【夜会話】ラショウ(プラティVer.)

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蒼井様/st様

第0話

ラショウ
「お、あんなところに船があるじゃねえか」
プラティ
「だめだよラショウ!
勝手に乗ったら怒られるってば!」
ラショウ
「大丈夫だ! 正確にいうとオレ様は乗ったことにはならねえからな
どうせ、てめえも乗りたいんだろ?早くしないとおいていくぜ」
プラティ
「…ばれてる」
ラショウ
「おうおう3年前と変わらねえいい風だぜ
ワイスタァンなんて2度と来ないと思っていたが…」
プラティ
「ねえ…ラショウはパパの護衛獣だったんだよね
鍛冶師としてのパパってどんな人だったの?」
ラショウ
「そうかシンテツのヤツ 忙しくてほとんどいえにも帰ってなかったからなぁ
ああいいぜ、順番に教えてやるよ オレ様とシンテツがいかに活躍したかをよ」
プラティ
「ほんとに?」
ラショウ
「たーだーし てめえがもうちっと成長して青くさくなくなったらだがな
それまではもったいつけて小出しにしてやるぜ」
プラティ
「えーと… …
ありがと」
ラショウ
「はぁ?」
プラティ
「ほら順番に話してくれるってことはさ パートナーになってくれるってことでしょ?
だからありがとう!」
ラショウ
「まったく調子狂うぜ…
おまえといいシンテツといい どうしてそんなにお人好しなんだかよ」

第1話

ラショウ
「…」
プラティ
「ラショウ!一回戦突破だよ? すごいよね!…ね!」
ラショウ
「話になんねぇな あんなの勝って当然だろうが
だいたい勝てたのはオレ様のおかげだろうが?
いいか、おまえのオヤジ… シンテツのヤツはな
自分の何倍もでかい敵に勝ってもほめてくれとは言わなかったぞ」
プラティ
「だってパパはマジメだったんでしょ?
パパとわたしは違うもん! それにパパは…」
ラショウ
「鍛聖だからってか?
あのなぁ… おまえのオヤジだって駆け出しのころってのがあったんだよ
弱っちくてな 見ていらんなかったぜ… 正直てめぇより弱かったな」
プラティ
「本当に?」
ラショウ
「腕は、な だが心は強かったぜ オレ様が子供のあいつににらまれて…
…なんでもねぇ」
プラティ
「なになに? パパににらまれてどうしたの?」
ラショウ
「うるせぇよ 今のはナシだ無し!」
プラティ
「ふ~ん そんなに恥ずかしいことなんだ おぼえとこ…」
ラショウ
「うるせぇよ…まあなんにしろ、てめぇにしちゃ上出来だったぜ」
プラティ
「…ほめてごまかそうとしてるでしょ?」

第2話

ラショウ
「やっぱ船はいいなぁ! ブロンのヤツにどやされようがここはオレ様の場所だぜ!
なぁプラティ?
…っておい 何シケたツラしてやがる?」
プラティ
「う~ん実はね…」
ラショウ
「ああ、あのヴァリラっていうオボッチャマのことか?
てめぇもナンギなやつに目ぇつけられたじゃねぇか?」
プラティ
「ナンギ?」
ラショウ
「めんどくさいってことだよ」
プラティ
「うん…
って笑いごとじゃないよ もう!」
ラショウ
「そうだな 今回アイツに勝てたのは…ありゃ完全にまぐれだ」
プラティ
「あ、やっぱりまぐれ…?」
ラショウ
「今回はあいつ てめぇをナメてたからな
でもな、多分試合で当たったら てめぇは10数えるあいだももたねぇだろうよ」
プラティ
「そうだよね…でも がんばればきっと…」
ラショウ
「話にならねぇ! 武器をきたえる腕だってあっちの方がダンチで上なんだよ
いいかプラティ てめぇやサナレの武器は売りもんにもならねぇんだよ
たぶんあのヴァリラってヤツの腕は大人顔負けだぜ?
だからこそ誰の武器を使って戦ってもいっしょなんて言えるんだろうよ」
プラティ
「勝てるかな…」
ラショウ
「勝つんだろうが この未熟もんがよ!」
プラティ
「…そうだね 勝たなくっちゃね!」

第3話

ラショウ
「どうした ヤツを倒したことがまだひっかかってるのか?」
プラティ
「うん だってラジィはわたしよりずっと小さいのに
鍛聖になって何をしたいのかをちゃあんと考えてたんだ」
ラショウ
「おいおい、忘れちまったのか? てめぇだってあったじゃねぇか その…
シンテツの野郎みたいになりたい だっけか?」
プラティ
「でもそれって鍛聖になりたいってだけでしょ? なんかボンヤリしてない?」
ラショウ
「いいんだよ てめぇにはわかんねぇかもしれんが 人の上に立つヤツはその方がいいんだ」
プラティ
「…なんで?」
ラショウ
「シンテツの野郎もそうだったが みんなの役に立ちたいってな
それくらいいいかげんな目標を持ってるヤツが いちばん人様の声をきけるんだよ
現にラジィのヤツは『花の都』って目標があって…たぶん鍛聖になってもそれしかできねぇ
でもプラティ てめぇはそのラジィの夢もとりこんで いっしょに実現できるだろうが
いいかげんってのはそんくらいすげぇんだよ」
プラティ
「ほめてくれてるの…?」
ラショウ
「いんや てめぇら親子はホント似てるなって言ってんだよ」

第4話

ラショウ
「サクロのやろう エラそうにしやがって…
3年前までは、ほんの若造だったくせしやがって…
シンテツの後ろでピィピィ泣いてたくせしやがってよぉ!」
プラティ
「サクロさんとラショウは仲いいの?」
ラショウ
「あぁん? いいわけねぇだろ? 見てわかんねぇのか?」
プラティ
「あ、そうなんだ… でもなんかほら 楽しそうだったし」
ラショウ
「まぁな サクロの奴は冷静ぶっててかしこい気取りで
大嫌いだが…
まあ嫌いじゃない」
プラティ
「それムジュンしてない?」
ラショウ
「嫌いじゃなくて大嫌いなんだよ わかりやがれ!」
プラティ
「わかるようなわかんないような…」
ラショウ
「あいつは若造のくせに 妙に冷静ぶったり変になんでも背負い込もうとしたり
とにかく放っておけねぇんだよ
でもってあいつのそんなところが嫌いだ」
プラティ
「ラショウはやさしいんだね」
ラショウ
「はぁ? オレ様は鬼だぞ?」
プラティ
「でもやさしいよ」
ラショウ
「おいこら…それ以上言うと… 喰うぞ」
プラティ
「でもやさしいよね!」
ラショウ
「あのなぁ…」

第5話

プラティ
「パパとリンドウさんって 親友だったんだよね」
ラショウ
「そうだな どっちかっていうと…
悪友」
プラティ
「…」
ラショウ
「リンドウとシンテツとブロンはいっつもつるんでてな
そんでブロンのヤツとシンテツがアマリエ様にホれてよ ふたりで取り合いだ」
プラティ
「え!?…うそ! 三角関係ってやつ!?」
ラショウ
「そういうわけだ 勝ったのは当然シンテツだけどな
いやぁ振られた後のブロンは見物だったぜぇ クックック」
プラティ
「ラショウはホントに親方さんに容赦ないね…」
ラショウ
「うるせぇよ ブロンの不幸はオレ様の楽しみだ
じゃあ何かプラティ? てめぇはブロンが勝った方がよかったってのか?」
プラティ
「そうは言ってないけどさぁ」
ラショウ
「それならいいじゃねぇかよ」
プラティ
「…じゃあリンドウさんは?」
ラショウ
「シンテツのアニキみたいなもんだな
歳は離れてるがいつもつるんでたぜ 遊ぶときもヤツと戦ったときもよ」
プラティ
「ヤツ?」
ラショウ
「おっとしゃべりすぎたな 今日はここまでだ!」

第6話

プラティ
「ねえラショウ
パパはなんで剣を作って残したのかな… ラショウは知ってる?」
ラショウ
「当たり前だろうが オレ様はずっとシンテツといっしょにいたんだぜ
全部知ってるに決まってるだろうが」
プラティ
「そっか」
ラショウ
「ききたいか? きいたら巻き込まれることになるぜ?」
プラティ
「ききたいよ… だって…」
ラショウ
「おっと… どうせもう巻き込まれてるなんて物語みたいなこと言うなよ
いいか… オレ様の見立てじゃ 3年前の事件は終わっちゃいねぇ
ていうかリンドウたちの態度を見るかぎりはまだまだ続いてる…
シンテツがいなくなっちまった事件なんだぜ?」
プラティ
「でも知りたいよ!」
ラショウ
「カァッ… ちったぁアタマ使えってんだ!
いいか? なんで今までてめぇにシンテツの話を
周りの大人が誰もしなかったと思ってるんだ?
まだ早いってことだぜ
あのなぁ! シンテツとずっといっしょにいたオレ様からしてみりゃあよ
リンドウたちがてめぇに武器を渡したりして巻き込むようなマネをしてるのが
信じられねぇくらいなんだ!」
プラティ
「…わたしってそんなに未熟かなぁ?」
ラショウ
「そうだよ! それくらい肝に命じときな!」
プラティ
「……」
ラショウ
「おい…半人前がいっちょまえに落ち込んでるなよ
いいか てめぇの目標はまず大会で優勝することだろうが!
それを忘れるんじゃねぇよ!」
プラティ
「うん…そうだね まずはもっといい鍛冶師にならないとね!」

第7話

プラティ
「ねえラショウ」
ラショウ
「んあ?…なんだ?」
プラティ
「あのね…」
ラショウ
「なんでルベーテやウレクサがあんなことするんだろうってか?」
プラティ
「うん、正解… それなんだけど…」
ラショウ
「あいつらにもそれなりの理由があるんだろうよ」
プラティ
「でも…理由があるからって していいことといけないことはあるんじゃないかな?
鍛聖の人たちっていうのは 勇者様みたいなものでしょ…」
ラショウ
「てめぇにとって、だろ?
なんたって、てめぇはシンテツ以外の鍛聖をろくに知らないんだからな
まぁ、ただのアコガレってヤツだ」
プラティ
「えと…うん… そうなのかな…なんかひどいこと言われてる気が…」
ラショウ
「鍛聖になるってことは国の王になるのと同じことなんだぜ?
良い王さんもいりゃあ 悪い王もいるだろうが?
鍛聖もいっしょだ
だがてめぇは今、実際に鍛聖をめざしてるんだろうよ
だったらあこがれと違うって駄々をこねてねぇで
自分がどういう鍛聖になるのかを考えればいいんだよ
…って 何言ってるんだかよ… 似合わねぇ
シルターンのゴケイ山に鬼の王ありと言われたこのオレ様が…
シンテツのヤツといっしょにいたあいだにすっかりまるくなっちまったか…」
プラティ
「プ…」
ラショウ
「何がおかしいんだよ?」
プラティ
「あのさ… ありがとうラショウ…」
ラショウ
「んあ?」
プラティ
「地震、おさまるといいね…」
ラショウ
「そうだな…」

第8話

プラティ
「ウレクサさんが最後に言ってた 勇者になる方法って…
間違ってるよね」
ラショウ
「あったりまえだろうが サイジェントの勇者様はそんなのがいいって言ってたか?
てめぇの親父はどうだ?」
プラティ
「そうだよね… 間違ってるよね」
ラショウ
「あいつは勘違いをしてるんだよ
勇者ができるのに方法や法則なんかねぇんだ
求めるものでもなければ与えられるもんでもねぇ わかるか?」
プラティ
「ちょっと… わかんないかも」
ラショウ
「まあゆっくり考えな てめぇにはまだくさるほど時間があるんだ
それにてめぇはめぐまれてるんだぜ」
プラティ
「どうして?」
ラショウ
「勇者にはなれなくても… 努力なしで もう勇者の息子ではあるわけだ
そんだけで期待される
サクロもリンドウも シンテツの子供ってだけで てめぇに期待してるだろうよ?
ルマリにも期待してもらえないウレクサには それが許せなかったのかもな」
プラティ
「ねえラショウ… やっぱりちょっといまのわたしにはムズカシイかも」
ラショウ
「わかんなくてもいいって言ってんだろ?
いまはとにかくシンテツを超えることだけ考えてな」
プラティ
「あ…うん… そうする」

第9話

ラショウ
「どうしたよ しけたツラしやがって?」
プラティ
「こっちがききたいよ… どうしてラショウは平気なわけ?
ルベーテさんが鍛聖の人たちを裏切ってたりしてたのに 平気なの?
ウレクサさんだって ルベーテさんのせいで…」
ラショウ
「それは違うぜ」
プラティ
「何が?」
ラショウ
「ウレクサは悪くない そう言いたいのか?
ウレクサはルマリのためにやれることをしただけだと そう言いたいんだな?
だとしたらそれは甘いぜ」
プラティ
「そうだよ! だってウレクサさんは ルマリさんのために…」
ラショウ
「勘違いするんじゃねぇよ ウレクサは悪いんだ それを忘れるなってこった
悪いことをしたが… それでも憎みきれない …それならわかるけどな」
プラティ
「そっか… うん… ラショウの言う通りだよ…」
ラショウ
「あのなぁ… いまごろヴァリラのヤツはもっと悩んでるはずだぜ
なんたってあいつは 自分の親父がルベーテの手助けをしてたんだからな
悩みっぷりもてめぇの比じゃねぇだろうよ?」
プラティ
「…ラショウって案外みんなのこと心配してるんだね…」
ラショウ
「ああん? そんなことねぇよ
… ハッ! …みんないい気味だぜ!」
プラティ
「ウソばっか… 本当はやさしいくせに」
ラショウ
「うるせえ! オレ様は鬼王だぜ! やさしいわけがあるかよ!」
プラティ
「そんなことないよ やさしいよ?」
ラショウ
「…まったくよ やっぱりてめぇといると調子狂うぜ…
準決勝の前に気合いを入れ直す必要があるな…
…ふふん 決めたぜ…」
プラティ
「何?」
ラショウ
「なんでもねぇよ」

デートイベント

ラショウ
「こっちは準備完了だ! 出かけるぞプラティ!」
プラティ
「え?…なんかあったっけ、今日」
ラショウ
「約束しただろうがよ、昨日!」
プラティ
「…? そうだっけ?」
ラショウ
「したんだよ!」
プラティ
「はいはい… わかりましたよ~
…ねぇねぇ で、どこ行くの?」
ラショウ
「いいじゃねぇかよ」
プラティ
「よくないよ… もうすぐ準決勝でしょ…」
ラショウ
「そうだな…
ところでプラティ てめぇはシンテツのようになりたいって言うが
あいつの何を目標にしてるんだ?」
プラティ
「え… わたしが目標にしてるパパ…」
  • みんなに尊敬されてるところ
    プラティ
    「みんなに尊敬されてるよね 勇者とか英雄とか… そういうところかな?
    わたしもみんなに尊敬されるような鍛聖になりたいな…って」
    ラショウ
    「…わかってねぇな シンテツは尊敬されるために鍛聖になったわけじゃ…」
    プラティ
    「…何?」
    ラショウ
    「まあいいじゃねぇか それよりも行くぜ」
  • 武器を作る腕
    プラティ
    「やっぱり鍛冶師だもんね あんな武器が作れたらって思うよね」
    ラショウ
    「…そうだな
    だがな… おまえが知ってるシンテツの武器は あの3本の剣だけだろうよ?」
    プラティ
    「そういえば…」
    ラショウ
    「まあ当然だな シンテツはしまっておくために武器をきたえてたわけじゃねぇ
    あの3本の剣以外は全部誰かが使ってるはずだ」
    プラティ
    「そっか 使うための武器だもんね」
    ラショウ
    「まあ…飾るための武器ってのを作ってるヤツもいるけどな
    そのあたりはそれぞれだが どいつも誰かに持ってもらうために武器を作ってるのさ」
  • パパってところ
    プラティ
    「パパをめざすのは パパがわたしのパパだからだよ」
    ラショウ
    「ほう? どういう意味だそりゃ」
    プラティ
    「言葉通りなんだけど…」
    ラショウ
    「そうかよ… …まぁ、そうだろうな まったく、てめぇらしいぜ」
プラティ
「う~ん… 結局どこへ行くの?」
ラショウ
「いいからついてこいって」
  • わかったよ
    プラティ
    「わかったよ 行きますよ」
    ラショウ
    「おう」
  • ちょっと準備が
    プラティ
    「ちょっと待ってよ」
    ラショウ
    「仕方ねぇなあ…」
    (話しかける)
    ラショウ
    「準備できたか? 早く行こうぜぇ…」
    • 行こう
      プラティ
      「わかったよ 行きますよ」
      ラショウ
      「おう」
    • ちょっと待って!
      ラショウ
      「仕方ねぇなあ…」
(中央工城二階広間)
プラティ
「ねえラショウ 止められなかったからって勝手に入ってもいいの?」
ラショウ
「いいわけねぇだろ?」
プラティ
「じゃあ帰ろうよ しかられちゃうよ!」
ラショウ
「おいプラティ 今回のトーナメントの開会式 おぼえてるか?」
プラティ
「うん…
ラショウと会う前だったね… すごい昔のような気がするよ…」
ラショウ
「…ふ
なあプラティ 開会式の時にいた連中はみんな鍛聖のヤツを見ていたはずだ
想像できるか? その場にいた全員がお前に注目しているところを…」
プラティ
「…
なんかキンチョーするよ…」
ラショウ
「そいつがシンテツの見ていた景色だ」
プラティ
「…ラショウ?」
ラショウ
「いいかプラティ てめぇはシンテツを目標だって言うが 本当のところは何も知らねぇ」
プラティ
「うん…」
ラショウ
「教えてやるよ てめぇがシンテツの何を目標にするべきなのか」
プラティ
「うん!」
ラショウ
「……いいか」
プラティ
「…(ゴクリ…)」
ラショウ
「プラティ…てめぇは王になれ…」
プラティ
「はぁ? いきなり何言ってるの?」
ラショウ
「そのものズバリ、だぜ シンテツをめざすなら てめぇは王になれ…」
プラティ
「わたし…女の子だよ?」
ラショウ
「女でも王だ 男も女も変わらねぇよ
いいか…あいつがすごかったのは 剣をきたえる腕でも、戦う技術でも ましてや英雄だったからでもネェ
あいつは王なのさ だからみんながあいつを慕う
ゴケイ山の鬼王ラショウが言うんだ 間違いねぇ」
プラティ
「ちょっとわからないよ…」
ラショウ
「そうだな… シンテツは剣を残していなくなったが それは誰のためだった?」
  • 大事な人のため
    プラティ
    「大事な人たちのため?」
    ラショウ
    「そうだ…だがな… あいつにとっての大切なものってのは
    なにもアマリエ様やプラティ てめえだけじゃねぇ 
    あいつはな、てめぇやアマリエ様のこれから出会うすべてをまもりたいって思ったのさ」
  • ワイスタァンのため
    プラティ
    「ワイスタァンをまもるためでしょ?」
    ラショウ
    「あたり…だがはずれだ」
    プラティ
    「どういうこと?」
    ラショウ
    「あいつはただワイスタァンをまもりたかったんじゃねぇ
    大事な鍛聖の仲間やアマリエ様や てめぇや… あいつを慕う街のやつら
    そのすべてがあいつにとっては大切なものなのさ
    つまりは街じゃなくて 街に住む人々をまもりたかったってわけだ」
ラショウ
「つまりだ あいつはほかの連中よりも まもりたいものが大きかったんだよ
シンテツのやつが王だってのはそういうことさ」
プラティ
「街のみんなが大切な人… そっか…
ねえラショウ… ラショウも鬼の王なんだよね じゃあラショウも…」
  • ふるさとの仲間は大切?
    プラティ
    「ラショウもやっぱり ゴケイ山の仲間は大切?」
    ラショウ
    「んあ?…オレ様は鬼の王だぜ 仲間だろうがなんだろうが 大切なんて気持ちはねぇ」
    プラティ
    「ホントに?」
    ラショウ
    「ったりまぇだろうが!」
    プラティ
    「だってラショウは王様だからパパの気持ちがわかるんだよね?」
    ラショウ
    「それとこれとは話が別だ!」
    プラティ
    「本当にゴケイ山に置いてきた鬼の人たちが心配じゃないの?」
    ラショウ
    「……
    ……
    …別に心配じゃネェよ」
    プラティ
    「ムリしちゃって わたし知ってるよ
    本当はラショウ とってもやさしいって」
    ラショウ
    「な… …うるせぇよ
    それにな、オレ様の部下はオレ様がいなくても心配なんかねぇんだよ
    てめぇら人間なんぞといっしょにするな」
    プラティ
    「ラショウは人間がキライ?」
    ラショウ
    「あったりまえだぜ 人間なんざザコよザコ!」
  • ワイスタァンの人は大切?
    プラティ
    「ラショウはワイスタァンのみんなのこと…大切?」
    ラショウ
    「おいおい、オレ様は鬼だぜ? 人間の街がどうなろうが知ったことかよ」
    プラティ
    「本当に?」
    ラショウ
    「何度も言わせるなよ」
プラティ
「そっか…」
ラショウ
「…」
プラティ
「そうだよね ラショウは鬼なんだもんね… 人間のことなんか関係ないよね」
ラショウ
「……
…あー、悪かったよ! あのなぁじゃあてめぇはどうなんだ?」
プラティ
「え…わたし? みんな大好きだし大事だよ あたりまえじゃない」
ラショウ
「あのな…
シンテツとオレ様は これ以上ないくらいの親友どうしだったワケよ…
そのシンテツが何よりも大事にしてたてめぇやアマリエ様が大好きな街なんだろうがよ、ここは
オレ様が召喚されたのは ただ剣をきたえるためだけじゃねぇ
てめぇらと、てめぇらの大事なものをまもるためなんだよ…
てめぇらの好きなものを オレ様が嫌いなわけねぇだろうが…」
プラティ
「…ありがと、ラショウ」
ラショウ
「それにだな… シンテツと約束したんだよ てめぇの娘はまもるってな…
それがおまえ… どんどんアマリエ様に似てきやがるから…」
プラティ
「お母さんに似てるから?」
ラショウ
「………… かーッ!やってられねぇぜ! まったくよ!
とにかく、てめぇは王をめざせ! オレ様のご主人サマだ 王になれねぇワケがねぇんだ!」
プラティ
「ホント?! ありがとう、ラショウ!」
ラショウ
「いいから、それ以上礼とかいうんじゃねぇよ こっぱずかしい…」
プラティ
「テレてるの?」
ラショウ
「うるせぇよ!」
プラティ
「あ、そうだ… そういえばひとつだけききたいことがあったんだ…
ラショウはなんでお母さんにだけ敬語を使うの?」
ラショウ
「……だよ」
プラティ
「え…? きこえなかったよ?」
ラショウ
「オレ様が昔つかえてた召喚師の女に似てるんだよ…」
プラティ
「え…それだけ?」
ラショウ
「ああ…そっから先はヒミツだ」

エンディング

ラショウ
「よお…そろそろ実感がわいてきたんじゃねぇのか? え、黒鉄の鍛聖サマよ?」
プラティ
「まだまだって感じかな もっと覚えなくちゃいけないこといっぱいあるし…
でもね…このあいだコウレンさんやリンドウさんに そしつあるって、ほめられちゃった!」
ラショウ
「そうか よかったじゃねぇかよ これなら安心、だな」
プラティ
「えへへ… あのさ、ラショウってさ… パパみたいだよね?」
ラショウ
「はぁ? 何言ってんだよ? いきなり」
プラティ
「そりゃ口は悪いし性格はサイテーだけど
でも…誰よりもわたしのこと心配してくれるし…」
ラショウ
「まぁな… だがシンテツとの約束も終わったし… もう心配することもねぇ
オレ様はシルターンのゴケイ山に帰らせてもらうことにするぜ」
プラティ
「ええ!? ラショウ、帰っちゃうの?」
ラショウ
「あたりまえだろうが オレ様はシルターン ゴケイ山の鬼王だぜ?
山のヤツらがオレ様の帰りを待ってるんだよ」
プラティ
「そっか… さみしくなっちゃうね…」
ラショウ
「なんだ、さみしいのかよ? その歳でまだひとりぼっちがこわいのか?」
プラティ
「そんなんじゃないよ ラショウのいじわる!」
ラショウ
「まったく…しょうがねぇな
まぁ、てめぇが一人前になるまでは こっちにいてやるかな?」
プラティ
「本当に?」
ラショウ
「おう、鬼王はウソはつかねぇよ」
プラティ
「ありがと…」
ラショウ
「けど、オレ様もこんだけこっちにいて
ヨメのひとりもつれて帰れねぇとあっちゃ 向こうで笑いものになっちまうなぁ…」
プラティ
「あはは! ラショウのおヨメさんになれる人をさがすなんて
わたしが王様になるより大変だね!」
ラショウ
「どういうことだ、そりゃ?」
プラティ
「ほら、すぐ怒る~
そんなラショウの相手ができる人 わたし以外にいるのかな~」
ラショウ
「まったくよぉ…こいつは いっちょまえのこと言うようになりやがって…」

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