凪愛クロウ様
- リシェル
- 「ねえ、ポムニットはどこにいるのよ!?」
- フェア
- 「リシェル!?あなた、どうしてこんな時間に?」
- ルシアン
- 「心配でたまらなくなって、お屋敷を抜け出してきたんだ」
- フェア
- 「ルシアンまで・・・」
- リシェル
- 「いいから、早くポムニットに会わせてよ!
今になって、あたしようやくわかったの
自分の言ったことがどれだけひどいものだったのかを・・・
あの子は、あたしを助けようと、あんな姿になったのに
なのに、あたしはそれ見て、バケモノだなんて・・・っ」 - ルシアン
- 「ねえさん・・・」
- フェア
- 「仕方ないよあの時は、わたしもびびってたし
あなたが取り乱したのだって、無理も・・・」 - リシェル
- 「でも、でも・・・っあたしは、あの子を絶対に傷つけた!!
いいわけを並べてもそれは、消えない!」 - フェア
- 「・・・っ」
- ルシアン
- 「だから、今すぐにポムニットさんと話がしたいんだよ
ちゃんと話をして謝らなくちゃ、先に進めなくなるから」 - フェア
- 「うん、わかった今呼んでくるよ」
- アルバ
- 「ダメだ・・・店の中には、どこにも見あたらない・・・」
- リビエル
- 「中庭にもいませんわ!」
- リシェル
- 「そんな・・・」
- セイロン
- 「あの姿のままで外に出て行ったというのか・・・」
- シンゲン
- 「町の人々に知れたらそれこそ、大騒ぎになりかねませんよ」
- ルシアン
- 「とにかく、急いで見つけなくちゃ!
アルバ、悪いけどグラッドさんの所に知らせにいって」 - アルバ
- 「わかった!」
- リビエル
- 「じゃあ、私はミントのところへ
知らせ終わったらアロエリにも頼んで空から探してみます」 - ルシアン
- 「うん、お願い
僕はいったん帰って
戻っているかどうか確かめてくるから」 - セイロン
- 「では、我は町の周囲を」
- シンゲン
- 「つきあいましょう いくら貴方でも一人歩きは危険だ
夜ははぐれたちの時間ですしね」 - セイロン
- 「心づかい、感謝する
御子殿も、ご同行いただけますか?
彼女の魔力を探してほしいのです」 - ミルリーフ
- 「ピギッ!」
- フェア
- 「じゃあ、わたしも一緒に・・・」
- シンゲン
- 「御主人はここに残ってください」
- フェア
- 「でも・・・」
- シンゲン
- 「全員が留守にするわけにも、いかんでしょう
それに、今の彼女を一人にしておくのはかわいそうですよ」 - リシェル
- 「・・・・・・」
- フェア
- 「うん・・・みんな、お願いね」
- セイロン
- 「心得た!!」
- フェア
- 「ほら、リシェル家の中に入ろ?」
- リシェル
- 「うん・・・」
- フェア
- 「そっちに座ってちょっと待ってて
なにか、あったかい飲み物でも作って・・・
!?」 - リシェル
- 「・・・どうしたの?」
- フェア
- 「ポムニットさんの置き手紙だ・・・」
- リシェル
- 「え!?」
- 置き場所に迷って、結局、こんな場所に置いちゃいました
働き者の貴方ならきっと、朝になれば見つけてくれるはず
その時には、もうわたくしはここにはいませんけど・・・
遠くに行こうって思っています
わたくしはもうみなさんと一緒にはいられませんから
約束を破って、封印をといてしまった以上は
多分、わたくしは人間の姿に戻れはしないでしょう
優しいみなさんはきっと気にするなって、言ってくださるのでしょうね
でも、ダメです だって・・・
わたくしの能力は他人の命を、無差別に奪いとってしまうから
そのせいで、お母さんは死んじゃったから・・・
あんなにも悲しい思いはもう、二度としたくない・・・
だから、黙ってさよならします
ごめんなさい
それから、ありがとう
みなさんと過ごした思い出は、わたくしの大切な宝物です・・・
おぼっちゃま・・・どうか、自信をもって胸をはってくださいまし
貴方なら、きっとご自分の力で、夢をかなえられますから
おじょうさま・・・
ごめんなさい・・・ずっと、だますような真似をしてしまって
こわらがせてしまって
どうか、お幸せに
わたくしはそれだけを心から願っております
ずっと、ずっと・・・ - リシェル
- 「やだぁ・・・っやだよぉ、こんなっこんなの・・・っ
うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」 - フェア
- 「リシェル・・・」
- リシェル
- 「あたしが悪いのよっ!あやまら、なくっちゃいけないのは・・・
あたしのほうなのに!なのに、なんで・・・う、うああ・・・っ」 - フェア
- 「・・・・・・」
- リシェル
- 「ポムニット・・・っポムニット・・・っ
ポムニットぉーっ!!」 - (ルシアン)
それっきり・・・ポムニットさんは僕たちの前から
姿を消して・・・しまったんだ・・・
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