ちょっと準備が…
    クリュウ
    「ちょっと待ってよ」
    ラショウ
    「仕方ねぇなあ…」
    (話しかける)
    ラショウ
    「準備できたか? 早く行こうぜぇ…」
    • 行こう
      クリュウ
      「わかったよ 行きますよ」
      ラショウ
      「おう」
    • ちょっと待って!
      ラショウ
      「仕方ねぇなあ…」
(中央工城二階広間)
クリュウ
「ねえラショウ 止められなかったからって勝手に入ってもいいの?」
ラショウ
「いいわけねぇだろ?」
クリュウ
「じゃあ帰ろうよ しかられちゃうよ!」
ラショウ
「おいクリュウ 今回のトーナメントの開会式 おぼえてるか?」
クリュウ
「うん…
ラショウと会う前だったね… すごい昔のような気がするよ…」
ラショウ
「…ふ
なあクリュウ 開会式の時にいた連中はみんな鍛聖のヤツを見ていたはずだ
想像できるか? その場にいた全員がお前に注目しているところを…」
クリュウ
「…
なんかキンチョーするよ…」
ラショウ
「そいつがシンテツの見ていた景色だ」
クリュウ
「…ラショウ?」
ラショウ
「いいかクリュウ てめぇはシンテツを目標だって言うが 本当のところは何も知らねぇ」
クリュウ
「うん…」
ラショウ
「教えてやるよ てめぇがシンテツの何を目標にするべきなのか」
クリュウ
「うん!」
ラショウ
「……いいか」
クリュウ
「…(ゴクリ…)」
ラショウ
「クリュウ…てめぇは王になれ…」
クリュウ
『!』
クリュウ
「ちょ…一体何言ってるんだよ!」
ラショウ
「そのものズバリ、だぜ シンテツをめざすなら てめぇは王になれ…
いいか…あいつがすごかったのは 剣をきたえる腕でも、戦う技術でも ましてや英雄だったからでもネェ
あいつは王なのさ だからみんながあいつを慕う
ゴケイ山の鬼王ラショウが言うんだ 間違いねぇ」
クリュウ
「ちょっとわからないよ…」
ラショウ
「そうだな… シンテツは剣を残していなくなったが それは誰のためだった?」
  • 大事な人のため
    クリュウ
    「大事な人たちのため?」
    ラショウ
    「そうだ…だがな… あいつにとっての大切なものってのは
    なにもアマリエ様やクリュウ てめえだけじゃねぇ 
    あいつはな、てめぇやアマリエ様のこれから出会うすべてをまもりたいって思ったのさ」
  • ワイスタァンのため
    クリュウ
    「ワイスタァンをまもるためでしょ?」
    ラショウ
    「あたり…だがはずれだ」
    クリュウ
    「どういうこと?」
    ラショウ
    「あいつはただワイスタァンをまもりたかったんじゃねぇ
    大事な鍛聖の仲間やアマリエ様や てめぇや… あいつを慕う街のやつら
    そのすべてがあいつにとっては大切なものなのさ
    つまりは街じゃなくて 街に住む人々をまもりたかったってわけだ」
ラショウ
「つまりだ あいつはほかの連中よりも まもりたいものが大きかったんだよ
シンテツのやつが王だってのはそういうことさ」
クリュウ
「街のみんなが大切な人… そっか…
ねえラショウ… ラショウも鬼の王なんだよね じゃあラショウも…」
  • ふるさとの仲間は大切?
    クリュウ
    「ラショウもやっぱり ゴケイ山の仲間は大切?」
    ラショウ
    「んあ?…オレ様は鬼の王だぜ 仲間だろうがなんだろうが 大切なんて気持ちはねぇ」
    クリュウ
    「ホントに?」
    ラショウ
    「ったりまぇだろうが!」
    クリュウ
    「だってラショウは王様だから父さんの気持ちがわかるんだよね?」
    ラショウ
    「それとこれとは話が別だ!」
    クリュウ
    「本当にゴケイ山に置いてきた鬼の人たちが心配じゃないの?」
    ラショウ
    「……
    ……
    …別に心配じゃネェよ」
    クリュウ
    「ムリしちゃって 僕知ってるよ
    本当はラショウ とってもやさしいって」
    ラショウ
    「な… …うるせぇよ
    それにな、オレ様の部下はオレ様がいなくても心配なんかねぇんだよ
    てめぇら人間なんぞといっしょにするな」
    クリュウ
    「ラショウは人間がキライ?」
    ラショウ
    「あったりまえだぜ 人間なんざザコよザコ!」
  • ワイスタァンの人は大切?
    クリュウ
    「ラショウはワイスタァンのみんなのこと…大切?」
    ラショウ
    「おいおい、オレ様は鬼だぜ? 人間の街がどうなろうが知ったことかよ」
    クリュウ
    「本当に?」
    ラショウ
    「何度も言わせるなよ」
クリュウ
「そっか…」
ラショウ
「…」
クリュウ
「そうだよね ラショウは鬼なんだもんね… 人間のことなんか関係ないよね」
ラショウ
「……
…あー、悪かったよ! あのなぁじゃあてめぇはどうなんだ?」
クリュウ
「え…僕? みんな大好きだし大事だよ あたりまえじゃないか」
ラショウ
「あのな…
シンテツとオレ様は これ以上ないくらいの親友どうしだったワケよ…
そのシンテツが何よりも大事にしてたてめぇやアマリエ様が大好きな街なんだろうがよ、ここは
オレ様が召喚されたのは ただ剣をきたえるためだけじゃねぇ
てめぇらと、てめぇらの大事なものをまもるためなんだよ…
てめぇらの好きなものを オレ様が嫌いなわけねぇだろうが…」
クリュウ
「…ありがと、ラショウ」
ラショウ
「………… かーッ!やってられねぇぜ! まったくよ!
とにかく、てめぇは王をめざせ! オレ様のご主人サマだ 王になれねぇワケがねぇんだ!」
クリュウ
「ホント?! ありがとう、ラショウ!」
ラショウ
「いいから、それ以上礼とかいうんじゃねぇよ こっぱずかしい…」
クリュウ
「テレてるの?」
ラショウ
「うるせぇよ!」
クリュウ
「あ、そうだ… そういえばひとつだけききたいことがあったんだ…
ラショウはなんで母さんにだけ敬語を使うの?」
ラショウ
「……だよ」
クリュウ
「え…? きこえなかったよ?」
ラショウ
「オレ様が昔つかえてた召喚師の女に似てるんだよ…」
クリュウ
「え…それだけ?」
ラショウ
「ああ…そっから先はヒミツだ」

エンディング

ラショウ
「よお…そろそろ実感がわいてきたんじゃねぇのか? え、黒鉄の鍛聖サマよ?」
クリュウ
「まだまだだよ… まだまだ未熟だなって感じてばっかだ…」
ラショウ
「だろうよ オレ様からしてみればまだまだヒヨッコだぜ、てめぇは」
クリュウ
「だね」
ラショウ
「なんだよ やけに素直じゃねぇか」
クリュウ
「うん… じっさいにまだまだヒヨッコだからね
だけど…わかるんだ もっともっと強く、うまくなれるって」
ラショウ
「ったく…シンテツにそっくりだぜ 自信がないような顔して本当は自信満々なところとかな
こうなっちまったらオレ様は用なしだな…そろそろシルターンに帰してもらおうか」
クリュウ
「ええ!?…帰っちゃうの?」
ラショウ
「ああ、オレ様はゴケイ山の鬼王だぜ そろそろ帰らねぇと山のヤツらが待ってるからな」
クリュウ
「そっか… せっかくこれからいっしょに剣をきたえたり…
楽しいことをしたり 強くなったりできると思ったのに …もう決めたんだね」
ラショウ
「ん…ああ」
クリュウ
「じゃあしょうがないよね…」
ラショウ
「まあな… … …でもよ…
てめぇがどうしてもって言うんなら… 考えてやってもいいぜ」
クリュウ
「じゃあ…」
ラショウ
「……」
クリュウ
「いっしょに…いて欲しいな」
ラショウ
「しょうがねぇな…
わぁったよ、あと少しだけ てめぇが一人前になるまでつきあってやるよ」
クリュウ
「王様になるまで、でしょ?」
ラショウ
「おうよ! クリュウ、てめぇが王になるまでだ!」

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