【夜会話】サクロ(クリュウVer.)

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不断様

第4話

サクロ
「どうした ここは時間外は入城禁止だ」
クリュウ
「ごめんなさい・・・」
サクロ
「いや、いい それよりも
よくやったな 完璧とはとても言わないが・・・
あの双子によく勝つことができた・・・ ほめるに値する」
クリュウ
「ありがとうございます
でももう4試合目なのに・・・ ただ勝つことしか考えられなくて
ラジィなんか花をいっぱいにしたいって夢があって・・・
サナレなんか女の子のこと世間に認めてもらうんだって・・・
僕は・・・ みんなの夢をかなえてあげることしか目標がなくて・・・
なんか自分がないみたいな気がするんです」
サクロ
「・・・シンテツ師のようなことを言うんだな・・・」
クリュウ
「え?」
サクロ
「そのままだ
シンテツ師もいなくなる直前までそんなことを言っていた
さすがはシンテツ師の子か・・・
(みんなの夢をかなえるのが夢 そのすごさに本人が気が付かんのだな)」
クリュウ
「??? どうしたんですかサクロさん」
サクロ
「いや ひとりごとだ
ところで なぜこんな時間にここに来た? それをききそびれていたのだが」
クリュウ
「あ、はい・・・
今回はサクロさんが指導してくれたけど
次の相手はもっと手強いんじゃないかって・・・ それでまた・・・」
サクロ
「だめだな・・・
これ以上はただの肩入れになってしまうよ
まあ心配しなくても君に肩入れしたがっている鍛聖はほかにもいる
そのうち向こうから声がかかるさ・・・ じゃあ僕は帰るよ」
クリュウ
「あ・・・ありがとうございました!」

第5話

サクロ
「君か・・・ 時間外の入城は禁止だ
だが特別に許そう」
クリュウ
「えと・・・ごめんなさい」
サクロ
「あやまることはない 許そうと言っている
それよりも今日のことだ すまなかったと思っている」
クリュウ
「えと・・・ごめんなさい? なんのことですか」
サクロ
「デグレアの兵士に君をけしかけた
僕は調子に乗った そういうことだ」
クリュウ
「別に気にしてません それよりもやっぱり鍛聖の人って強いんですね・・・」
サクロ
「それは僕とリンドウ師のことを言っているのかな?」
クリュウ
「はい」
サクロ
「ふむ・・・ 今日のあれではわからないと思うのだが
ああいった連中ならいくら相手にしても肩慣らしにもならない
本来はリンドウ師だけで片が付いたのだが
つまり 僕はいらぬおせっかいをやいたことになる」
クリュウ
「(・・・すごいなぁ きっと今日の10倍くらいいてもふたりで勝てちゃうんだろうな)」
サクロ
「実際・・・人間を相手にするなら何十人が相手でも同じなのだが 国が相手だと話が変わる・・・
今日のデグレアの連中・・・ 不法入国をして鍛聖に剣を向けて暴れた・・・
これは立派な宣戦布告だ・・・ さて・・・どうしたものか」
クリュウ
「むずかしい話はちょっと・・・」
サクロ
「おいおい
鍛聖になるということはこれをなんとかしなくちゃいけないってことだ」
クリュウ
「・・・責任重大ですね」
サクロ
「重大だ だがその分やりがいもある
はや勝ち上がって来て鍛聖になりたまえ リンドウ師も待っている」
クリュウ
「あ・・・はい!」

第6話

サクロ
「つまり知りたいのは剣がなぜ作られたのかとなぜデグレアが狙っているのか
このふたつというわけだ」
クリュウ
「はい サクロさんなら知ってますよね」
サクロ
「ああ・・・ だが リンドウ師たちほどではない」
クリュウ
「教えてください!」
サクロ
「君がどこまできいたのか それを知る義務が僕にはある」
クリュウ
「そうですね・・・
まず剣が3本あること それから剣は何かを封印するためのものってこと
剣を作ったのが父だということ・・・
デグレアが剣を狙っていること・・・ これくらいですけど」
サクロ
「そうか なら僕が話すことはほとんどないよ ここから先は鍛聖しか知らないことだ」
クリュウ
「そんな・・・」
サクロ
「そうだな・・・たとえばだが
この町の地下にある聖殿に武器をささげるのが我々鍛聖の仕事だが・・・
もしもそいつが魔王だったら? それを僕は君に話せると思うかい?」
クリュウ
「無理ですね・・・」
サクロ
「そういうことさ 人は知っていれば全てを話せるわけじゃない」
クリュウ
「・・・わかる気がします 僕の父さんも鍛聖だったから・・・
だから父さんのしたことでも僕に話せない場合もあるんですね・・・」
サクロ
「そうだ 知りたかったら鍛聖になりたまえ 僕は君を待っている」
クリュウ
「はい!」

第7話

サクロ
「やあ」
クリュウ
「サクロさん あの・・・」
サクロ
「ここは立入禁止だと前にも言った 知っていて来たのか?」
クリュウ
「ごめんなさい」
サクロ
「冗談だ」
クリュウ
「え?・・・ジョーダン?」
サクロ
「分からないか? 冗談というのはだ・・・」
クリュウ
「あ、いえ・・・ 冗談の意味の説明ならいいです」
サクロ
「そうか せっかく説明しようと思ったのだが・・・
ウレクサなど『辞書で調べろ』でお終いだ それにくらべれば親切だと思うが」
クリュウ
「・・・」
サクロ
「どうした? ウレクサの名が出たとたんにふさぎ込んだような顔だが?」
クリュウ
「何もきいていませんか? サクロさんとウレクサさんは鍛聖同士ですよね」
サクロ
「その通りだ しかし、きこうにもウレクサがカグロ火山から帰っていなくてね
いっしょに火山に行った君の報告を待つしかないのが現状だ」
クリュウ
「あ・・・ええと・・・」
サクロ
「言いづらいなら言わなくてもいいよ
僕らもさすがにウレクサが何をしているかくらいは知っているからね
・・・信じられないかもしれないがウレクサと僕はこれでも仲がよくてね」
クリュウ
「え?」
サクロ
「性格がまるで違うからだろうね そういうのは意外と気が合う」
クリュウ
「そういうものですか?」
サクロ
「そういうものさ ・・・ところで君は知っているかい?
意外なのだが・・・僕と君は性格がまるで違う」
クリュウ
「はあ・・・それは はじめっからそうなんじゃ・・・」
サクロ
「君は鋭いな」
クリュウ
「冗談ですか?」
サクロ
「冗談だ」
クリュウ
「・・・なんかごまかされていませんか?」
サクロ
「そうでもないよ 安心したまえ」
クリュウ
「・・・う~ん」

第8話

クリュウ
「あ・・・サクロさん」
サクロ
「やあクリュウくん そろそろ来るころだと思っていたよ」
クリュウ
「(サクロさん なんだかすごくつかれてるような・・・)」
サクロ
「クリュウくん・・・ ウレクサは最後に何を言っていたかな」
クリュウ
「はい・・・ええと・・・
勇者とは何を成したかではない 何のために生き 何のために死んだかで決まる
そんなことだったと思います」
サクロ
「そうか」
クリュウ
「・・・」
サクロ
「・・・」
クリュウ
「・・・あの、サクロさん?」
サクロ
「ウレクサらしい そう思っていた だがやはり間違っている
勇者という呼び名は客観的なものであって主観が決めるものではない」
クリュウ
「どういう意味ですか?」
サクロ
「辞書をひきたまえ
・・・ウレクサならこう言うだろうな」
クリュウ
「あ、ごめんなさい」
サクロ
「あやまることはない ・・・ つまりだ・・・
勇者かどうかは自分ではなくて、ほかの誰かが決めることだってことさ
悲しいことだが ウレクサはそこを間違えたままにいってしまった
いや・・・ そこを正してやれなかった僕たちの責任かもしれないな」
クリュウ
「そんな・・・」
サクロ
「すまないね これでも僕は怒ってるんだ」
クリュウ
「え・・・?」
サクロ
「そんなくだらないことで命を落としたウレクサと・・・
なによりもそんなウレクサをたきつけたルベーテ殿とデグレアにね・・・」
クリュウ
「サクロさん・・・」

第9話

サクロ
「クリュウくんか・・・」
クリュウ
「サクロさん やっぱりいたんですね・・」
サクロ
「いた、というのは正しくない いる、というべきだろうね」
クリュウ
「細かい・・・」
サクロ
「そうかな? そうだな、それはともかくとして礼を言っておく
ありがとう」
クリュウ
「えっと・・・ それはウレクサさんの・・・ことですか?」
サクロ
「そうだ
君とヴァリラくんはウレクサのことを悪く言ったルベーテ殿に怒ってくれた
ウレクサのことを悪くいうなと言ってくれた
それが嬉しい」
クリュウ
「そんな・・・ ただ思ったままに言っただけで・・・
僕・・・ウレクサさんのしたことは間違ってると思うんです
でも・・・」
サクロ
「でも・・・?」
クリュウ
「ウレクサさんはお姉さんの・・・ルマリさんのためにいっしょけんめいでした
それをほかの人が間違っているというのはしかたないけど
だからってウレクサさんを悪く言うのは許せないんです」
サクロ
「やはり君は僕は見込んだとおりの少年だ」
クリュウ
「そそそ・・・ そんなことないですよ!」
サクロ
「照れることはない 本当のことだ
そして僕は・・・ 僕にしてはめずらしく礼をしたい気分なのだが」
クリュウ
「いえ・・・ お礼ならさっき言ってもらったし・・・」
サクロ
「そうではない
・・・いいだろう 話してわからないなら実力行使あるのみだな
悪いが明日 僕に付き合ってもらう
君の工房へむかえに行くから準備をしておくように ・・・以上だ」
クリュウ
「あの・・・サクロさん?」

デートイベント

クリュウ
「・・・と、いうわけでサクロさんに呼ばれてるんだ・・・」
サクロ
「さて、クリュウくん 準備はいいかね?」
  • すぐ行きます
    クリュウ
    「じゃあ行ってくるよザンテック/ラショウ/シュガレット/クッティ」
    サクロ
    「急ぐぞ、クリュウくん」
  • ちょっと待ってください
    クリュウ
    「すいません ちょっと待ってください」
    サクロ
    「わかった 早くしたまえ」
    (サクロ、入口で待つ)
    サクロ
    「準備はいいか?」
    • はい!行きましょう
      クリュウ
      「じゃあ行ってくるよ ザンテック/ラショウ/シュガレット/クッティ」
      サクロ
      「急ぐぞ、クリュウくん」
    • ちょっと待ってください
      サクロ
      「わかった 早くしたまえ」
(港へ)
サクロ
「さて ちょっと遠出をするぞ」
クリュウ
「え? どこ行くんですか?」
サクロ
「とてもキレイな貝殻がたくさんある所さ
そう、今日の行き先はそれとして・・・ クリュウくん 旅に出る気はないかな?」
クリュウ
「旅・・・ですか?」
サクロ
「そう、世界をあてもなくただいろいろなことを知るためだけに旅をするんだ
若き日のシンテツ師がそうしたように」
クリュウ
「父さんが・・・旅を・・・ 知りませんでした?」
  • なんのために旅を?
    クリュウ
    「なんのために、旅なんか・・・」
    サクロ
    「シンテツ師は言っていた 広い世界を少しでもたくさん見たい・・・そのための旅だったと
    誰が、どんな人々が自分のきたえた武器を持つのか どう、自分の武器が使われるのか
    ・・・そして自分の武器に何ができるのか・・・ それを知るための旅だったと」
    クリュウ
    「自分の武器に何ができるのか・・・」
    サクロ
    「そのために少しでも多くのことを知らなければならない だから旅をしたのだそうだ
    話したかな?・・・僕はすこし遠い国の生まれでね・・・シンテツ師に旅の帰り道で拾われたんだ
    両親はすでに病に倒れていて・・・ 僕は盗賊に命を奪われる直前だったらしい
    実はそのとき、僕も病でもうろうとしていてよく覚えてはいないんだが・・・
    そうだな・・・覚えているのは雨が降っていたことくらいなのだが
    でも・・・今の僕がいるのはシンテツ師と、彼の鍛えた武器があったからなんだ・・・
    だから・・・僕はしばらくしたら鍛聖の座を返上して旅に出ようと思う
    はじめはシンテツ師が通った道をたどって・・・ 僕の故郷へ・・・
    そして、そこからは自分だけの旅をするんだ
    この都にいる 自分にしかできないことがあるように
    旅の空の下・・・そこにいる自分の剣にしかできないことがあるはずなんだ
    それを探しに行きたい」
  • どういう旅だったんですか?
    クリュウ
    「どんな旅だったんですか?」
    サクロ
    「5年間・・・だったそうだ さまざまな国を自分の足で歩いて大陸の外へも足を運んだらしい
    命を落としかかったり 戦いや・・・恋もしたそうだ
    ときには鍛冶師として戦争に参加してそこで・・・
    誰が、どんな人々が自分のきたえた武器を持ち どう、自分の武器が使われるのか
    ・・・そして自分の武器には一体何ができるのか それを知るための旅になったそうだ」
    クリュウ
    「自分の武器にできることを知るための旅・・・」
    サクロ
    「そうだ・・・そしてその旅の途中で両親をなくして路頭に迷っていた僕はシンテツ師に助けられた
    だから僕の命も 鍛冶師としての僕も 鍛聖としての僕も
    シンテツ師と・・・シンテツ師の剣に救われ、生かされている そういっても過言ではない
    だから・・・僕はしばらくしたら鍛聖の座を返上して旅に出ようと思う
    はじめはシンテツ師が通った道をたどって・・・僕の故郷へ・・・
    そして、そこからは自分だけの旅をするんだ
    この都にいる 自分にしかできないことがあるように
    旅の空の下・・・そこにいる自分の剣にしかできないことがあるはずなんだ
    それを探しに行きたい」
クリュウ
「サクロさん・・・」
サクロ
「どうかな? できればそのたびの空の下 となりに君がいれば最高なんだが」
  • でも鍛聖になる夢が・・・
    クリュウ
    「でも・・・
    僕の夢は鍛聖になることで まずはこの大会に優勝することなんです・・・
    だから・・・」
  • よくわかりません
    クリュウ
    「ごめんなさいサクロさん まだ・・・よくわかりません」
  • 絶対行きます!
    クリュウ
    「行きます!絶対!」
    サクロ
    「ありがとう、でも もう少しだけしっかりと考えてみてほしい
    最後に決めるのは君だがここに残されていく大切な人たちのこともしっかりとね」
    クリュウ
    「・・・そうですね・・・」
サクロ
「今はそれでいいんだ・・・ 決めるのは旅立つときでいい」
クリュウ
「サクロさんは・・・もう決めてるんですか?」
サクロ
「ああ、僕はもう決めてる いつ戻ってくるかはわからないけれど広い世界を見てくるよ」
クリュウ
「でも・・・」
役人
「サクロさま~!」
(役人、走ってくる)
サクロ
「・・・ふぅ とんだジャマが入ったようだ・・・
書類247通程度 帰ってから処理すると言っておいたはずだが・・・」
クリュウ
「(サクロさん すごくいそがしいんじゃ・・・)」
役人
「書類の話ではなく サクロさま・・・ 少し問題が発生しまして・・・
・・・」
サクロ
「そうか・・・
しかたない すぐ戻る!」
役人
「は!」
(役人、帰る)
サクロ
「本当にすまない クリュウくん・・・
今日は君にプレゼントをしたかったのだが・・・」
クリュウ
「プレゼント?」
サクロ
「貝殻細工だ 僕の手作りだがみごとなものだぞ
実は趣味でね 腕輪を予定していたのだが・・・」
クリュウ
「へえ・・・ 器用なんですね」
サクロ
「今はちょっといそがしいが問題を片付けたら必ずプレゼントさせてもらうよ・・・
君には悪いが その時は必ず付き合ってもらう」
クリュウ
「あ! はい!」
サクロ
「ではクリュウくん 準決勝と決勝 決して気を抜かずに戦い抜きたまえ
健闘を祈っている」

エンディング

サクロ
「どうだいクリュウくん 黒鉄の鍛聖になった感想は・・・」
クリュウ
「まだまだって感じです もっと覚えなくちゃいけないこといっぱいあるし・・・
毎日が修行のつづきみたいで・・・」
サクロ
「ははは・・・そうか 君らしいな さて・・・そろそろ僕は旅の準備に取りかかろうと思うが君はどうする?」
クリュウ
「・・・・・・
・・・ごめんなさい、サクロさん やっぱりいっしょに旅には行けません
僕にはまだ・・・ 剣の都でやることがあります 鍛聖として、鍛冶師としても・・・」
サクロ
「そうか やはりふられてしまったな」
クリュウ
「ごめんなさい・・・ 父さんがまもりたかったこの剣の都をまもって・・・
みんなの夢をひとつでも多くかなえたいんです」
サクロ
「問題はない いや 満点だ」
クリュウ
「え・・・」
サクロ
「こうなることは予測のうちだ
本当は青玉の鍛聖を君にゆずって旅に出たかったのだが
君にはやはり 黒鉄の鍛聖がよく似合うようだ
それに・・・君もいつか旅に出るだろう
若き日のシンテツ師がそうしたように・・・」
クリュウ
「父さんが旅したように・・・」
サクロ
「その通りだ クリュウくん 僕は君を待とう
この広い空の下 旅の大地のどこかで成長した君に会える日を・・・」

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